税金



■所得税の累進課税 所得の内容により税率や計算方法は変わる

合算し累進課税(5~45%) 所得の種類 所得ごとに15%
会社員・公務員の給料 給与所得
自営業の所得 事業所得
土地・建物の賃貸収入 不動産所得
海外の銀行預金の利子 利子所得 国内の預貯金の利子
金地金の売却益 譲渡所得 株式・土地の売却益(*)
満期保険金 一時所得 一時払い養老保険
公的年金・企業年金 雑所得 FXの利益

(*)復興特別所得税を除く 土地の売却益の税率は所有期間5年以内なら30% 一時払い養老保険は保健機関5年以内

■税率には例外も

退職所得 退職一時金 一時払いの企業年金 ほかの所得と合算せず累進課税
配当所得 株式の配当 株式投信の分配金 ほかの所得と合算せず15% 合算して累進課税 のいずれかを選択


●●●具体的な税金の計算を含む税務相談等、税理士業務を行う場合は税理士登録が必要です。税理士資格を有していない場合は、税理士と協働して業務を行う事が必要です。

■ 税制改正(2025年度(令和7年度))
  現行 改正後
基礎控除 所得税48万円
住民税43万円
→ 58万円(所得に応じてさらに最高37万円の上乗せも)
→ 43万円(据え置き)
給与所得控除 下限55万円 → 下限65万円(年収190万円以下の人が対象)
特定親族特別控除 新設 19~22才の子の年収が188万円まで親は控除が受けられる(最高控除額は63万円)
所得税の課税最低限 103万円(の壁) → 160万円(65万円+95万円)
扶養控除 19~22才の63万円(所得税)控除
・対象者の年収は103万円以下
→ 年収150万円以下
生命保険料控除 一般枠 年4万円(*) → 22才以下の扶養親族がいれば 年6万円(所得税2026年の契約分)
* 介護医療保険 個人年金保険も含む生命保険全体で控除できる額は所得税で現在の12万円が維持される
* 高校生などの扶養控除の見直し 児童手当の支給期間が 高校生までに拡充され( 所得制限は撤廃 2024年10月分から適用 支給は12月分から )それに合わせて 扶養控除について 所得税は25万円(26年度から) 住民税は12万円(27年度から)に縮小される予定だったが 延期に)
*ガソリン減税(暫定税率の撤廃)(暫定税率53.8円 / 1L 内25.1円が「当分の間税率」)は 時期は明記されていないが「撤廃する」とされる 継続協議に
*子育て世代の「住宅ローン減税」(優遇措置)→ 1年間 延長
*子育て世代の「住宅リフォーム減税」(優遇措置) → 1年間 延長
* 「結婚・子育て支援信託」(結婚・子育て資金一括贈与非課税制度)(1000万円まで贈与税を非課税)→ 2年間延長
* iDeCo掛金を所得から控除する措置 限度額を引き上げ
* 在職老齢年金制度 の見直し→ 2026年度の税制改正で法制化する方針
* 給与と公的年金がある場合の控訴上限額の設定
* 退職金にかかる所得税 の見直し→ 見送りに
* 中小企業の法人税軽減税率の特例の延長
* 中小企業向け設備投資減税の延長・拡充
* 売上100億円を目指す中小企業に対する措置の拡充 等
* 企業版ふるさと納税の期限延長
* 訪日外国人の消費税免税措置の見直し
* 防衛増税(防衛財源を確保するための増税)→ 所得税増税の開始時期の決定を先送り 一方 法人税とたばこ税の増税は 2026年4月に増税開始


*よくある相談・相談履歴

: 専業主婦です パートで働いていますが、103万、106万、130万、150万の壁というのが今一つわかっていません 改定点も含めわかりやすく教えてください

*以下の表には いくつかの改定があります





・年収の壁と知っておきたいポイント
100万円 本人に住民税(均等割)が発生する自治体も 超えても手取り減は起きず
103万円 本人に所得税発生 超えても手取り減は起きず
→ 160万円に(2025年から適用)
106万円 従業員51人以上の会社では本人が厚生年金・健康保険適用対象になり社会保険料発生 手取り減になりやすい 将来の厚生年金増 健康保険は手厚く
→ 「106万円の壁」は撤廃へ 時期は 2026年10月を想定
130万円 従業員100人以下の会社では本人が夫の社会保険の扶養対象外になり社会保険料発生 手取り減になりやすい 週30時間未満では厚生年金に加入できず 国民年金などの保険料が発生
150万円 夫の配偶者特別控除が減り始める 手取り減は通常起きず
→ 160万円に(2025年から適用)
201万円 夫の配偶者特別控除が0に 手取り減が生じる

*会社員の夫の税・社会保険の扶養対象だったパート主婦の場合 配偶者特別控除は夫の給与年収が原則1195万円以下(給与所得1000万円以下)で適用


〇100万円の壁(住民税(均等割)の壁)→ 100万円以下でも 住民税(均等割)が課される自治体がある

・給与所得(年収-給与所得控除額)が45万円以下となり 原則として 住民税・所得税とも課税されず 夫が加入する社会保険の被扶養者となるため保険料の負担はない
・夫の所得税等を計算する際「配偶者控除」を適用できる
・住民税には「所得割」と「均等割」があるが 「所得割」は 総所得金額が45万円以下であれば課税されない
・住民税の「均等割」については 自治体によって 年収100万円以下でも課税されることがあるので 確認が必要


103万円の壁(所得税の壁)→ 103万円を超えると、所得税が課せらる

「年収103万円の壁」を160万円に引き上げることが決定(2025年から適用)
結果 → パート・アルバイトの場合 所得税が非課税となる給与収入は160万円以下 住民税では110万円以下に(住民税の基礎控除は変わらないため 所得税より50万円も下回る)
結果 → 納税者が大学生などの場合 勤労学生控除(所得税27万円 住民税26万円)の適用を受けると 所得税は年収150万円以下で非課税に アルバイトで123万円以上稼いでも 直ちに親に税負担が発生しない「特定親族特別控除」を新設

基礎控除額の改正(合計所得金額に応じ 段階的引き上げ)
給与収入(合計所得金額) 現行 2025・26年分 2027年分以降
200万円(132万円)以下 48万円 95万円 95万円
~475万円(336万円)以下 88万円 58万円
~665万円(489万円)以下 68万円 58万円
~850万円(655万円)以下 63万円 58万円
~2545万円(2350万円) 58万円 58万円
(2350万円超~2400万円以下) 48万円 48万円
(2400万円超~2450万円以下) 32万円 32万円 32万円
(2450万円超~2500万円以下) 16万円 16万円 16万円

