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093. ペット

令和4年(2022)6月01日 施行「改正動物愛護法」

「犬と猫のマイクロチップ情報登録制度」開始
・ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫 マイクロチップの装着が義務化
・飼い主になる際 自身の情報に変更する必要(変更登録義務化)


● 新規ユーザー登録(情報変更登録) 紙申請 1000円 電子申請 300円
● 既に飼っている人が マイクロチップ埋め込み手術をしなかった場合 罰則なし(現在は 努力義務)
● 装着費用は動物病院によって異なり 一般的には数千円~1万円程度(地方自治体の補助制度あり)
● 遺棄は犯罪 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
● マイクロチップ埋め込みによる 健康被害を懸念する声も
● ユーザーが期待するマイクロチップ情報 第一位は GPS
● きっかけは 東日本大震災で大量の迷子が発生したこと(迷子は殺処分につながりかねない) 


・犬や猫などのペットは今や人間の子どもの数よりはるかに多い 大切な家族の一員だが 大抵は人間より寿命が短い
 ペットの数は 年々減ってはいるが 動物病院は増えている(一方 コロナ禍の影響か 新たに犬や猫を飼い始める人は増加傾向)


ペット保険
・ペットには 人間のように公的な医療保険はなく 治療費は全額を飼い主が負担する 費用は動物病院ごとに設定されており
 犬が骨折 手術・入院 約30万円
 猫が腎不全に 年間約10万円
等 高額事例も珍しくない  ペット保険の契約数は増加傾向 だが 加入率は一割強にとどまっている



ペット保険 特徴・注意点
● 保険金が支払われるのは一般的には ペットが通院・入院・手術をした場合 かかった費用の一定割合(50%か70%が一般的)を補償(中には 通院を補償しないプランや所定の免責金額を設定したものも)
● 飼い主が 3000円を負担するのが基本 年間の補償額の上限が設定されているのが一般的
● 高齢になれば 病気やケガのリスクは高く 更新の都度に保険料は上がる
● 7歳や12歳など 保険会社が決めた新規加入の上限年齢が設定されている(生後所定の期間 加入できなかったり 加入後においても 一定の待機期間(補償が利かない期間)が設けられている場合もある)
● 保険期間が1年間で更新され 終身補償はしていないのが一般的(慢性疾患などを患った場合等更新できない場合や保険金が支払われないケースがある)
● 猫の保険料は1種類 犬は 犬種や体重などで保険料が数種設定されている(小型犬より大型犬のほうが高い)
● 「窓口精算」(病院が保険金の請求をする 飼い主は補償額を引いた自己負担分だけを払う)ができる商品と出来ない商品がある(提携病院でなければできないのが一般的)
● ワクチン接種など予防に関する費用や去勢や避妊手術といった傷病でないものは補償されないものがほとんど
● 歯科治療や小型犬に発症しやすい膝蓋骨脱臼が対象外の商品もある また 通院や入院 手術の一日当たりの限度額や回数などの制限がある商品もある
● 2頭目以降の保険料を安くする「多頭割引」や獣医師に無料で相談できるといった付帯サービスがある商品も
● 高齢の犬猫専門に補償の範囲を限定する等の小短(少額短期保険)も数多く商品化され 補償も多彩になっている
● 現在 損害保険と少額短期保険の20社近くが扱っている


・(2021年11月18日)半数以上の家庭がペットと暮らすフランス
「動物愛護法」(2024年施行)成立
・ペットショップなどで犬や猫の販売を禁止する
・動物のショーケースでの展示を禁止する
・インターネットで一般の人が犬や猫の販売を行うことを禁止する
・ブリーダーから購入するか保護団体からの譲渡などに限定
・ペットを虐待死させた場合 最大で禁錮5年 罰金7万5千ユーロ(約980万円)を科す

 フランスでは 6200万匹の動物がペットとして飼われ 3割が犬と猫 毎年10万匹のペットが バカンスに連れて行けないなどの理由で 捨てられている





(かわいいペットは、 かわいいのである)



・犬や猫などのペットは今や人間の子どもの数よりはるかに多い(家族の中での 主従関係もあるが)大切な家族の一員 しかし 大抵は人間より寿命が短い(平均寿命は 人間と同様伸びている)また 犬・猫にも 平均寿命と健康寿命の問題はある
 ペットの数は 年々減ってはいるが 一方 コロナ禍の影響か 新たに犬や猫を飼い始める人は増加傾向





・2013年施行の「改正動物愛護管理法」で「終生飼養」が買主に義務付けられた



老犬・老猫ホーム 飼育が難しくなったら入居を考えねばならず支出が膨らむ
「終生一括型」 種類や年齢によらず100万円程度で死ぬまで引き取る
「期間更新型」 入居金+年50万~100万円程度で受け入れる

  ペットが死んだときの対応
自宅の庭などに埋める ・費用はかからない
・以前は多かったが 近年は減っている
・マンションなどでは難しい
自治体に依頼する ・費用は数百円~数千円程度
・自治体により扱いは違う 他のものと一緒に焼却することもあるためためらう人も多い
専門の業者に火葬してもらう ・ペットの重量や火葬形態などにより費用は異なる
遺骨を納める墓 ・一般的なのはペット霊園の合同墓や個別の墓 納骨堂など
・散骨をする人も
・人とペットが一緒に入れる区画を設ける霊園や樹木葬などの永代供養墓でもペットと一緒に納骨できるところが増えている
手元供養 ・小さな骨壺やカプセルペンダントなどに遺骨や毛 爪などを入れる人も多い

種類 合同火葬 一任
個別火葬
立ち合い個別火葬
内容 ・他のペットと一緒に火葬
・遺骨は手元に戻らない
・個別に火葬
・立ち会えないが 遺骨は戻る
・立ち会える個別火葬
・収骨し遺骨を持ち帰る
猫や小型犬 1万~2万円程度 1.5万~4万円程度 3万~4万円程度
中型犬 1.5万~2.5万円程度 2万~4万円程度 3.5万~5万円程度
大型犬 2.5万~4.5万円程度 3万~6万円程度 4万~7万円程度


・飼い主が高齢の場合 ペットを残して自分が先に亡くなったときに備える

「自分に もしものことがあったらペットはどうなってしまうのだろう?」と不安になる時があると思います
 「自分の死後にペットをどうするか」という場合 よく「負担付遺贈」や「負担付死因贈与」という方法があるとされます 要するに いずれも「自分の財産を差し上げますから その代わりペットを飼育してくださいね」というもの
 どちらの方法を取るにしろ 実際に 「どのように ペットの飼育をお願いしたい人に引き渡すのか?」という問題がある また その際 何を一緒に引き渡すのか(今まで使っていたリードやおもちゃは?)とか また 残す財産にしても ペットの飼育にかかるエサ代や動物病院の治療費などを 見積もった上で決めるのだろうが それが果たして 充分なのか? 妥当なのか?という問題もある
 さらに その飼育方法にしても 普段のケアはどのようにしてほしいのか(ペットフードやシャンプー、散歩、トリミング、予防接種等)年老いた時は どのようにケアしてほしいのか 死亡したら 火葬・埋葬はどうしてほしいのか等々「こうして欲しい」という気持ちを どのように伝え 実際に そのように やってもらうにはどうしたらよいか という問題もある なかなか大変である


  負担付
遺贈
負担付
死因贈与
方 法 遺言(遺言者の単独行為(単独のお願い)) 契約(契約当事者の共同行為)
(飼育を依頼した人の)撤回 単独行為のため 遺言者はいつでも撤回できる 契約内容に応じて撤回できる
(飼育を依頼された人の)権利放棄 (単独のお願いのため)自由に権利放棄できる 契約のため不可
飼い主が存命中にペットの世話ができるか? 遺言は死亡により効力が生じるため不可 契約に定めれば可能
(飼育をチャンとしているのかをチェックする)監督者 遺言執行者 死因贈与執行者

・共通のデメリット
● 遺産だけ受け取って ペットの世話をしなければ 資産を受け取る権利も無くなるが ペットはその最中 またその後 どうなってしまうのか という問題が起こる ケアの内容にしても 必要最低限の事しかせず「こうして欲しい」が全く実現されないという事もある
● 他の相続人の遺留分を侵害しない範囲で ペットの世話してくれる人に遺産を遺さないと 侵害された人が「遺留分侵害額請求」を起こした場合 その人も相続争いに巻き込まれることになってしまう
● (相続税がかかる場合)相続人だけではなく遺産をもらってペットの世話をしてくれる人にも相続税はかかる それを見越して遺産を遺してあげる必要がある
● 善意の受遺者が ペットを飼育しようとするも どうにもそのペットが なつかない という場合は 双方にとって不幸になってしまう
● 「こうして欲しい」という気持ちも受取り 世話を始めたものの いつしか負担になってしまうという問題


(一日だけでいいから 長く生きたい)

2025年05月31日

099. 働けないリスク

Q:働けなくなった時の公的保障について詳しく教えてください







■ 傷病手当金

*傷病手当金改正 傷病手当金の支給期間が、支給開始日から「通算して1年6か月」に(22年4月1日~)

■ 傷病手当金の支給要件
1)業務上の自由による病気やけがの療養であること
 ただし 業務上や通勤時の災害は労災保険の給付対象であるため 傷病手当金の支給対象とはならない
2)仕事に就くことができないこと
 ただし 本来の業務に就けない状態であったとしても 軽い業務でも実際に就いてしまった場合には 労務不能とは認められない
3)3日間連続して仕事を休み 4日目以降にも休んだ日があること
 傷病手当金は休業した4日目から支給され 休み始めた最初の3日間を待機期間という この3日間の待機期間については 同一の傷病により一度限りとされている
4 )休業した期間について給与の支払いがないこと
 傷病手当金は 休業期間中の生活保障のための給付である 4日目以降の休業について 支払われる給与の額が傷病手当金の額に比べて少ないときは その差額が傷病手当金として支払われる





■ 資格喪失後の継続給付
 健康保険の被保険者資格喪失日の前日(退職日)まで継続して1年以上被保険者であり(任意継続加入期間は除く)
・退職日に傷病手当金を受給中の人
・あるいは 支給要件を満たし受給できる状態にある人
→ 引き続き同一傷病による傷病手当金をその支給期間(通算1年6ヶ月)の範囲で支給できる
ただし
・退職日に出勤した場合には 資格喪失後の受給はできない
・また 資格喪失後に傷病が良くなり労務可能となった場合 その時点で受給権が消滅するため その後 再び労務不能な状態になっても傷病手当金は支給されない

■ 支給停止(支給調整)される場合
1)給与の支払いがあった場合
2)障害厚生年金または障害手当金を受けているとき
3)被保険者資格を喪失した後 老齢退職年金を受けている場合
4)労災保険から給付を受けていた(いる)場合
5)傷病手当金と出産手当金を同時に受けられる場合


■ 労災保険(労働者災害補償保険)


〇 事業主は 労働者を1人でも雇用すれば 労災保険(労働者災害補償保険)に加入させる義務があり 保険料も事業主が全額負担
〇 労済加入の条件は 雇用される労働者であること 自ら事業主として働く場合は原則加入できない
 例外として 労災の「特別加入」という制度がある
 ① 中小事業主 ② 大工や個人タクシー業者など1人親方 ③ 農作業などの特定作業従事者 ④ 海外派遣者 は申請すれば加入できる
 また 今後すべてのフリーランスが 自己負担で労災保険に加入できる「特別加入制度」の対象がフリーランス全業種に広げられる(2024年秋 省令改正予定)
 今後は 高齢者について「特別加入」の対象が広がる 70歳までの就業機会確保の一環として 企業の創業支援を受けた人の特別支給が認められる(2022年4月~)


労災補償 原因 内容
休業補償給付 業務または通勤に伴う傷病のため休業した 休業4日目から休業1日につき給付基礎日額の60%
障害補償年金 業務または通勤に伴う傷病で障害が残った 給付基礎日額 X 障害の程度に応じた日数
遺族補償年金 業務災害や通勤災害で死亡した 給付基礎日額 X 遺族の数などに応じた日数


*労災保険は業務災害の場合の名称 通勤災害では「補償」の文字を省略
*労災保険 複数の会社で働く場合 全ての勤務先の賃金を合算して算定(20年9月改定)(改定前は 給付は事故が起きた勤務先の賃金で算定)
*「労災保険の遺族補償年金」 には 男女差別が存在する 「遺族補償年金」とは、業務上、または、通勤災害によって亡くなった場合、一定の要件を満たす遺族が受け取ることができる労災補償制度
 ・亡くなった人の配偶者が「妻」の場合 →  無条件に支給される
 ・亡くなった人の配偶者が「夫」の場合 →  55歳以上であること、あるいは一定の障害があること、のいずれかの要件を満たす必要がある


労災保険の対象 「病気やケガの原因が通勤や業務に起因しているかが重要」
対象になるケガ ・工場内の機械に指を挟んだ
・在宅勤務中 仕事用の書類を取りに行くときに階段で転倒
・通勤途中で転倒
・会社の車で取引先に行く途中の交通事故
対象になる病気 ・長時間のパソコン入力作業で腱鞘炎
・社員食堂の衛生管理不備による食中毒
・35度を超える厨房で長時間働き熱中症
・勤め先の飲食店で新型コロナウイルスの集団感染が発生し感染
対象にならないケガ ・帰宅途中に飲食店で飲酒 その後転倒
・在宅勤務中の気分転換に散歩に出かけケガ
対象にならない病気 ・通常のインフルエンザへの感染

■ 雇用保険(失業手当を中心に)

・労働者は 正社員 パート アルバイト 派遣など雇用形態に関わらず 雇用保険に加入し 被保険者になるただし
① 1週間の契約上の労働時間が 20時間未満
② 31日以上の雇用見込みがない人
③ 昼間部に通う学生 は対象外
・コロナ禍で 雇用調整助成金や休業手当の支給が急増し また 一方 育児休業給付も増加傾向にある 雇用保険の財政が苦しくなり 2022年「雇用保険」の料率が引き上がった
■ 様々な「雇用保険法改正」
25年4月以降に離職した場合 ・自己都合の給付制限期間 1か月に短縮
・離職期間中や離職日前1年間に雇用保険の教育訓練給付の対象となる教育訓練を受けた人は給付制限が解除され 7日間の待機期間のみに
・5年間で3回以上の自己都合退職の場合 → 給付制限期間が3ヶ月に
・懲戒解雇や諭旨解雇など「自己の責めに帰すべき重大な自由による解雇」も自己都合扱い → 給付制限期間が3ヶ月に
28年10月~ ・雇用保険の加入要件「所定労働時間が週20時間以上」→ 「週10時間以上に」
・基本手当や教育訓練給付 育児休業給付は 現行通り受給できる
24年10月~ ・リスキリングを支援する教育訓練給付金について 給付率最大70%→ 80%に
25年10月~ ・教育訓練を受けるために無給の休暇を取得した場合基本手当の額と同じ「教育訓練休暇給付金」を最大150日分受け取れる
25年4月~ ・基本手当を受給した人が早期に再就職し6ヶ月働いた場合に 離職前の賃金から再就職後の賃金が低下するとその差額の6ヶ月分受け取れる「就業促進定着手当」の上限「基本手当の支給残日数の40%相当額」→ 「20%相当額」に下がる
・高年齢雇用継続給付の引き下げ 給付率は賃金の原則15%から10%に
・出生後休業支援給付の創設 原則 両親が産後(母は産後休業後)8週以内に14日以上休業をした場合 最大28日間 育児休業給付に13%上乗せ
・育児時短就業給付の創設 2才未満の子を養育するため時短勤務をして賃金が減った場合 支払われた賃金の最大10%を支給


就業促進手当 主な給付要件 支給額 25年4月~
就業手当 (略) (略) 廃止
再就職手当 ・基本手当の受給資格者が安定した職業(1年超の雇用見込みがある)に就いた
・基本手当の支給残日数が所定給付日数の1/3以上
基本手当日額 X 60%(または70% 支給残日数が2/3以上の場合) X 支給残日数 を一時金で支給 変更なし
就業促進定着手当 ・再就職手当の支給を受け 再就職した
・再就職先に6ヶ月以上雇用されている
・再就職後6ヶ月の賃金が離職前の賃金を下回る
上表参照 20%に引き下げ




■ 失業給付の受給資格 ・65才未満
・雇用保険の被保険者期間が原則 離職日以前の2年間に12ヶ月以上
・就職する意思と能力がある
・仕事を探している
受給対象の離職理由(例) 対象外の離職理由(例)
・会社が倒産したり解雇されたり
・契約社員の契約期間が終了した
・会社に不満があるなど自分の都合で辞めた
・家事や学業に専念する
・フリーランスで働く
・次の就職先が決まっている(*原則)
(*原則)再就職の内定を申告し 再就職する前に雇用保険の加入要件を満たして働く意思がある人は受給可能な場合がある


〇 定年前の離職でも定年退職でも 失業給付を受けられるのは 原則として離職の翌日から1年間(原則)
 この期間を過ぎると 受給日数が残っていても給付を受けることができなくなる

■ 早期/希望退職 パターン別失業給付

パターン 退職理由(*1) 受給開始時期(*2) 最大受給日数(*3)
業績悪化などを理由に退職社員を3ヶ月以内に募集 会社都合 7日間経過後 90~330日
常設制度で早期退職を優遇 または 募集期間が3ヶ月超 自己都合 7日+2ヶ月間経過後 90~150日
60歳定年前に定年年齢を選択
定年扱い 7日間経過後 90~150日

(*1)希望退職の募集条件などで異なる場合もある
 通常は 会社が 一定条件(対象年齢など)を満たす労働者全員に対し 優遇措置(退職金の加算など)を設けるなどして広く退職を募集するもの 会社による希望退職者の募集に対して 労働者が応募し これに対して会社が承諾する したがって 労働者が応募をしても会社の承諾がない限り 退職の効果は生じない
 希望退職に応募した労働者については解雇ではなく合意退職となるが 雇用保険では 原則として解雇(会社都合)と同様の扱いとなる
(*2)ハローワークでの受給資格決定後
(*3)基本手当(失業手当)被保険者期間が通算12ヶ月(倒産・解雇の場合は6ヶ月)以上ある人が離職して 職業に就けない場合 基本手当日額(賃金日額の一定割合)X 所定給付日数 を給付

■ 定年で会社を退職した場合等の失業手当
 定年は 基本的に自己都合と同じ扱い ただ 2ヶ月の給付制限期間はない
また病気や妊娠・出産・育児 家族の介護 本人または配偶者の転勤や出向で家族と同居することが難しくなった場合など「正当な理由」による自己都合退職も「特定理由離職者」として同じ扱い

  受給開始時期 最大受給日数
定年退職(65才未満) 7日間経過後 90~150日
特定理由離職者 7日間経過後 90~150日

 65歳以降に退職すると「高年齢求職者給付金」という一時金を受け取る 計算式は失業手当と同じだが 給付日数は30日か50日と少なく 65才未満に比べ金額は減る

給付の種類 保険加入期間 給付日数
高年齢求職者給付金(65歳以上) 1年未満 30日
1年以上 50日

■ 失業時にもらえる給付

  高年齢求職者給付金 基本手当(失業給付)
対象 65才以上 65才未満
雇用保険の加入期間 6ヶ月以上 12ヶ月以上
支給方法 一括支給 分割支給
支給の日数 30日または50日 90~330日
年金との併給 不可
1日当たりの給付額 離職前6ヶ月の賃金合計 / 180日 X 給付率(45~80%)
年齢 給付額の下限 給付額の上限
29才以下 2295円 7065円
30~44 7845円
45~59 8635円
60~64 7420円

■ 教育訓練給付金等については
 → ブログ「098. リスキリング」をご覧ください





■ 雇用保険(育児・介護休業期間)


・育児休業期間中は 雇用保険から給付金が支給される

  育児休業給付金 出生時育児休業給付金
対象となる育児休業 育児休業(パパ・ママ育休プラス 育児休業の延長 再延長を含む) 産後パパ育休
休業対象期間 原則 子の出生日~1歳(場合によって1歳2ヶ月 1歳6ヶ月 2歳)到達日まで 子の出生日~8週(56日)間
休業取得可能日数(最大) 原則 1年(場合によって 1年6ヶ月 2年) 4週(28日)間
休業前の雇用保険の被保険者期間 (*1) (*1)
休業期間中の就業可能日数 1ヶ月(休業開始日から起算)に10日以下(10日超の場合は就業時間が80時間以下) 最大10日間以下(10日超の場合は就業時間が80時間以下)
有期労働者への追加要件 子が1歳6ヶ月(場合によっては2歳)までの間に労働契約の満了や不更新が明らかでないこと 産後8週間の翌日~6ヶ月までの間に 労働契約の満了や不更新が明らかでないこと
給付金支給額 (休業開始時賃金日額×支給日数)× 67%(50% *3) (休業開始時賃金日額×支給日数)× 67%

(*1)休業開始日前の2年間(*2)に 賃金支払い基礎日数が11日以上(11日未満の場合は就業時間80時間以上)の月が12ヶ月以上
(*2)育児休業開始日前2年間に 疾病や負傷など やむを得ない理由により引き続き30日以上賃金の支払いを受けることができない期間があった場合は その期間を2年に加算できる(合計で最長4年間)
(*3)育児休業開始から181日以降の場合は 50% なお 実際の支給額は 育児休業中に仕事をした日数により変わり 賃金の80%以上が支払われると給付金は支給されない

・こちらも参考に →
「育児休業給付の内容及び支給申請手続きについて」(ハローワーク)
「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」(厚生労働省)
→ 詳しくは ブログ「096. パパ・ママ・育児」をご覧ください


・介護休業期間中は 雇用保険から給付金が支給される

介護休業給付金(雇用保険の被保険者) (2週間以上の休業が必要):介護休業取得中に賃金が減額、支払われない場合に支給 支給額は 賃金(日額)× 休業日数(最大93日)× 67%
  給付金は 休みを終え 復帰してからの申請となる (そのまま退職したら一部もらえないことも) → 休業を取得する人は必ず復帰すること


■ 障害年金


・障害基礎年金(2025年度)
障害の状態 受給額 子の加算額
1級 1.039.625円 2人目まで:1人につき234.800円
3人目以降:1人につき78.300円
2級 831.700円 同上
・障害厚生年金・障害手当金(2024年度)
障害の状態 年金額の計算方法
1級 報酬比例の年金額 X 1.25 + 配偶者の加給年金額(234.800円)
2級 報酬比例の年金額 + 配偶者の加給年金(234.800円)
3級 報酬比例の年金額(最低保障612.000円)
障害手当金 報酬比例の年金額 X 2(一時金:最低保障1.224.000円)

〇 年金額は 2級をベースとしており 1級は2級の1.25倍
〇 2級の障害基礎年金の額は老齢基礎年金の満額と同額(老齢基礎年金のように保険料の未納部分を減算するような計算は行わない)
〇 2級の障害厚生年金の額は 老齢厚生年金の報酬比例の年金額と同様の計算を行う(ただし 加入月数が合計300月未満の時は 300月とみなす)
〇 障害認定日の属する月後の加入期間は年金額計算の基礎に含めない
〇 初診日が20才前にある傷病によって障害基礎年金が支給される場合は 国民年金の加入や保険料の納付は要件とならない 受給者の前年の所得が一定額を超える場合 その年の10月から翌年の9月までの1年について 年金額の半額または全額が支給停止となる
〇 初診日が厚生年金保険の被保険者期間中である傷病が 初診日から5年経過するまでの間に治癒し その時の障害の程度が3級よりやや軽い場合は 年金ではなく障害手当金が一時金で給付される


*障害年金の受給に必要な3つの要件
① 「初診日要件」初診日:「障害の原因になった傷病につき、初めて医師もしくは歯科医師の診療を受けた日」(発病の日とは異なる場合が多い)

・柔道整復師や針きゅう師 マッサージ師の受診日は 初診日にはならない
・同一傷病で転医があった場合 一番目の医師等の診療を受けた日が初診日
・初診時に傷病名が確定しておらず (最初は異なる傷病名が付される「誤診」も含む)後に 正しい傷病名が付された場合 先の誤診時の診断が初診日となる
・過去の傷病が一度治癒してから再発した場合 再発について医師等の診療を最初に受けた日が初診日
・相当因果関係のある傷病は同一のものとして扱う(例えば 糖尿病から糖尿病性網膜症を発症した場合 初診日は糖尿病で最初に医師等の診療を受けた日が初診日)
・初診日は病名等が確定した日ではない(例えば 20才を過ぎてから初めて医師等の診療を受けて知的障害とされた場合 知的障害は医学的に生まれつきの特性として位置づけられているため 初診日は出生の日となる)
→ 初診日において以下のいずれかの条件に該当している必要がある

・国民保険の被保険者
・日本に住所を有する60歳以上65歳未満で、過去に国民年金の被保険者だったことがある人(老齢基礎年金を繰り上げ請求していない場合に限る 繰り上げ請求をすると65歳になったのと同じ扱いになる)
・20歳未満
*初診日に加入していた年金(国民か厚生か)で請求できる障害年金の内容が決まる
*基本的には 老齢年金がもらえる年齢になる前に病気やけがで障害の状態になった人が対象
② 「障害認定日要件」障害認定日:「障害がどの程度なのかという認定を行う基準日」
→ 傷病の初診日から起算して1年6ヵ月が経過した日 もしくは
→ 申請する傷病の初診日から起算して1年6ヵ月以内にその傷病が治癒した場合には、その傷病が治癒した日
 「治癒した日」とは 症状が固定し 医療行為を施しても それ以上効果が得られなくなることを指し 完治を意味するものではない(例えば 事故で腕や足を切断した場合はその切断日 心臓ペースメーカーや人工弁を装着した場合はその装着日 人工透析を行っている場合は人工透を初めて受けた日から起算して3ヶ月を経過した日などがある)
・「障害認定日において、国民年金の障害等級が1級または2級に該当する程度の障害の状態にあると判断されること」
・障害認定日(初診日から1年6ヶ月を経過した日、20歳前障害の場合は20歳到達時)に障害の状態でなかったが その後状態が悪くなった場合(事後重症)は 65歳の誕生日前に請求しなくてはならない
 → しかし、年金加入中に初診日があり 障害認定日に障害の状態であった場合や昭和61年3月31日までに20歳になった人で20歳時点で障害認定基準程度の障害に該当する状態であった人(そのことを証明できる診断書が必要)は 65歳を過ぎていても請求することができる
③ 「保険料納付要件」保険料の納付期間について 以下の要件を満たす必要がある
・初診日の前日時点で、初診日がある月の2カ月前までの被保険者期間について保険料の未払期間がないこと →「初診日の前日」での保険料の支払実績が問われる
・被保険者期間のうち、3分の2以上の期間について保険料を納付しているか納付を免除されていること(学生納付特例又は若年者納付猶予の対象期間を含む)→3分の1を超える期間の保険料を滞納していないこと
*「直近1年間に未納がない」場合の障害年金保険を受給できる特例
→ 2026年4月1日以前(令和8年3月31日までに)に初診日がある傷病によって障害が残り、初診日時点で65歳に達した日の前日以前であるという要件を満たすと、特例として遺族年金保険を受給することができる(初診日がある月の2カ月前までの被保険者期間について保険料の違法な滞納がない場合)
*初診日が20歳までの年金制度に加入していない期間にある場合は 保険料納付要件は問われない
 学生時代に保険料を滞納しており 仮に卒業してすぐ大きな事故で重い障害を負っても保険料納付要件に引っ掛かり障害年金はもらえないというケースが多い この場合忘れずに「保険料の免除申請」を

