092. ビフォー・アフター

Q:「住まいの修繕の先送りは禁物」「価値劣化で負動産リスク」とは?
 国は住まいの適切な維持・管理を後押しするため「老後に備えるリフォーム(バリアフリー等)」「省エネリフォーム」「耐震リフォーム」などへの補助金や税制特例を多く用意している(「所得税優遇制度」「固定資産税減額制度」「補助や融資等の公的支援制度」等)
 しかし 支援対象は耐震性や省エネ性など住宅品質の向上につながるリフォームが中心で 「老朽化による雨漏りの修繕などで支援を受けられるかはわからない」・・・どのように対策したらいいでしょう?


■ リフォーム支援制度

 

国の事業を調べるには
「住宅リフォームの支援制度」(国土交通省)


 制 度(例)  内 容
住宅省エネ2024キャンペーン ①子育てエコホーム支援事業
※リフォームについては、子育て世帯・若者夫婦世帯以外も対象
②先進的窓リノベ2024事業
③給湯省エネ2024事業
④賃貸集合給湯省エネ2024事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業 ・既存住宅の長寿命化や省エネ化等に資する性能向上リフォーム、子育て世帯向け 改修等に対する支援
・耐震性・劣化対策・省エネ性など基準を満たすことが条件 ・工事前にインスペクション(建物状況調査)が必要
住宅エコリフォーム推進事業 ・既存住宅の省エネ性能をZEHレベルまで高めるリフォームを支援
次世代省エネ建材の実証支援事業 ・工期短縮可能な高性能断熱材や、快適性向上にも資する蓄熱・調湿建材等の次世代省エネ建材の効果の実証を支援
既存住宅における断熱リフォーム支援事業 ・省エネ効果(15%以上)が見込まれる高性能建材(断熱材、ガラス、窓、玄関ドア)を用いた住宅の断熱リフォームを支援
子育て支援型共同住宅推進事業 ・分譲マンション及び賃貸住宅を対象とした、事故や防犯対策などの子供の安全・安心の確保に資する住宅の新築・改修等を支援
居宅介護住宅改修費給付(下記参照) ・介護保険にて 手すりの取り付け、段差の解消、階段の付け替えなど対象工事にかかる費用を支給 上限20万円(1割自己負担 20万円を超えた分は全額自己負担)
リフォーム瑕疵保険 ・工事に欠陥が見つかった場合 補修費用などが事業者に支払われる
リフォーム見積り相談制度 ・リフォーム業者から提示された見積書について 不要な項目がないかや費用が一般的な相場と比べて高すぎないかなど 専門家が点検
自治体ごとの制度 ・要介護認定等を受けていない65歳以上の高齢者等
・自治体が独自のリフォーム関連支援制度を設けている場合があります 

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〇 居宅介護住宅改修費給付 (公的介護保険を活用)
・対象「要介護」「要支援」の認定を受けた人
・内容 介護保険にて 手すりの取り付け、段差の解消、階段の付け替え、床材の変更(畳をフローリングなどに)、扉の取り換え(開き戸を引き戸や折り戸に変更など)など対象工事にかかる費用を支給 上限20万円(1割自己負担 20万円を超えた分は全額自己負担)転居したり 要介護度が3段階以上上がったりすると再度20万円の枠が使える
・手続きの流れ
① 事前にケアマネージャーもしくは地域包括支援センターに相談
・「承認前に工事を始めると給付を受けられない」
・工事を目的に要介護認定を得る人も珍しくない
・工事に慣れた施工業者を紹介してもらうと手続きはスムーズに進む
② 施工業者の選定・費用の見積もり
・市区町村の登録業者に頼めば 利用者が自己負担分だけ払う「受領委任払い」を選べるが 未登録だと(旧知の市外の業者に頼んだりすると)全額払って後から払い戻しを受ける「償還払い」が基本となる
③ 事前申請・承認
・改修内容 理由がわかる書類を市区町村に提出
・申請などは通常 ケアマネージャーや施工業者が代行する
・持ち家だけでなく賃貸住宅でも可能(いずれも持ち主の承認が必要)
④ 改修工事の施工 完了 支払い
・工事完了後は原則その家で暮らす(入院中に工事を終えたものの 帰宅せずに高齢者施設に入所したケースで 給付が受けられず 全額自己負担になることも)
・介護保険では 福祉用具の貸与もあり(置き型の手すりやスロープなど)工事との併用も可能(「いったん取り付けたら変更できない工事と違い 身体状況に合わせて用具を変えることができる」賃貸住宅では重宝)
・介護保険工事に上乗せして改修を考えるなら自治体独自の助成制度等も一案(下記表参照)
・「受領委任払い」の場合 改修費は施工業者に支給
⑤ 住宅改修費の支給申請(受領委任払いの場合)決定
・事後申請の場合