・給与所得控除額の改正
給与等の収入金額 給与所得控除額
162.5万円以下 65万円
162.5万円超180万円以下 65万円
180万円超190万円以下 65万円
190万円超360万円以下 給与収入金額 X 30% + 8万円
360万円超660万円以下 給与収入金額 X 20% + 44万円
660万円超850万円以下 給与収入金額 X 10% + 110万円
850万円超 195万円(上限)


〇 この度の税制改正(上図)により基礎控除は 合計所得金額132万円以下は恒久的に95万円だが 132万円超655万円以下では25~26年の2年間に限り88万円から63万円へと逓減する 27年からは132万円超2350万円以下は一律58万円
〇 給与所得控除(下限 55万円 → 65万円)+基礎控除(95万円 合計所得金額132万円以下)=160万円(所得税の壁 130万円 → 160万円 所得税の最低課税ライン)とされる
〇 個人住民税は2026年分(2025年分所得)から改正後の給与所得控除が適用される(しかし 基礎控除額は据え置き)とはいえ 社会保険加入義務や健康保険の被扶養者要件などは従来通り

・基礎控除の改正に伴う「その他の所得控除の適用要件(所得要件)」の改正
所得控除 対象となる人の合計所得金額(改正後) 本人の控除額(改正なし)
障害者控除 58万円以下 27万~75万円
寡婦控除 58万円以下 27万円
ひとり親控除 58万円以下 35万円
勤労学生控除 85万円以下 27万円
配偶者控除 58万円以下 13万~48万円
配偶者特別控除 58万円超133万円以下 1万~38万円
扶養控除 58万円以下 38万~63万円




配偶者控除とは:
 納税者(夫)に収入がない・少ない(年収160万円以下)配偶者(妻)がいた場合、納税者の税負担が軽減される制度
 最大38万円が控除されるが、納税者の年収が1.120万円を超えると控除額は段階的に減額され、1.220万円を超えると控除額は0になる。
配偶者特別控除とは:
 配偶者(妻)の収入が160万円を超えて配偶者控除の適用外となった場合も、201万円までは納税者(夫)の税負担が軽減される制度 配偶者控除の適用を外れても納税者の税負担が急激に増えないよう配慮されている
 配偶者控除同様最大38万円が控除されるが、配偶者と納税者の年収額に応じて控除額は段階的に減額され、配偶者(妻)の年収が201万円を超えた場合と、納税者(夫)の年収が1,220万円を超えた場合は控除額は0に



年収の壁が160万円に引き上げられたこと
配偶者特別控除が満額適用できなくなり減り始める金額が → 160万円に
子の「特定親族特別控除」の新設(150万円~ 上図)により
例えば 配偶者と子がいずれも年収150万円働けば 税引き後の手取りは増える


・所得税を計算するとき、収入から差し引いてよい控除額(合計控除額:160万円)
 給与収入200万円(合計所得金額132万円)以下の場合基礎控除額:95万円
 給与所得の金額によって控除できる給与所得控除額の最低額:65万円
「特別親族特別控除」については
 → ブログ「097. 奨学金・学生バイト」をご覧ください

・パートやバイトの収入金額が160万円(95万円+65万円)以下なら、所得税はかからない
 増えた所得に対して所得税(5%~45%)、住民税(約10%)の納税義務があるが、増えた所得に対して課税されるため、夫婦の手取り額がマイナスになることはない(この水準では税率が低く 収入が1万円増えても所得税は500円増えるだけで 大半は手元に残る


 むしろ、配偶者(夫)の会社の「扶養手当は配偶者の収入が103万円を超えたらなくなる」という事にいまだになっていれば金銭的には大きいので、最初にそちらの確認を 仮に月1.5万円支給されているとすると、1年で18万円に 103万円以内に収めたら18万円もらえるのに、104万円働いたら、家族の手取りが17万円減ってしまう

 また、160万円の壁は、パートやバイトをしている配偶者(妻)を持つ納税者(夫)の税金に影響する
配偶者(妻)の年収が160万円以下であれば、納税者(夫)本人が所得税の「配偶者控除」38万円分を受けることができる つまり、配偶者(妻)の年収が160万円以下であった場合、配偶者(妻)は税金を払わなくともよく、納税者(夫)の税金負担も軽くなる
 ただし、配偶者(妻)の年収が160万円を超えても、201万円までであれば、納税者(夫)の合計所得金額が1000万円以下の場合(給与収入のみなら年収1220万円以下)は、「配偶者特別控除」を受けることができる「配偶者特別控除」の金額は、配偶者の所得金額により異なり、配偶者が多く稼ぐほど配偶者特別控除額は減っていく

2025年度税制改正では 「合計所得金額」の把握がより必要に
 会社員の場合 合計所得金額は 給与所得以外に副業による雑所得 公的年金所得(雑所得)満期保険金など一時所得などがあればそれらも含める また 自宅を売却して譲渡所得から3000万円差し引ける特別控除を使う場合 特別控除前の金額が含まれる また 上場株式の配当金と譲渡損失を確定申告により損失通算した後の繰越損失を控除する場合も繰越控除前の金額が含まれる
  いずれも副業や売却代金などで手取り自体は増えるが 基礎控除額が変動する可能性がある
なお 税(所得税・住民税)については その年収範囲に 賞与 家族手当 残業手当等は年収に含まれる(通勤手当については 月額15万円までが非課税なので この分は年収に含まれない)


〇106万円の壁(社会保険の壁)→ 106万円を超えると、一定条件で社会保険への加入義務(撤廃される)

・「最低賃金の引き上げに伴い 週に20時間以上働けば年収106万円以上を得られる地域が増え 必要性が薄れている」(厚生労働省)として「106万円の壁」を撤廃することに 撤廃時期は 2026年10月を想定



 現在:106万円以上で社会保険(厚生年金、健康保険)に加入(社会保険の加入要件106万円(賃金月額88.000円)には 賞与や残業手当 通勤手当は含まれない)
 仮に年収108万円(月9万円)の給料だとすると 健康保険・介護保険料が5046円 厚生年金保険料が8967円 合計で14587円 年間約18万円の負担になる(東京都の場合)収入108万円に対して、約18万円の社会保険料を引くと、手取りは90万円になってしまう