*対象は外形的な障害に限らない
・外形的な障害など ・精神障害 ・内臓などの障害
眼・聴覚・手足の障害など 統合失調症・うつ病・認知障害・知的障害など 呼吸器や心臓 肝臓などの疾患・糖尿病・がんなど

*障害年金を受給した場合のデメリット
● 家族の扶養から外れる可能性がある
→ 障害年金と他の収入を含めた総収入が年間180万円を超えると 家族の扶養から外れる
 障害年金は非課税だが、社会保険の扶養判定時には収入とみなされる 扶養から外れ 健康保険料と年金保険料を負担する必要
● 所得制限の対象になることがある
→ 受給要件を満たす限り 所得制限はない しかし 以下の2つのケースに限っては、公平性の観点から所得制限が課せられ
① 20歳未満で受給している場合(本人が保険料を納付していないため)
 1世帯(2人)の所得額が398万4,000円を超える場合、年金額の2分の1相当額に限り支給停止となり、また500万1,000円を超える場合には全額支給停止に
② 「特別障害給付金」の対象者の場合(国民年金がまだ任意加入だった時代に、初診日時点で国民年金に未加入であったことが原因で障害年金を受給できない人に対する救済措置)
 福祉的な側面が強い 受給者の所得が一定額を超えている場合は、半額または全額が支給停止に
● 寡婦年金・死亡一時金がもらえない
→ 寡婦年金・死亡一時金の受給要件の1つに「第1号被保険者の夫が老齢基礎年金や障害基礎年金を受給したことがない」とされているため
・寡婦年金:一定の要件を満たす夫が亡くなった際に10年以上婚姻関係にあり、死亡当時、夫によって生計を維持されていた妻が60歳から65歳の間受け取れる年金(寡婦年金を受けられなくても遺族年金を受けられる)
・死亡一時金:死亡日の前日において国民年金の第一号被保険者として保険料を納めた月数が36ヶ月以上ある方が亡くなった際に、その方に生計を維持されていた遺族が受け取れるもの(遺族が遺族年金を受給できるときは支給されない上、その遺族年金は障害年金を受けていても受け取れる)
● 「生活保護」との調整がある 生活保護費+障害年金(併せて受給)とはならない
→ 障害年金で受け取った額と同じ額が生活保護から減らされる(トータル支給額は変わらない
→ 障害年金の遡及請求が認められた場合、最大で5年分の障害年金が支給されるが、その期間に支給されていた生活保護費は返納することに また障害年金受給額が生活保護支給額より多い場合、生活保護は支給されない
● 「傷病手当金」との調整がある(障害厚生年金)
① 傷病手当金の日額が障害厚生年金の日額よりも多い場合
 障害厚生年金が満額支給され傷病手当金は(本来の支給額から障害厚生年金の支給額を引いた)残りの差額のみ支給される
② 傷病手当金の日額が障害厚生年金の日額よりも少ない場合
  障害厚生年金が満額支給され傷病手当金は全額支給停止に

*しかし障害年金の審査は数ヶ月かかるので以下のようなケースも当然ある(傷病手当金と障害年金の額調整が取れない場合)
① 同一傷病で傷病手当金と障害年金を同時にもらってしまった場合
→ 返還義務あり 傷病手当金を受給している人が障害年金の請求をする場合は傷病手当金の返金のことも視野に入れて請求する必要がある
②(例外)傷病手当金と障害厚生年金の元々の傷病が「同一ではない場合」
→ は支給の調整はない 従って傷病手当金と障害年金を同時に満額受け取ることができる
 現在 傷病手当金を受給中で今後、障害年金の申請を考えている人は事前に確認しておいた方がよい
● 「加給年金」が貰えない
→ 加給年金の対象となっている配偶者が障害年金をもらっている期間は 加給年金は支給されない
● 65歳以上になると「事後重症請求」ができなくなる
→ 65歳以上になった場合「認定日請求」または「遡及請求」のみが可能に
・「認定日請求」とは:初診日が確定し、その日から1年6ヶ月後の障害認定日で障害等級が判断される この障害認定日の1年以内に行うのが「認定日請求」行われるケースは少ない)
・「遡及請求」とは:認定日において、障害の程度が障害等級に該当していたにもかかわらず請求していない場合に可能なのが「遡及請求」

「遡及請求」
→ 過去5年分を遡って請求し、一時金として受け取ることが可能(障害年金には5年間という時効がある)
・手続きにおいて以下2点を準備しなければならない
① 障害認定日から3ヶ月以内の症状で作成された診断書
② 請求時の3ヶ月以内に作成された診断書

「①の診断書を準備するのが困難な場合」
(たとえば受診した医療機関でカルテの保存期間を過ぎてしまっていて 記録が残っていない場合)
→「事後重症請求」を行うことに
 この場合、障害年金の請求書を「受理した日」が「障害認定日」となり、その翌月分からの支給となる(過去に遡って請求することはできない)(たとえばうつになってしまった場合)障害認定日での症状は軽く 認定されなかったが、状態が悪化して重度の等級に当てはまるようになった場合
・65歳前であれば 診断書を提出し「事後重症請求」が可能
・65歳以降の請求となると「事後重症請求」ができない(障害年金を受け取ること自体が難しくなる)
・ただし 老齢基礎年金を繰り上げて受給している人は 事後重症による請求はできない
● 「国民年金の法定免除制度」の申請ができるが・・・(扶養から外れてしまった場合)
 申請ができるのは : 障害基礎年金ならびに障害厚生年金・障害共済年金の1級または2級以上を受けている人(3級・障害手当金の人は該当しない)
→ 平成21年3月以前の期間は1か月を1/3、平成21年4月以降の期間は1か月を1/2の割合で納付したものとみなされる(将来もらえる老齢基礎年金の額は、法定免除を受けた期間分について 1/2、1/3に減額される)
● 休業中に健康保険から支給される「傷病手当金」を申請する場合 この申請書に障害年金の受給の有無をチェックする項目がある
● 「実際の受給までに時間がかかる」
 障害年金の受給要件である障害日認定には、初診日から1年半が経過している必要がある そこから障害の審査が始まる 障害等級の審査には日数を要す(障害基礎年金であれば約3ヵ月、障害厚生年金であれば約3ヵ月半ほど 傷病により主治医に照会することもあり、長い場合は半年程度)



Q:現在 個人事業主・フリーランスとして働いています 病気や事故で働けなくなった時のリスクへの備え方を教えてください

① 「所得補償保険」(損害保険)「就業不能保険」「収入保障保険」(生命保険)に加入する

② 「労災保険」の特別加入制度を利用し 加入する
 現在 大工・左官・個人タクシー業者・個人貨物運送業者・アニメーション制作作業従事者・柔道整復師・自転車を使用して貨物運送事業を行う人・ITフリーランスなどの特定作業従事者等が特別加入が認められている
 特別加入の手続きは 個人で行うことはできない(以下のふたつの方法がある)
・都道府県労働局長の承認を得た特別加入団体(1人親方の団体等)を通して行う
・新たに特別加入団体をつくって申請する
・なお 今後すべてのフリーランスが 自己負担で労災保険に加入できる「特別加入制度」の対象がフリーランス全業種に広げられる(2024年秋 省令改正予定)

③ 「傷病手当金」の給付
個人事業主等においても一部の業種については 国民健康保険組合があり 会社員等の健康保険とは給付内容が異なるが 傷病手当金の給付を行っている場合がある

④ 「障害基礎年金」の給付

⑤ 小規模企業共済の「傷病災害時貸付け」を利用する

借入額 ・50万円以上1000万円以内(5万円単位)
・掛け金の範囲内で 掛金給付月数により掛金残高の7~9割が上限
・次の計算で求められた額が1000万円を超えるときは その金額を借りることが可能
(流動負債-当座資金)+ 1/2(給与+賃金+その他経費)
借入期間 ・借入額500万円以下の場合:36ヶ月
・借入金505万円以上の場合:60ヶ月
返済方法 ・6ヶ月ごとの元金均等割賦償還
利率 ・年0.9%(2022年6月24日現在)
利子の支払い方法 ・借入時および償還時に6ヶ月分前払い
延滞利子 ・年14.6%
借入窓口 ・傷病:(独)中小企業基盤整備機構 小規模共済融資課
・災害:商工組合中央金庫 本・支店
申し込み受付期間 ・傷病:入院した日から6ヶ月以内
・災害:災害が発生した日から6ヶ月以内

⑥ 日本商工会議所の「休業補償プラン」を利用する(個人事業主等でも団体保険に加入する方法がありそのひとつ )
→ 詳しくは「休業補償」(日本商工会議所)をご覧ください



Q:「所得補償保険」(損害保険)、「就業不能保険」(生命保険)、「収入保障保険」(生命保険)の違いはいったい何ですか?


  目的 誰のため 保険期間
収入保障保険 遺族の生活費を保障 遺族 長期
就業不能保険 働けない場合の収入減に備える 本人 長期
所得補償保険 (同上) 本人 短期
定期保険 遺族の生活費を保障 遺族 長期



「収入保障保険」 *死亡または、高度障害になった時に保険金を受け取れる(生命保険)
保険金(保障) ・年収に関係なく保障額を設定可能
・一時金で受け取るタイプや一定期間毎月受け取るタイプがある
・保険会社によっては「就業不能の特約」を付けることができる
・保険期間が同じなら保険金が就業不能保険より安め
保険金が支払われる期間 ・10年20年など長期間が多い 保険期間を自由に選択できる
・契約している保険金額を保険期間の間受け取れる
保険金の支払い条件 ・死亡または、高度障害になった時
・死亡・高度障害に該当しない働けない状態でも保険金はでない
保険金が受け取れるようになるまでの期間 ・免責期間はない
どんな人に向いている? ・小さい子供を持つ人、できるだけ保険料を抑えたい人
・自分の収入が家族に寄与している割合が多い人、主婦でも自分に何かあったら家族のサポート費用が必要な人などにおすすめ
誰が受け取れる? ・遺族
保険料 ・掛け捨て型が多い また、保険金支払いが死亡や高度障害に限定されているため比較的安くなっている
・寿命の延びているため保険料が安くなっている
・契約した時点で保険料は固定される
所得控除 ・生命保険料控除の対象
保険金を受け取った時の課税 ・相続税(非課税枠がある 500万円x法定相続人の数)
取り扱っている会社 ・生命保険会社




「就業不能保険」 *働けなくなった時に保険金を受け取れる(生命保険)
「亡くなるより家族が困ってしまう場合がある」
保険金(保障) ・毎月一定額(平均収入X60%前後)
・就業不能時に、1年6か月(傷病手当金受給期間)は保障を低めにして、その後の保障を手厚くする、という設計も可能
保険金が支払われる期間 ・長期 ※「20年間」「65歳まで」等 10年、20年など長期間のものが多い
・仕事ができない状態が続けば、保険期間の間ずっと保険金を受け取ることができる
保険金の支払い条件 ・仕事への復帰が困難(就業不能状態)と判断される場合
・歩けなくても自宅で軽作業やパソコンで仕事ができれば就業不能とみなされない
・各社が定めた条件も満たされなければならない(国民年金法が定める障害等級1級・2級など重い障害状態を求める会社も)
・病気やケガで短期間入院し その後も不調が続いて働けずに自宅にいても 医師から在宅療養の指示がなければ給付金が出ない場合が多い
・復職すると給付打ち切りが多かったが 復職後も長く給付金が出る商品も増えている(復職しても 以前のように働けないことが多い)
・長引きやすいメンタル系入院は対象外が多い
保険金がもらえないケース ・60日間等 契約時に設定した支払い対象外期間(免責期間)内に回復した場合(期間を設定することにより保険料を抑えられる)
・むち打ち症や腰痛 またはうつ病等の精神疾患により就業不能状態になったとしても 自覚症状のみの場合
・回復しても 元の仕事に復帰できない場合やそのせいで収入が減ったとしても それに対しては保険金は支払われない
保険金が受け取れるようになるまでの期間 ・医師に就業不能状態と診断されてから、60日間等の免責期間経過後
・保険金がでない期間(免責期間)が長い(60日、180日など)
・最近の商品では 支払い対象外期間が短縮され 給付が早めになっている商品も多い
どんな人に向いている? ・子が小さいなどで貯蓄が少ない30~40代の夫婦
・経済的に頼れるパートナーがいない単身者
・傷病手当金や障害年金はあってもそれだけでは不安という人
・会社員に比べて公的保障が薄い自営業者・フリーランス
・重度の就業不能状態による長期的な収入減をカバーしたい人
誰が受け取れる? ・自分
保険料 ・収入補償保険や所得保障保険に比べて少し高い
・掛け捨て型だが、無事故給付金が戻ってくる保険商品もある
・保険期間、加入時の保険料のまま上がらない
所得控除 ・生命保険料控除の対象
保険金を受け取った時の課税 ・非課税
取り扱っている会社 ・生命保険会社


「所得補償保険」 *働けなくなった時に保険金を受け取れる(損害保険)
保険金(保障) ・毎月一定額(日割り計算)(平均収入X60%前後)
・保障額は加入時に自由に設定できる
・契約直前12か月所得の平均月間額の一定割合が上限
保険金が支払われる期間 ・短期(主に1年)1年毎の更新が多い ※最長でも2年が多い
・軽度の就業不能状態による短期的な収入減を最長2年までカバー
保険金の支払い条件 ・医師のドクターストップ(入院か自宅療養でまったく働けない時しか支払い対象にならない)
保険金が受け取れるようになるまでの期間 ・医師のドクターストップが出てから4~7日間の免責期間経過後
・保険金がでない期間(免責期間)が短く、すぐ支払われる
どんな人に向いている? ・休業時の保障(傷病手当金)がない自営業者・フリーランス(会社員の場合は「傷病手当金」(最長1年6ヶ月)があるため不要)
誰が受け取れる? ・自分
保険料 ・1年から数年で更新のため、若い人は安く年齢が高いと高くなる
・掛け捨て型だが無事故給付金が戻ってくる保険商品も多い
所得控除 ・生命保険料控除の対象
保険金を受け取った時の課税 ・非課税
取り扱っている会社 ・損害保険会社



2025年10月10日


2025年05月24日

120. 家計管理


■ 積立運用と家計の見直しを比較する


運用(30年間) 家計見直し(30年間)
月1万円の積立(利率2%)→ 494万円 月1万円+3.723円の見直し → 494万円
月1万円の積立(利率3%)→ 584万円 月1万円+6.223円の見直し → 584万円

(1万円+3723円)×30年=約494万円
(1万円+6223円)×30年=約584万円
 リスクを取って 運用できたとしても 仮に家計に3723円や6223円のムダがあれば 利益に相当する額は 結局プラスマイナスゼロとなる「資産を築く上で家計管理には運用に匹敵する効果がある」(家計の見直しの方は 安心で確実です)


■ インフレと下がるお金の実質価値

 2%のインフレが続くと お金の価値は 20年後に2/3に減る


・上記出典:日経クロストレンド


■ 2000万円問題(その後)


・上図出典:大和証券

 「総務省・家計調査」は 毎年実施されています 上図の通り「2020年(の家計収支を基にすると)では(生涯の不足額は)55万円」(2017年の1962万円(約2000万円)の不足が いきなり 55万円の不足になったりする)という数字のマジックの他にも「2000万円(不足)問題」がおかしい理由は たくさんあります
*しかし「2000万円」が「55万円」となっても「課題」は変わりません


・金融庁の報告書でも「あくまで平均の不足額から導き出したものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる」とある
 「2020年の家計収支」は 特別定額給付金があり また コロナ禍において支出が例年よりも制限されたことの影響は大きい(その年の収支を 単純に X 30年分 としているだけで 毎年臨時収入(特別定額給付金等)があるわけではありません )

・下記は 2017年の「総務省・家計調査」を基にしています
 金融庁が示した「報告書」(2019年6月)いわゆる「2000万円問題」は これがもとになっている


・高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみ無職世帯)の毎月赤字額( 収入ー支出 )は約5.45万円 生涯の赤字額は
 → 夫婦が共にあと20年生きたとすると
  5.45万円X12ヶ月X20年=1308万円
 → 夫婦が共にあと30年生きたとすると
  5.45万円X12ヶ月X30年=1962万円(約2000万円) となる


金融庁が示した「報告書」(人生100年時代を見据えた資産形成を促す報告書)(2019年6月)
 長寿化によって会社を定年退職した後の人生が延びるため、95歳まで生きるには夫婦で約2千万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算を示した。
 公的年金制度に頼った生活設計だけでは資金不足に陥る可能性に触れ、(現役時代から)長期・積立・分散型の資産運用の重要性を強調した。定年を迎えたら退職金も有効活用して老後の人生に備えるよう求めた。


*金融庁が示した「高齢者夫婦の平均的な姿」(モデル世帯)
・夫65歳、妻60歳の時点で夫婦ともに無職
・夫は平均的年収で40年間働き 保険料を40年間すべて納め 妻は、ずっと専業主婦
・持ち家(家賃は含まれていない)また、リフォーム費用も含まれていない
・30年後(夫95歳、妻90歳)まで夫婦ともに健在(介護費用も含まれていない)
・その間の家計収支がずっと毎月5.5万円の赤字


そこで 異論・反論・オブジェクション・対策


① 冒頭にあげた「2020年(の家計収支を基にすると)では(生涯の不足額は)55万円」(2000万円の不足が いきなり 55万円の不足になったりする)という数字のマジックの他にも

・上図出典:朝日新聞デジタル

 その他にも ちょっと細かく はなりますが・・・(ページトップの「高齢夫婦無職世帯の平均収入・支出」より)
〇 交通・通信費のうち 自動車関連費は 16.029円(車がなければ この分はない)
〇 その他費用(54.028円)の内訳は 交際費が27.338円(うち 14.447円が贈与金:香典・見舞金・祝儀・孫へのプレゼント等)残りの26.690円は 理美容費・こづかい等となっている
〇 教養・娯楽費(旅行費等)の25.092円と上記の26.690円(理美容費・こづかい等)の合計は 51.782円(現役サラリーマンの声「俺のほぼ半年分!」)
〇 年金以外の その他収入が 17.318円となっているが ここでの差が大きい (夫婦で 月5~6万円の収入で働く それだけでも全然違う)

 周りの・身近な「高齢夫婦無職世帯」に聞いてみましょう!
「本当に 毎月263.718円も支出がありますか?」と


② 同じく 総務省「家計調査」(2017年)によると
・高齢夫婦無職世帯の平均純貯蓄額(貯蓄ー負債)は 2484万円
・定年退職者の退職給付額は 平均で 1700万円~2000万円程度

→ これらがあれば「2000万円問題」は解決?ということになるが

しかし「課題」も多い


● 高齢者の間で貯蓄額には大きな差がある



● 定年退職者の退職給付額は減少傾向にある また、退職金制度が整っていない企業は少なくない



● 平均寿命が伸びている 生涯赤字額がさらに増える可能性がある
 → 夫婦が共にあと35年生きたとすると  5.5万円X12ヶ月X35年=2310万円 となる



● 持ち家が前提のため 家賃も含まれていない(また 持ち家の場合も 住宅リフォーム費用が含まれていない)
 65歳で引退し 90歳まで 月6万円の家賃を払い続けて暮らしていくとすると
 6万円 X 12ヶ月 X (90 - 65)=1800万円(更新料等を入れれば2000万円に)
「2000万円問題」に加え「老後の家賃2000万円問題」があることになる


 →  ブログ「092. ビフォー・アフター」 もご覧ください


●ひとりの人が生まれてから亡くなるまでにかかる医療費「生涯医療費」(自己負担+医療保険)は、約2.600万円 その約半分は70歳以上の時期に占める(厚生労働省)
 ただし、医療保険から7~9割が支払われ、さらに自己負担についても限度額を超えた分は「高額医療費」として保険から給付されるため、実際に支払う医療費はそれほど高額にはならない としても医療費は少ないほうがいい・・


・65歳以上の人で入院の多い3大疾病は 「脳血管疾患」 「がん」 「心疾患」 このうち、入院期間が長く治療費がかさむのが「脳梗塞」(平均入院日数が100日以上、入院費は300万円前後にも)



● 平均的な介護費用は以下のようになる (介護費用も含まれていない)
 「月額(毎月定期的にかかる費用」7.8万円」= (公的介護保険の1割または2割 自己負担分)+(公的介護保険の支給限度額超過分)+(公的介護保険で対象外となるサービス利用費)



■ ぐんぐん下がる所得代替率


経済シナリオごとの年金給付水準
経済シナリオ 前提の実質経済成長率 将来の所得代替率 24年度所得代替率からの低下率
高成長ケース 1.6% 56.9% ▼7%
成長ケース 1.1% 57.6% ▼6%
横ばいケース ▼0.1% 50.4% ▼18%
マイナス成長ケース ▼0.7% 33~37% ▼4割

・上記出典:日本経済新聞
▼ は マイナス

・2024年度に 61.2%なのに対し 中長期的に実質経済成長率が▼0.1%で続く(過去30年と同等の経済成長)場合 33年後の57年度には50.4%まで低下 年金水準は現在より2割弱目減りする見通しに
 中長期の実質経済成長率が0.7%減のケースでは59年度に国民年金の積立金が枯渇し 所得代替率は30%台に低下 一方 経済成長率が1%以上と見込む2ケースでは56.9~57.6%で下げ止まる

・2024年の財政検証
 所得代替率は61.2%(2019年では 61.7% 悪化している)前回の2019年に比べて低下率が縮小する傾向だが 高齢者と女性の就労参加が進んだことや 株高による積立金の増加が寄与

・あなたの年金は いくらになる見通しか?(厚生年金の場合 モデルケース)
● 過去30年間と同程度の場合(実質経済成長率:▼0.1% のケース)

現在の年齢 男性 女性
60才 14.9万円 9.3万円
50才 14.1万円 9.8万円
40才 14.1万円 9.9万円
30才 14.7万円 10.7万円
20才 15.5万円 11.6万円

〇 経済が順調の場合(実質経済成長率:1.1% のケース)

現在の年齢 男性 女性
60才 14.9万円 9.3万円
50才 15.6万円 10.9万円
40才 18.0万円 13.2万円
30才 21.6万円 16.4万円
20才 25.2万円 19.8万円

・上記出典:NHK

・上図の「年金の抑制」とは「マクロ経済スライド」のこと


財政検証 2009年から5年ごとに行われている「年金の定期健康診断」と呼ばれるもの 国庫負担・給付に要する費用など年金事業の収支の確認をし 年金制度を今後100年間維持できるように各種の調整をするのが目的
モデル年金 平均年収(標準報酬額)を得ながら厚生年金に40年間加入した会社員の夫と 専業主婦(第三号被保険者)の世帯が 夫65才で受け取る年金 24年度は 月 23万483円
所得代替率 公的年金を受給し始める65才のモデル年金の額が 現役世代の男性会社員の平均手取り収入(賞与込み)と比べ どの程度かを割合で示す値 2019年は 61.7%
前提 いずれも ① 2070年の合計特殊出生率:1.36人(2024年度は1.15人)② 在留外国人数(外国人労働者数)の増加率の維持 が前提となっている
外国人については → Q&A 外国人 をご覧ください
マクロ経済スライド 現役世代の人数や平均余命の伸びなどを考慮して 年金の給付水準を自動的に抑制する(物価や賃金の上昇率より低く抑えていく)仕組み





■ 厚生労働省 毎年1月翌年の「モデル年金」を改定している
・給付水準をイメージしやすいように 夫は会社員などが対象の厚生年金に平均的な収入で40年間働き 妻は 40年間専業主婦という「モデル世帯」が基準
・共働きや単身世帯の増加とともに 会社員と専業主婦というワンパターンだけでは実情に合わない 2024年5月 社会保障審議会では働き方や世帯構成 収入などに応じて計25パターンを検討例として示した
 「世帯の類型別でみて受給額が大まかにいくらかを把握したい場合に参考になる」


* しかし これらには 数字のマジックがある



● 現在の公的年金制度では 将来の給付水準の下限を所得代替率50%(現行の計算方法で)と定めているが・・・(さらに あくまで 「65歳時点での~」→ 66歳以降は下がっていくとされる)
● 所得代替率は 最良のケースであっても低下するとされ 将来年金での生活維持は現在より苦しくなるということになる 自助努力による老後資産形成は今まで以上に必要になる










・特に 国民年金(基礎年金)の所得代替率の低下を受け(障害基礎年金や遺族基礎年金も同様に下がる)様々な方策が検討されている(以下参照)(2036年 基礎年金の給付水準の3割底上げを目指す

〇「国民年金の納付期間の5年間延長」「国民年金の第3号被保険者制度(自己負担0で国民年金を受給( 第二号被保険者全員で負担))の改革」は 今回(2025年)は見送られた
〇 「基礎年金の底上げ」→ 2029年の財政検証で給付水準の低下が見込まれる場合に行うことに
〇 社会保険の加入対象の拡大→ 順次
〇「就労意欲を削ぐ側面がある」とされる「在職老齢年金制度」の見直しが議論される → 基準を50万円から62万円に引き上げ(2026年4月~)
〇 さらに 共働き世帯の増加もふまえ 男女差が著しい「遺族厚生年金」の男女差是正も(以下の図 参照)→ 見直される(受給期間を5年間に 等)男性は2028年4月から実施 女性は 2028年4月から20年かけて段階的に実施
〇 厚生年金等の標準報酬月額の上限の段階的引き上げ→ 2027年9月から段階的見直し
〇 さらにさらに 「不公平だ」とされる「加給年金制度」についての議論も「年下の配偶者に対する加算」の縮小が決定(2028年4月から 段階的に縮小へ)一方、「子ども(第3子以降)への加算」は 引き上げられる

 上記の赤字部分(25年度年金制度改革法)および 年金全般について
詳しくは →「Q&A 年金」をご覧ください

〇 私的年金制度(iDeCo 企業型DC)の見直し→ 3年以内に実施
詳しくは → ブログ「116. iDeCo」をご覧ください








■ 円安加速 家計負担10万円増

(1ドル=150円で推移した場合)



■ 物価の伸びに実質賃金が追いつかない



・実質賃金 労働者が受け取った給与である名目賃金から 消費者物価指数(物価変動の影響)を差し引いて計算したもの


家計改善 対策① 家計キャッシュフロー表(CF表)



 「家計キャッシュフロー表」(将来の収支予想・貯蓄残高の推移)で今後の人生をザックリと見通し このままの家計で夢や目標が叶うのか、家計が赤字にならないか、もしもの場合の準備は十分か、十分な老後資金を確保できるか等を検証する
  「資金計画」をたて「生活設計」を考えれば 夢はより具体的になる

家計改善 対策② 家計簿をつける

・「稼いだお金の使い方に 納得ができるのか?」を検証してみましょう


「家計の無駄遣いを減らし 着実に貯蓄をする第一歩とされるのが家計簿を付けること」とされる 資産を築くうえで家計管理には運用に匹敵する効果があると実感する人も多いという
 ですが 家計簿の作成に挫折した経験がある人は多い