〇 自治体の事業を調べるには
→ 「住宅リフォーム支援制度検索サイト」(住宅リフォーム推進協議会)


補助制度の例 内容
家庭における熱の有効利用促進事業(高断熱窓・ドア) 高断熱窓・ドアへの改修の経費の一部を助成
雨水貯留タンク設置補助制度 雨水貯留タンクの購入・設置工事費用の一部を補助
家庭用生ゴミ処理装置等購入費助成制度 生ゴミ処理装置購入費用の一部を助成
生垣造成補助金交付事業 生垣設置費用およびブロック塀などの撤去費用の一部を補助
住宅・共同住宅用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成 省エネルギー機器などの購入・設置工事費用の一部を助成
移住促進奨励金 市区町村外からの移住者に住宅取得費用の一部を補助など


*住宅リフォーム税制の各種制度の併用の可否等 最新の情報については各地方公共団体にお問い合わせください
〇 様々な支援制度のどれを使えるかは ハウスメーカーや工務店が把握している 建築士が用意する書類等もあるため 建築・購入の計画段階から早めに相談しましょう
 住宅ローン控除・リフォーム減税・固定資産税の減額措置・リフォーム融資制度等 様々な住宅改修支援制度が用意されている(以下表を ご参照ください)

■ (リフォーム・増改築での)住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)


住宅ローン控除 ・令和4年1月1日〜令和7年12月31日までのあいだに居住し 一定の条件に当てはまること
・借入限度額:2.000万円 控除期間:10年 控除率:一律0.7% 控除額の合計は10年間で最大140万円(所得税から控除しきれなかった分は 住民税から控除 その際の上限額は 前年課税所得×5%で 最大97.500円)
主な適用条件 ① 自分が所有し 居住する家で行う増改築等であること(一定の修繕・模様替えの工事 バリアフリー改修工事 省エネ改修工事等)
② 対象となる工事費用から補助金等の額を引いた金額が100万円以上であること
③ 改修工事後の床面積が50㎡以上であること店舗併用住宅であっても床面積の1/2以上が自己の居住の用に供するものであること)
④ 増改築等の日から6ヶ月以内に入居し 12月31日まで引き続いて住んでいる事
⑤ 借入金の返済期間が10年以上であること銀行等からの借入金であること勤務先からの借入金である場合には年率0.2%以上であること)
⑥ 入居した年とその前後2年ずつの計5年間に 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていないこと
⑦ この特別控除を受ける年分の合計所得金額が 2.000万円以下であること



■ リフォーム減税制度(所得税の特別控除)


対象工事(リフォーム) 対象工事限度額 最大控除額(対象工事)
耐震 250万円 25万円
バリアフリー 200万円 20万円
省エネ 250万円(350万円) 25万円(35万円)
三世代同居 250万円 25万円
耐震+省エネ+耐久性向上(*) 500万円(600万円) 50万円(60万円)
耐震 or 省エネ+耐久性向上(*) 250万円(350万円) 25万円(35万円)
子育て 250万円 25万円