・上図の撤廃時期は
 賃金要件は: 2026年10月に撤廃
 企業規模要件は: 10年かけて段階的に対象企業を拡大

51人以上 36人以上 21人以上 11人以上 10人以下
現在の対象 2027年10月から 2029年10月から 2032年10月から 2035年10月から

・上記の時期を待たずとも労使合意があれば加入可能

●(上図に加え )(常時)5人以上の個人事業所の非適用業種の撤廃(現在は 飲食 宿泊 農林漁業などの業種は非適用)
 ただし 新設の個人事業所に限る(2029年10月時点で)既存の個人事業所については当分の間 対象外
● 現在非適用となっている業種以外の 法律で定める17業種は対象(現行どおり)
●5人未満の個人事業所は対象外(現行どおり)
2029年10月

・この数年「年金制度の改革」としての「短時間労働者への被用者保険(厚生年金保険)の適用拡大」が続く(厚生年金に加入すると健康保険にもセットで加入)
 段階的に規模要件が引き下げられ範囲が拡大(国・地方公共団体は、規模にかかわらず適用)
・2024年10月~ 従業員51人以上の企業が(無条件・強制的に)
 該当する短時間労働者は次の要件をすべて満たす人になります()
・1週間の所定労働時間が20時間以上
・月額賃金8万8000円以上(年収換算で約106万円以上 いわゆる106万円の壁)
(所定労働時間や所定内賃金で判断し、残業代・賞与・(課税されない)通勤手当・時間外労働、休日労働および深夜労働に対して支払われる割り増し賃金などは含まない つまり 年収が106万円を超えないよう年末に残業を減らしても関係ない)
・雇用期間が「2ヶ月を超えて」見込まれること
・学生でない (ただし 通信制課程に在学している人や大学の夜間部・高等学校の夜間または定時制課程に在学している人 休学中の人等は適用対象)1年以上継続して雇用される見込みがある(2022年10月1日以降は削除)
・例えば 世帯主の扶養に入っている配偶者であれば、自分で社会保険料を払わなくても、健康保険や厚生年金の対象者となっている しかし、上に示した条件に全て当てはまると自分で社会保険料を払わなければならない 年に15万円以上を納めることとなり、「106万円をちょっと超える」くらいで働いている人には、大きな痛手(ただし「厚生年金に加入して働く」ことのメリットは大きい)

・「106万円の壁」を超えると(例)

週労働時間 16時間 24時間 32時間
年収 998.400円 1.497.600円 1.996.800円
手取り 992.900円 1.223.551円 1.598.216円
社会保険料 0円 232.149円(*) 313.084円(**)
年金の増加額(終身) 0円 149.000円 201.000円 ↑

・モデル世帯 47才 夫と子ども2人(大学生2人)時給:1200円で夫の扶養内で働く(週16時間)
(*)内訳 雇用保険:8.985円  健康保険:84.816円 厚生年金:138.348人
(**)内訳 雇用保険:11.980円 健康保険:114.444円 厚生年金:186.660円
・いずれも 65歳まで18年間働いた場合

「106万円の壁」撤去後の社会保険加入
従業員数
(週労働時間)
106万円未満 106万円以上130万円未満 130万円以上
51人以上
(20時間以上)
2号 2号 2号
51人以上
(20時間未満)
3号 3号 1号
50人以下
(20時間以上)
2号 2号 2号
50人以下
(20時間未満)
3号 3号 1号

・1号:国民年金加入
・2号:厚生年金加入
・3号:配偶者の扶養(配偶者の社会保険扶養に入っているパート労働者の場合)


〇130万円の壁(扶養の壁)→ 130万円を超えると、扶養から外れて社会保険への加入を課せられる

・扶養家族となっていた配偶者や学生は、パートやアルバイトで年収130万円を超えると扶養から外れる
■「130万円の壁」は106万円と違い 賞与 残業代や通勤手当 家族手当の他 配当 不動産収入等も含む総収入ベース
■ 「年収130万円未満という要件」:健康保険組合等で 個別に判断基準が設けられている場合がある(130万円 / 12ヶ月= 約108.333円)
→ 1ヶ月でも この金額を上回ると扶養の対象から外れる場合もあれば 3ヶ月連続で108.333円を越えると扶養から外れる などの個別の判断がされる場合がある(この収入には 健康保険の傷病手当金 出産手当金も含まれる
■ 雇用保険の失業等給付も収入に該当し 日額3.611円を越えると扶養から外れるため 注意が必要

(上記の規模にあたらないところ(現在は 50人以下)で(社会保険への加入義務がないところで))パートやアルバイトをし年収が130万円を超えると 自分で国民健康保険料や国民年金を納めるか、パートやバイト先の社会保険に加入しなければならない(もし、年収が130万円以上となる見込みがあり、かつ正社員の4分の3以上の労働時間、日数で働いているなら、社会保険に加入できるかどうか、雇用主に確認してみましょう
 短時間労働者(週20時間以上勤務)が 全員106万円で厚生年金加入になれば 「130万円の壁」自体が消える24年10月には対象起業が51人以上になることが決まっているが「さらに企業規模要件の撤廃を急ぐべき」

・(上記の規模にあたらないところでの)社会保険の加入要件(130万円の壁)
①1日または1週間の労働時間が正社員の概ね3/4以上であること(一般的に週30時間)
② 1ヶ月の労働時間が正社員の概ね3/4以上であること(一般的に週30時間)
・年収130万円を超えても、上記要件のどちらかを満たさなければ加入要件は生じない また、正確には8万8334の月収ベースで考える
・年収が130万円を超えて働き、会社の社会保険に加入できずに自分で国民年金と国民健康保険に加入するとひと月当たり約3万円 年間にすると約36万円の負担に(130万円までなら夫の扶養範囲で健康保険や厚生年金の対象者となっているので この約36万円は払わなくてもよい金額)
 131万円の収入だと、手取りが95万円になりかなり厳しい さらに所得税と住民税の負担もあるので、実質はもっと手取りが減る 結果的には130万円の収入を超えて、自分で国民年金、国民健康保険を払うようになると、目安として180万円以上働かないかぎり、家族の手取りは減ってしまう 180万円以内であれば、130万円に収入は抑えたほうがよいかも