 そこで 今 利用が広がっているのが PFM(Personal Financial Management 個人資産管理)スマホでの利用が多いことから「家計簿アプリ」と総称される
「家計簿アプリ」はおもに 2つの機能が活用されている

①「家計管理機能」→ 家計が可視化される

・自分が何にいくらお金を使ったかを記録し 日にちや費目ごとに整理した結果を グラフにしたり カレンダーに1日ごとの支出を示したり 毎月の支出入を前の月と比較したりしてくれる(一部は 有料のものもあるが 興味があれば 無料版で始めてみるのもよいかも)


②「資産管理機能」→ 資産の全体像を見渡せる

・複数の証券会社で運用している 株式・債権・投資信託・現金の各合計と全体に対する割合 日々の変動額もわかり 取引明細(個別の銘柄)も確認でき便利 ねんきんネットやiDeCoの情報も確認できる


「フィンテック(FinTech)」
 金融業務にIT(情報技術)の成果を取り入れようとする「フィンテック(FinTech)」:金融(ファイナンス)とテクノロジーの融合を意味する
 フィンテックの流れは早く 今後も様々な分野に広がっていく 現在 分野としては 次の4分野があり 様々な革新的なサービスが登場している

① キャッシュレス決済・送金サービス(銀行の送金システムを使用しない):「個人間送金」「仮想通過取引」「モバイル決済」
② 資金調達・融資:「ソーシャル・レンディング」(融資型のクラウド・ファンディング ネット上で借り手と貸し手が直接マッチングする)
③ 資産の管理・運用:「少額投資サービス」(クレジットカード決済・おつり投資・ポイント投資)「家計簿アプリ」「ロボ・アドバイザー」
④ AI(人口知能 Artificial Intelligence 画像認識・音声認識・ビッグデータ等の活用):「ビッグデータ・レンダー(融資を判定)」その他に「自動運転」等

 


「家計やりくり川柳」過去の優秀作品  
 「明るい暮らしの家計簿」を発行する(ときわ総合サービス株式会社)
「サラリーマン川柳」歴代1位作品  
 「一生涯のパートナー」(第一生命)


家計改善 対策③ 固定費を見直す


 固定費の見直し 1回節約すると持続的に効果が出て 節約の効果が見えやすい 節約をしても生活の質を落とす必要が少ない 難易度も高くない

住居費 ・家賃の見直し(物件の借り換え・可能なら家賃の減額交渉)
・低金利なローンへの借り換えや繰り上げ返済を検討
・特に家の老朽化に伴うリフォームは 早めに計画的に行う(効果が大きい)その際 国や自治体の補助金を活用できるか検討する
・日ごろから将来的な維持費用を少しでも減らすために 家にダメージを与えない住み方を意識する(こまめな換気や特に水回りの掃除等)
自動車関連 ・車種の見直し(中古車・軽自動車・EVへの乗り換えなど)
・保険や駐車場の見直しやエコドライブを心がける
・所有せずに利用(カーシェアリング・レンタカーなど検討)
 → 「ブログ 015. ファイト」「ブログ 016. エコドライブ」をご覧ください
水道光熱費 ・つけっぱなし 流しっぱなしをやめてこまめに消す
・今より料金がお得な電気・ガス会社に契約を変える
・省エネ家電や節水型家電等に買い替える
・基本的に家にいない(公共施設を利用し 在宅に向けてはタイマーを活用する)
通信費等 ・格安SIMへの乗り換え
・キャリアのお得な新プランへの変更を検討
・フリーWi-Fi や自宅でのおうちWi-Fi の利用を心がける
・契約しているサブスクが本当に必要か 元をとれているか 考えてみる
保険料 ・貯蓄型保険から保険料の安い掛け捨てへの変更を検討
・公的医療保険や団信と二重加入になる保険は解約を検討
・保険は必ずしも長期にわたってかける必要はない ライフスタイルによって見直しをする
教育費 ・かけすぎない 塾・習い事等の受講方法を見直してみる
・「習い事が 子どものためになっているか?」を再検討する
・進学先を安易に決めない 奨学金を活用する
 → 「ブログ 097. 奨学金・学生バイト」をご覧ください
税金投資 ・所得税の還付や住民税の控除も可能なふるさと納税の活用を
  → 「ブログ 041. ふるさと納税」をご覧ください
・住宅ローン控除 生命保険料控除 医療費控除 や国が推し進める各種税制優遇や補助金等をできるだけ利用してみる
・内容や仕組みが自分では はっきりと理解・把握ができない投資はしない
・利回り10%などの「うまい儲け話」にだまされないこと(平凡な庶民が特別な儲け話に乗り切れることは100%ない)


 一方 次のような変動費(食費・被服費・娯楽費・交際費等)を無理に節約しようとすると 生活の質の低下を招いたり 楽しいことを我慢せざるをえなくなったりすることから 減額は難しい 生活にはメリハリを

家計改善 対策④ 口座を見直す

 

 

 


・銀行の口座・通帳の手数料を払う仕組みの導入が相次ぐ

手数料の種類 概要
口座維持 預金口座を持つ人から定額を徴収
未利用口座管理 一定期間 入出金がない口座から徴収
通帳発行 紙の通帳の発行・繰り越し時に発生
コンビニATM利用 現金の引き出し・預入時に発生

・残高や開設時期など一定の条件を満たせば免除される場合がある


・個人預金口座の課題
● 定期預金金利:0.002%(の場合) 例えば、100万円を定期預金に1年間預けても、1年間で20円(税込)しか増えない(金利が 100倍の0.2%になっても 1年間で2000円(税込)です)
● 銀行口座は取引がなくとも システムを維持するなどの費用が 1口座当たり年間2000~3000円かかるとされる
● 未利用の口座は 特殊詐欺などの金融犯罪やマネーロンダリング(資金洗浄)などに悪用されるリスクがある
● 紙の通帳は印紙税法により1 口座につき年200円が課税され 銀行が負担している
● 取引が10年以上行われていない(入出金がない)預金口座は「休眠口座」とされ これらを公益的な活動に活用する「休眠預金等活用法」が16年に成立(2019年から 本格活用が始まる) 休眠預金は年間800億~1000億円発生しているとされる(場合によっては権利消滅も)
● 郵政民営化前(2007年9月末まで)に預けた定期性の郵便貯金は満期から20年2ヶ月以内に払い戻し手続きをしないと権利が消滅(国庫に納付)
●最近は2年といった期間 入出金のない口座に手数料を課す銀行が増えている 残高から手数料が引けなくなれば自動的に口座が解約される銀行もある


・取引が2年以上ない「未利用口座(冬眠口座)」の手数料例

銀行名 対象となる口座の条件例 手数料(年)
横浜 2020年5月以降に開設し 2年以上 未利用 残高が1万円未満 1320円
千葉
静岡
2020年10月以降に開設し 2年以上 未利用 残高が1万円未満 1320円
八十二 2021年4月以降に開設し 2年以上 未利用 残高が1万円未満
2021年3月以前に開設し 2年以上 未利用 残高が1000円未満
550円
三井
住友
2021年4月以降に開設した新規口座のうち 2年以上 未利用 残高が1万円未満 デジタル通帳未利用の18~74歳が対象 1100円
三菱UFJ 2021年7月以降に開設した新規口座のうち 2年以上 未利用 1320円

 

 定期預金金利:0.002% 例えば、100万円を定期預金に1年間預けても、1年間で20円(税込)しか増えません(金利が 100倍の0.2%になっても 1年間で2000円(税込)です)
 こんな銀行口座の取引で気になるのが「手数料」

・ 対策 ①「ネットバンキング」を利用する

  ネットバン
キング
窓口 ATM
振り込み
(自行)
無料 220~
550円
無料~
440円
振り込み
(他行)
220~
440円
660~
880円
220~
660円
住宅ローン
(繰り上げ)
無料~
5500円
5500~
22000円
住宅ローン
(借り換え)
無料 5500~
16500円

・上記 料金は一例(銀行により異なる)
・大手銀行や地方銀行といった店舗を持つ多くの銀行が対応(銀行側の運用コストが低い)
 基本的に店舗を持たないネット専業銀行(スマホ銀行)もある

・ 対策 ②「スマホ銀行」(ネット専業銀行)を利用する

(注)スマホ銀行は それぞれ特徴的な機能がある 主に自社グループの金融サービスとの連携でお得感が大きい また 有料の「プレミアサービス」や「ポイント付加」を用意している銀行もある
(注)スマホ銀行は 一般の銀行と比べサービスが限られている場合も多い 例えば 住宅ローンを取り扱っていない 公共料金の引き落としができないなど

・ 対策 ③「個人間送金アプリ」を利用する



・主な個人間送金アプリ


・ 対策④「ことら(「多頻度小口決済システム」)」を利用する

 大手5行を主体に 2022年度上期に取扱開始予定
  1回の送金額は10万円以下と上限を設ける方針



家計改善 対策⑤ ポイント活用
「ポイ活(ポイント活動)」ではありません


 「ポイ活」に日々親しんでいる向きも多いと思いますが・・・
・ポイントは「どうためるか」よりも「(失効させずに)どう使うか」のほうが大切
・中途半端にしかたまらず失効してしまったり 使い切れなったポイントやマイル それらの有効活用先として用意されているのが「バーチャルプリペイドカード(スマホアプリ)」

「バーチャルプリペイドカード(スマホアプリ)」
・ポイントやマイルをチャージできる(等価交換がほとんど)
・(残高が足りない場合など)クレカや銀行口座 ATMから追加チャージが可能(少ないポイントでも使い切りやすい)(チャージができる方法は カードにより異なります)
・国際ブランド付きならば 各加盟店でタッチ決済などが可能
対象ポイント バーチャルカード 特徴など
Vポイント Vポイント Pay 利用額200円につきVポイント1ポイントを還元
Pontaポイント au Pay バーチャルカード 発行手数料600円でプラスチック製物理カードも発行可能
ファミマポイント ファミペイ バーチャルカード ファミペイ残高をそのまま利用可能
ANA マイル ANA Pay 1マイルから1円相当でチャージ可能
JAL マイル JAL Pay 500マイルからチャージ可能 1万マイル交換で1万1000円相当に
PayPay ポイント PayPay 残高カード 2025年6月30日からPayPayの本人確認済み利用者が使用可能に



家計改善 対策⑥ 自己投資・健康維持を心がける
 長く働き続けることを可能とする「心身の健康」を維持する


重点5ポイント その②「平均寿命と健康寿命」をご覧ください
・「学び」に遅すぎはない!ブログ「098. リスキリング」をご覧ください


家計改善 対策⑦ 暫定税率の廃止(ガソリンについては 2025年12月31日 軽油については 2026年4月01日の廃止が決定)





家計改善 対策⑧ 「給付付き税額控除」(現在は 制度設計の段階)または「社会保険料還付付き税額控除」




 今後のライフプランシュミレーションをしてみることは大事 また、高年齢者雇用を後押しする制度改正が続いており「70歳まで就労の機会」が拡大されている
・詳しくは → Q&A「老後・介護」 のページにて

(例えば 「2000万円問題」「財政検証」で金融庁が示した「高齢者夫婦の平均的な姿」(モデル世帯)
 未婚率の上昇 夫婦と子供から成る世帯の比率の低下 持ち家比率の低下 こんな中で 結婚し 夫婦子供二人で暮らし 持ち家を持つという かつて標準的と考えられてきた(モデル世帯)
 非正規雇用比率の上昇 60歳代の就業率の上昇 退職給付額の減少 こんな中で 定年まで正規雇用で働き その後は退職し 退職金を取り崩しながら生活するという(モデル世帯)
 「モデル世帯」や「標準的な世帯」を設定するのは 無理がありますね みなさんは 精一杯の唯一無二の存在です)

2025年12月15日
2023年04月24日

119. 不動産投資

Q:着実な収入「不動産所得」を何とか手にしたいと思っていますが ハードルが高いといわれます いろいろ教えてください

 不動産投資といえば 従来は 主に一棟アパート投資や分譲マンション投資など現物不動産への投資のことでした
 給与所得者が「不動産所得」を得ようと アパート経営や分譲マンション・一戸建て等の賃貸経営をする場合 減価償却費 や固定資産税 損害保険料 修繕費 管理手数料 雑費などを費用として計上し 家賃収入を上回る「赤字」となったら (確定申告で)所得税の納税額を減らしたり 場合によっては 還付金が生じることもある
 また 相続税を抑える効果もある 相続時に現金を持つよりも 不動産の方が評価額が低くなることが多いとされている

■ 「不動産所得」(土地・建物等を貸し付けたことにより生じた所得)をめぐる税務については こちらをご覧ください
 → 「No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」(国税庁)


■ 現物不動産投資のリスク対策

リスク 対策 内容
空室 サブリース サブリース契約
リフォーム 入居競争力の強化
滞納 保証会社 一定期間の立て替え
自然災害 地震/火災保険 自然災害による損失カバー
賠償責任 施設賠償責任保険 対第三者への法的責任を補償
事故・災害 家賃補償保険 家賃の損失を限度内で補償
大規模修繕 計画的な積立 適切な修繕積立金の確保
賃貸住宅修繕共済 大規模修繕の準備
トラブル 管理委託 管理会社との管理委託契約
契約書への明記 ペットの飼育 楽器演奏等を明記徹底




● 不動産価格が上昇している現在 資金力が限られる個人がワンルームマンションなどに投資するのは ハードルが高い そんな中 少額の資金でも不動産投資ができる「不動産投資信託(J-REIT)」「不動産小口化商品」「不動産クラウドファンディング」などが新しい不動産投資の方法として注目されている

■ 不動産投資(賃貸住宅経営)の特徴
〇 メリット
・借入金を活用し少ない元手で大きく投資できる
・安定した賃料収入が期待できる
・相続税を抑えやすい
・所得税の節税になる場合がある
・インフレに比較的強い
● デメリット
・優良な物件を選ぶには手間がかかる
・物件の適切な評価は難しい
・空室 家賃滞納 災害などのリスクがある
・維持管理に手間や費用がかかる
・変動金利での借り入れには金利上昇リスクがある
・分散投資のしやすさや流動性の面で実物不動産は 金融資産より不利

■ サブリース

●相続税対策として 賃貸アパート経営を考えるケースもあります(高額な資金を必要とする不動産投資のひとつです)空室リスク等を避けるために「サブリース」という方法を用いる場合も多いが・・・


サブリースのメリット・デメリットについては
 → ブログ「089. 資産運用(不動産)」をご覧ください


不動産投資信託(REIT)

・上記出典:ブリッジサロン

 「REIT リート」とは 不動産投資信託 のことで日本で組成されたものは「Jリート」 と呼ばれる 現存する「Jリート」は 全て会社型(投資法人)の投資法人
 不動産投資法人が投資口(株式会社の株式に相当)を発行して投資家から集めた資金と 金融機関からの借り入れや投資法人債の発行によって調達した資金でオフィスビルや賃貸マンションなどを購入し そこから得られた賃料収入や不動産の売買益を投資家に分配金として支払う
 「Jリート」の個別銘柄(保有している不動産の用途別の銘柄)は 下記表のそれぞれだが 個別銘柄の選択が難しい場合は 東証リート指数(*)に連動するETF(上場投資信託)やJリートに投資する投資信託(Jリートファンド)を利用する方法もある

(*)東証リート指数:上場している Jリート 全銘柄の時価総額合計を基準日の時価総額合計で割って1.000を掛けたもの TOPIX(東証株価指数)とおおむね連動している



REITの種類 主な投資物件・特徴など
住宅 賃貸マンションに投資 収益が景気に左右されにくいとされる
物流施設 運送会社やインターネット通販会社の倉庫など 新型コロナの影響で需要増も
オフィスビル 入居者が企業のため 景気の影響を受けやすい
商業施設 ショッピングモールや大規模スーパーなど テナントが退去すると収益が減る
ホテル ホテルの経営状況が収益に影響し 宿泊客の減少が続くなどすると収益が悪化する
ヘルスケア施設 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など介護施設 将来は需要が拡大する
複合型・総合型 オフィスビルと商業施設といった2種類以上の物件に投資する

〇 不動産投資信託(REIT)のメリット
〇 証券市場に上場しているため 流動性が高く自由に売買できる
〇 比較的少額で購入できる 自己資金で値動きの異なる複数の商品に分散投資ができ リスク軽減にもつながる
〇 物件管理の手間がかからない 専門家が運用するため 手軽に不動産投資をはじめられる
〇 長期的に安定した分配金が期待できる 値動きが激しい株価と比べると 景気や社会情勢の急変がない限り短期間で大きく変動しない 分配金利回りが比較的に高い
〇 REITは「利益の90%超を投資家に還元するなどの条件を満たすと 法人税が実質的に0になるという仕組み」のため 上場企業の配当利回りの平均に比べ高い水準
● 不動産投資信託(REIT)のデメリット
● 取引のタイミングによっては 元本割れリスクがある 株式と同じように価格が日々変動する 金利上昇局面で下がりやすい(REIT側の利払い負担が増え利益が増えにくくなる 国債の金利が上昇すれば相対的に利回りの魅力が薄れる)
● 投資法人の運営状況によっては分配金が減額されるリスクがある
● 投資対象不動産が生み出す賃貸収入や売却益を再投資せず、投資家に分配金として支払う仕組みになっているため 複利効果を得られない 投資家が再投資しようとしても 1回の分配金では再投資金額に届かない
● 災害リスク・価格変動リスクなどがある
● 投資法人の倒産・上場廃止リスクがある 上場廃止されると 流動性が低くなり対象銘柄の価格が大幅に下落する さらに倒産すると 投資金額全額を回収できないことがある
● 一般的にREITの投資金額に対して融資する商品がない
● 配当控除が受けられない 株式投資や投資信託では配当控除を受けられることがあるのに対し REITの分配金は対象外(NISA口座は 利用できるが NISA以外に節税できる手段はほとんどない)
● 複数のREITに分散投資するREIT投信の多くを占めた毎月分配型投信が 新NISAの対象から外れ 個人がREIT投信から 新NISA対象の株式投信に乗り換える

■ 不動産小口化商品


不動産小口化商品:(「不動産特定共同事業法」に基づく)金融商品の一種 高い資産価値を持つ物件を共同で所有して収益を得ることを目的に購入できる 特定の不動産を1口100万円など 小口化して販売する商品 賃料収入等を出資口数に応じて分配を受けられる
・不動産特定共同事業法:不特定多数の投資家から出資を募り 収益不動産からの運用収益を投資家に分配する事業(不動産特定共同事業)について 事業者を許可制として事業の適正な運営の確保と投資家の利益の保護を目的とする(1995年施行)


■ 「小口化不動産」(任意組合型不動産小口化商品)
〇 一口100万円程度など 比較的少額から購入できる
〇 相続税の課税評価額は 実物の不動産と同様に引き下げることができる
〇 口数単位で分けられるため遺産分割を円滑に進めやすい
● 換金する場合(出資者が運用期間の途中で持ち分を換金したり 事業者が運用期間の終了時に物件を物件を売却したりする場合) 市況悪化ならば元本割れも
● 賃料収入が原資の分配金は不動産所得となる 賃料収入で管理費や水道光熱費など諸経費を賄えずに損失が生じても通常の不動産所得と違って 給与所得などと違って 給与所得などと損益通算ができない


メリット
〇 少ない投資金額で手軽に不動産投資ができる
〇 利便性が高く好立地にある物件や首都圏の一等地にある物件など高額な優良物件が多い(オフィスビルや商業ビルが多い)
〇 投資家は物件を維持管理する手間がかからない
〇 相続税の節税対策に活用できる(任意組合型の場合)
〇 匿名組合型の場合 投資家は有限責任のため損失が発生した場合でも 出資額を越える責任は負わない
デメリット
● 物件を管理する手間がかからない分 事業者等 管理者の対価があるため その分 利回りが低くなる(優良物件への投資のため(ローリスク ローリターン)利回りが低いこともある)
● 共同所有のため 不動産を担保に融資を受けることができないため 自己資金が必要になる
● 運用期間中に運用利益を分配し 一定期間運用後 対象不動産を売却して売却益を分配する仕組みのため 空室リスクや不動産の価値の低下等で 賃料保証はなく 元本割れリスクがある
● 中途解約ができない商品もある 中途解約が可能な商品でも 返金額は満期償還の場合よりも安価になるのが一般的 また 商品によっては仲介業者を通じて次の買い手を見つけるまで解約できない場合もある
● 不動産小口化商品を取り扱いできる業者は 不動産特定共同事業法の要件を満たし許可を受けた業者のみ 商品数が少なく投資したくて 小口化商品が見つけにくい(申し込みの倍率も高い)
● 業者の倒産リスクがある


  匿名組合型 任意組合型
契約形態 事業者と個々の投資家が1対1で匿名組合契約を結ぶ 事業者と投資家の全員で任意組合契約を結ぶ
事業主体 事業者 出資者(共同事業)
運営への投資家の決定権 なし(事業者の責任で単独運営) あり(共同事業 投資家が理事長の事業者に業務委託)
出資金額 1口数万円程度~ 1口100万円程度~
運用期間 数か月~ 10年~数十年
不動産の所有者 事業者のみ(事業者の単独所有) 投資家と事業者(出資者全員の共有)
投資家の権利 分配金を得る権利 小口化された不動産の所有権
所得の分類 雑所得 不動産所得
流動性 低い(原則中途解約不可) 低い(原則中途解約不可)
特徴 ・少額から投資可能
・短期運用が多い
・優先劣後方式もある(*)
・相続対策ができる
・長期運用で安定収益を得られる

*優先劣後方式:投資家の出資分を優先出資 事業者の出資分を劣後出資として区分する仕組み 不動産運用で損失が生じた場合 損失は先に劣後出資から負担されるため 劣後出資の割合が高いほど元本割れのリスクが軽減され 投資家の安心感は高まる


・上図出典:CREAL

  小口化不動産 不動産 不動産投資信託(REIT)
購入金額 1口100万円程度~(最低購入単位あり) 数千万円~ 1口1万円程度
換金方法 相対取引 相対取引 市場で売却
相続時評価額 時価より低い 時価より低い 時価
遺産分割 分けやすい 分けにくい 分けやすい
所得分類 不動産所得
譲渡所得
不動産所得
譲渡所得
配当所得
譲渡所得


■ 不動産クラウドファンディング


 不動産クラウドファンディング:「不動産特定共同事業法」の枠組みのなかのスキーム 不動産特定共同事業の契約を インターネットで完結できるように環境を整備し クラウドファンディングに対応した
 「匿名組合型」と「任意組合型」があるが 不動産クラウドファンディングの多くは「匿名組合型」を採用している


メリット
〇 1口1万円など 少額の資金から 比較的気軽に不動産投資ができる
〇 投資対象不動産は 住宅系 商業系 ホテル等宿泊系 物流系 リゾート開発 空き家再生等 バラエティーに飛んでいるため 好みの不動産を選択できる
〇 投資対象不動産は 事前に開示されている 現地に足を運ぶこともでき 物件を確認して 納得の上投資ができる
〇 運営をすべて事業者が行うため 賃貸管理等のわずらわしさがない
〇 多くの不動産クラウドファンディングは 優先劣後方式が採用されており 投資家の損失リスクを低減させている
デメリット
● 優先劣後方式が採用されているとはいえ 元本割れリスクはある(元本保証ではない)運用終了後に償還される金額や分配金が 投資した金額を下回ってしまうこともある
● 自己資金での運用に限られる(レバレッジ投資は期待できない)
● 原則として 運用期間中は 中途解約ができない
● 運用期間が短い 長期の運用を希望する場合は 向かない
● 投資家は 対象不動産の所有権を持たないため 相続税・贈与税における評価額の圧縮効果はない


  上場REIT 不動産クラウドファンディング
投資対象 複数の不動産が多い 1つの不動産が多い
元本割れのリスク あり あり
換金性 好きなタイミングで売却 原則 途中解約ができない
満期償還の有無 なし あり
投資期間 自由 数ヶ月~数年が多い
情報開示 決算短信・有価証券報告書などを公開 契約前書面 財産管理報告書を投資家に配布


■ 民泊経営

  「はじめに「民泊」とは」(国土交通省)
  「minpaku 民泊制度ポータルサイト」(国土交通省)

■ 自宅の購入 = 「不動産投資」である
・住宅ローンは 不動産投資ローンよりも はるかに低い金利で借りられる
・「団体信用生命保険」の加入で 万が一の時の 家族の備えになる
・老後の年金生活でも 家賃を払わずに住み続けることができる
・自宅を売却し 老人ホーム等への入居資金にすることが可能
・その自宅を賃貸に出すことも マイホームとして選んだ物件は 自信をもって賃貸に出せる

 → ブログ「089. 資産運用(不動産)」もご覧ください


2025年10月28日


2023年04月24日

118. 外貨投資

 2021年以降 コロナ下の長い自粛生活の反動による消費の急拡大に対し 生産や流通が対応できずに物価が高騰 2022年には エネルギーや食料の主産国であるロシアとウクライナの武力衝突が起きたことで 世界的なインフレ不安が一段と高まる
 景気回復で先行する米・欧は インフレを抑えるために 政策金利の押し上げに着手 一方 景気回復が遅れる日本では 大規模な金融緩和政策を堅持した



・「円」を外国の通貨に換える際の交換比率が為替相場(需要と供給の関係で決まり、需給関係が変動すれば為替相場は変動する)
 テレビ等のニュースでは「本日の東京外国為替市場の円相場は……」と報道されます つまり、円と外貨との交換比率(為替相場)は日々刻々と変動している

*為替レートが動く主な要因

景気の良しあし 景気が良くなればモノが売れるので 外国から資金が集まり その国の通貨が買われやすくなる
経常収支 経常収支が黒字なら国内に入ってくるお金が出ていくお金より多いため その国の通貨が買われやすくなる 現在は日米間の金利差が開き 日本では貿易赤字が続き 急激な円安の背景に
2国間の金利差 高金利の通貨で保有する方がより多くの金利収入が得られるため 高金利通貨は買われやすくなる 現在 日米欧の金利差が急拡大し 投資マネーは 円からドルやユーロへ つまり円安・ドル高 円安・ユーロ高が進む