(*)は 長期優良住宅化工事
・控除率は 対象工事いずれも 10%
・対象工事限度額 / 最大控除額 の( )は 太陽光発電設備を設置する場合

対象工事 要件等
耐震 「耐震リフォーム(耐震改修)」
・1981年5月31日以前に建築された居住用の家屋についての 新耐震基準に適用させるための耐震改修
・窓の改修工事・床・天井・壁の断熱など 必須とされる対象工事限度額250万円までは 所得要件の制限はない
バリアフリー 「バリアフリーリフォーム(高齢者等居住改修工事等)」
・国内に居所のある個人で 以下のいずれかに該当する人
① 50才以上(工事完了後 居住した年の12月31日現在)
② 介護保険法の要介護または要支援の認定を受けている人
③ 所定の障害者
④ 65才以上の高齢者 または上記②もしくは③に該当する親族のいずれかと常に同居している人
省エネ 「省エネリフォーム(一般省エネ改修工事)」
・併せて所定の要件を満たす太陽光発電設備を設置する場合は 控除限度額が上乗せされる
三世代同居 「三世代同居リフォーム(三世代同居対応改修工事)」
・三世代同居を後押しするもので 調理室 浴室 便所 玄関のいずれかを増設する工事で 改修後に いずれか2つ以上が複数個所となる住宅
長期優良住宅化 「長期優良住宅化リフォーム(耐久性向上改修工事)」
・耐震リフォームまたは省エネリフォーム あるいは両方のリフォームを併せて居住用の家屋に耐久性向上改修工事等をして 既存住宅の長期優良住宅の認定を受けた場合
子育て 「子育て対応リフォーム」
・適用期間は 2024年のみ(4月1日~12月31日目まで)
・配偶者のどちらかが40才未満 または19才未満の扶養親族があること
・子どもの事故を防止するための手すり設置 対面式キッチンへの交換工事 床の防音性を高める工事等が対象

・リフォーム減税制度:2025年12月31日まで延長

〇 リフォーム減税制度 共通要件等
・いずれの工事も その年分の合計所得金額が 2.000万円以下が適用要件(ただし 一部耐震リフォームを除く )
・いずれの工事も 改修工事後の床面積が50㎡以上の自宅であることが適用要件(耐震リフォームを除く)
・住宅ローンの利用の有無を問わず 工事が完了した年の1年に限り所得税が控除される
・耐震改修・特定の改修工事で「工事費用相当額」の10%が所得税から控除
 「工事費用相当額」とは:その工事の種類ごとに単位当たりの標準的な費用を定め計算された金額のことで 実際にかかった工事費用ではない
 「最大の対象工事限度額」は 必須工事とその他のリフォーム工事とを合わせて合計1.000万円
 「工事費用の要件」として 耐震工事を除いて標準的な工事費用が50万円を超えていること(補助金の交付がある場合は その補助金の額を除いた金額)
・必須工事の「対象工事限度額」を超える部分や 対象工事と同時に行うその他のリフォーム工事についても 期限内に改修工事を完了し居住する場合には 工事費用相当額の5%が所得税額から控除
・住宅ローン控除とリフォーム減税(耐震改修を除く)は併用できない
・リフォーム減税の適用減税を受ける場合には 確定申告が必要



■工事翌年度の固定資産税の減額措置(*1)

2026年3月31日までの工事 減額割合
耐震リフォーム 1/2 を減額
バリアフリー 1/3 を減額
省エネリフォーム 1/3 を減額
長期優良住宅化(*2) 2/3 を減額

(*1)特に重要な避難路として自治体が指定する道路の沿道にある住宅について 耐震改修をした場合は2年間1/2を減額 耐震改修をして認定長期優良住宅に該当することとなった場合は翌年度2/3を減額 翌々年度1/2を減額
(*2)耐震改修または省エネ改修を行った住宅が認定長期優良住宅に該当することのなった場合
(*3)工事完了後 3ヶ月以内に 住宅のある市区町村に申告手続きを行うと 工事が完了した翌年度分の固定資産税が減額される 住宅ローン控除 / リフォーム減税制度 それぞれの要件を満たせば 固定資産税の減額制度は併用できる