〇 150万円の壁(160万円の壁となる)(配偶者特別控除の壁)  → 160万円を超えると、配偶者特別控除が201万円まで徐々に減っていく(201万円でゼロに)

 160万円は配偶者(納税者 夫)の税金の控除である「配偶者特別控除」が徐々になくなる数字 ただし、これも徐々に減っていくので160万円を超えたからといって家族の手取りがマイナスになることはない デメリットは基本的にはないので(扶養手当がなければ)あまり気にする必要はない

 160万円以下で働くのであれば、配偶者控除は適用されないものの、配偶者特別控除が適用されるので、世帯主=納税者(夫)の控除額の変化はない 例えば、世帯主の年収が900万円以下であった場合、控除額を満額受け取りたいのであれば配偶者(妻)の年収は160万円以内とすれば良いのですが(106万円・130万円の壁はある)160万円を超えて働いてしまうと、そこから徐々に配偶者特別控除額が減っていくので注意が必要(201万円でゼロに)
 配偶者特別控除が適用されるのであれば160万円以内で働こうと思われるかもですが「106万円・130万円の壁」を確認しつつ自分がどこまで働けるかを検討していきましょう


〇 201万円の壁(配偶者特別控除の壁)→ 201万円を超えると 配偶者特別控除は0(ゼロ)に

・妻の年収が201万円を越えると夫の配偶者特別控除が 0(ゼロ)となり 家族の手取り減が発生

Q:年金・健康保険などの社会保険料と税金では 扶養の仕組みが違うということですが 教えてください また、住民税と所得税の違いも教えてください 


〇 税と社会保険の扶養の主な内容

  社会保険
扶養の効果 ・扶養者の税負担減など ・健康保険料の負担ゼロで医療サービスが受けられる
・健康診断や人間ドックの補助を受けられる
・付加給付で医療費の負担を軽減できる
被扶養者の所得や収入条件 ・所得48万円以下(配偶者を除く)
・給与収入のみ 額面103万円以下
・年金収入のみ
 65歳未満108万円以下
 65歳以上158万円以下(**)
・同居の場合
 年収が130万円未満(*)で 被保険者の年収の1/2未満

・別居の場合
 年収が130万円未満(*)で被保険者からの援助による収入より少ない
被扶養者の収入の判断時期と対象期間 12月末で 1~12月の合算 随時で 将来の見込み
(*)60歳以上などは 180万円未満
(**)遺族年金や障害年金などは 所得税を計算するうえでは 非課税扱いなので 税金面の扶養の判定でも収入には含めない

〇 住民税と所得税の違い

  住民税 所得税
税の種類 地方税 国税
課税対象 前年の所得 その年の所得
納税方式 所得税の確定申告などをもとに自治体が税額を計算・通知 納税者が所得と税額を自分で計算し申告 給与の場合は勤め先が計算、天引きして納税 年末に精算(年末調整)
税額 ・均等割:定額(標準5000円)
・所得割:所得の10%
・超過累進税率(所得額に応じて5~45%の7段階)
所得控除の例 ・基礎控除:43万円
・配偶者控除/一般扶養控除:33万円
・特定扶養控除(19歳以上23歳未満):45万円
・高齢者(70歳以上)控除:45万円(同居)/ 38万円(同居以外)
・基礎控除:48万円
・配偶者控除/一般扶養控除:38万円
・特定扶養控除(19歳以上23歳未満):63万円
・高齢者(70歳以上)控除:58万円(同居)/ 48万円(同居以外)

■ 所得税・住民税の控除額

生計一親族の区分 年齢等要件 住民税 所得税
年少扶養親族(廃止) 15歳以下(児童手当の支給があるため) ゼロ ゼロ
ひとり親親族(2020年創設)(*) 16歳未満 30万円 35万円
一般扶養親族 16歳以上19歳未満(**)・23歳以上70歳未満 33万円 38万円
特定扶養親族(***) 19歳以上23歳未満 45万円 63万円
老人扶養親族 70歳以上の扶養親族 38万円 48万円
同居老親等 70歳以上の同居老親等 45万円 58万円

(*)ひとり親控除は2024年度税制改正で改定される(予定)
(**)16歳~18歳の子がいる世帯の扶養控除(児童手当が2024年12月から 支給期間が高校生まで拡充される 同時に扶養控除について 所得税は25万円(26年度から) 住民税は12万円(27年度から)に縮小される予定だったが 延期に)
(***)特定扶養控除は150万円に見直される予定

・所得税
*所得税の配偶者控除 70歳以上(その年12月31日現在の年齢)(老人控除対象配偶者)の控除額:48万円 なお、配偶者が障害者の場合には、配偶者控除の他に障害者控除27万円(特別障害者の場合は40万円、同居特別障害者の場合は75万円)が控除できる
*子の場合は 配偶者のような特別控除はないので 給与収入で 年収103万円超になると扶養から外れる
*失業給付の需給開始以降 金額が扶養の範囲内である日額3612円(130万円 ÷ 360日)以上なら扶養から外れる
*子の扶養に入る結果 高額療養費の自己負担限度額が増加することがある(所得区分が「一般」から「現役並み」に上がるなどして)

・住民税
*均等割:都道府県民税が1500円 区市町村民税が3500円の合計5000円が標準(自治体によって独自の上乗せがある)
*所得割:都道府県民税が4% 区市町村民税が6%が基本
*所得が一定水準以下の場合は住民税は非課税(基準は自治体による)世帯全員が住民税非課税なら「住民税非課税世帯」となり 国民健康保険料の減免などの支援が受けられる
「ふるさと納税」所得に応じた上限までは 寄付した金額から2000円を引いた額が主に住民税から控除される