 これまで 日本では 円安が進むと 自動車や電機などの輸出企業が ドル建ての製品価格で海外企業よりも優位になるため 日本経済の追い風になるとの見方が強かった



資源高に伴う「悪い円安」もはや「円安が進めば 株価も上がる」ではない
① 多くの輸出企業は 資源や原材料の輸入価格の上昇分を 製品の輸出価格に転嫁できない(資源価格が 急上昇すれば 海外の資源を買い入れるのに必要な多額のドルを 円を売って用意しなければならない → 円安・ドル高が進みやすい)
  多くの輸出企業がコストの安い中国や東南アジア諸国などに 生産拠点を移し 日本からの製品輸出を切り替えている→「円安」のメリットを享受できない(もはや 貿易黒字大国ではない 貿易黒字であれば 円が買われる材料になる)
 さらに コロナ禍下 国の水際対策によって 訪日客が激減し 訪日客による円需要が消滅してしまったことも 円安に振れた一因といえる
② 円安と資源高で 暮らしに関わるガソリンや輸入食材などの価格も上昇しているが 消費者が購入する消費者物価には十分に反映されていない(消費者に デフレ感覚が染みついた日本では 企業が買い控えを警戒して製造コストの上昇分をまるごと販売価格に転嫁しない)→ 企業業績が良くならない
■ 円相場の長期グラフを見ると これまでも急激な「悪い円安」が注目された時期が繰り返されている 暮らしを支えるためには 円安が進むたびに節約するしかないのか?(しかし 円安の影響は立場によって変わる)
■ 株式・為替相場の長期グラフを見ると様々な「相場の異変」が見られる
・「円安・株安」:コロナショックで世界の株価が暴落した時「世界的な株価暴落でマネーの流れが滞れば 貿易や金融取引の決済資金を確保できなくなる」という恐怖心から 国際間の決済でもっとも使われるドルの確保 → 「円安・ドル高」市場では「円安・株安」に
・「リスク回避の円買い」:20世紀には 世界で戦争や経済危機などの「有事」が起こると「リスク回避」を目的としてドルが買われやすかった「有事のドル買い」しかし 01年の米同時テロや08年のリーマンショックなど 米国自体で「有事」が発生すると ドルはリスク回避先としてふさわしくなくなった
・「円高・株高」:米がコロナ禍による米国経済の悪化を防ぐため ゼロ金利政策を長期にわたって続ける方針を表明した時 日米欧から金利が消滅し(金利差の消滅) 「円高・ドル安」が進んだ
・「円安・株高」:コロナ禍で 世の中のデジタル化が想定外の勢いで加速し「円相場に左右されないハイテク関連の成長株を中心に株価が急騰する自体が生じた」
・今後も 世界規模で経済構造や市場環境が大きく変わろうとしている中で(デジタル通貨構想など)新たな「相場の異変」が生まれるかもしれない
□ そこで 注目される保有通貨の国際分散・外貨投資



・外貨預金





外貨ベースでの元本は保証され 損益は原則として為替相場と金利で決まるので分かりやすい
・より詳しくは こちらをご覧ください
 「外貨預金の特徴を知る」(全国銀行協会)
・証券口座の外貨は 現金で据え置くだけでは金利が付かない 少しでも利回りを得るなら 外貨建てのMMFの購入が一案
・手数料を抑え資産の目減りを防ぐポイント

売却・満期時の受け取り方 ・外貨運用に回すなら外貨で受け取り
・待機資金は外貨建てMMFで運用も
金融機関を選ぶ ・手数料は各社で異なる
・外貨預金を海外で引き出せる銀行も



・外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)投資信託の一種


  外貨建てMMF 外貨定期預金
主な窓口 証券会社や銀行 銀行
利回り 運用成績で変化
高い利回りが人気
預けた時点で確定
運用 主に政府が発行する短期証券や企業が発行するコマーシャルペーパー(CP)など (*) 定期預金だと金利が高くなる
解約 いつでも可能 満期時が原則
最低投資額の例(米ドル建て) 10米ドル 10万円または600米ドル
取り扱う外貨の種類 米ドル 英ポンド 豪ドル NZドル トルコリラ 南ァランドなど(ユーロはない) 米ドル ユーロ 中国人民元などMMFより幅広い

(*)外貨ベースの元本は保証されないが 安全性の高い金融商品で運用するため 外貨ベースで損失が発生する可能性は非常に低いと言われる 利回りも「通常は外貨普通預金を上回る」
(*)外貨建ての金融商品は 為替相場次第で損失が発生する可能性がある 外貨ベースで資産が増えても為替差損がそれを打ち消してしまうといったケースはめずらしくない
(*)収益分配金には 税率20.315%の税金が課税される(所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%)
 源泉徴収によって課税関係が終了するため 確定申告は必要ない ただし、他の投資信託で出た譲渡損失と損益通算したい場合等 任意で確定申告することは可能
 外貨建てMMFの換金によって利益が出た場合は、収益分配金と同様に税率20.315%の税金がかかる 原則として源泉徴収されないため 自ら確定申告をして納税する必要がある ただし、源泉徴収ありの特定口座を利用する場合は確定申告の必要はない
 なお、外貨建てMMFの取引のために外貨預金を行い、預け入れと解約によって為替差益が発生した場合は、雑所得として総合課税の対象となる


・外貨建て投資信託


メリット
〇 投資信託の運用益に加えて 円安時に為替差益を得られる
〇 リスクを分散して投資できる 資産の一部を外貨建てで保有すれば 円安が進んだ場合でも資産が目減りするリスクを抑えられる(国際分散投資)
デメリット
● 為替相場の動きによって外貨建て資産の価値が変動する可能性(為替変動リスク)円高になった場合は為替差損が生じ 元本割れのリスクが高まる(リスクを抑えるために「為替ヘッジ」を選択できるタイプの外貨建て投資信託もある)
● 投資対象の国や地域の政治・経済が変化した際に 証券市場や為替市場の混乱によって資産価値が変動する可能性がある(カントリーリスク)
● 高金利で運用していても 売買の頻度が高くなれば為替手数料がかさんでしまう可能性がある

■ 投資信託の「為替ヘッジ」

  為替ヘッジなし 為替ヘッジあり
円高になると 為替差損が発生 為替差損を回避
円安になると 為替差益を得られる 為替差益を得られない
ヘッジコスト かからない かかる



・「為替ヘッジ」:為替相場の影響をヘッジ(回避)すること
・例えば 米国の株式で運用する投信では 日本円を米ドルに交換して株を購入する その場合 運用成績には投資した株の価格変動と為替相場の2つが影響する
  為替ヘッジありの投信では為替の影響をほぼなくせる(将来 特定の為替レートで通貨を交換する為替予約をしているため ただし その費用ヘッジコストがかかる)

・FX(外国為替証拠金取引)






  外貨預金 FX
為替差益の機会 円安になった場合 円安・円高の両方
取引コスト 比較的高い 比較的安い
取引時間 営業時間内 原則24時間
利子の受け取り 満期時や解約時など 毎日(スワップポイント マイナスの場合も)
取引できる金額(レバレッジ) 資金の1倍 資金の1~25倍


FXのメリット
〇 日本のような低金利の国の通貨を売って 金利の高い国の通貨を買うと「スワップポイント」と呼ばれる2国間の金利差から生じる金利(金利差調整分)が得られる(反対の売買をすると スワップポイントを払うことになる)
〇「スプレッド」(為替の売り値と買い値の値幅)が狭い(これがFX取引で負担する唯一のコスト FXでは一部の会社をのぞき、取引にかかる手数料は基本的に無料)外貨預金の場合 金融機関によるが 米ドル/円で1円から50銭 一方FXの場合 米ドル/円のスプレッドは 0.3~1銭と低く設定されている
〇 手持ちの資金よりも大きい金額の取引ができる レバレッジ(テコ)と呼ばれ 証拠金の最大25倍の取引が可能
〇 「売り」から取引を始められる(外貨預金は 通常 最初に円で外貨を買う)つまり 相場が上がっている時(上昇局面)でも下がっている時(下落局面)でも利益を狙える
〇 取引可能な時間が長い 平日 ほぼ24時間取引ができる
FXのデメリット
● レバレッジをかける場合 相場を読み違えると損失にもレバレッジがかかり大損する(レバレッジを高くすればするほどハイリスク・ハイリターンとなる)
● 買った(売った)外貨が大きく値下がり(値上がり)し「含み損」が基準(FX会社や顧客の取引内容により異なる)に達すると自動的に反対売買をする(ロスカット)
 FX会社は「FX証拠金規制」により 必要証拠金が不足と判断した場合には 直ちに不足分の解消をするように求める(証拠金を追加するアラートが来る(マージンコール))これが解消されない場合には「ロスカット」となる
 「ロスカット」:損失の拡大に歯止めをかける一方 相場の回復を待つ機会を失う(投資家は 証拠金の大半を失う)相場の変動が大きいと 証拠金を上回る損失もあり得る
● 世界を揺るがすような大きなニュースや災害などがあると、為替相場の急変動となり 短時間に大きな損失が出るリスクがある(寝ている時間に 大損ということも)
● 価格変動要因が非常に複雑 世界各国の市場や投資家の動きが関係し 国際情勢や安全保障情勢など ありとあらゆる事象が為替市場には関係し 値動きを読むのが難しい


・外貨建て保険




メリット
〇 日本円よりも外貨の方が高い金利で運用できるため 高い利回りが期待できる
〇 円建て保険に比べ 保険料が割安(高い利回りでの運用ができるため)ただし「外貨と円の為替相場が一定である」という前提
〇 万一の場合の保障を準備しつつ 保険料が積み立てられることによる貯蓄機能もある
〇 生命保険料控除の対象となる(外貨を日本円に換算して申告する必要がある)
〇 外貨建て保険の種類は 終身保険 個人年金保険 養老保険などがある
デメリット
● 為替リスクがある
● 保険料の支払い・受取時に為替手数料がかかる
● 契約・解約時に手数料がかかる
● 代理店手数料が高い(外貨建て一時払い終身保険の代理店手数料は9%を超えることも)


・上記:「外貨建て保険」への苦情件数


・変額保険


●「為替変動リスク」(為替相場を読みきれる人はいない!)、「為替手数料」(決して侮れない)これらに加え 知れ渡ってきている「安くない手数料 / コスト」(代理店手数料や保険会社の運用費用等)や「苦情の多さ」
 これらの要因で「外貨建て保険」の売れ行きは急激に鈍っている こんな中 保険会社が「外貨建て保険」に替えて 勧めるのが「変額保険」だが・・・
〇 変額保険:保険契約者の支払う保険料を保険会社が投資信託などを対象とする特別勘定で運用し 運用次第で保険金や解約返戻金が変動する保険商品



「変額保険」のメリット
〇 保険会社の運用がうまくいかず 積立金額が払込保険料の合計額を下回ったとしても 死亡・高度障害保険金には最低保証(積立金の合計額または基本保険金額のいずれか大きい額が支払われる)があり、基本保険金額を下回ることはない 逆に 運用実績が好調な場合 死亡・高度障害保険金は基本保険金額を上回ることがある
〇 有期型 終身型の変額保険 変額個人年金保険は一般生命保険料控除の対象
〇 景気が良く 株式相場が上昇すれば 株式で運用している変額保険の保険金額や年金額は増える可能性がある(インフレに強いといえる)
「変額保険」のデメリット
● 保険料の一部を「特別勘定」として株式投資信託などで運用(運用リスクは 保険契約者が負う(自己責任))また 死亡保障と運用商品がパッケージになっているので 保障と運用の両方に手数料がかかる
(保障と資産形成を両立できる一石二鳥の商品に思えるが 長期の資産形成を第一に考えれば、税制優遇やコストの面で「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」を活用した方が有利となる)
● 投資対象とする投信を組み替えながら保険料を運用する仕組み 運用実績に応じて満期時の保険金や解約返戻し金が大きく変わる(積立金額に連動しているため最低保証はない)特に契約後10年以内に解約すると初期手数料がかかっている影響で払い込み実績を大きく下回る
(ただし あくまで保険であるため 運用成果とは無関係に「死亡保障」は付いてくる)
● 定額保険は 契約時の保険金額や解約返戻金 満期保険金 年金額が契約時に定められた金額のまま決まっている保険のこと 保険会社の運用がうまくいかなかった場合でも これらの金額が変動することはない 一方 変額保険は 仮に運用がうまくいかなかった場合の運用リスクはすべての契約者に帰属する

両者の主な違い 変額保険(有期型) 定額保険
死亡保険金 高度障害保険金 運用実績により変動する(基本保険金額が最低保証されている) 契約時に定めた保険金額が保証されている
満期保険金 運用実績により変動する(保険金額は保証されていない) 契約時に定めた保険金額が保証されている
解約払戻金 運用実績により変動する(金額は保証されていない) 契約時に定めた金額が保証されている
運用リスク 保険契約者が負う 生命保険会社が負う
資産の管理・運用 特別勘定で行う 一般勘定で行う


□ 日銀 金融緩和策を修正



■日銀の金融緩和政策

長短金利操作 ・短期政策金利(日銀当座預金の一部金利)を操作(マイナス0.1%=マイナス金利政策からの緩和)
・長期金利(10年物国債利回り)を誘導(ゼロ%程度水準から上下0.5%程度の変動を容認)
・長短金利操作は2%の「物価安定の目標」の実現を目指し これを安定的に持続するために必要な時点まで継続
・政策金利は現在の長短金利の水準 またはそれを下回る水準での推移を想定
量的緩和 ・長期国債購入などでマネタリーベース(資金供給量)を拡大
・この拡大方針を消費者物価上昇率(除く生鮮食品)の実績値が安定的に2%を越えるまで継続
質的緩和 ・上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)などを購入
・ETFは年約12兆円 REITは年約1800億円相当の残高増加を上限に必要に応じて購入


■ 日銀の金融政策修正と金融商品

金利の種類 今後の見通し 影響を受けやすい商品例
短期金利 当面は影響少ない 変動型の住宅ローン 普通預金
長期金利 金利が従来より上がる可能性 固定型の住宅ローン 個人向け国債(変動10年)



 



(2024年3月19日)日銀 金融政策決定会合「マイナス金利政策」を解除(17年ぶり) 異例の金融政策の転換を決定



2025年07月11日

2023年04月24日

117. 投資信託


・上図出典:価格.com

・投資信託(ファンド)とは
 投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ 運用のプロである運用会社(ファンドマネージャー)が 株式や債券、REIT(不動産投資信託)などに投資・運用を行い その運用の成果として生まれた利益を投資家に還元する金融商品
〇 投資信託のメリット
「運用の専門家」が 複数の銘柄を選び運用してくれる また 運用期間中は 月次レポートや運用報告書などで運用実績を確認できる
〇 銘柄 地域ともに広く「分散投資」することができる さらに「積み立て投資信託」ならば 時期をずらして購入するので「時間の分散」もでき リスク軽減効果が大きい
〇 金融機関によっては 最低購入金額を100円とするところもあり「少額から運用」が可能 無理のない範囲で始められ「積み立て投信」ならば 余裕ができたら投資額を増やすことも可能
「種類が豊富」国内で購入できる公募投資信託は 約6000本(上場企業の数の1.5倍もある)(内 アクティブ型は 9割近くを占める 運用成績や手数料も様々)株式 債券 不動産などのいずれかの資産にフォーカスしたものや 複数の資産を組み入れる「バランス型」など多種多様
〇 投資信託の取引価格である「基準価額」は毎営業日公表されており「高い透明性」がある また 投資信託は 金融商品取引法によって監査法人などによる監査を受けるよう義務付けられており 監査報告書は 各投資信託の請求目論見書で確認できる
● 投資信託のデメリット
● 運用成績次第で「元本割れ」の可能性もある しかし 長期分散投資により値動きを味方に(ドル・コスト平均法)することができる
「手数料(コスト)」がかかる(購入時手数料(購入時手数料がかからない「ノーロード型」もある)・信託報酬(運用管理費用)・信託財産留保額)がかかる また 投資信託で得た利益は課税対象(税制優遇制度のあるNISA や iDeCoに組み入れることもできる)
● 投資信託は複数の銘柄を組み入れているため 個々の時価評価をもとに 1日に1つの基準価額が算出 公表される 売買取引は当日の基準価額を公表する前に締め切られる「ブラインド方式」を採用しているため 株式のように「タイムリーな売買取引」ができない(購入時の価格がわからない)一方「上場投資信託(ETF)」は株式と同様に証券取引所で売買できる

・投資信託とは(図)


 


投資信託のコスト

支払う時期 手数料 内容
購入時 販売手数料 投信の購入時に販売会社に支払う 無料(ノーロード)も
高いもので基準価格の3%ほど
保有中 信託報酬 運用する資産の一定割合を毎日差し引く 金額は年率0.1~2%程度と商品により幅がある 販売会社 信託銀行 資産運用会社で分ける
監査費用 決算が正しいかなど監査を受ける費用 運用する資産から支払う
その他費用 ・受益証券の管理費用
・目論見書 運用報告書等の作成 印刷費用
・参照指数の使用料 等
(*費用の区分は投信により異なる)
売買委託
手数料
資産の売買にかかる費用 運用する資産から支払う 金額は 基準価格の0.1~0.3%程度を引かれる
解約時
(売却時)
信託財産留保額 換金した際に引かれ 運用資産に残る 無料も


・上図出典:ダイヤモンド・オンライン


・上図出典:ダイヤモンド・オンライン


「信託報酬」とは別に投信の保有コストとして保管・売買・監査費用など「その他費用」もかかり これらを含めた実質コストを見ることは大切
 総経費率 =(信託報酬+その他費用)/ 投信の純資産総額
・「その他費用」の比率は 新興国株型や複雑な仕組みで運用する投信 株式比率が高い投信 純資産が小さい場合(資産規模に関わらず一定額発生する経費が多く 費用の割合が大きい) などで相対的に高くなるケースが多い(総経費率が 海外資産型では 年5%超の例も)
・「その他費用」を含めた実質コストは 運用開始後の最初の運用報告書が出ないと分からない(「1万口当たりの費用明細」でわかる(要チェック))(24年春以降は 購入時に開示される目論見書に参考情報として過去の「総経費率」の実績が開示される)


□ 投資信託を選ぶポイント
・「総経費率」をチェックしよう 2024年の新しいNISA導入を前に 投資信託の信託報酬の引き下げ競争が活発化しているが 投信のコストは 信託報酬 だけではない 信託報酬以外の「その他費用」の影響がより大きい場合が多い


投資信託の「為替ヘッジ」

  為替ヘッジなし 為替ヘッジあり
円高になると 為替差損が発生 為替差損を回避
円安になると 為替差益を得られる 為替差益を得られない
ヘッジコスト かからない かかる



・「為替ヘッジ」:為替相場の影響をヘッジ(回避)すること
・例えば 米国の株式で運用する投信では 日本円を米ドルに交換して株を購入する その場合 運用成績には投資した株の価格変動と為替相場の2つが影響する
  為替ヘッジありの投信では為替の影響をほぼなくせる(将来 特定の為替レートで通貨を交換する為替予約をしているため ただし その費用ヘッジコストがかかる)

□「配当込み指数」(配当収益を考慮している株価指数)
 運用成績をチェックする際の注意点 基準価格がベンチマークを上回っていても 本当に好成績とは限らない 運用報告書のベンチマークが本来比較対象とするべき「配当込み指数」(本当の実力が分かる)ではなく「配当抜き指数」となっている場合が多い 金融庁も「多くの投信のベンチマークは配当抜き指数を採用しており 合理的な比較が行われていない」とする
 この「配当を再投資した場合の日経平均」(日経平均株価トータルリターン・インデックス)は 配当収入を含めた投資成果を日経平均で考えるときに役立つ
 株式投資では実際に受け取る 配当込みで日経平均を見れば 実情に近い株式相場の動向を把握できる(長期投資でどれだけパフォーマンスが出ているのか把握しやすくなる)
・通常の日経平均と配当を再投資に回した場合の日経平均を比較したのが下記のグラフ
 配当込みの日経平均のパフォーマンスが日経平均を上回り 両者の乖離(かいり)が広がっている 相場が堅調で 日経平均を構成する225銘柄でも配当を増やす傾向が強くなっている



 投資初心者が長期運用を始める際は まず「インデックス型」を勧められることが多い
 「インデックス型」(株価指数との連動を目指すパッシブ運用)は 目安とする(日経平均株価や米S&P500種株価指数などの)指数(インデックス)に採用されている銘柄を中心に(機械的に)投資・運用するので 運用担当者が独自に企業調査などをする手間が省けるため 運用会社に支払う信託報酬などのコストが相対的に安い
 一方「アクティブ型」(ベンチマーク(運用の目標基準)を上回る収益を目指す)は 専門家(プロ)が個別企業を調査したうえで投資先を選ぶ手間を掛けている分 信託報酬は高くなる とはいえ 運用成績がインデックス型を下回るものも少なくない
 指数を大きく上回るアクティブ型もあるが リスクは一般的に大きくなりやすい 長期の運用ではより大きな投資リターンを狙って資産の一部を振り向ける位置づけといえる(コア・サテライト戦略)(下図 参照)




  インデックス型 アクティブ型
運用目標 対象とする指数に連動 目標の指数を上回る
投資対象 指数を構成する銘柄が原則 市場や企業を調査・分析して選ぶ
運用コスト 比較的低い
信託報酬は1%未満が多い
比較的高め
信託報酬は1~2%が多い
特徴 市場で広く投資するのと同じ効果を得られる 組み入れる資産を機械的に売買 ファンドマネージャーの技量が運用成績を左右


  「そもそも投資信託とは?」(一般社団法人 投資信託協会)
  「投資信託何でも Q&A 気になる100選」(一般社団法人 投資信託協会)


■インデックス型投資信託

インデックス投信が連動を目指す株価指数とは 株式市場全体または特定の銘柄群の株価の動きを表す値
・この指数連動型の投信(インデックス型投資信託)を購入すれば 指数の対象銘柄に広く投資するのと同様の効果が得られる
・各指数はそれぞれ様々な運用会社から連動投信(インデックス型投資信託)が出ている(投信がどの指数を対象にしているかは目論見書などで確認できる)

・主な株価指数と特徴

特徴 名称 対象となる銘柄
同一国内市場 日経平均株価(NIKKEI225) 東証プライム市場に上場する225銘柄の株価をもとに算出
東証株価指数(TOPIX) 旧東証1部の全銘柄の時価総額をもとに算出
JPX日経インデックス400 東証上場で資本の効率的な活用など「投資家にとって魅力の高い」400銘柄で算出
東証プライム市場指数 東証プライム市場の全銘柄の時価総額をもとに算出
JPX日経中小型株指数 東証に上場する銘柄から時価総額や業績等で選んだ中小型株200銘柄で算出
日経平均高配当株50指数 日経平均の構成銘柄のうち配当利回りが高い50銘柄で算出
ダウ工業株30種平均 米国を代表する30銘柄
S&P500種株価指数 米国の大型株500銘柄
成長株の動き 東証マザーズ指数 旧東証マザーズと東証グロース市場が対象 新興企業の株価動向を示す
ナスダック総合株価指数 ナスダックに上場する全銘柄
ナスダック100株価指数 ナスダックを代表する100銘柄
世界の株価動向 MSCI KOKUSAI 日本を除く先進国株に投資(22ヵ国1289社)
MSCI ACWI(除く日本) 新興国も含めて世界全体 時価総額をもとに算出(49ヵ国 2707社)
MSCI ACWI(日本含む) 先進国と新興国全体 時価総額をもとに算出(50ヵ国 2979社)
MSCI WORLD 日本を含む先進国株(23ヵ国 1561社)
MSCI EMERGING MARKETS 新興国株(27ヵ国1418社)
FTSE GLOBAL ALL CAP 先進国と新興国全体 中小型株も幅広くカバー 時価総額をもとに算出(49ヵ国 9385社)

(*)日経平均 基本的に株価の平均値を求める 株価の高い値がさ株の影響を受けやすい 対象銘柄は業種のバランスなどを考慮
(*)TOPIX 時価総額を反映 時価総額の大きい大型株の影響を受けやすい 時価総額100億円未満の銘柄は段階的に除外する予定
(*)ナスダック IT(情報技術)や金融 製造業など幅広い業種を含んでいるダウ平均や日経平均に対して ナスダックはハイテク企業が多い この数年ハイテク株の株価上昇が急ピッチ(下図 参照)
(*)MSCI 海外株インデックス型投信の多くが対象にしている米国の指数算出会社MSCI社が公表している指数
(*)上図 世界の株価動向内の数字は 2021年9月末時点



・こちらも参考に「世界の株価 リアルタイムチャート ch225」  




 米国株の好調が続く可能性はあるが 「投資で重要なのは分散 長期運用で一つの地域に集中投資することはリスクもあり避けたい」「日本を含む世界株指数に投資すれば米国の比率が6割 新興国が1割強 日本株が1割弱なので どれが上昇しても恩恵をある程度受けられる」「先進国と新興国の株価は違うメカニズムで動く 株式に振り向ける資金のうち 新興国株を一定程度入れておくと運用成績が安定しやすい」とされる


■アクティブ型投資信託

・国内で購入できるアクティブ型の投資信託は 5000本を超える(運用成績や手数料は様々)
・「もう少しリスクを取ってもリターンを狙いたい」と考える人も多い

・アクティブ型を選ぶポイント

① 「運用期間」
 運用期間が長ければ 景気動向や相場環境が悪い局面を乗り越えての運用成績をチェックすることができる(2008年のリーマン・ショック 近年のコロナショックといった波乱局面を乗り越えてきた投信は 一定の運用力を備えているといえる)「1人の運用担当者に依存せず チームで運用を長期継続する仕組みを重視」
 実際 基準価格が高い投信を調べると 上位に並ぶのは 全て 設定から10年以上の投信(中には 20年以上の投信も多い)

 

*投信の価格を示す基準価格は原則1万円でスタートした後 運用成績を反映して変動していくため実績が分かりやすい

● 国内のアクティブ型は「環境」「女性活用」など時流に乗ったテーマで資金を集め ブームが過ぎると純資産残高が急減し運用成績も振るわなくなる例が目立つ この点でも長期で運用実績を確認することは大事

②「情報発信力」
 相場が荒れた局面で理由や背景 今後の見通しなどを示してくれるかどうか「慌てて投信を手放さないよう個人に冷静な判断を促す」ことにつながる
 例えば 日ごろから以下の「5つのP」を交付目論見書や月次リポートなどで確認できることが大事(「投信の担当者」が身近にいると 情報に接しやすいことも)

・Philosophy(投資哲学) 明確な理念に基づく運用スタイルがあるか?
・Process(投資プロセス) どんな基準で投資先を選ぶかが明確か?
・Portfolio(ポートフォリオ) 投資哲学とプロセスに沿った資産構成か?
・People(人材) どんな運用体制か?
・Performance(運用実績) 過去のリスク リターンや運用効率はどうか?