・詳しくは こちらをご覧ください
 → リフォームの支援制度
 → リフォーム減税制度の概要

■ リフォーム融資制度


フラット35 リノベ ・中古住宅の購入とあわせて、一定の要件を満たすリフォームを実施することで住宅ローンの金利引下げ
グリーンリフォームローン ・住宅の「断熱性能を高める」または「省エネ設備を導入する」等の基準を満たす省エネリフォームに対する全期間固定金利のリフォーム融資
リバース60 ・住宅金融支援機構と提携している民間金融機関が提供する60歳以上の方向けの住宅ローン
・住宅の建設、購入、リフォーム、借換えに利用できる(シニア向け住宅ローン 民間金融機関が住宅金融支援機構と提携)→ 融資の限度額その他の商品内容は、金融機関ごとに異なるが リフォームの内容については「バリアフリー」「省エネ」「耐震」等に限定されることはない
リフォームローン融資 ①耐震改修工事
②高齢者向け返済特例
 部分的バリアフリー工事、ヒートショック対策工事、耐震改修工事を含むリフォーム(住宅金融支援機構)
※満60歳以上の方が対象

 → 各ページに飛びます

 前述の「リバース60」(リフォームの内容については「バリアフリー」「省エネ」「耐震」等に限定されることは ほとんどない)と「高齢者向け返済特例制度」(部分的バリアフリー工事、ヒートショック対策工事または耐震改修工事を含むリフォームと併せて行えば ほとんどのリフォーム工事が対象)
 ①②の両方とも 自宅を担保にリフォーム資金を借り、死後に物件を売却するなどして元本を返済する「リバースモーゲージ」の一種 自宅は相続人が元本を一括返済しないと引き継げないため 家族などと話し合うことが必要


  「高齢者向け返済特例制度(リフォーム融資)(住宅金融支援機構) 
  「リバース60」 (住宅金融支援機構)



リフォーム工事流れ 内容
① 事前準備 ・リフォームヵ所の洗いだし
・補助制度の情報収集
・予算の目安をつける
② 見積もり依頼 ・インスペクション(建物状況調査)
・複数の施工会社に見積もり依頼
・リフォーム瑕疵保険利用の検討
③ 施工会社選択
・見積書の比較検討
・不明点・不安点を確認
・担当者との相性を考慮
・総合的に判断し選択決定
④ 工事の詳細決定 ・家具や家電の配置を検討
・見積もりの調整と資金計画
・補助制度利用の確認 手続き
・瑕疵保険利用の手続き
⑤ 契約 ・契約書類の内容確認
・契約
⑥ 工事開始  


 家計にとって大きな資産であるマイホーム 長く住むには建物の適切な管理が大切 ここ数年のコスト上昇による修繕費の負担増で「資金捻出に苦労する世帯は少なくない」
 かといって「住まいの修繕の先送り」をしていると その価値が劣化し(負動産リスク)売りたい時に 買い手がつかず 例えば 老後に家を売って住み替えたり 高齢者向け施設に入ったりするというライフプランが狂いかねない

 「老後に備えるリフォームは早めにしておくことは大切」高齢になると一般的に身体機能が低下し 日常生活で転んだり落下したり また「ヒートショック」(心筋梗塞や脳卒中につながりかねない)等の事故にあう可能性が高まる 特に注意を要するのが自宅 介護に備え 税の優遇制度等も活用し 優先順位を決めて 費用を見積もり 貯蓄等で備えていきたい
 どこかのタイミングで インスペクション(建物状況調査)(建築士など専門家が建物の劣化状況などを調べる)を利用する事は大切 工事が必要となる部分や時期が概ね把握できるので 計画的にリフォーム資金の貯蓄ができる また 防水工事等 予防的に実施するほうが費用が安くなる場合も多く 早めのリフォームは効果が大きい





・入浴中に亡くなる人は 全国で年間約14000人と推測されていますが(交通事故死は約7000人) 原因の多くはヒートショックであると推定されている ヒートショックによる血圧の変動は心臓に負担をかけ 心筋梗塞や脳卒中につながりかねない ヒートショックの予防のため 脱衣所やトイレを暖めておきましょう

 → ブログ「064. 家庭内事故」もご覧ください




(小学校の壁に「整理・整とん」「廊下を走るな」の張り紙がありましたが あれは子どもたちの「安全」「けがをさせない」という先生たちの心配りだったのですね 今になって痛感いたしました それにもかかわらず毎日やってた ” 悪事 " の数々 ごめんなさい それにしても大きな事故がなくて本当に良かった
 大改造!!劇的ビフォーアフター(テレビ朝日系列 番組のファンです)リフォーム(と整理整頓)で家族の問題を解決しましょう)

2025年10月28日

2022年10月13日