「親を社会保険の扶養に入れる」
〇 メリット
・親を扶養に入れると 税金が安くなる
(例えば)扶養控除が 住民税45万円 所得税58万円の場合(70歳以上の 同居老親等で 子の年間課税所得が500万円の場合)
 45万円 X 10% =4.5万円 58万円 X 20% =11.6万円 合計16.1万円が節税となる
・75歳未満なら 社会保障の扶養となり 親の健康保険料が 0円となる
・親は 子供の支援を受けられる
・扶養のデメリットが大きいため 税金面だけの扶養にすることも可能
● デメリット
・子は親を支援するために 経済的に負担増となる
・親が65歳以上の場合 親が支払う介護保険料が上がってしまう(介護保険料は 世帯収入により増減するため)
・上と同じ理由で 親の介護保険の負担上限額が上がってしまう さらに 介護施設等に入居していれば 食費や居住費も上がってしまう
・さらに 高額療養費制度を利用する場合 自己負担限度額が上がる
・親が働いている場合 勤め先の健康保険に加入していたほうが 傷病手当金等の手当があり 有利な場合がある
・健康保険組合によっては 両親が健在の場合 片方の親だけを扶養に入れることができない場合がある(片方だけが 年収の要件を満たしている等の理由で)
・親が75歳以上になると 「後期高齢者医療保険制度」に加入することになるため 扶養から外れる
・扶養の条件に当てはまるか計算するときに 所得金額調整控除が適用になるケースがある

・上記出典:税金・社会保障教育

Q:近年の物価高騰により厳しい状況が続く中「住民税非課税世帯」を目指したいとする人が 多いと聞きますが・・・また「211万円の壁」とは何ですか?

世帯別 非課税世帯の割合 構成割合
~20代 23.50% 3.9%
30代 11.30% 2.9%
40代 8.90% 4.7%
50代 10.40% 7.3%
60代 20.70% 15.8%
70代 33.10% 36.6%
80代 44.10% 28.7%

・出所:「2021年 国民生活基礎調査」(厚生労働省)より

■ 住民税非課税世帯になる年金収入の基準

・単身者の場合は 以下の表の「配偶者」を「単身者」と読み替えてください



■ 高齢者世帯の所得における公的年金の割合


・「住民税非課税世帯」メリット
〇 「国民健康保険料」「国民年金保険料」の減免が受けられる
〇 「高額療養費の自己負担額」の軽減 70歳以上で月の自己負担上限額は 課税世帯の最も所得が低い場合で 57.600円だが 非課税世帯は 最大で24.600円
〇 「高額介護サービス費の自己負担額」の軽減 70歳以上で月の自己負担上限額は 課税世帯の最も所得が低い場合で 44.400円だが 非課税世帯は 最大で24.600円
〇 介護保険料が軽減される
→ 詳しくは ブログ「109. 介護保険」をご覧ください
〇 0~2歳児の保育料が無料になる
〇 高等教育無償化の対象になる
→ 詳しくは ブログ「096. パパ・ママ・育児」をご覧ください
〇 政府による給付金が手厚いことが多い また 自治体による各種補助(交通機関の利用費等)の対象になる
・「住民税非課税世帯」デメリット
● 非課税世帯の収入条件を満たすために「年金の繰り上げ受給」をして減額するという人もいるが「生活水準が悪化する」というリスクがある いったん繰り上げて減額された年金は一生続く
● 「非課税基準額は一律ではなく 様々な要因で変わりやすい」例えば 引っ越しなどによる「居住地要件」の変更 配偶者の働き方等による収入の増減 配偶者がなくなり単身となった場合の収入基準の変更等
● 「厚生年金で働く」ことになったり インフレが進んだりして年金額が増えれば 非課税基準を満たさなくなることも
● 非課税世帯の収入条件を満たすために「世帯分離」を選択する場合もリスクがある
→ 詳しくは ブログ「111. 在宅介護」をご覧ください
● 「211万円の壁」65歳以上なら公的年金控除が最低年110万円あるため 住民税非課税になる年金収入は 211万円以下(1級地の場合)211万円以下にしておけば65歳以降は非課税 しかし「世帯全員が非課税であること 配偶者の年金収入は 1級地なら155万円以下」という条件がある


Q:「寄付金控除」について 教えてください


寄付をすると 所得税や住民税を減らせることがある

寄付金控除の対象となる寄付先の例
所得税
・国 地方自治体
・独立行政法人
・公益社団法人 公益財団法人
・社会福祉法人
・国立大学法人 公立大学法人
・日本赤十字社
・政党 政治資金団体
・都道府県知事 指定都市市長による認定NPO法人
住民税
・都道府県 市区町村が条例で指定した団体
・居住地の都道府県共同募金会
・地方自治体
・居住地の日本赤十字社渋


寄付金控除の節税効果
所得税 確定申告でいずれかを選択
・所得控除(寄付金額ー2000円)× 所得税率
・税額控除(寄付金額ー2000円)× 40%または30%
(差し引ける上限は 所得税額の25%)
住民税 確定申告で税額控除
・税額控除(寄付金額ー2000円)× 最大10%
相続税 公益法人や認定NPO法人等に対する遺贈寄付や相続寄付では寄付した財産は相続税の課税対象から外れる

*寄付金額には 上限がある

Q:「所得金額調整控除」「確定申告不要制度」とは 何ですか?

・2020年度税制改正
→ 会社員の給与所得を計算する際に必要経費相当分として年収から差し引く給与所得控除と 年金受給者から差し引く公的年金等控除がいずれも10万円減った
→ 一方 課税所得から一律に差し引く基礎控除は10万円増えた(所得2400万円以下であれば)

公的年金などの年金収入と給与収入の両方がある人
→ このままだと課税所得が増え 税負担が重くなる
そこで導入されたのが「所得金額調整控除」(下図 参照)





・給与所得と年金所得の合計が10万円を超えるなら 「所得金額調整控除」の対象になる

・「所得金額調整控除」は給与所得の調整にもかかわらず 会社の年末調整の対象ではない
・パート・アルバイトの人は「確定申告不要制度」があることを理由に申告をしない人が目立つ

「医療費や所得金額調整控除などで税の還付が 見込めるなら「確定申告」をしましょう
→ 課税所得を減らすことができれば 前年の所得を基に決まる住民税の負担減にもなる

・「確定申告不要制度」とは?