③ 「シャープレシオ」
 投信のリターンから国債などの無リスク資産のリターンを差し引き リスク(標準偏差)で割って算出 価格変動リスクに対しどれだけ高いリターンを得たかという運用効率を示す指標
 「比較的リスクを抑えながら効率的に高い利回りをあげた投信を選ぶのに役立つ」

(*上図)値動きの揺れ幅が小さい中でリターンを獲得しているファンドBのほうが 運用効率性(シャープレシオ)が高い

 しかし リターンやシャープレシオは 過去の実績に基づいた指標であり 将来を予想するものではない また シャープレシオは同じ種類の資産で運用する投信を比べる際に有効な指標で 例えば株式投信と債券で運用する投信の比較には適さない

・シャープレシオの高い上位投信を見ると「国内の小型株で運用する投信が多いのが特徴」
 「小型株は証券会社の担当アナリストがいなかったり あるいは少なかったりする銘柄も多く運用会社が独自の視点で発掘する「目利き力」を発揮しやすい面がある」
 例1「DIAM振興市場日本株ファンド」産業構造やライフスタイルの変化に着目することを主な運用方針に掲げ 電気・ガス料金の比較サイトを運営するENECHANGE(エネチェンジ)、再生医療のセルソースなどに投資
 例2「ブラックロック日本小型株オープン」漢方薬のツムラ 医療機器販売のシップヘルスケアホールディングスなどが組み入れ上位

④ 避けたほうが無難な投信
● 投信の運用成果(分配金)を頻繁に出す投信
 運用益を元本に加えて大きなリターンを上げる複利効果が働きにくい「予想分配金定時型をはじめ毎月分配型の投信は長期運用には向かない」
● 投信の規模を表す純資産総額が極端に小さい投信
 投信を運用するコストが見合わなくなり(資金流出が続くなどにより) 繰り上げ償還のリスクが相対的に高い
● 複雑な仕組みで運用する投信
 リスクを判断するのが難しい「自分で仕組みを理解できる金融商品だけを買うのが大前提」

⑤ その他
 アクティブ型の信託報酬は1~2%が多い(インデックス型に比べると高い)「単純な大きさではなく あくまでリターンがコストに見合っているかを検討すべき」
 金融情報会社のファンドスコアを参考にするのも一案(定期的に更新されている)


・「普通分配金」の原資は運用益 → 課税対象
・「特別分配金」の原資は元本 → 非課税
・主な投資信託の分配方針

方針(原則) 特徴
分配金を出さない ・運用益は再投資するのが原則
・長期投資向き(インデックス型の投信の多くは原則出さない)
・運用益を元本に加えて大きなリターンを上げる複利効果が期待できる
定期的に分配 ・毎月など頻繁に分配金を出す 分配金の水準は大きく変動しないことが多く 特別分配金が含まれることも(分配する原資を確保するためリスクが高い運用をしたり 元本を大きく取り崩して分配金の水準を維持することも)
・実質の損益が分かりにくいことも
運用成績に応じ分配 ・基準価格により分配金が決まる
・不調時に分配金を出さないことも
・特別分配金で元本を取り崩す影響が少ない



■ バランス型投信


例えば(下図 他にも様々なバランスの投信がある)


バランス型投信3つのタイプ 特徴
配分比率固定型 複数の資産に対してあらかじめ設定した資産配分の比率を維持 リバランスを随時行う
アロケーション(配分比率変動)型 市況等により 機動的に資産配分の比率を変更する より大きな収益獲得を追及する
ターゲットイヤー型 あらかじめ目標とする年(ターゲットイヤー)を定めて運用 時間経過とともに積極運用からリスクを抑えた運用へと自動的に資産配分を切り替え


〇 バランス型投信のメリット
〇 分散によるリスク低減効果が期待できる(「リスク抑制投信」とも呼ばれる)
〇 自動でリバランス(配分調整)を行う為(投資の専門家ファンドマネージャーがやってくれる)資産運用の無駄が少なくて済む
〇 少額投資からでも分散が出来るのでコスパが良い
〇 値上がりした資産を売る際には税金がかかるが バランス投信での組み入れ資産の入れ替えは課税されない
〇 年齢に合わせてリバランスを行う「ターゲットデート型」もある
● バランス型投信のデメリット
● インデックスファンドと比較すると信託報酬等コストが高い(複数の資産に分散していることに加え リバランスに都度コストがかかる)( 期待リターンの低い債券に高い信託報酬を払って運用するのは不合理)
● 保有資産(組み入れ銘柄)の把握や基準価額の動きの原因が理解しづらく 投資経験を積む機会が疎かになる
● 機動的なリバランスを目指すも 急落局面で逃げ遅れ 一方株価上昇があっても十分についていけず得られる利益が少ない可能性がある
● 分散投資は株式のみに比べ値動きが緩やか(利益が抑制される場合もある)
● 「ひとつの商品で国内外の様々な金融資産に投資できる " バランス型 " 」という名称に惑わされ その特性を十分に理解していない利用者が多い



□ 「ファンドラップ」
(バランス型)投資信託との違い

●「ファンドラップ」とは「投資家が投資一任業者と投資一任契約を締結し 金融商品への投資を一任するサービス」投資家が自ら選択して購入する「バランス型ファンド」とはまったく違うもの
● 近年の「ファンドラップ」
・小口化によって定型化がすすみ 投資家がリスク許容度別に数種類の分散投資モデルのなかから選択し 選択したモデルに従って投資一任契約を結ぶ方式が主流(バランス型ファンドとの区別が曖昧)
・金融庁によると「ファンドラップ」の平均パフォーマンスは「バランス型ファンド」より総じて低い しかし金融機関は販売に力を入れている


  投資信託 ファンドラップ
特徴 ・運用の専門家が 投資・運用する個別の金融商品 ・投資家の投資方針を反映
・投資信託を組み合わせた資産配分をプロが提案
投資先の選択・資産配分 ・投資信託を投資家が自ら選定
・選べる投資信託 約6000本
・投資信託選びを金融機関に丸投げ
・選ばれる投資信託が限定的(金融機関でパッケージ化されている)
・基本的にリスク許容度のみの判定で購入する投資信託が選ばれる
運用管理 ・投資家が自ら管理・運用 ・プロが管理・運用
運用金額 100円~ 300万円~に設定している金融機関が多い
主なコスト ・購入時の手数料
・信託報酬
・信託財産留保額等
・投資一任契約に基づく報酬
・投資信託の信託報酬
・ラップ口座の管理手数料


■ 不動産投資信託(REIT リート)


 → ブログ「119. 不動産投資」をご覧ください


■ ETF(上場投資信託)



  ETF 株式 投資信託
上場 上場 上場 非上場
銘柄数 約240(東証) 約3700(東証) 約6000(国内)
販売窓口 証券会社 同左 証券会社や銀行など
取引価格 市場での時価 同左 1日1回算出される基準価格
取引時間 取引所の取引時間 同左 基本的に15時までに申込
取引方法 市場で売買(成り行き・指値) 同左 販売会社に申し込み
信用取引 できる できない
購入時のコスト 証券会社ごとの委託手数料 同左 商品・販売会社ごとの料率
保有中のコスト 信託報酬は0.1~1%程度 なし 信託報酬は1~2%前後が多い
分配金・配当 分配金 分配金 特別分配金 配当金株主優待など
分配金の再投資 できない できるファンドが多い

● ETF 銘柄によっては 流動性が低く 取引が成立しにくいことも(東証は証券会社等が継続的に売買注文を出すマーケットメイク制度を始めているが対象銘柄は7割弱)分配金を再投資する機能もなく 積み立て投資では 通常の投信に比べ手間がかかる「初心者はS&P500やMSCI全世界株式指数など有名な指数に連動する純資産総額の大きな銘柄が無難」とも
東京証券取引所に「アクティブ型ETF」が初めて上場(23年9月解禁)
 市場平均を上回る運用成績を目指す上場投資信託(ETF)

  アクティブ投信(非上場) アクティブ型ETF
取引価格 特定日の基準価格(1日に一つ) 取引時間中に変動
信託報酬 年1%超が多い 年1%未満
販売会社 銀行・証券会社 証券会社
組み入れ銘柄の開示 決算時や月次リポートなど 毎日



□ ビットコイン(先物・現物)のETF(上場投資信託)

・省略

□ 商品型ETF(上場投資信託)


〇 原油・天然ガスや非鉄(石炭や銅 鉱物など) また アグリ系(トウモロコシや大豆など)やインフラ系(太陽光発電施設など)等 投資先は幅広い

 商品価格は需要や景気動向で大きく動く(2023年6月上旬 10年9ヶ月ぶりの高水準に)

「CRB指数(リフィニティブ・コアコモディティーCRB指数)」
 米国と英国の各商品取引所で取引されている先物取引価格から算出される 国際商品指数(商品先物指数)エネルギーや貴金属 農産物などのコモディティを幅広く網羅 世界的な物価や景気の代表的な指標として使われている
 また、製品原料として使う商品を多く含むため 物価上昇率(インフレ動向)の先行指標としても注目されている



■ 特色
・原油などの商品取引は 「CFD(差金決済取引)」等 複雑な取引手法もあるが リスクを抑えたい場合は「ETF(上場投資信託)」がお勧め
・原油や非鉄 穀物等の価格高騰が続く中 権益持つ開発会社や商社等の株式は 資源価格に連動し 高配当の銘柄も多い(一方 価格下落に伴う個別株の急落リスクもある)
・資源開発企業等は ESG(環境・社会・企業統治)の観点から 投資家から敬遠されやすいため 株主還元を手厚くし投資家を繋ぎとめようとする姿勢も強い
・化石燃料や穀物等の価格変動の要因は 地政学的リスク 戦争等による生産国への影響コロナ禍に伴う資源安や 米中両国の景気動向等様々
・化石燃料の高騰や脱炭素意識を背景に 太陽光発電施設等に投資する「インフラファンド」もある(不動産投資信託 REITに類似する)
・株や債券より市場規模が小さく 価格変動が激しい
・株式と違って PER(株価収益率)や配当利回りといった指標がなく 気象や地政学的リスクといった予測困難な要因に大きく左右される



□ 日々決算型投資信託 MMF・MRF・中期国債ファンドなど


「日々決算型ファンド」(毎日決算されている投資信託)基本的に 信託期間は無制限で 1円以上1円単位で購入でき 常時解約が可能 分配金は 毎月の最終営業日に1ヶ月分(前月の最終営業日から当月の最終営業日の前日までの分)をまとめ 分配金に対する税金を差し引いたうえ 自動的に再投資される

 こちらをご覧ください「投資信託にはどんな種類がありますか?」(日本証券業協会)


(日本経済新聞(創刊1876年12月2日)社是は「中正公平、我が国民生活の基礎たる経済の平和的民主的発展を期す」
 そんな日経新聞ですが、ただいま購読キャンペーンの実施中!
  日経電子版 まずは ●ヶ月無料体験 (お世話になってます))


・上図出典:ダイヤモンド・オンライン

(キーワードは「長期」「分散」「積立・複利」+「コスト」です)

2024年12月02日

2023年04月24日

116. iDeCo

・iDeCo(個人型確定拠出年金)は 2022年の3つの改定により「誰でも利用できる老後資産形成制度」に
① iDeCoの受取開始時期の選択肢が拡大
② 加入可能年齢の拡大
③ 企業型DC加入者のiDeCo加入の要件緩和(2024年12月以降)
対象 20歳以上65歳未満(国民年金被保険者)の全員(第1~3号被保険者)に拡大

・加入可能年齢を70歳未満まで引き上げることに(27年1月~ )






*自分の運用次第で将来の年金が変わるのが確定拠出年金(DC)会社が掛け金を出すのが企業型(企業型DC)自分で掛け金を出す個人型がイデコ(個人型 iDeCo)なお 確定給付年金が(DB)
  確定拠出年金(企業型DC・個人型 iDeCo)の改正点
2020年10月 ●事業主がiDeCoに掛け金を上積みできる「iDeCo+ イデコプラス」の対象企業を100人以下から300人以下に拡大
2022年4月 ●受給開始時期の上限をiDeCo・企業型DCともに75歳に引き上げ
2022年5月 ●iDeCoの加入上限を65歳未満に 企業型DCは70歳未満に
●60歳以降の転職時などの加入制限が緩和
2022年10月 ●企業型DCの導入企業 規約変更なしで(労使の合意がなくても)原則iDeCoに加入できるように ただし会社掛け金とイデコの合計額が企業型DCの掛け金上限額の範囲内(55.000円)であることが条件
●企業型DCの導入企業で従業員が自分で上積みする「マッチング拠出」導入企業の場合、(会社が用意した商品に不満なら)従業員がiDeCoと選択可能に
2023年以降 ●確定拠出年金DCに加入している人の 掛け金の算出方法の改正(上限額が増えるケースも

① iDeCoの受取開始時期の選択肢が拡大



iDeCoの受け取り開始可能年齢が75歳まで拡大
 同じタイミングで 企業型確定拠出年金(DC)の受取開始可能年齢と公的年金の繰り下げが75歳になるまで拡大(受取開始の選択肢が拡大)多様化する働き方・暮らし方に合わせられるような制度改定に
 受取開始時期を 最大で75歳まで遅らせられるので 55歳で加入しても75歳まで運用した場合 20年間も非課税で運用できるようになる
・公的年金は 繰下げすれば ひと月遅らせる毎に0.7%確実に年間受取額が増え それが生きている限り支給される
・ iDeCoは 非課税で運用を継続できる(非課税メリットを最大化できる)が 口座管理料を負担しなければならず その分受取額が減る
・公的年金受取を繰り下げる期間を 労働収入で埋めたり iDeCoで貯めた資金を活用できれば より無理なく繰下げ給付の恩恵を得られる 「私的年金は 主に公的年金を受給するまでの「つなぎ資金」」とする考え方もある

〇 他の老後資金 例えば 退職金や私的年金 小規模企業共済等も合わせて それらの受け取り方をいくつかのパターンで比較検討してみるのは 大切
 しかし その際は 税や社会保険料負担額だけでなく より重要な自分の老後設計/生活プランも踏まえて どのような形で手当てしたら ベストなのかを 考えたい


② 加入可能年齢の拡大

・改正により加入可能年齢が 70歳未満まで引き上げられる(27年1月~)


〇 国民年金の被保険者であれば原則65歳未満まで iDeCoに加入できるように(拠出できるのも65歳まで)(年齢要件が撤廃され 国民年金被保険者ということだけが加入の主な要件に)
・60歳以上65歳未満の会社員・公務員等(第2号被保険者)の人
・60歳以上65歳未満で国民年金に任意加入している人
・20歳以上65歳未満で国民年金に任意加入している海外居住の人
(ただし iDeCoの老齢給付金を受給したり 公的年金を65歳前に繰上げ受給した場合は加入出来ない)
〇 自営業者・フリーランスや 専業主婦(夫)などパートナーの扶養として年金に加入している人は「国民年金に任意加入していることを条件」として 65歳までiDeCoに加入できるように
〇 公的年金(基礎年金)の加入者(第1・2・3号被保険者)は全員が加入できる
〇 ① 老後資産が積み増しできる ② 掛金の所得控除が受けられる ③ 50代に新規加入することのデメリットが消滅する(改定前は 50歳以降でiDeCoに新規加入すると60歳時点の通算加入期間が10年未満のため 60歳で受け取ることができず その間、掛金は拠出できないので所得控除の恩恵は受けられず 口座管理料を負担しつつ 残高の運用を継続するしかなかった)
 法改定を受けて 65歳まで会社で働き続ける予定であれば 例えば 55歳から加入したとしても 最大で10年加入できることになる 60歳以降に新規加入の場合は 加入から5年経過後に受給できる
・加入可能年齢が70歳未満まで引き上げられる(27年1月~)

● 企業型DCまたはiDeCoの老齢給付金を受給すると 再加入できない また、公的年金を65歳前に繰り上げ受給すると iDeCoに加入できない ちなみに iDeCoの加入者が60歳超になったとき iDeCoの資産の受給を始めても その後に60歳超で企業型DCの加入可能な事業所で働く場合は 企業型DCに加入できる(対象は 企業型DC未受給の厚生年金被保険者)
● 企業型DCを受給し始めると再加入できない 再加入する可能性があるなら 受給せずに運用だけを続ける「運用指図者」となる方法がある 60歳超の加入が可能な勤務先なら再加入できる


③ 企業型DC加入者のiDeCo加入の要件緩和(増額と延長)(2027年1月引き落とし分以降)


  iDeCoの月額掛金(現在) 2027年1月~
自営業者・学生等 (国民年金基金と合わせて)6.8万円 (〃)7.5万円
主婦 2.3万円 2.3万円
企業年金なし(会社員) 2.3万円 6.2万円
企業年金あり(会社員) 5.5万円からDC・DBの会社掛金を引いた金額(上限2万円) 6.2万円から・・・(〃)(上限撤廃)(*1)
公務員 2万円 6.2万円から共済掛金を引いた額
任意加入者 6.8万円 7.5万円
延長対象者 6.2万円(*2)

・ DC:企業型確定醵出年金 DB:確定給付企業年金
・(*2)第2号は(*1)と同じ

変更点 対象者 現在 改正後
加入年齢 過去にiDeCo加入など一定条件の該当者(以下表) 65歳まで 70歳未満まで
掛け金限度額 第三号被保険者(厚生年金加入者の配偶者) 月額23000円 〃左
変わらず
・70歳未満まで(延長して)iDeCoを活用して老後資産の形成を継続できるように
 以下の3つの条件をすべて満たせば iDeCoの加入を認めることに
① 60才以上 70歳未満であること
② 老後資産形成をしてきた人で(27年1月以降3年間は特例として②の条件を満たさなくても加入可)
・iDeCoの加入者または運用指図者であった(一か月でも) または
・企業型DCやDBなどからiDeCoに資産を移管できる
③ iDeCoの老齢給付金および老齢基礎年金を受給していない
・延長したければ 27年より前もiDeCoを受給せず 基礎年金を65歳以降も繰り下げておくことが必要(厚生年金は受給しても延長可能)
〇 増額と延長の効果は大きい
例えば(増額・延長後に)月6.2万円を35年間積み立てれば 総額は2604万円とNISAの生涯投資枠1800万円を大きく上回る


〇 企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入している人でも 原則iDeCoに加入できるようになる
 改定前は・・・
・企業型確定拠出年金に加入している場合は 会社掛金の上限をiDeCoの拠出限度額分引き下げる労使合意、規約の変更がされていないと、iDeCoとの同時加入が認められていなかった
 → 原則60歳未満の国民年金被保険者が加入可能となっているが 企業型確定拠出年金(「企業型DC」)に加入している約750万人は ほぼiDeCoに加入できなかった
 → 改定により
労使合意等の要件なしに 本人の意思だけで(勤務先に申請する必要がなくなった)iDeCoの利用が選択できるように
〇 マッチング拠出とiDeCoを同じ人が同時に利用はできないが それ以外であれば基本的にiDeCoと企業型DCに同時に加入することができるように
〇 同時加入する際のiDeCoの拠出限度額は次の2つのルールを満たす範囲まで
 ①企業年金の有無に応じたiDeCoの限度額以内
 ②企業型DCの会社掛金とiDeCoの掛金の合計が 企業型DCの限度額以内


  企業型確定拠出年金(企業型DC) 個人型確定拠出年金(iDeCo)
運営主体 (企業型DC)規約の承認を受けた企業 国民年金基金連合会
加入対象者 (企業型DC)を導入している企業の従業員 国民年金被保険者
掛金 会社負担 本人負担
運用商品 事業主が選定した規約ごとの商品ラインナップ 金融機関によって異なる
手数料 会社負担(定年後に運用指図者の間は本人負担とする規約も多い) 本人負担
税メリット ・事業主掛金は所得とみなされない
・本人拠出は全額所得控除
・運用益は非課税
・受け取り時に全額課税(ただし 控除あり)
・掛金は全額所得控除
・運用益は非課税
・受け取り時に全額課税(ただし 控除あり)
確定申告 不要 必要


・「給料減額型選択制企業年金」

給料減額型選択制企業年金(選択制DC)
(生涯設計手当制度とかライフプラン手当制度などとも呼ばれる)
〇 会社は 掛け金負担なしで企業年金を作れる
〇 加入者は 掛け金を選べば将来の年金原資が積みあがる一方で 給与が掛け金分減る(それに伴い税金だけでなく社会保険料も減りやすい)
 会社は 折半負担である社会保険料を減らしやすい
〇 給与減額型で社会保険料が減れば 老後の厚生年金も減る(傷病手当金 失業給付 出産手当 労働災害などの給付も減る)(iDeCoは社会保険給付減は起きない)
〇 企業年金は iDeCoに比べ 口座管理料がかからないなどの利点もあるが 今回のiDeCoの増額・延長をふまえてメリット・デメリットを比較したい
〇 マッチング拠出(加入者掛け金)(下図参照)も上乗せが容易に
(月収30万円) 選択制DC(標準報酬2万円減) iDeCoに2万円
現役期の負担軽減 税と社会保障の負担減約111万円 税負担減約68万円
年金の減少 約53万円 なし
差引額 約58万円
約68万円

 

27年以降 iDeCo マッチング拠出
加入可能年齢 70歳未満まで 企業型DCの定める年齢
拠出限度額
・企業年金なし
・企業年金あり)


月6.2万円


企業年金の掛金と合計で月6.2万円





〃 左
運用商品 自分で選んだ金融機関の商品ラインアップから選択 企業型DCの商品ラインアップから選択
口座管理料等 加入者負担 マッチング拠出による手数料不要
離転職時 そのまま継続可能(届け出は必要) 制度の移管手続きが必要
受取開始時期 原則60才~75才の間  〃 左



 iDeCoかマッチング拠出のいずれかを選択する必要がある(同時加入は 出来ない)
 会社掛金が低くマッチング拠出の上限も低い若いうちはiDeCoで、その後マッチングを利用し、資産も企業型へまとめるといったことも可能


・「マッチング拠出(加入者掛金)」(下図を参考に)
→ 企業型DCにおいて、事業主が掛金を上限まで拠出していない場合に、加入者自身が掛金を拠出することができる制度(通常型と同様に口座手数料は会社負担が一般的 積み増し分は全額が所得控除の対象)(下図 出典:ろうきん)
→ 「マッチング制度が」があればなるべく活用 会社が用意した商品に不満なら変更要求も
→ 加入者がマッチング拠出利用か iDeCoに加入するかを選択することが可能

  企業型DCのマッチング拠出 iDeCoの同時加入
掛金の上限 拠出限度額および企業の拠出額を超えない範囲で 加入者が拠出 拠出限度額を超えない範囲で 加入者が拠出
口座管理料 会社負担 本人負担
管理する口座数 1つ 2つ(企業型DCとiDeCo)
運用商品 会社のプランで提示されている商品 iDeCoの契約先金融機関によって異なり 本人の意思で決定できる


・こちらもご覧ください → 「マッチング拠出について 企業型DC(ろうきん)」


・「iDeCo+ イデコプラス(中小事業主掛金納付制度)」
→ 
・こちらもご覧ください  iDeCo公式サイト「iDeCo+(イデコプラス)とは」

iDeCo+イデコプラス とは
・企業年金(企業型確定拠出年金、確定給付企業年金、厚生年金基金)を実施していない中小企業(従業員300人以下)の事業主が対象
・従業員の老後の所得確保に向けた支援として行う
・iDeCoに加入している従業員(厚生年金被保険者)が拠出する加入者掛金に事業主が掛金を追加して拠出できる制度
・従業員の掛金と事業主掛金の合計をiDeCoの拠出限度額の範囲内(法改正で月額6.2万円)とすることが必要





・「iDeCo」(個人型確定拠出年金)のメリット
公的年金(基礎年金)の加入者(第1・2・3号被保険者)は全員が加入できる
→ 現在は65歳未満(企業型DCは70歳未満に)
 第1号や第3号被保険者が国民年金に加入できるのは60歳までだが、未納期間などがあれば65歳まで国民年金に任意加入でき、その間は iDeCo にも加入できる 会社員は厚生年金に加入して働けば国民年金にも加入していることになり、iDeCo に65歳まで加入できる
 65歳以降、iDeCoで積み立てはできなくなるが、積み立てた資産は投資信託のままにしておき、75歳まで運用を続けて増やすこともできる
・現在 加入可能年齢を70歳未満まで引き上げる(施行時期は未定 27年1月~)

「iDeCo」の税制優遇は、3段階
→ 拠出時:掛け金が全額所得控除 節税額=掛け金 X 税率(所得税率+住民税率)
→ 運用時:運用益や利息が非課税 節税額=運用益・利息 X 税率 20.315%
→ 受給時:一定額まで控除 右記の一つを選択 ・一時金(退職所得控除)・年金(公的年金等控除)・併用(退職所得控除・公的年金等控除)

「受給開始時期」「受給方法」は柔軟
→ iDeCoで積み立てた資産は60~75歳の任意のタイミングで受け取り始めることが出来る
 ただし、60歳からの受け取りにはiDeCo加入期間が10年以上必要(10年未満だと受給可能年齢が繰り下げられる)→ つまり51歳で加入した人の受け取り開始時期は61~70歳(75歳)の間
 ただ、受け取る直前まで株式投信にしておいて、今回のコロナ・ショックのような株式相場の暴落に見舞われてしまったら、受取開始時期を後ろに延ばし、その後の運用成果次第でリカバリーできる可能性は十分(60歳直前でも10年以上の運用期間が確保できる)(60歳ぐらいから徐々に株式投信は売却し 低リスクのバランス型投信や定期預貯金に資産を変えていく出口戦略も考えておきたい)

→ 受け取り方は「年金」「一時金」から選択でき、金融機関によっては両者の併用も可能
 年金で受け取る場合は5年以上20年以下の有期年金 月1回か、2カ月に1回なのかなどの受け取り方法は金融機関ごとに異なる なお、受け取りごとに手数料もかかる

その他のメリット
・積み立てできる最低金額は、5000円以上1000円単位
・事業主がiDeCoに掛け金を上積みできる「iDeCo+ イデコプラス」の対象企業は300人以下に拡大
・企業型DCの導入企業で従業員が自分で上積みする「マッチング拠出」導入企業の場合、(会社が用意した商品に不満なら)従業員がiDeCoと選択可能に(2022年10月~)
・企業型DCを導入する企業 規約変更なしで(労使の合意がなくても)原則iDeCoに加入できるように ただし会社掛け金とイデコの合計額が企業型DCの掛け金上限額の範囲内であることが条件(2022年10月~)
・「元本確保商品」と「投資信託」の運用商品がある 元本割れに抵抗があれば「元本確保商品」(定期預金など)を選ぶことができる
・一般に販売されている投資信託と比べて信託報酬などのコストが安いものが多い また、ほとんどの投資信託が購入手数料がかからない
・転職・退職しても 年金資産と年金記録はポータビリティ(資産の持ち運び)ができる iDeCoから企業型確定拠出年金に、企業型確定拠出年金からiDeCo、iDeCoからiDeCoに持ち運ぶことができる
・「確定年金」年金を受け取れる期間が確定している もし途中で自分が早く死んだ場合、残額が遺族に支払われる
・また、iDeCoには「スイッチング」という仕組みにより 金融商品の構成割合を見直すことが容易で リスクとリターンのバランスをとっていくことができる
「iDeCo」(個人型確定拠出年金)のデメリット
●将来的な給付額は「加入後の運用実績次第」将来得られる金額が(運用実績によって変わる 損失が生じる可能性も)
●国民年金保険料を支払っていない人、60歳以上の人、海外在住の人、勤務先の企業型DCの規約でiDeCo加入が認められていない人、農業者年金に加入している人は加入できない
●加入する場合、iDeCoを取り扱う金融機関(運営管理機関)を1社選ぶ必要があり、口座を開設するときに3000円前後の手数料が 積み立てをしている間は口座管理料がかかる(金融機関によって月額100円台から600円台まで幅がある)
●投資できる元本には上限がある(iDeCoの年間投資上限額は働き方などによって変わる)積み立期間にも上限がある
●拠出時:掛け金が全額所得控除とはいえ 主婦(主夫)などで課税所得ゼロだと(所得税を納めていないと)「所得控除」メリットは無い
●iDeCoで積み立てた資産は60~75歳の任意のタイミングで受け取り始めることが出来るが 60歳からの受け取りにはiDeCo加入期間が10年以上必要(10年未満だと受給可能年齢が繰り下げられる)
●企業型DCを導入する企業は掛け金の上限額を下げる規約変更をしないと iDeCo が併用できない(このため2つを併用できるのは企業型DCを導入する企業の4%にとどまる)
→ 規約変更なしで(労使の合意がなくても)原則 iDeCo に加入できるように ただし会社掛け金と iDeCo の合計額が企業型DCの掛け金上限額の範囲内(55.000円)であることが条件(2022年10月~)
 企業年金が企業型DCだけの会社の掛け金上限額は月5万5000円だが、会社の掛け金は1万円以下の人が約半数を占める(会社の掛け金1万円なら枠が4万5000円余っていることを意味する)
 iDeCo の掛け金上限額は企業年金の加入状況などによって異なるが、企業型DCだけの会社なら上限が月2万円(2万円を上限に iDeCo を上積みできる 仮に会社の掛け金が4万円の場合は、枠の残り1万5000円が iDeCo の上積みの上限額に)
●口座を開設した金融機関によって金融商品のラインアップがさまざま 投資信託以外に預金や保険など元本保証の商品も(その中から自分で商品)どの商品を運用するかを自分で決める必要がある(つまり自分で運用する)
●iDeCoの資産は原則60歳まで引き出し不可
●将来的に受け取る年金も「公的年金等控除」の対象(一時金での受け取る場合には「退職所得控除」)だが、他の公的年金や退職金と同時に受け取る場合は税金がかかる場合もある
●60代前半から受給すると iDeCo と併用できない年金がある
●途中で認知症になると運用が出来なくなる → 「家族信託」を利用すれば 家族が運用を続け老後資金の足しにできる

Q:退職金や個人型DC(個人型確定拠出年金 iDeCo)の受給方法についてのアドバイスを 金額やもらい方で税などの負担が変わる?

■ 退職金・企業年金・個人年金の課税

収入の分類 受取方法 所得の種類 備考
退職金・企業年金・確定拠出年金 一時金 退職所得
(分離課税)
勤務年数に応じた退職所得控除
年金(分割) 雑所得
(総合課税)
公的年金等控除
民間の個人年金保険 一時金 一時所得
(総合課税)
利益部分が所得の対象
年金 雑所得
(総合課税)
利益部分が所得の対象


(受け取り時) 一時金 年金
所得区分 退職所得
(一時金額-退職所得控除)X 1/2
雑所得
年金額-公的年金等控除
社会保険料 かからない 国民健康保険料 介護保険料などの計算対象

・iDeCoはNISAのような非課税制度ではなく 税金を先送りする仕組み 受給時には掛金も含めた資産全体が課税の対象に(上記のような優遇措置はある)



● iDeCoと会社の退職金で退職所得控除の「二重取り」は可能か?

  現在 26年以降
iDeCoを先に受給
(今回改正)
iDeCo受給年を含めて5年以内に退職金受給なら不可 iDeCo受給年を含めて10年以内に退職金受給なら不可
  22年3月まで 22年4月から
退職金を先に受給
(改正済み)
退職金受給年を含めて15年以内にiDeCo受給なら不可 退職金受給年を含めて20年以内にiDeCo受給なら不可


・退職所得控除をそれぞれの期間分最大限享受するために DCの受け取り方法を 年金で分割受給したり 一時金と年金を組み合わせる方法もある 受給額と控除額のシミュレーションは 専門家に相談することが寛容
・DCの分割受給で年収が増えると 社会保険料負担が高まる可能性はある
・(60歳で)退職金とiDeCoを一時金で受給するなら 同一年の受給の退職所得控除は 期間の長い方を使うという規定がある
・60歳定年の場合 再雇用でも企業年金は 60歳未満で加入が終わるケースが多い 企業型DCに加入していた場合 資産は非課税でiDeCoに移管できる その際 企業型DCの加入期間はiDeCoの退職所得控除の加入期間に加入できる

■ 退職所得控除

・現在 「21年目以降の控除額アップを見直し: 一律で40万円にしよう」とすることが検討されている



・こちらも参考に
  「iDeCo 公式サイト」
  「個人型確定拠出年金ナビ(iDeCoナビ)~イデコ加入ガイド~」



(iDeCo最大のデメリットは 60歳まで途中解約ができないこと しかし 40~50代であれば20~30代と比べて 老後のライフイベント費用や 何歳まで働けるかというイメージもつきやすい  手持ち資金で対応できそうな期間を想定できるなら 余剰資金をiDeCoで運用し(運用が苦手ならば 預金という手もある) 所得控除や運用益の最大化という恩恵を受けたいもの
 原則65歳未満まで加入できるように(70歳まで延長に)(年齢要件が撤廃され 国民年金被保険者ということだけが加入の主な要件に)なった今 65歳まで会社で働き続ける予定であれば 例えば 55歳から加入したとしても 最大で10年加入できることになる
 一方 NISAは 引き出しに制限はありません(いつでも引き出せます)「NISAと年金(DCやiDeco)は できるだけ併用を」と言われます 検討してみて下さい 多くの場合 始めるのに「遅すぎることはありません」そして NISAは 2024年に大変身します)

  新NISA iDeCo
加入条件 20才以上(国内居住者) 20~64才(国民年金保険者)
最低積立額 / 掛け金額 少額から可能 月5000円以上
年間投資枠 120万円(つみたて投資枠) 14.4万~81.6万円(*)
購入できる商品 積み立てや分散投資に適した投資信託(つみたて投資枠) 投資信託や預金など
購入 / 資金拠出時 税制優遇はなし 掛け金が全額所得控除
運用時 運用益は非課税 運用益は非課税
受け取り時 運用益は原則非課税 退職所得控除などの対象
引き出し いつでも可能 原則60才以上
  新NISAを優先 iDeCoを優先
     

(*)加入する年金制度や働き方によって異なる

「 新NISAを優先」に向く iDeCoを優先」に向く
・教育費や住宅資金など 途中で引き出す予定の資金が多い
・専業主婦など所得がなくiDecoの掛け金の節税効果がない
・元本確保での運用にこだわらない
・企業年金や退職金が多くiDeCoの受け取り時は 非課税枠が小さくなりそう
・とにかく老後資金を貯めたい
・税率が高く 掛け金の節税効果が大きい
・投資が怖く 預貯金など元本確保型運用で節税効果だけ受けたい
・いつでも引き出せるお金は 使ってしまいがち
・企業年金や退職金が少ない会社員 自営業者など iDeCoの受給時に非課税枠を多く使える


 NISAは 2024年に大変身します   詳しくは
 →  ブログ「115. 新 NISA」をご覧ください





転職前 / 転職後 DC iDeCo DB
企業型確定拠出年金
(DC)
個人型確定拠出年金
(iDeCo)
確定給付企業年金
(DB)

・△ は転職先の規約による


2025年12月14日

2023年03月16日

115. 新 NISA

 NISAは2024年1月に大変身
〇 制度が恒久化 生涯で買付残高1800万円まで投資可能に(1人当たりの金額 夫婦2人で使えば 1800万円 × 2人分 使える
〇 成長投資枠の使用は任意 つみたて投資枠だけで1800万円を使うことも可能
〇 生涯投資枠(一人当たりの金額)は 投資した時の金額(元本)で判断(簿価残高で管理)(運用で資産がいくら増えても無関係)
〇 生涯投資枠は管理が残高ベース 1800万円以内ならいつ使っても自由(資金の余裕のない若い時期は使わずに 中高年になってまとめて投資することも可能)(旧NISAの毎年の非課税枠は 使わなかったり売却したりすると消えてしまい再利用できない)
〇 売却すれば その投資元本分の枠(売却額ではなく 買い付けた金額)の「空き」ができる(ただし「売却すると複利効果が大きく損なわれる」)資金の余裕があれば再び投資可能(再利用できるのは売却の翌年から また 投資枠が復活しても 年間360万円の投資上限枠は変わらない また 年末までに使い残した非課税枠を翌年以降に繰り越すこともできない)積み立て投資枠の空きを 成長投資枠で利用することができる(その逆も可))
〇 非課税保有期間が 無期限に


NISA(少額投資非課税制度)とは
 通常 株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合 これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して20.315%(所得税および復興特別所得税15.315% 住民税5%)の税金がかかります
 NISAは「NISA口座(非課税口座)」内で 毎年一定金額の範囲内で購入した これらの金融商品から得られる利益(運用益・配当)が非課税になる(確定申告する必要がない) つまり 税金がかからなくなる制度です(金融庁)使いこなすかどうかで老後資金に大きな差がつく


・上図出典:朝日新聞デジタル

  つみたて投資枠 成長投資枠
対象者 18歳以上の国内居住者 18歳以上の国内居住者
投資対象商品 積立・分散投資に適した一定の投資信託(現行の積立NISA対象商品と同様) 上場株式(上場廃止の恐れのある管理銘柄や上場廃止が決まっている整理銘柄は対象外)・投資信託(①信託期間20年未満 ②毎月分配型 ③高レバレッジ(金融派生製品)型の投資信託を除外)

つみたて投資枠
(現在のつみたてNISA)
  成長投資枠
(現在の一般NISA)
長期の積立・分散投資に適した投資信託
(主に信託報酬が一定水準以下 販売手数料がゼロ 分配頻度が毎月でない インデックス型)
現在 上場株式・投資信託など
(投信はほとんどが対象)
 
変わらず(2024年3月15日時点で上場投資信託(ETF 7本)を含む国内投信281本 日本の投信全体で6000本弱なので 約4%に厳選されている) 改革後 上場株式・投資信託・ETF・REITなど
(対象となる投信は全体の約4割「テーマ型」(*)を排除する狙いも)

(*)テーマ型投信:話題の事柄や国に注目し 関連業種や特定の新興国などで運用する投信 世間の関心が薄れると価格が急落しがち 手数料が高めで 信託期間が短いものが多い

・2024年から新NISAで投資できる主な商品

  つみたて投資枠 成長投資枠
インデックス型投 〇 信託報酬などに制限 〇 信託報酬の制限なし
アクティブ型投信 〇 信託報酬 資金流入期間 純資産残高で選別 〇 信託報酬の制限なし
個別株式 ×
REIT(不動産投資信託) ×(バランス型投信での組み入れは可)
ETF(上場投資信託)


〇 つみたて枠の投信は金融機関にとって収益が小さいため 成長枠の高手数料のアクティブ型を積極的に勧めるケースが多そうだが「堅実に資産を増やしたい」のなら「成長枠でもインデックス型を選ぶ」「全世界に幅広く投資できる低コストのインデックス型投信を つみたて枠と成長枠の両方で使う」で可(年2回以上の購入をすれば つみたてとみなされるが 設定方式は 各社で違いがある)
→ ブログ「117. 投資信託」もご覧ください

新NISA 成長投資枠 成長投資枠 つみたて投資枠
投資できる金融商品 上場株式 投資信託 長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託
インターネット証券
(対面取引中心の)証券会社
銀行 ×


NISAは2024年1月に大変身
「つみたてNISA」を基本にした制度に一本化
・「つみたてNISA」をメインとし「成長投資枠」(「一般NISA」機能引き継ぎ)を設ける
・対象年齢を未成年者まで広げ「ジュニアNISA」を引き継ぎ
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は併用可能
・上限枠(生涯投資限度額を設定)を超えなければどちらの運用益も非課税に
・非課税限度枠を拡大 つみたて型を3倍の120万円 一般型は2倍の240万円に併用可なので 年に最大360万円までの投資が可能
・投資可能期間の期限をなくし 制度を恒久化 非課税保有期間を無期限に
□ NISA口座保有者の出国に伴う対応
・出国日の前日までに「(非課税口座)継続適用届出書」を口座のある金融機関に提出
 この届出書を提出した日から5年を経過する年の12月31日まで非課税の適用
・帰国後 5年以内に「帰国届出書」を提出した場合
 → 帰国後も 引き続きNISA口座で保有可能
・帰国後 5年以内に「帰国届出書」を提出しない場合
 → NISA口座は廃止となり 一般口座に払い戻し

 NISA特設ウェブサイト」(金融庁)もご覧ください

 これにより「貯蓄から投資へ」の流れを強力に推進 「中間層を中心に、幅広く資本市場に参加することを通じて成長の果実を享受できる環境を整備する」としている

〇成長投資枠(年240万円)を使う運用例

運用目的や方針 投資手法や商品の例 特徴など
主に老後の資産形成(慎重) つみたて投資枠と同じ商品を毎月積み立て ・投資初心者に向く
・管理の手間は少ない
現役時代にも恩恵(中間) 配当や株主優待狙いの個別株を購入 ・株価の上昇時には売却も
・配当や優待の内容が変わるリスク
リターンを重視(積極的) 相場下落時などに一括投資 インデックス型を基本にアクティブ型の投信や個別株も ・投資経験者向け
・銘柄選びや投資時期が重要
・投資先次第ではリスク大きく


・旧制度との関係(2024年1月1日~)
・2023年末までに 旧一般NISA および つみたてNISA 制度において投資した商品は 新しいNISAでの生涯投資枠には加算されない(制度の外枠で 現行制度における非課税制度を適用)
*非課税期間が終了した商品を翌年の非課税投資枠に移管するロールオーバーは廃止 現行のNISA口座で購入した商品は 非課税期間が終了したものから課税口座に順次移管される 移管時の時価が課税口座における取得価額となり その後売却する歳の税金は その移管時の時価をもとに計算される
*旧制度から新しい制度へのロールオーバーは不可
・2023年末までに(旧)ジュニアNISA 制度において投資した商品は 5年間の非課税期間が終了しても 所定の手続きを経ることで 18歳になるまでは非課税措置を受けられることになっているが 今回 その手続きを省略することになり 非課税期間(5年)終了後 自動的に継続管理勘定に移管され 18歳(1月1日時点で18歳である年の前年12月31日まで)になるまで非課税で保有することが可能となり 利用者の利便性を手当
*ジュニアNISAで保有している商品は 制度終了に伴い払い出しの年齢制限が撤廃され 2024年1月1日以降は18未満でも非課税のまま全額の払い出しが可能に
 → 対象年齢を未成年者まで広げ ジュニアNISAを引き継ぎ
・現行のNISA制度の口座を開設している場合 自動的に新NISA口座が開設される(予定)
*新NISA制度でも現行と同様に年単位でしか金融機関の変更はできない


〇 「新NISA」のメリット
〇 冒頭の「NISAは 24年1月に大変身」枠内の各事項
〇 以下の 背景⑥ 「相続対策と子どもや孫の資産形成のサポートできる」をご覧ください贈与税の非課税枠とNISAの非課税枠を利用することで可能
〇 少額投資で得た配当や分配金、売却して得た譲渡益に税金がかからない(通常 は 20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかる)(非課税のため 確定申告をする必要がない)
〇 NISAは投資上限額内であれば、投資回数に制限はない また、購入商品数の制限もないため、1つの銘柄にこだわって高額投資することも、また複数の銘柄を少額ずつ購入して投資リスクを分散することもできる
● 「新NISA」のデメリット
● 旧NISA と同様 ほかの特定口座や一般口座と損益通算することはできず NISA口座で生じた損失(譲渡損失、売買損失)の繰越控除もできない(損失は「税計算上ないものとみなされる」)そのため、3年間の繰越控除の適用を受けることができない
(反対に NISA口座での投資で得た配当や売却益には税金がかからず 売却時の利益については 旧NISAと同様確定申告する必要はない)
● NISAは 外国税額控除の対象外(米国ETFを買う際 通常の課税口座なら確定申告で条件を満たせば 分配金や配当金への米国課税分(10%)は「外国税額控除」として全額または一部が還付される)
● 相続発生時 相続人のNISA口座には引き継げず 課税口座に移される
・NISA口座で運用していた人が死亡した場合 相続人は死亡を知った日以降 遅滞なく金融機関に「非課税口座開設者死亡届出書」を提出
・相続が生じた時点でNISA口座内の資産は 払いだされたとみなされ 相続人の課税口座に移される(相続発生日の時価が資産の取得価額となる)
・相続発生時までの含み益には課税されず その時点の評価額が相続財産となる
・相続した資産をNISA口座で運用したい場合は 一旦売却し その資金を用いて新しいNISA口座で投資する
● NISA口座以外で保有している金融商品は、NISA口座への移管ができない
● 課税口座に移管した場合、時価で購入したとみなされる
● NISAを利用するためには、証券会社、銀行、一部の生命保険会社や運用会社などの金融機関で非課税口座(NISA口座)を開く必要がある 口座は日本に住んでいる18歳以上の人であれば開設できる(1人1口座のみの利用)開設後は金融機関を乗り換えることもできるが、年に1回しか変更できない



・年金減少社会 は 自助努力で


背景① 「家計の金融資産が 約2000兆円」


 預金するだけでは お金をふやせません 定期預金金利:0.002% 例えば、100万円を定期預金に1年間預けても、1年間で20円(税込)しか増えません(金利が 100倍の0.2%になっても 1年間で2000円(税込)です)
 また 変動10年国債(新発10年国債の利回りに応じて半年ごとに金利が見直される)の金利は 年0.05%(最低保証)(直近の金利は 0.50%前後)


背景② 「2000万円問題」

「2000万円不足」がおかしい理由 は たくさんありますが・・・
 → 詳しくは ブログ「120. 家計管理」をご覧ください


金融庁が示した「報告書」(人生100年時代を見据えた資産形成を促す報告書)(2019年6月)
 長寿化によって会社を定年退職した後の人生が延びるため、95歳まで生きるには夫婦で約2千万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算を示した。
 公的年金制度に頼った生活設計だけでは資金不足に陥る可能性に触れ、(現役時代から)長期・積立・分散型の資産運用の重要性を強調した。定年を迎えたら退職金も有効活用して老後の人生に備えるよう求めた。



背景③ 「資産形成の支援材料がそろってきている」

 また、共働き家庭も増加している  自分の人生でこれらを活用し 「資産運用」をするかしないかで数千万円程度の差がつく

・例えば 毎月1万円を10年間 想定利回り3%(低リスク商品の利回り これで運用できた場合)で積立投資すると 最終想定積立金額:1,397,414円(年1回の複利計算 手数料、税金等は考慮せず)

・こちらも参考に→ 
「資産運用シミュレーション」(金融庁)


・資産形成の支援材料がそろってきている また 共働きが広がっている  自分の人生でこれらを活用し「資産運用」をするかしないかで 数千万円程度の差がつく


  新NISA(つみたて投資枠) iDeCo
加入条件 20才以上(国内居住者) 20~64才(国民年金保険者)
最低積立額 / 掛け金額 少額から可能 月5000円以上
年間投資枠 120万円 14.4万~81.6万円(*)
購入できる商品 積み立てや分散投資に適した投資信託 投資信託や預金など
購入 / 資金拠出時 税制優遇はなし 掛け金が全額所得控除
運用時 運用益は非課税 運用益は非課税
受け取り時 運用益は原則非課税 退職所得控除などの対象
引き出し いつでも可能 原則60才以上

(*)加入する年金制度や働き方によって異なる

  口座管理手数料 給付手数料
企業型DC ・掛け金拠出期間は企業負担
・拠出期間終了後は本人負担が多い
本人負担が多い
iDeCo 本人負担(無料~年数千円 金融機関で異なる) 本人負担
新NISA なし なし


・iDeCo や NISA については「 Q&A 資産運用・投資」もご覧ください
 → ブログ「116. iDeCo」をご覧ください



背景④ 「積み立て投資を支援するサービス」(お試し投資)が充実


 → ブログ「048. お試し投資」をご覧ください


背景⑤ 「公的医療保険の手厚さ」

 人生の3大支出 住宅資金・教育資金・老後資金に次ぎ 支出が多いのが「保険」という家庭も結構多い
  例えば 年間払い込み保険料を30万円 払込期間50年間 とすると
 30万円 X 50年間 = 1500万円 結構な金額に
  「保険」に対する考え方は人それぞれではありますが・・・しかし 過剰な保険契約が家計を圧迫しては 本末転倒
 「「公的保険」の手厚さを 知らないことで 必要以上の民間保険に加入してしまうことがないように注意しましょう」(金融庁)とも言われます


・「公的医療保険の手厚さ」については
 → ブログ 「104. 保険を補完」をご覧ください


背景⑥ 「相続対策と子どもや孫の資産形成のサポートできる」

・上図出典:東洋証券

「ジュニアNISA」(未成年者少額投資非課税制度)(2023年12月で制度終了)



背景⑦ 「相続時精算課税」が改正される (23年度税制改正)

  → ブログ「086. 生前贈与」をご覧ください


背景⑧ 「物語る各種 シミュレーション」


・こちらも参考に
「投資の基本」(金融庁)
「基本から、きちんと知りたい人のための投資の時間」(日本証券業協会)
「株価指数連動定額積立投資シミュレーション」(NPO法人 みんなのお金のアドバイザー協会)

・「ジュニアNISA」(未成年者少額投資非課税制度)は 2023年12月で制度終了していますが 金融庁は2025年 若年層が使いやすい少額投資非課税制度(NISA)の仕組みを検討 18歳以上に限定されている現行NISAについて 口座を開ける対象を未成年にも広げる税制改正要望を出すことを視野に また 退職世帯向けの「プラチナNISA」の構想も しかし 課題も多い




2025年10月06日

2023年03月09日

114. 金・プラチナ

「プラチナカード」とか「プラチナチケット」と言われるように プラチナは ゴールドよりも一段 格上 しかし 2015年以降は 金がプラチナ(白金)を逆転 (一時は 金の半値以下にまで値を下げる)
 価格逆転のきっかけは(よく言われるのが)2015年に発覚した独フォルクスワーゲンのディーゼル車の排ガス不正問題(ディーゼル車の需要が落ち込み 触媒として使われる白金需要も低迷)
  プラチナは工業用需要が6割に上り景気に左右されやすい また、新型コロナの影響も価格差を広げる要因に (金は金で 2020年に40年ぶりに最高値を更新し その後も高値圏で推移)





 「純金積立」に加えて ” 割安 ”になった「プラチナ積立」も新たに始めたという人も多い(月1000円から始められる 価格が高い月には少ない量を 安い月には多くの量を買う(ドル・コスト平均法)ため 高値づかみを避けやすい これは「純金積立」も同じ)
 「現在のプラチナ相場は下がり過ぎている 今後 相場の反転の可能性も大きい」とする見方がある そして(コロナ禍からの脱却が見えてきた)ここにきて プラチナと金との価格差は縮まって来ている
 プラチナ(白金)は もともと「金以上」に希少性の高い貴金属(Rareレアメタルである)その埋蔵量も 採掘量も金に比べはるかに少ない 有史以来、金の総採掘量が約17~19万トンと推定されているのに対し、プラチナは約5,000~7,000トン程度 これは 50mプールにすると 金が3杯半ほど プラチナは1杯目の足首が浸かる程度といわれる

  小売価格(1グラム) 宝飾品以外の用途例 値動きの特徴
200.00円前後 ・中央銀行の準備資産 米国の金利やドル相場に逆相関しやすい
白金 8.000円前後 ・自動車の排ガス浄化触媒
・水素の生成
金利・自動車の生産台数で左右
250円前後 ・太陽光パネルなど産業資材 産業需要が多く景気で左右 値動きが新井

*金は 昨今 急騰している


・投信やETFの取引による利益は 一般の株式投信などと同様に課税されるが NISAやiDeCoを通じて投資した場合は税の優遇がある

・NISAやiDeCoについて詳しくは  Q&A「資産運用・投資」にて

*プラチナの課題

● 工業用需要が約6割に上り相場が景気に影響されやすい
● 金と比べて市場が小さく 流動性の低さから価格が乱高下しやすい
● 約7割が南アフリカ産 南アフリカの不安定な経済情勢や社会情勢がプラチナ価格の値動きに表れる
● 遠い将来 レアメタル・プラチナが 地球外(月とか小惑星とか火星とか金星とか!?)で大量に採掘された場合 その価値が暴落するリスク(採算を考えると現実的ではない)


・(2025年5月08日)金価格1グラム17.259円 過去最高値
“ 安全資産 ” で 連日最高値更新 その後も 高値で推移






金投資 購入窓口 投資額の例 主な費用
金地金 地金商 宝飾店 金属メーカーなど 5gで約4万円 500g未満は加工などの手数料
金貨 地金商 宝飾店 金属メーカーなど 約3gで約2.5万円 (小売価格に含む)
純金積み立て 地金商 ネット証券 金属メーカーなど 1000円程度から 年会費 積立手数料(1.5~3%程度)
金投資信託 証券会社や銀行など 100円から 信託報酬(0.4~0.5%程度)など
金ETF 証券会社 6000円程度から 信託報酬(0.3~1%程度)など


・「金」といえば 「金地金(インゴット 延べ棒)」「金貨」

 





地金 店頭小売価格(税込) 小売価格(前日比) 店頭買取価格(税込) 買取価格(前日比)
22.779
-475円 22.588
-474円
白金 8.860
-437円 8.652
-437

 2025年10月18日 09:30公表(田中貴金属)上図

メイプルリーフ金貨 店頭小売価格
(税込)
店頭買取価格
(税込)
1 オンス 767.275 円
701.559 円
1/2 オンス 390.945 円 350.091 円
1/4 オンス 202.253 円 173.712 円
1/10オンス 82.819 円 69.641 円

 2025年10月17日 14:00公表(田中貴金属)上図

 

「金貨(1オンス金貨 99.99%)1枚の価格は その時代の(大卒)初任給と同程度」(40年前は 11万円前後 昭和初期は 100円程度)だったが 昨今は 高値水準で推移


 



・「金」といえば 「きんさんぎんさん」

 

 

・(9月01日)炭山ウメノさん(香川県小豆島在住)・児玉コウメさん(大分県在住)の双子姉妹(1913年11月5日生まれ)107歳300日を迎える
「史上最高齢の一卵性双生児」「存命中の最高齢の一卵性双生児」にギネス認定(「きんさんぎんさん」を超える)


・「金」といえば 金星(Venus ビーナス)
 地球から見ると 金星は明け方と夕方にのみ観測でき 太陽、月に次いで明るく見える星 明け方に見えるのが「明けの明星」夕方に見えるのが「宵の明星」(Wikipediaより)
 ちなみに 水星は Mercury マーキュリー 地球は The Earth アース 火星は Mars マーズ 木星は Jupiter ジュピター 土星は Saturn サターン
・「金」といえば 大相撲の 金星(きんぼし)
 横綱から「金星を配給」されると 金星1個で場所ごとに 4万円 引退するまで年間24万円(年6場所)がもらえる(特別給金)金星を 5個も獲得すると 年間120万円
 「金星」とは 大相撲で 平幕の力士が横綱と取組をして勝利すること 三役以上(小結以上)が横綱に勝っても金星にはならず 単に白星


・「金」といえば 「ツタンカーメンの黄金の(デス)マスク」(製作 紀元前1323年頃)
・(11月05日)100年前(1922年)のこの日 英の考古学者ハワード・カーターにより  ルクソール近郊の「王家の谷」で発見される

 


・「金」といえば 「今年の漢字は「金」」
 「長く暗いコロナ禍において開催された東京オリンピック・パラリンピックで日本人選手が活躍し多数の「金」メダルを獲得 大谷翔平選手が大リーグMVPを満票で受賞する等 リアル二刀流でシーズンを通して活躍し、松山英樹選手による日本人初のマスターズ制覇、藤井聡太棋士の最年少四冠達成等、国内外でこれまで成し得なかった多くの「金」字塔が打ち立てられた 新型コロナウイルス関連の給付「金」等でも多く使われた」(2021のある解説文より)
 「今年の漢字」が「金」なのは 00年、12年、16年 に続き 21年で4回目 いずれの年も「オリンピック・パラリンピック」の開催年(下記は TOKYO2020)すごいですね