・詳しくは → 「ご存じですか? 年金受給者の確定申告不要制度」(政府広報オンライン)

Q:退職金や個人型DC(個人型確定拠出年金 iDeCo)の受給方法についてのアドバイスを

 → ブログ「116. iDeCo」をご覧ください

: 離婚による家の名義変更(財産分与)について教えてください 税金についても教えてください
Q:「離婚時の年金分割」について教えてください

→ ブログ「094. 離婚とお金」をご覧ください

Q: 不動産を夫婦の共有名義で購入・所有する場合のメリット・デメリットを教えて欲しい

→ Q&A「不動産・住宅ローン」のページにて

Q:転職予定です その際の社会保険や税の手続きについて教えてください

  転職先が決まっている場合 転職先が決まっていない場合
健康保険 転職先の健保に加入 国保に加入 加入中の健保の任意継続 家族の被扶養者になるなど
公的年金 厚生年金に引き続き加入 退職後14日以内に国民年金の手続き
失業手当 対象外 退職後にハローワークで受給手続き
所得税 転職先で年末調整(退職した年のうちに就職する場合) 確定申告が必要
住民税 所定の手続きをすれば天引き継続 元の会社で一括納付 自身で納付する場合も


Q:「一括贈与非課税制度」(教育資金、結婚・子育て資金、住宅取得資金等の贈与の特例)をはじめとして「生前贈与の特例等」を利用できる「相続税対策」としては、どのようなものがありますか?

→ ブログ「086. 生前贈与」をご覧ください

Q相続税対策として賃貸アパート経営を考えているがどんなもんでしょう?(サブリース問題について)

→ ブログ「089. 資産運用(不動産)」をご覧ください

Q:「復興特別所得税」とは何ですか?何に使われているのですか? また 課税される期間を延長することが 検討されているということですが?


Q:「「還付申告」をして「税金」を取り戻しましょう」といいますが 「還付申告」について教えてください

「確定申告」は例年2月16日から3月15日までですが " 払い過ぎた " 税金の「還付申告」の期間は5年(該当する年の翌年1月1日から5年間 確定申告の時期が過ぎても5年間いつでも申告できる)

「所得金額調整控除」と「確定申告不要制度」

・2020年度税制改正
→ 会社員の給与所得を計算する際に必要経費相当分として年収から差し引く給与所得控除と 年金受給者から差し引く公的年金等控除がいずれも10万円減った
→ 一方 課税所得から一律に差し引く基礎控除は10万円増えた(所得2400万円以下であれば)

 公的年金などの年金収入と給与収入の両方がある人
→ このままだと課税所得が増え 税負担が重くなる
 そこで導入されたのが「所得金額調整控除」(下図 参照)


・給与所得と年金所得の合計が10万円を超えるなら 「所得金額調整控除」の対象になる

・「所得金額調整控除」は給与所得の調整にもかかわらず 会社の年末調整の対象ではない
・パート・アルバイトの人は「確定申告不要制度」があることを理由に申告をしない人が目立つ

・医療費や所得金額調整控除などで税の還付が 見込めるなら
「確定申告」をしましょう

→ 課税所得を減らすことができれば 前年の所得を基に決まる住民税の負担減にもなる

・ 「確定申告不要制度」 とは?(下図 参照)

・詳しくは → 「ご存じですか? 年金受給者の確定申告不要制度」(政府広報オンライン)

「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」

  医療費控除 セルフメディケーション税制
対象となる費目 ・病院でかかった医療費
・医師が処方した医薬品の購入費
・通院目的の交通費
・市販薬の購入費
・市販薬のうち「スイッチOTC医薬品」の購入費
家族にかかる費用 合算できる 合算できる
所得から控除できる金額 10万円を超えた分* 1万2000円を超えた分
控除額の上限 200万円 8万8000円
その他 健康診断や予防接種を受けていたことが申告者の条件

(注)*所得金額が200万円以上の人の場合 200万円未満は所得の5%相当額
(注)所得税率の高い人が家族全員の分をまとめて申告すると有利
(注)医療保険から出た給付金は費用から差し引く(計算式における給付金・補てん金額の上限は実際の入院費・治療費 下図 参照)
(注)「確定申告」は例年2月16日から3月15日までですが " 払い過ぎた " 税金の「還付申告」の期間は5年(該当する年の翌年1月1日から5年間 確定申告の時期が過ぎても5年間いつでも申告できる)
(注)「セルフメディケーション税制」17年1月に始まり

当初は21年分までの予定だったが26年まで延長に
(注)「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」のどちらが お得 ? かは 下記のHPから
→「日本一般用医薬品連合会 知ってトク!する セルフメディケーション税制」で具体的に算出できる



(注4)具体的には 視力回復レーザー手術(レーシック)インプラント治療や入れ歯 発育段階の子どもの不正咬合の共生治療 妊婦検診や出産費用も医療費控除の対象

「ふるさと納税」と「寄付金控除」

 

〇「ふるさと納税のワンストップ特例」

・ 以下のすべてに当てはまれば「確定申告」は不要
① 1月1日から12月31日までに寄付した自治体が5カ所以下  *同じ自治体に複数回寄付しても1カ所とカウント
② 寄付した自治体すべてに「ワンストップ特例の申請書」を提出した
③ 確定申告が必要な他の事案がない
 *給与所得者(会社員等)であることが前提 医療費控除など他の申告がある場合は確定申告が必要
 → ワンストップ特例で完了(確定申告は不要)

〇「支援金タイプの場合」

・「寄付金控除(所得税)」
 税額控除は所得控除より有利な場合が多い(どちらかを選択)
 「税額控除」:(寄付金支出額ー2000円)X 40%(政党への寄付は30%)
 「所得控除」:(寄付金支出額ー2000円)X 5.105~45.945%(所得が多いほど比率が上がる)
・「寄付金控除(住民税)」
 個人住民税は合計10%控除が基本  (寄付金支出額ー2000円)X 10%(都道府県のみが認定する団体は原則4% 市町村のみなら6%)



 

「住宅ローン減税の特例(控除期間13年)」の延長

 

 

  住宅ローン減税見直しのポイント
13年間の控除特例 ・入居期限は22年末
・契約期限:新築戸建て(注文住宅)は21年9月末
・契約期限:分譲住宅・マンション・中古住宅・増改築等は21年11月末
居住開始期限 ・2021年(令和3)1月1日~2022年(令和4)12月31日
面積要件 ・床面積40平方メートル以上も対象に
・50平方メートル未満は1000万円未満の所得制限
控除額 ・1~10年目まで 年末借入金残高の1%(21年度 22年度に見直し検討)
・11年目以降は 下記のいずれか少ない金額
①年末借入金残高(4000万円を限度)の1%
②消費税抜きの住宅の取得費の対価(4000万円を限度)X2%÷3

*4000万円を限度について 認定長期優良住宅および認定低炭素住宅の場合は5000万円が限度に

「雑損控除」と「災害減免法」

 豪雨で家と家財 車が浸水し 被害を受けた等 災害・盗難・横領により 財産に損害を受けた場合に確定申告により 一定額の所得控除が受けられる
 控除できる金額は ① 所得税法の雑損控除か ② 災害減免法による所得税の減免措置があり いずれか有利な方を選択できる

  雑損控除 災害減免法
対象資産 生活に通常必要な資産 ・住宅または家財
・損失額がその価格の1/2以上
対象者 所得がある人 所得が1000万円以下の人

・上記「所得がある人」:資産の所有者が「納税者」または「配偶者その他の親族」(控除する年の所得金額が48万円以下)で納税者と生計を一緒にする人
・雑損控除 その年の所得金額から控除しきれない金額がある場合 翌年以降3年間 繰り越して控除できる

①の損失額 = 差引損失額(損害金額+災害関連支出の金額-保険金などにより補填される金額)
②の災害関連支出額 = 差引損失額のうち災害関連支出の金額
・災害関連支出=壊れた住宅の取り壊し費用/除去費用や土砂等の除去費用や倒れかかった塀などの修繕費などの「原状回復のための修繕費」等


  被害割合
全壊・流出・埋没・倒壊 100%
半壊 50%
一部破損 5%

・・1㎡当たりの工事費用:全国平均で 木造:20.7万円 鉄筋コンクリート:30.4万円
�車両の場合
 損失額=(車両の取得価額ー減価償却費)X 被害割合
 例)4年前に300万円で通勤用として取得 補修を加えても再び使用できない
 車両の損失額=(300万円ー119.8万円)X 100% = 180.2万円
 ・減価償却費 300万円 X 0.9 X 0.111 X 4年 ≒ 119.8万円

・手続き 被災 → 自治体で罹災証明書を交付してもらう → 確定申告

 → ブログ「102. 災害補償」もご覧ください

⑥「損益通算」

・残った損失額を翌年から最大3年 繰り越して所得と相殺できる

*損益通算ができる例

損失の種類 損益通算できる所得
▲ 自宅の売却損
▲ 賃貸する土地・建物での損
・会社員の給与所得
・自営業者の事業所得
▲ 自宅以外の土地・建物の売却損 ・他の土地・建物の売却益
▲ 自営業者の事業での損 ・賃貸する土地・建物での利益
▲ 上場株・株式投信の売却損 ・他の株や投信の売却益
・配当・分配金
・国債などの利子

* 株式 株式投信の収益や為替差損益の税金 ・損益通算の可否

種類 収益 課税方式 税率(復興特別所得税除く)
上場株式 公募株式投信 売却益 申告分離または申告不要 所得税15% 住民税5%
配当 分配金 申告分離 総合 申告不要のいずれか 申告分離 申告不要(所得税15% 住民税5%)総合は累進税率
外貨預金 為替差益 総合 累進課税
利子 源泉分離 所得税15% 住民税5%

 

種類 収益 上場株式 公募株式投信の売却損との損益通算 外貨預金の為替差損との損益通算
上場株式 公募株式投信 売却益 ×
配当 分配金 ×
外貨預金 為替差益 ×
利子 × ×

*自宅の売却損を損益通算できる例

  ローン 損益通算できる額
① 買い替え 新居に期間10年以上のローン 譲渡損全額
② 賃貸住宅などに転居 旧居の住宅ローン残高が「取得費+譲渡費用」以上 譲渡損全額
③ 賃貸住宅などに転居 旧居の住宅ローン残高が「取得費+譲渡費用」未満 ローン残高と譲渡収入の差額

(注)それぞれローンの返済期間や家屋の面積など様々な条件を満たす必要あり

⑦ 「更正の請求による還付」
 相続税の申告・納税後に 申告内容を見直し 税金の還付を受ける人は少なくない

・相続開始から 5年10ヶ月までなら 手続き可能
・還付額は おおむね毎年400億円前後
・多くが土地評価の見直しに伴うもの

→ ブログ「088. 財産評価」をご覧ください





(" 払い過ぎた " 税金の「還付申告」は 少しでも可能性があるなら やってみましょう 詳しくは 税務署または 税理士に相談しましょう!
「還付」読み方:かんぷ 主に行政機関などが、徴収した税金や押収物をもとの所有者へ返すこと 還付される税金は還付金という また、還付金が受け取れると偽り ATMを操作させ、逆に振込みを行わせる詐欺の手口を還付金詐欺という(実用日本語表現辞典より)
 行政機関は そう簡単に(簡単な手続きでは)「還付」などしません! ATMで還付金はもらえません!(そんな事を言われたら それは詐欺です!) " 厳格で公正 " な行政機関の窓口に 直接 問い合わせをしてください お願いいたします)

Q:「ふるさと納税」について 詳しく教えてください
 ふるさと納税は「納税」という名称ですが 自治体に寄付をする制度 節税を目的とする制度ではないが その人の年収や家族構成などで決まる年間の「上限額」までは いくら寄付しても実質の負担は2000円
 総額5万円のふるさと納税をして 返礼品が1万円相当ならば 2000円を引いた8000円分得をするので「お得」



(原則 自己負担分2000円を除いた全額が税控除の対象)+ 特産物などの(過剰な!)返礼品がもらえることで人気の「ふるさと納税」(2020年6月の改正で 返礼品は寄付額の3割以下の地場産品限定に)

■ ふるさと納税の控除の仕組み
 ふるさと納税(都道府県・市区町村に対する寄付金)のうち2.000円を超える部分については 一定の上限まで 次の通り 原則として所得税・個人住民税から全額控除される

① 所得税 (ふるさと納税額 - 2.000円)を所得控除(所得控除額 X 所得税率(0~45%)が軽減)
② 個人住民税(基本分) (ふるさと納税額 - 2.000円)X 10% を税額控除
③ 個人住民税(特例分) (ふるさと納税額 - 2.000円)X(100% - 10%(基本分)- 所得税率(0~45%))

→ ① ②により控除できなかった額を ③により全額控除(所得割額の2割を限度)