 


・「金」といえば 「中尊寺金色堂」
 898年前(1124年 天治元年)奥州藤原氏初代藤原清衡が建立
 平等院鳳凰堂と共に平安時代の浄土教建築の代表例


 

・「金」といえば 「砂金」
「ゴールドラッシュ」「砂金採り」「砂金で稼ぐ?」「どこで採る?」「一攫千金」
・・・興味はつきません

 こんなサイトがありました
  → 「佐渡西三川ゴールドパーク 」
  → 「甲斐黄金村 湯之奥金山博物館」
 →  「西伊豆 土肥金山 坑内&砂金体験」
 → 「マイントピア別子 砂金採り体験」

 貴金属とは 一般に、金(Au)、銀(Ag)と、プラチナの仲間である白金族の6種類、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)の合計8種類を貴金属と称しています 希少であり、加工性がよく、化学的に安定していることなどが貴金属といわれる所以です
 貴金属のうち、金、銀、プラチナは、主材料としてジュエリーに用います パラジウム、イリジウム、ルテニウムは割り金(わりがね)としてジュエリーの素材に用います ロジウムは、めっきの材料として重要です。オスミウムは、現在ではジュエリーにもめっきにも用いません(一般社団法人 日本ジュエリー協会のHPより)

(「金価格1g 8969円 40年ぶりの最高値」「円相場1ドル=150円台 32年ぶりの円安水準」「11月の消費者物価指数 3.7%上昇 40年11ヶ月ぶりの水準」近頃の見出しは すごいですね・・・(2024年)
 少し違いますが「芝浜」(三代目 桂三木助)を思う 屈指の人情噺 名演である)

(付録)10種の新しい誕生石の追加
(2021.12.20)誕生石が 63年ぶりに改定されました

 


2025年10月18日

2023年03月02日

113. 株式と債券

景気との関連 株式 債券
景気が良くなると 企業業績が改善 ↑ 価格は上がる 金利が上がる ↓ 価格は下がる
景気が悪くなると 企業業績が悪化 ↓ 価格は下がる 金利が下がる ↑ 価格は上がる


長期投資での株式と債券の連動性
 相関関係が1に近いほど値動きが連動しやすく -1に近いほど反対の値動きになりやすい

  国内株式 外国株式 国内債券 外国債券
国内
株式
1.00 0.47 -0.02 0.12
外国
株式
  1.00 -0.1 0.61
国内
債券
    1.00 -0.06
外国
債券
      1.00

  株式 債券
仕組み お金を出資し株主となる お金を貸す
利益 ・配当 売買益 株主優待 議決権
・投資タイミングの自由度が高い
・利子 売買益 償還差益
・満期日まで定期的に利子を受け取れる
・満期には額面金額が償還される
リターン 無制限 限定的
リスク 高め 低め
購入可能価格 100円~ 10000円~
満期 なし あり
好景気の時 価格上昇 価格下落(金利上昇)
不景気の時 価格下落 価格上昇(金利低下)




■ 株式








・(2021年2月15日)東京株式市場 日経平均株価が一時 3万円の大台を回復 1990年8月以来 30年6ヶ月ぶり
・(2023年5月19日)東京株式市場 日経平均株価 7日続伸 終値 3万0808円35銭 2021年9月14日につけたバブル経済崩壊後の高値(3万0670円10銭)を上回り 1990年8月以来およそ33年ぶりの高値に(日経平均は 急ピッチで上昇しており 3万円台で定着するかが焦点)
・(2024年2月22日)東京株式市場 日経平均株価 3万9098円68銭 1989年12月29日につけた3万8915円87銭を超え 史上最高値を約34年ぶりに更新
・3月4日の終値は4万109円23銭 4万円を超え 史上最高値を更新(日経平均は 急ピッチで上昇しており 4万円前後で定着するかが焦点)
 「これは、バブルではない(バブル崩壊後の長い低迷を経て)日経平均株価は右肩上がりの時代に再び入った 株(や株式投資信託)の長期保有は有利になる 資産運用・投資の王道「長期 X 分散 X 積立 」に従い「日経平均株価インデックス型」に投資してコツコツ老後資金を貯めよう」と コロナ禍の先行き不透明な時代(2000万円問題も重い)に投資を始める彼らがいる
 そんな彼らに「ドルコスト平均法がリスクを和らげ INDEXに積み立てれば右肩上がりに増えていく」と ただ信じている その原資はどうする? 企業における終身雇用・年功序列は崩壊しているではないか(企業に頼り切る事はできない)そんな企業での労働(その給与)に依存するばかりで 投資の原資を確保し続けられると思っているのですか?」との声も聞こえる
 では どのようにすべきですか?
「投資の勉強もしながら また 長期投資で株主として企業が稼いだ付加価値の配分も受けながら(払われる配当だけでなく 株主の持ち分である純資産として積みあがる)将来の自分のため・自立のために日々懸命に働くことです(懸命に働くだけでは不十分)」

INDEX 特徴 時価総額などの規模
日経平均 輸出関連や値がさ株のハイテク株の影響を受けやすい 主に大型・中型
TOPIX プライム市場全体(内需関連株から輸出関連株まで) 大中小型すべて
東証スタンダード市場指数 内需関連株が多い(ビットコイン関連株も) 中小型株
東証グロース250 内需型のネット関連企業やAIなど新興企業が多い 小型株


「成長株の発掘」株式投資の魅力の一つは有望な銘柄の発掘 気に入った銘柄が大きく成長するのは投資の醍醐味
① 投資額を決める
・株式運用の1割など
・損失を受け入れられる範囲内
② 候補となる銘柄を探す
・事業内容やその業界について 自分が理解できる分野
・市場拡大が期待できる分野
・業界でのシェアが高い 同業者に比べ競争力があり 市場が拡大した時に大きく利益を伸ばしやすい
・参入障壁が高い ライバルが増えにくく 急に業績が悪化する可能性が低い
③ 「財務諸表」や「株価指数」を確認する
・「売上高の伸び率」年15~20%以上が数年続いているのが理想 大型株なら年10%でも
・「自己資本比率」高いほど経営が安定しやすい 40%以上が目安とされる
・「営業キャッシュフロー」過去に通期での赤字があれば 要注意
・「時価総額」300億~1000億円程度がねらい目 小さすぎるとリスクも
・「PBR(株価純資産倍率)」1倍未満なら株価の見直し余地が大きい
・「PER(株価収益率)」業種にもよるが 100倍超など高い銘柄は割安感が乏しい可能性
・「ROE(自己資本利益率)」8%台が最多で 中央値は9% しかし 企業ごとのばらつきはなお大きい


「株式投資をするうえで企業業績の点検は欠かせない」
 業績を見る際に重要なのは意味の異なる「利益」
 企業の決算は四半期ごとにあり 内容を知る基本の書面が グループ会社も含めた連結の「決算短信」(ここに いくつかの「利益」が掲載される)


売上高総利益 ・商品の付加価値の高さを示す
営業利益 ・本業のもうけを示す
モノを売ったりサービスを提供したりして得た「売上高」から商品の製造・仕入れや販売促進の費用を引き算出(株価に及ぼす影響が大きい)
経常利益 ・金利など本業以外の収支を反映
借入金があれば利息が発生し 多くの預金があれば利息の収入がある 株式を保有するグループ会社の損益も反映(主に財務面で発生した 営業外損益)
税引き前純利益 ・資産売却などによる特別損益を反映
純利益 ・税金を差し引いた最終的なもうけ
本業以外の収支や臨時に発生する特別損益をすべて反映し 法人税などの支払いまですべて済ませて最終的に企業に残った金額 保有する資産や事業の売却など特別損益と呼ばれる一時的な要因により 大きく動く
 純利益を元に配当の金額が決まる 株価が割安かどうかを測る代表的な指標「PER(株価収益率)」は純利益が左右する


■ 決算短信の注目ポイント

連結経営成績 ・売上高や営業利益が前期からどれだけ増えたか
・本業の稼ぐ力を示す売上高営業利益率は他社と比べてどうか
連結財政状態 ・財務の健全性や資産の大きさを確認
・自己資本比率が高い企業は危機時にも強い
連結キャッシュフロー ・現金の流出入から会社の懐具合をチェック
・営業CFと投資CFを足したフリーCFが大きいほど経営状態は良好
配当の状況 ・株主の配当は増えているか減っているか
・利益をどれだけ配当に回しているかも確認
連結業績予想 ・会社が示す今期予想は前期からどう変化するか
・市場予想(コンセンサス)と比べてどうかも注目


■ 企業業績を把握する資料は様々

  主な特徴
決算短信 ・決算発表と同時に公表 東証の統一書式で企業同士を比較しやすい
・直近2期の業績や今後の業績・配当予想を開示
決算説明会資料 ・アナリストや運用担当者向けの説明会で独自に公表 個人も企業HPなどで閲覧可能
・決算の詳細をグラフなどを使って説明 業績動向を把握しやすい
中期経営計画 ・本決算と合わせて企業が発表するケースが多い
・3~5年後の事業戦略や業績目標などを説明
日経会社情報デジタル ・予想を含む6期分の財務データを掲載
・アナリストの収益予想の平均である「QUICKコンセンサス」をチェックできる




「日経平均株価が3万円台を回復した(さらに4万円台を記録)」
 日経平均ベースの「株主の持ち分=1株当たりの純資産(BPS)」は増加を続けている 株価もBPSの増加を反映して上昇している(上図グラフ参照)
・企業統治改革がスタートする前の2012年末と比べると 日経平均は3.8倍に テクノロジー銘柄の多い米ナスダック総合(5.3倍)には及ばないものの 米ダウ工業株30種平均(3.0倍)や欧州のストックス600(1.8倍)を大きく上回る

 株価を「1株当たりの純資産」(BPS)で割った(言い換えれば 時価総額を純資産で割った)数値が「株価純資産倍率」(PBR)=企業の純資産が市場でどれだけ評価されているか?(市場の期待の大きさ)を表す数値(" 市場の期待値 ")

 「株価=BPS X PBR」「株価=1株当たりの純資産 X " 市場の期待値 "」となる
 近年のPBRの平均は1.2倍だが 1989年末をピークとするバブル期の前後は 5~6倍と説明困難な高値(これがバブル!)適正な水準になるまで長い時間がかかり BPSが増えた時期もPBRの低下で株価は長期低落傾向「長期でも株は報われない」と「大負け」の長いトンネルだった
 修正には 2012前後まで 約20年かかった(日本株の長期低迷期 " 失われた20年 ")企業が「雇用・設備・債務」の3つの過剰の処理をすすめ 利益を出しやすい体質になっていった「利益の増加とともに株価も上昇する普通の資本市場に戻っている」と 2012年以降 日本株の上昇率は 米国株より改善されている

・日本株の中期的なPBR(株価純資産倍率 = ” 市場の期待値 ” )はどれくらいか?
 
 PBR(株価純資産倍率)= ROE(自己資本利益率)X PER(株価収益率)となる
・ROE(自己資本利益率)は純利益を自己資本で割って算出し 株主のお金をいかに効率的に使って稼ぐかを示す 株主が企業に求める最低水準は8%程度とされる(国により大きく異なる)
・PER(株価収益率)は株価が予想利益の何倍まで織り込んでいるかを示し 国際的に中期的には15倍程度に収斂する(89年末の日本株は 約60倍と超割高)
 上記をあてはめるとPBRは 8% X 15倍 = 1.2倍 となる
 直近のBPS 23000円を掛けると 株価は 28000円弱に
 ROEが コロナの終息とともに 9% に回復すると PBRは 1.3倍でもおかしくない(株価は31000円に)
・ROE(自己資本利益率)
 ROEは3つの構成要素に分解して 企業の総合的な稼ぐ力を見ることができる
① 売り上げから利益を生み出す力を示す「売上高純利益率」
② 資産の効率性を示す「総資産回転率」
③ 借入金などの活用度を示す「財務レバレッジ」
(*)「財務レバレッジ」は利益が増えなくとも借入金を増やせば高まりやすくなる
(*)稼いだ利益は「利益剰余金」として自己資本に組み入れられる 利益が大きい企業ほど自己資本が厚くなり ROEを押し下げる
(*)PERは 世界的に中長期では15倍程度に収斂しやすいのに対し ROEは国により大きく異なる 各国でPBRの水準が大きく違うのはこのため
 ROEの高さで知られる米国ではPER15倍を基準に考えると ROE15%ならPBRは2.25倍 20%なら3倍でも適正な水準になるが 足元の米国株のPBRは4倍を超えている 巨大ハイテク企業の人気等を背景に数値上は割高な状態といえる
 「高ROEで成長期待が高い銘柄は 低ROE銘柄に比べ 長期的に株価パフォーマンスが高い傾向が続いている」とされる

時期 制度や政策 ガバナンス改革履歴
2013 日本再興戦略 第二次安倍内閣 成長戦略の柱の一つ 企業統治改革を掲げた
2014 スチュワードシップ・コード導入 企業価値向上のために機関投資家に企業との建設的な対話などを求める行動原則 2017 2020年に改定
2014 「伊藤リポート」公表 日本企業のROEの目標水準を8%以上と提言
2015 コーポレートガバナンス・コード導入 上場企業の企業統治の原則・指針 2021改訂版では多様性(ダイバーシティ)の確保などについても制定
2022 東証の市場再編 東証の市場区分を「プライム」「スタンダード」「グロース」の3つに再編
2023 東証が「PBR改善策」を要請 上場企業に資本コストや株価を意識した経営に向けた対応を開示するよ要請 2024年からは対応策を開示した企業のリストを毎月公表  
 日経平均株価が3万円を超え バブル経済崩壊以来 約33年ぶりの高値に
 背景の一つに「PBR(株価純資産倍率)」指標の改善を目指す企業の試みがある
□ 東証が改善要請 企業は対応に躍起
 東証(東京証券取引所)2023年3月末 プライムとスタンダードの2市場に上場する企業に市場からの評価を上げるための具体策などの開示を求めた「企業の資本収益性(ROE等)を高め 市場評価(PBR等)を向上させるための企業の取組を促す」というもので 企業に財務改善や上場廃止の検討を迫った
 問題視されたのが「PBR1倍を継続的に割り込んでいる企業」(この指標が1倍を下回るということは 資本を活用して企業が解散価値(株主資本)以上の価値を生み出していないと市場に評価されていることに)今回の東証改革が始まった頃 プライム市場のなんと半分以上 スタンダード市場の約6割の銘柄がPBR1倍割れ ROE 8%未満

 この要請に対し 企業が打ち出しているのが 「配当金の増額」「自社株買い」等の株主還元が中心
□ 資本効率が大きく改善される
① ROE(自己資本利益率)改善につながる
ROE = 純利益 / 自己資本 分母の株主資本を 高額配当や自社株買い(消却)で圧縮することによって その水準を高める動きも最近多く見られる
・24年予想では ROEは 8%台が最多で 中央値は9% しかし 企業ごとのばらつきはなお大きい 米欧企業との比較で目標とされる10%台に届くのは半数以下「企業がROE15%などの具体的な目標値を定めれば 株価はさらに上がる」とされる
② 株価上昇につながる
株価=PER(株価収益率) X EPS(1株あたりの利益 = 当期純利益 / 発行済み株式数)発行済み株式数の減少でEPSが上昇する
・企業の稼ぐ力(EPS 1株あたり利益)2012年末と比べ(年末予想は) 日本は2.8倍 米国(2.1倍)欧州(1.5倍)を大きく上回る伸びに(この間に円相場は1$=80円台から150円台となり 自動車など輸出企業の収益環境は大きく改善)

 「自社株買い」は 上場企業が株式を自ら買い取り 流通する株式を減らして株価引き上げを狙う株主還元策の一つ 株価が上がれば「株価が1株当たりの純資産の何倍か」を示すPBRの改善につながる

■ しかし 企業が手っ取り早い「自社株買い」ばかりしていると・・・
「自社株買いは1回やったらおしまい 効果も継続性も限界がある PBRを高める王道は キャッシュを使って成長分野に投資して収益力を強化していくことだ」
「持続的に企業が利益を伸ばせば 株価は上昇する 上場企業は 特定多数から資金を集めている以上 成長しないといけない」
「例えば 遊休資産や本業と関連の薄い不動産 あるいは政策保有株などを処分して資本を圧縮するとともに それによって得られた利益や内部留保していた資金などで研究開発や設備投資 人的資本への投資 M&Aなどを行って収益性が向上すればPBRとROEの向上につながる」
■ ROEの注意点
「高ROE企業は単純に収益性が高い」とは一概に言えない ROEは利益を稼げば高くなるが 同時に過少株主資本でも高くなる(自己資本比率が低く好財務とはいえない企業も ROEは高くなりやすい)
 従って収益性の指標としてROEをみる際には 必ず同時にROA(総資産利益率 = 純利益/総資産)もみることが大切 好財務な高収益企業はROEもROAも高くその差が小さい 一方 自己資本比率が低い企業はROE8%でもROAは2% などのことがある


■ 株主還元の方針でよく示される指標や表現

配当性向(%) 1株当たり純利益 / 1株当たり配当金 X100
利益が増えれば配当金も増えるが 業績が悪化すると減配になりやすい
総還元性向(%) 純利益 / (配当金総額 + 自社株取得額)X 100
自社株買いに積極的な企業が設定することが多い 配当と自社株買いの内訳を明示する企業もある
株主資本配当率(DOE)(%) 1株あたり株主資本 / 1株あたり配当金 X 100
配当性向に比べて配当金が業績の影響を受けにくいため 最近採用する企業が増えている
配当金の下限値 1株あたりの配当金の下限を示すことで 最低ラインを保証
累進配当 減配せず 基本増配していく方針のこと


■ 経営効率を測る指標は同業の収益性比較で特に有用

  ROE 自己資本利益率 ROA 総資産利益率
計算方法 PLの純利益/BSの自己資本 PLの営業利益/BSの総資産
意味 ・株主から預かった資本をどれだけ効率よく使って利益を稼いでいるか
・財務レバレッジにより操作可能
・保有する資産をどれだけ効率よく使って利益を稼いでいるか
・本業以外も含む


□ 人材を企業価値の源泉と捉える「人的資本」が注目されている
 上場企業は 23年3月期の有価証券報告書から 人材育成や車内環境整備のための投資や目標 実施計画などの開示が義務付けされた
・人的資本の開示項目と財務指標に関連性

主な開示項目 関連性や相関性が指摘される指標
女性管理職比率 PBR(株価純資産倍率)、労働生産性
女性役員比率 トービンのq指標(企業の市場価値を資本の再取得価格で割った値)
男女賃金格差 PBR
重点分野の人材育成 成長分野での人材確保による収益向上


・新規公開株式(IPO)


・上場承認から上場までの手続き

上場承認 証券取引所が上場を認め 上場すること および 担当する証券会社を公表
 上場する企業は「目論見書」(*)と呼ばれる書類を公開
仮条件決定 ブックビルディングを行うための株の売り出し価格を決定(例1000~1200円)
ブックビルディング 投資家に仮条件を提示し 投資家が「いくらでどれくらい買いたいのか」を調査
公開価格の決定 ブックビルディングへの申し込みを集計し 実際に株を売り出す際の公開価格を決定
購入申し込み受付 申し込み多数の場合は抽選
抽選・配分 抽選方法は 証券会社によって異なる
上場 当選した投資家に株が配られ 上場

(*)「目論見書」事業概要や商品 サービスの強み 過去の業績推移 上場で調達する資金の使途 株主構成などが記載され 投資判断の重要な材料に

・3種類の配分方法

店頭配分 証券会社の裁量でIPO株を投資家に振り分ける方法 取引の多い大口顧客が優位になることも 対面証券を中心に採用
優遇抽選 取引実績や資産によって当選確率がアップするなど 証券会社が独自に優遇条件を設けて抽選を行う配分方式
完全平等抽選 IPO株に応募した全ての投資家に等しい確率で抽選を行う方式 取引実績や資産は問わない インターネット証券や対面証券のオンライン抽選などで採用



・ストックオプション


 会社が 自社の従業員や役員などに付与するもの 自社の株式を一定の期間内にあらかじめ定められた権利行使価格で購入できる権利
 従業員のメリット(インセンティブ報酬としての魅力がある)
「権利行使時点の株価が 権利行使価格以上に上昇していても 権利行使価格で購入できる」
「将来権利行使価格を上回る株価で譲渡すれば利益を獲得できる」など


■ 「信託型」SO(ストックオプション)の課税方法の混乱
 (自社株を取得後 即座に売却して5000万円の利益が出た場合)

企業側の認識 SOの権利行使時には課税されず 株式を取得し売却した際に譲渡所得して課税 手取りは約4000万円
(税率約20%)
国税庁の見解 SOの権利を行使し株式を取得した時点で 実質的な給与所得として課税 手取りは
約2250万円
(税率約55%)


〇 ストックオプションのメリット
・優秀な社外協力者の確保と長期的な関係維持につながる
・株式持株の回復(比率を上げることができる)
・従業員や取締役のモチベーションが上がる(業績や株価連動の「ボーナス」)
・優秀な人材の採用や流出の防止につながる(新興企業では株の売却益が大きくなりやすい)
・株価低迷なら権利行使を見送れば 従業員のリスクはない
● ストックオプションのデメリット
・株価が下落すると従業員のモチベーションが低下する
・付与基準が不明瞭だと従業員が不満を抱く
・SOを発行しすぎると既存の株式に希薄化が生じる
・権利行使後に離職する従業員もいる
・国税庁が「取得時にも最大55%の税金がかかる」との見解を公表(2023年5月)同時に 信託型以外のストックオプションで 税制優遇を受けるための条件を緩和する方針を示す


■ 株式投資での収入は申告方法が選べる
申告方法 手続きや内容 対象
申告分離課税 確定申告をする
他の所得と分けて税を計算
売却益と配当
総合課税 確定申告をする
所得は給与などと合算
配当
申告不要制度 確定申告をしない
または市区町村に届け出
売却益と配当


■ 配当は所得や手続きで税率が変わる
課税所得 所得税・住民税とも申告不要 所得税は総合課税 住民税は申告不要
900万円以下 源泉徴収税率20% 実質税率5、15、18%
900万円超 源泉徴収税率20% 実質税率28%以上



人が陥りやすい心理 投資行動
プロスペクト理論 収益の快感よりも損失の苦痛方に敏感に反応する
→ 利益確定に走ったり 損失を取り戻そうとより大きなリスクを取る
損失回避バイアス 利益と損失は同じ金額でも損失の方を重大に感じる
→ 利益確定は早いが 損切は遅れる
ハーディング現象 安心を得ようと周囲に追随したり同調したりする
→ 値上がりしすぎと思いながらも投資に積極参加する
メンタルアカウンティング 自身の心でお金を色分けする
→ 投資で得たお金は仕事で得たお金より簡単に使う
自信過剰 自分の能力に自信を持ちすぎる
→ 過剰な取引を繰り返して損失を出す


相場格言 解釈の例
卵は一つのかごに盛るな 1つを落としても卵が全て割れないように複数かご(対象)に資金を分ける
人の行く裏に道あり 花の山 多数派と逆の判断や注目度が低いものに着目することも必要だ
遠くのものは避けよ なじみがなく 理解しづらい銘柄には手を出さない方が失敗しにくい
見切り千両 損失が出ても早めに見切りをつけて その幅を抑えることは価値が高い
頭と尻尾はくれてやれ 最安値で買い 最高値で売ることは困難 その近辺ならよしとする
落ちてくるナイフはつかむな 急落のさなかに買うとその後も下がる可能性があるので底値を確認すべきだ
閑散に売りなし 相場が下落し 薄商いになっている時は売りが出尽くして反騰しやすい
休むも相場 売買をし続けるのではなく 時には冷静に相場を見ることも重要だ
もうはまだなり まだはもうなり もう底だと思う時はまだ下値がある まだ下がると思う時はもう底かもと考える



■ 債券



・上記出典:毎日新聞


■ 個人向け国債

・個人向け国債には変動金利型の10年(変動10)固定金利型の5年(固定5)固定金利型の3年(固定3)の3種類がある(下図)

商品名 (変動10) (固定5) (固定3)
満期 10年 5年 3年
金利タイプ 変動金利(半年ごとに見直す) 固定金利 固定金利
金利設定方法 基準金利 X 0.66 基準金利 -0.05 基準金利 -0.03
  (上記)3種類共
金利の下限 0.05%
利子の受け取り 半年毎に 年2回
購入単位(販売価格) 最低1万円から1万円単位
(額面金額100円につき100円)
償還金額 額面金額100円につき 100円(中途換金時も同じ)
中途換金 発行後1年 経過すれば いつでも(額面1万円単位で)中途換金可能(直前2回分の各利子(税引前)相当額 X 0.79685 が差し引かれる)(中途換金時にも)元本割れのリスクなし
発行月 毎月(年12回)
商品名 基準利率
変動10 (10年債の平均落札価格を基に算出した複利利回り)X 0.66
固定5 (実勢を基に算出した5年債の想定利回り)- 0.05
固定3 (実勢を基に算出した3年債の想定利回り)- 0.03




・こちらもご覧ください
「教えて!コクサイ先生 個人向け国債」(財務省)

「個人向け国債窓口トップページ」(財務省)


■ 個人向け地方債


市場公募地方債 金利 期間 売買単位 発行
全国型 固定 5年 10年など 1万円以上 1万円単位など 不定期/定期
住民参加型 固定 3~10年程度 1万円など 不定期
共同発行 固定 1年 10年 10万円以上 10万円単位 毎月


■ 個人向け公募社債


銀行の融資条件が厳しくなると 企業は 自前で資金調達をしなければならないが 新規の株式発行は株式の値上がり益が期待できない企業は投資家が応じてくれない そこで増えてくるのが個人向け社債の発行
 日本での2022年度の発行額は2兆3052億円と過去最高の08年度(2兆3325億円)に迫る 「長期化した低金利(メガバンクの一般的な定期預金金利は 0.002%程度)の出口が見えずインフレで支出が増える中 資産運用が必要に(金利が上昇している)社債の購入意欲が高まっている」
 日銀の統計では 22年9月末の個人の金融資産2000兆円のうち現金・預金が55%を占める一方 社債など「債務証券」は1%にとどまる

22年度に発行された主な個人向け社債

発行体 年限 発行額 年間利率 特徴
日本ハム 5年 200億円 0.37%
楽天グループ 2年 2500億円 3.30%
ソフトバンク 5年 1200億円 0.98%
仏ルノー 4年 2100億円 2.80%
丸井グループ 1年 1億1907万円 1%
カゴメ 1年 10億円 0.20%


① 新球場(北海道ボールパークFビレッジ)建設に調達資金を充当
② 「楽天モバイル債」個人向け社債の中でもかなり利回りが高い 2022年6月には 1500億
円 年限3年 利率0.72%で発行している
③ 18年の上場以来初の社債 2023年4月には2220億円 年限35年 利率は当初5年間が年間4.75%、次の15年間は1年国債金利+4.84%と 個人向け社債には珍しい複雑な発行形式
④ 同社初の個人向け社債 日本の低金利に注目して 海外企業(非居住者)が外貨建ではなく 円建で発行する債券(円建て外債・サムライ債)が増加している海外での資金調達が困難な状況になってきたことが発行利率の上昇圧力になっている 最近では 海外で外貨建債券を発行すると10%近い発行条件になるケースも)
⑤ ブロックチェーン(分散型台帳)技術を生かした「デジタル社債」証券会社を経ず 丸井グループが直接エポスカード会員向けに販売 利率1%のうち 0.7%は丸井グループでの買い物などに使える「エポスポイント」で還元
⑥ 「カゴメ 日本の野菜で健康応援債」購入特典として野菜ジュース15本付き(4000円相当) 特典を加味すると 実質利回りは4%を超える