・税控除を受けるには通常 確定申告が必要ですが「ワンストップ特例制度」を利用すれば原則不要



「ふるさと納税(寄付)」申し込みは 12月31日 23:59まで ・銀行振り込みの場合は年内着金(12月30日 15時)
  確定申告制度
ワンストップ特例
条件 ① 確定申告が必要な人(*)
② その年 6つ以上の自治体に寄付した人
③ ワンストップ特例の申請をしていない人
④ 住居変更した後 寄付先に届をしていない人
・左記①~④以外の人
・5つ以内の自治体寄付で 確定申告しない人
・寄付後に住所変更していない 又は変更手続きをした人
手続き 年一回 その都度
必要書類 寄付先の自治体の「寄付金受領証明書」(**) 寄付先の自治体に申請書を郵送する
期限 翌年の3月15日 翌年の1月10日
所得税 (利用した年の分の)還付あり 還付なし
住民税 (翌年度分が)軽減 所得税の控除額も含め(翌年度分の) 住民税軽減

(*)確定申告が必要な人
・医療費控除 雑損控除をする人
・初めて住宅ローン控除を受けた年
・個人事業主や不動産収入がある人等
・「ワンストップ特例制度」の手続き後に 医療費控除を受けるなど確定申告をすると その手続きは無効となる 改めてふるさと納税について手続きが必要に
(**)国税庁長官が指定するサイトを通して申し込んだ場合は各サイトが発行する「寄付金控除に関する証明書」も可
(***)総控除額は どちらも同じ


・自己負担が2000円となる寄付上限額の目安

給与年収 独身
共働き
夫婦 夫婦+
子2人
300万円 2.8万円 1.9万円
400万円 4.2万円 3.3万円 1.2万円
500万円 6.1万円 4.9万円 2.8万円
600万円 7.7万円 6.9万円 4.3万円
700万円 10.8万円 8.6万円 6.6万円
800万円 12.9万円 12.0万円 8.5万円
900万円 15.1万円 14.1万円 11.9万円
1000万円 17.6万円 16.6万円 14.4万円

 

・金額は概算(給与収入を得ている人の上限額の目安)夫婦は配偶者に収入がないケース 子2人は大学生と高校生のケース
・給与年収300万円/夫婦と子2人は 自己負担2000円を上回る返礼品を受け取る可能性はない
・住宅ローン控除や医療費控除など他の控除があると金額が変わる また 年金収入のみや個人事業主でも上限が異なる また 転職などで年後半の収入が大きく減った人は上限額が低くなる可能性がある 子どもが16歳と19歳になる場合も控除額が変わり 上限額が下がる
 住宅ローン控除や医療費控除など他の控除がある場合も金額が変わる「特に 医療費控除を考慮せずに寄付をして 上限をオーバーしてしまう人が以外に多い」

・ふるさと納税仲介サイトでは通常 寄付上限額をシミュレーションできる機能を用意している 給与収入の額や配偶者控除の有無 さらに 医療費控除や住宅ローン控除の額も入力することでかなり正確に上限額を計算できる「詳細版」シミュレーションを用意しているサイトも多い

せっかく利用するならメリットを最大限に生かしたい

●より正確性の高い上限額を把握する

 年末まで収入や医療費などが変わる可能性がある 上限を超えるとその金額に応じて自己負担額が増える
 一般的に12月に源泉徴収票を受け取ると その年の年収と上限額が分かる このため年末に駆け込みで寄付する人が多い(あるサイトでは 利用が最も増えるのは 12月31日午後11時以降という)

● 各専用サイト(決算アプリ)のポイント還元キャンペーンを利用する

● 自治体のポイントや商品券に代える
 自治体によっては寄付金額に応じたポイントを付与し 1年や2年といった期間内に特産品と交換できる

● ワンストップ特例制度のオンライン申請を利用する 例えば「旅先納税」


・旅行に活用できる主なふるさと納税のサービス(返礼品)(例)

クーポン 使い方や特徴 有効期限
ふるぽ(JTB) JTBでの支払い時に使える複数のクーポンから選べる クーポンごとに1~5年
楽天トラベルクーポン返戻金 楽天トラベルで宿泊施設の予約時に使える 予約は89日 宿泊は180日
ふるさtoらべる(丸紅) サイトに会員登録不要 宿泊施設での支払いに使える 30日
ポイントなど 使い方や特徴 有効期限
チョイスPay(トラストバンク) 自治体指定の施設や店舗に加え アンテナショップや物産展の支払いに使える 1~3年
ふるなびトラベル(アイモバイル) 自治体指定の施設や店舗での支払いに使える なし
PayPay商品券(さとふる) コード決済のPayPayで受け取り 店舗や施設での支払いに使える 180日

*有効期限は 同じ自治体への追加寄付に合わせて延長されるものがある
*自治体が発行する寄付金受領証明書の代わりにふるさと納税サイトが発行し確定申告に使える「寄付金控除に関する証明書」に対応していないサービスもある
■ 2025年10月より ポイントを付与する仲介サイトでの募集を禁止すると 総務省決定

● ふるさと納税サイトを最大限活用する
 ただし サイトにより対応する自治体や扱う返礼品が異なる 自分に合うサイトを見つけ活用したい

「ふるさと納税」の仕組みを利用してこんなことができるようになっています

〇「代理寄付制度を利用して 被災自治体に義援金を送る」
 相次ぐ大規模な自然災害 被災自治体の業務負担を減らすため 被災地以外の自治体が寄付金受領証明書の発行などを代行 直接の寄付先は代理自治体になるため税控除が受けられる

〇「クラウドファンディング型ふるさと納税」
 通常のふるさと納税でも「子育て支援」や「環境整備」など寄付金の大まかな使い道を指定できるが 「築後124年が経過した道後温泉本館の保存修理工事をしたい」など、具体的な使い道を掲げる自治体を選び寄付をする

 詳しくはこちらをご覧ください → 「総務省 ふるさと納税 ポータルサイト」
 総務省により「ふるさと納税」の手続きを委託された専用サイトが各種あります  また 比較サイトも各種あります





 ふるさと納税は 居住地以外の自治体に寄付をすることにより自己負担額2000円で返戻金がもらえるお得な制度だが その分 居住地の自治体の税収は減る
 通常は 減収額の3/4が国から地方交付税交付金の形で補填されるが 東京都や川崎市のようにもともと交付を受けていない「普通交付税不交付団体」はまるまる減収になってしまう ふるさと納税による減収が行政サービスの低下につながりかねないという問題も


●●●具体的な税金の計算を含む税務相談等、税理士業務を行う場合は税理士登録が必要です。税理士資格を有していない場合は、税理士と協働して業務を行う事が必要です。