■ 個人が買える社債

社債の種類 特徴・リスク
デジタル社債(セキュリティートークン社債) ・ブロックチェーン技術で発行プロセスが電子化された社債 ポイントがもらえたり 小口で買えたりする
・途中売却できないケースがある
劣後債 ・弁済順位が劣後するが 普通の社債より利率が高い 金融機関での発行が多い
・発行企業が破綻した場合 弁済順序が後になる
日本企業のドル建て社債 ・日本企業が海外での資金調達などを目的にドル建てで発行 利率は円建てに比べ高くなりやすい
・為替の変動リスクがあり 購入時より円高になると円換算で損をすることも


■ 社債のリスク

・社債は 満期まで保有していれば 償還で投資した金額が戻るが 発行体が破綻したら社債の価値はゼロに(01年には大手小売りのマイカルが破綻し 個人向け社債のデフォルトに)
 格付け会社が設定する格付け シングルA以上の社債が望ましい
・金利が上昇局面にあると 同じ企業の社債でも募集金利が以前の社債を 大きく上回ることも
・途中売却すると 金利や需給によって元本割れする可能性がある
・複利運用ができない NISAの対象ではない


■ 個人向け劣後債


 社債には 様々な条件や機能を加えることができるが 投資家には弁済順位による分類も重要「劣後債」は普通社債に比べ破綻した場合などで弁済が後回しになるため(劣後する)格付けが低い分 金利が高めに設定されている
 表面上の償還期限は通常10~20年先に設定されている長期債が多いが 発行時に設定した最初の償還機会(ファーストコール 発行から5年後に置かれることが多い)で期限より前に償還されることがほとんど(実質的には5年債とみなされる)
 元本の返還条件や金利の変更規定などが複雑なものもある「何が劣後していて どんなリスクやリターンがあるのかを理解すれば資産運用の手段の一つになる」


□「個人向け劣後債」の購入方法

新規発行時 ・発行企業が募集期間を定めているため 後から購入することはできない
・投資収益が予想しやすい
・投資したいときに発行がないことも
既発債 ・好きな時に投資できる
・他の投資家が証券会社に売却した既発債が少なく買えないことも
劣後債が組み込まれた投資信託 ・多くの証券会社が販売しており 継続的に投資でき 分散投資によってリスクを抑える効果も
・信託報酬など 投資信託特有のコストがかかる


■「劣後債」のリスク
・期限前の償還を当て込んで購入した場合 仮に見送られると より良い条件の投資先に切り替えたり換金したりする機会を失う
・格付け会社による格下げのリスク 償還時まで持ち続ければ発行価格と同じ額が手元に戻るが 償還前に売却する際は 値段が下がり売却損になることも

■ 「AT1債」
・一般的な劣後債より弁済順位が低く金利が高く設定されている(一般的には 破綻時の弁済順位は株式より上位 クレディスイスの場合は逆転した)低金利下でも利回りが高く 投資家に人気
・日本では「永久劣後債」と呼ばれ 通常は満期がない 実際は あらかじめ決められた日に早期償還をして 投資家にお金を返すケースが大半
・リーマン ショック後に導入され 欧州金融機関が積極的に発行 返済の必要が乏しく(利息は支払われるが元本を返す期限は決まっていない) 本来は借金だが自己資本とみなされる(自己資本比率をクリアするために利用される)


・上記出典:朝日新聞デジタル

■ 外国債券


 外国債券:国や企業など債券を発行する主体(発行体)、発行する市場、発行通貨のいずれかが外国の債券

■ 外債投資の主なリスク

為替変動リスク 外貨建ての債券の場合 円高進行によって 利子や償還金の受取時に円ベースでの受取金額が減少する
価格変動リスク 金利動向や債券を発行する主体の信用力の変化などにより時価が下がり 償還前の売却で損をする
信用リスク 元本の返済や利子の支払いが滞ったり できなくなったりする(債務不履行 デフォルト)目論見書の内容や格付けを参考にしたい
カントリーリスク 発行体が属する国に戦争や災害が起きたり 財政破綻や外貨の枯渇が起きたりすることからくるリスクにより 元金の支払いが不履行になる場合がある


■ 格付けの分類例

*実際の名称(表記方法)は格付け機関により異なる
*D:債務不履行に陥っている

■ 外国債券投資の注意点

① 利率と利回り

利率 ・元本に対する利息の比率
・長くゼロ金利が続き 目を引きやすいのが「高金利な外国債券」(収益は「金利(利率)」ではなく「利回り」で判断すべし
・債券の税金は原則20% 利回りの水準ではなく利率に対してかかる
利回り ・購入価格と償還(売却)価格(額面価格)の差から生じる償還差損益と 利息を足し合わせた総合的な収益(通常1年単位)
・「購入価格が100を大きく上回っている債券は 実質的な収益である利回りが 利率よりかなり低くなる」




米国債券が人気 米連邦準備理事(FRB)2022年3月から連続利上げに踏みきり 政策金利の誘導目標の上限値は 0.25%から一気に上昇し 現在は5.25% 長期金利の指標となる10年国債の利回りも急上昇し 足元では3%台後半で推移 債券の利回りも上がる
 円相場が円高・ドル安になれば 円での受取額が目減りするリスクがある 
米国利付国債 半年に1度利払いがあり 満期時に額面で償還
米国割引国債(ストリップス債) 利払いがない代わりに額面より低い価格で買える 満期時に額面で償還


■ 円相場に影響する2大要因(受給差と金利差)

  主な動き 円買い・円売りの例 結果
受給差(輸出ー輸入) 輸入超過・貿易赤字 支払いの外貨調達のため円売りが増加 円安
輸出超過・貿易黒字 外貨の収益を円にするため円買いが増加 円高
金利差(海外金利―国内金利) 拡大 金利が上がる外貨で運用するため円売りが増加 円安
縮小 金利が上がる円で運用するため円買いが増加 円高


■ 円安進行にブレーキ3大要因
① 輸出物価が輸入物価を上回り始めた(貿易赤字の縮小)
 原材料の輸入価格よりも製品の輸出価格の伸びの方が大きい加工貿易本来の姿に戻って来た
② インバウンド(訪日外国人)の急増(貿易赤字を穴埋め)
 「インバウンドは外貨を円に換えて消費するため 輸出と同じように円高要因になる」
③ 米の「逆イールド現象」期間の短い2年債の方が 長い10年債よりも利回りが高くなっている
・利回りは通常 償還までの期間が長いほど その間の景気や物価次第で債券相場が変動するリスクが大きくなり 投資家はより高い利回りを求める
・「逆イールド」は 投資家等が米国の先行きの景気悪化を予想し FRBがいずれ利下げに転じると考えている現れ

② 為替手数料


*上図で 往復2円という為替手数料を 1ドル当たりの円の比率(1$=110 円)で考えること 2円を110円で割ると約1.8%で 投資採算は大きく悪化する
*高金利通貨は 為替手数料が一般に高く 利回り数年分が失われることもある 他通貨の債券を買う場合も 為替レートとの対比で考えるとともに為替手数料についても より低い金融機関を選びたい 高い利率表示に目を奪われると 後でがっかりすることになりやすい

③ 為替の変化


 高金利の国はインフレ率が高い事が多い(上図は トルコの2022年実績)例えば トルコは 過去10年で物価が約2.8倍に上昇 高インフレで購買力が落ちる通貨は長期で下落しやすい(トルコリラ安に)
 「金利差が通貨下落で吹っ飛ぶ」「高金利はお得と単純にはいえない」

■ 仕組み債


・債券は 通常ならば 期間中の金利を得たうえで償還期日には元本が100%戻ってくる
・債券に分類される「仕組み債」は 条件次第で元本が大きく減額される可能性のある特殊な商品 元本が減るかどうかを左右するのが 株価指数や個別株など「仕組み債」ごとに指定される通常無関係な指標
・通常の債券より金利が高めの「仕組み債」株価指数リンク債や他社株転換社債(EB債)などが知られる
・「金融庁は2022事務年度の金融行政方針で、顧客からの苦情、相談が絶えない「仕組債」の販売体制やガバナンスを検査することにした。これを受けて、野村證券、大和証券は販売停止、その他証券や銀行で勧誘停止や制限を加えている」 



● 地方銀行で「仕組み債」の販売が増加傾向 地方経済の停滞で収益環境が悪化する中で 売れば大きな収益になる「仕組み債」の販売に頼る傾向がある
● 「投資信託の回転売買が批判の高まりで難しくなった中 仕組み債が代用されている面がある」
● 「仕組み債」の商品案内の「手数料及び諸費用」の欄には通常「購入単価のみ」とあるが 手数料は販売価格に組み込まれ表面上は見えない 実質的なコストは投資信託に比べて格段に高い また「投資家が負うリスクに対してリターンが低すぎる」これらの点につき金融庁は強く問題視している
● 「仕組み債」は 顧客が直接手数料を支払うことはないものの デリバティブ(金融派生商品)取引を内包している性質上 普通の社債に比べて金融機関に入る収益が高く これまで販売に力を入れていた金融機関も多い
● 「仕組み債」は本来 適正なオプション料や金利水準を計算できるプロ同士の商品「個人に広く売るべきではない」



・上図① 株価が上昇した場合
 多くの仕組み債には通常「早期償還条項」がつく
 例えば 3ヶ月ごとの判定基準日に 株価が当初価格の5%以上(この例では3万1500円)なら3ヶ月分の金利をもらえ 元本は早期償還で100%もどる
 しかし 最期まで保有できれば(期間3年なら)3年分の金利がもらえるはずが 3ヶ月での早期償還なら1/12の0.5%を受け取り強制終了になる
 なるべく早期償還するように 判定基準日ごとに早期償還の基準を下げていく「仕組み債」も多い

・上図② 早期償還もノックインもせず または ノックイン後に急回復し 償還時に当初価格以上になった場合
 最期まで保有した時に 期間中の金利を得られて元本も100%戻る(限られたケースのみ)

・上図③ 指標の価格が1度でも一定水準(ノックイン価格)以下になった場合
 元本が減額される可能性がある 例えば 保有期間中に一度でも 株価が当初株価の3割減(この例では2万1000円以下)になり 償還時に株価が当初株価未満なら 償還時の元本は 償還時の株価と当初株価の比率だけ減額される


□(付録)仕組み預金


・一部の金融機関の販売手法が問題となった「仕組み債」とは別の商品ですが 仕組みが複雑で 預金者や投資家にリスクがある点は似ている(デリバティブ(金融派生商品)を活用した商品は リスクとリターンの評価が難しい)
・「仕組み預金」は大きく2つの種類に分けられる「満期の時期が変わるもの」「満期で受け取れる通貨がかわるもの」
・「預金 という名前で安心できるイメージを持ちやすいが 損をする可能性がある投資商品と考えるべき」


■ 満期特約型
・「フラット型」通常の定期預金に比べると かなりの高金利だが このタイプは 預け入れから1年たつと 銀行の判断で満期を繰り上げることが可能
・低金利が続いたり金利が下がった場合
 → 1年たった時点で満期を繰り上げお金を返せば 高い利息を払い続ける必要がない
・金利が上がった場合
 → 満期までお金を返さなければ 新たに預金を集めるより利息を抑えられる(通常の定期預金よりも低い金利で継続)

■ 外貨投資型
・1ヶ月後など満期直前の「判定日」の為替レートで元本を受け取る際の通貨が変わる(利息は円で受け取り)
・円安の場合(元本と利息を円で受け取り) 円高の場合(預入時のレートで交換した外貨と日本円の利息を受け取る) いずれのケースも一定の利息は約束されるが 一方で円安時の為替差益は得られず 円高時の為替差損のリスクを負う

□ 証券口座


・投資のために 株や投資信託などを購入するには まず、金融機関で証券口座を開設する必要がある


  口座の種類 確定申告 年間取引報告書
課税口座 一般口座 必要 自分で作成
特定口座(源泉徴収なし) 必要 証券会社が作成
特定口座(源泉徴収あり) どちらでもOK 証券会社が作成
非課税口座 一般NISA口座 なし なし
つみたてNISA口座 なし なし


・「一般口座」の対象 未公開株など 特定口座で取り扱いのない株式を管理する口座
・「特定口座」の対象 上場日本株式 上場ETF 上場REIT 株式投信 海外株式 公社債 公社債投信等 幅広く ほとんどを網羅
・「源泉徴収なし / あり」 例えば 株を売って1万円の利益を得た場合 20.315%の税金がかかる 源泉徴収ありの口座では 税金分が引かれて振り込まれるが 源泉徴収なしの口座では1万円が振り込まれる(この場合 1年分をまとめて確定申告をして 後から税金を支払うことになる)
・「特定口座(源泉徴収あり)の確定申告「どちらでもOK」」とは ほかの証券会社の口座との損益通算や損失を来年以降に繰り延べる場合などには 確定申告が必要
・「NISA口座」課税されないので確定申告の必要はなく 年間取引報告書も発行されない(必要がない)しかし 年間の投資上限額が決まっているため それ以上投資するためには 特定口座を作る必要がある
・投資を始めようとする多くの人は 「特定口座(源泉徴収あり)」または「NISA口座」を開設する人が多い





2025年12月18日

2023年02月23日

112. 終活・おひとりさま



「平均世帯数 2033年に 1.99人に」(国立社会保障・人口問題研究所)
 2040年には全世帯に占める一人暮らし(単独世帯)の割合が39.3%になり 全世帯の4割を占めると予想されている 現役世代の40~50代でも 4~5人に1人はシングル(その半数は親と同居とされる)今後も増え続けると見込まれる
「少子高齢化」「未婚化・非婚化」が拍車をかける


・上記出典:静岡新聞


「おひとりさま」とは 一言で言えば「独身の男女」 誰とも同居せず 1人で暮らしている状態のこと 独身のほか パートナーとの死別や離別など おひとりさまになる理由はさまざま
 かっては 女性が一人で自由に自分の生き方を決め 自立した人間として趣味や旅行を楽しむという意味があった

 単身者だけが「おひとりさま」とは限らない おひとりさま予備軍となるのは・・
・子供のいない夫婦
・事実婚の夫婦
・兄弟(姉妹)はいるけど関係性が希薄なケース
・平均寿命の差から おひとりさま となる女性の割合は多い


メリット 〇 自分のペースを守れる
 何事にも束縛されない自由を謳歌できる
 余計なストレスを抱えることが少ない
〇 煩わしい人付き合いがない
 ごく自然に煩わしい人間関係を回避できる
 気軽に単独で行動ができる
〇 お金を自由に使える
 自分のためだけの出費で済む
 自分のライフスタイル・ライフイベントを自由に描ける
〇 自由に恋愛ができる・多様な生き方を尊重される
 行動範囲を自身の判断で自由に決められる
デメリット ● 老後の心配が大きい
 いずれは自由で健康的な生活は続かなくなる
 介護の初期段階で対応してくれる家族がいない
● 病気のとき等 頼れる人がいない
 「誰かがいてくれたら」と思っても誰もいない
 苦しい体調でも全て自分でやらなければならない
● 精神的に不安定
 自由気ままな生活の中で ふと不安を感じてしまうと心のバランスが乱れる



Qおひとりさま高齢者です そろそろ「終活」をと考えていますが 財産管理も含め 注意点はありますか?



 (おひとりさまの)終活」元気なうちに決めておきたいこと
・住む場所は 在宅と施設(どのような施設を希望するか)への入居のどちらを望むか
・費用のメドは 預貯金等で 介護費用は賄えるか 管理を任せる預金口座はどれにするか
・介護はどうするのか 介護やお金の管理を主に誰に頼みたいか
・葬儀(遺体の搬送も)・納骨・死後事務はどのようにしたいか また 誰に頼みたいか
・残る財産をどうするか
等を事前に考え 周囲の人等と考えたい(または エンディングノート等を活用する)
・自分の死後の手続きに必要な金額を試算する 不要な物を処分することも大事 
① 自分に関する情報を整理し残す ・エンデイングノート(下記)等を残す
・自分の代わりに動いてくれる人の連絡先
・延命治療に関する希望
・お墓に関する希望
・関連する契約(死後事務委任契約等)等
② 依頼・契約を明確にする ・頼みたい人にどんな時に何をしてほしいかをあらかじめ明確にする
・必要な場合は契約をする
③ 自分がいなくても情報が伝わるようにしておく ・上の2つに関し 急病などで意識がない 死亡したとしても 情報が周りに伝わるようにしておく


エンディングノート
・エンディングノートは 終末期や死後に備えて自分の情報や思い 希望を書き残すノート
・残った家族等が判断に迷うような場合 本人の希望が分かれば ガイドラインになる
・病気や死亡時などに様々な手続きがスムーズに進むようにとノートを用意する自治体も多い
1.自分のこと
・基本情報 生年月日や本籍地など
・これまでの歩み 学歴や職歴 住まい
・親族や交友関係 家系図 連絡先など
・病歴 持病 アレルギー情報 日常薬 かかりつけ医など
2.もしもの時の対応
・医療 延命措置や告知などの希望
・介護 誰に頼むか どこで受けたいか
・判断能力低下 財産管理など誰に頼むか
3.エンディング
・遺言の有無
・葬儀 形式や場所 訃報の連絡先 喪主を誰に頼むか
・墓 すでにあればその場所 なければどんな墓を望むか
4.財産等
・預貯金 有価証券 保険 書類の保管先 金融機関名など
・不動産 所在地や名義
・借入金やローン 借入先など
・公的年金 基礎年金番号や種類など
・デジタル遺産 デジタル機器で管理する資産やサービスのパスワード等
・サブスク 利用先など
・携帯電話や「おうちネット」の情報
〇 ペットについては → ブログ「093. ペット」の後半をご覧ください
〇 墓・墓じまい・亡くなった後の手続きについては → ブログ「101. 彼岸・成仏」をご覧ください
〇 遺言については → ブログ「100. 遺言書」をご覧ください


Q:相続は いずれ発生すると思います 負債等も含め 財産管理や財産処分について教えてほしい

 → Q&A 相続・贈与 の前半をご覧ください

Q: 後期高齢者になりました 元気なうちに(意思表示ができるうちに)今後のことを考え「任意後見」や「民事(家族)信託」を考えています それぞれの 特徴や注意点 また、これ以外にも手法があれば合わせて教えてほしい

 → Q&A 社会保障 のページをご覧ください

: 判断能力が多少心配な高齢の親がいるのですが ちゃんとお金の管理ができているか心配です「本人はまだ大丈夫と考えるケースが多いが 認知症になってから打てる手は限られる」と言います 心配です
 また、親の医療費や生活費を立て替えることもたびたびです 親の銀行預金について 子の私が出金や振り込みが必要な時にやり易いような制度はありませんか?

 → Q&A 老後・介護 のページをご覧ください

終活契約等 終身サポートサービスの内容(例)
見守り・安否確認 判断力の低下や孤独死などに気づいてもらえるようセンサー類などを活用した見守りや電気・ガスの使用状況の確認や定期連絡
日常生活支援 通院の付き添いや介護サービス利用の支援
身元保証 入退院や施設入居の際の保証人
財産管理等委任 判断力はあるが 体が不自由になってしまった場合 代理人が財産管理をする(預金の引き出しや代金の支払い)
任意後見契約 認知機能の低下に備えた財産管理や身上監護(生活・医療・介護などに関する契約や手続き)等 後見人の引き受け
遺言作成支援 死亡後の財産承継先の指定をサポート
死後事務委任契約 遺体の引取り 葬儀や納骨 遺品整理 入院費や施設費用の精算 各種解約手続きを実施
遺言内容の執行 個人の遺志に沿って財産の処分などを実行


■ 「財産管理等委任契約」と「任意後見契約」(さらに「死後事務委任契約」)はセットで結ぶことが望ましい(移行型)(3点ともすべて公正証書にすることも選択肢)(+「遺言」が最強)
・はじめは「財産管理等委任契約」で対応し 判断能力を失ったら「任意後見契約」に移行する
「任意後見制度」については こちらをご覧ください → Q&A「社会保障」

  財産管理等委任契約 任意後見契約
利用開始時点での本人の判断能力 必要 必要
利用方法 財産管理受任者と本人とで契約締結 任意後見候補者と本人とで契約締結(公正証書)
開始時期 契約で定めた通り 本人の判断能力が低下し任意後見監督人が選任されたとき
監督機関 なし 任意後見監督人
取り消し権 なし なし



■ 財産管理委任契約
 家賃やライフライン 年金 税金等の支払い・受領等 の手続き 生活費の管理・送金 不動産等財産の保全 預貯金・金融商品の取引手続き 印鑑・書類の保管  等
■ 死後事務委任契約
 居住する自治体への死亡届の提出や火葬・埋葬の手続き 遺品整理 病院や施設の退所手続き 公的年金や社会保険の停止 ライフラインの解約 残置物(遺品)の処理など 亡くなった後に必要な事務手続きは多い 特に「おひとりさま」は 生前に「死後事務」を依頼するサービスを利用する方法もある
 死後事務委任契約は 医療費の精算や葬儀といったすぐに発生する費用に充てるため 依頼相手に預託金(数百万円の場合も)を預ける必要がある
 死後事務委任契約のサービスは 弁護士や司法書士 NPO 信託銀行などが提供している 費用は 委任する事務手続きの内容や家財・遺品整理を含むかなどで異なる 生前に依頼した費用の実費と報酬を預けておくケースが一般的 死亡保険金で精算するケースもある


*「おひとりさま」が死亡したケースでは 警察から 6親等の血族である はとこ(祖父母の兄弟姉妹の孫)にまで「遺体を引き取ってほしい」という連絡が入る場合も
*遺品整理や家 家財の処分などは 市区町村は通常しない それらは亡くなった人を世話した親族や隣近所 友人らが負うこともある
*「子がいても 遠く離れている 関係が希薄など 必ずしも頼れるとは限らない 民生委員やケアマネージャーなどが本来業務を超えてやむなく必要な手続きをする 自治体が遺体を引き取って火葬せざるを得ない 主なきあとに自宅が放置されているなどの問題も生じている」

●「おひとりさま」向けの主な終活支援

窓口 内容 費用・注意点
自治体・社会福祉協議会 かかりつけ医 墓の所在地などの情報登録 無料(居住条件あり)
身元保証や見守り 死後事務の支援など ・預託金など50万~100万円
・サービス利用料(1回1000円など)
・居住条件や所得制限などあり
司法書士などの専門家 任意後見契約 ・契約時 10万~30万円
・後見開始時 10万~15万円など
・任意後見開始後は 後見人と監督人の報酬が発生
「見守り 財産管理 遺言 任意後見 死後事務委任」のセット契約 ・契約時40万~60万円
・後見開始時 10万~15万円など
・任意後見開始後は 後見人と監督人の報酬が発生
高齢者等終身サービス事業者 身元保証や見守り 日常生活支援 死後事務支援など ・預託金など 100万~200万円
・サービス利用料(1時間3000~5000円など)
・料金体系がわかりにくい面も

「おひとりさま」の終活支援(以下の3つが中心)

日常生活支援 緊急時の対応、買物、受診 入退院 入退去時の付き添い、入院中の支援(物品届 手術立ち合いなど)、転居の手続き、家具処分の立ち合いなど
身元保証 (身元保証人が必要になるケース)・緊急連絡先として ・介護 / 福祉施設への入院 / 入所手続き ・入院計画書やケアプランの確認 ・治療方針や手術の同意 延命治療の諾否 ・退院 / 退所手続き ・死亡時の遺体 / 遺品引き取り等
死後事務 ある調査によると 死後対応が難しい場面として 次の5つがあるとされる ① 相続財産清算人の選任の申し立て ② 残置物の処分・借家の原状回復 ③ 遺体の引取り・火葬 ④納骨・葬儀 ⑤ 医療・介護費の精算と退所手続き
● 民間の高齢者等終身サービス・身元保証サービスは 様々あるが 低所得者では利用が難しく 死後の契約履行について確認できないなどの課題もある 「公的機関が関与して信頼性を高める 妥当な価格でサービスを提供する 判断能力の有無にかかわらずニーズに応える」という公的な支援機関の構築が求められる
● 高齢者数の伸びと比例して事業者は年々増加している 民間の高齢者等終身サービス・身元保証サービスを選ぶ際は 費用とサービス内容をよく確認したい 「過去には 契約者の預託金を事業に流用し破産 契約者はサービスを受けられないうえ 預託金も返還されないという消費者被害が発生している」
● 事業者には監督官庁がない 届出等を必要としないという現状 今回策定↓  


■ 「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」策定(2024年6月)
「高齢者等終身サポート事業」(以下)を定義し 対象に
① 身分保証等サービスおよび死後事務サービスを提供
② 本人(契約者)と締結した契約に基づきサービスを提供
③ 事業として継続的に提供

  「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」(法務省)
  「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」(内閣府)
  「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン(主なポイント)」(厚生労働省)


■ 検討中(2025年~)の国の新たな事業
全国どこに住んでいても 金銭的に厳しい人が利用できるようにする
*一定の所得や預貯金の基準を下回る場合は無料・定額にする予定
サービス内容
・日常生活支援 定期的な見守りや公共料金の支払いといった金銭管理
・入院・入所の手続き支援または死後事務の支援
実施主体
・制限なし
 社会福祉協議会 社会福祉法人 NPO法人 株式会社などの民間事業者 など




* 単身高齢者世帯の貧困率は高く 生活保護世帯に占める割合も大きい(全体の過半数を占める うち9割は単身者 その割合は 年々上がっている)

■ 「延命治療拒否」の意思表示

〇 「おひとりさま」の場合 治療をしても回復が難しい状態になったときに備え 何らかの形で「延命治療拒否」の意思表示をしておくことは非常に大切(以下の3つの方法がある)
〇 以下のような内容を記載する
① 不治かつ死期が迫った状態の場合 延命治療を拒否すること
② 家族も尊厳死に同意している事
③ 容認した家族や医師に刑事上 民事上の責任を求めないこと
④ 苦痛の緩和に関する処置は行ってほしいこと
⑤ 精神健全時に本人が撤回しない限り その効力は有効なこと
〇 留意点
 本人の意思が変化する可能性を考慮し 作成後も関係者が繰り返し話し合いを行い 本人の意思決定を支援すること

尊厳死宣言公正証書
・公証役場で作成 尊厳死の希望を尊重してもらいやすい 延命措置拒絶の意思表明 尊厳死を望む理由 医療関係者らに対する免責 尊厳死宣言の有効性を示すことができ
・費用:基本手数料11.000円 謄本代含め合計12.000~13.000円程度
リビングウィル
・厚生労働省のガイドライン(2018年改定)等に基づき医療現場で尊重される「人生の最終段階における事前指示書」 医療についての細かい意思表示をすることができる
・日本尊厳死協会や日本臨床内科医会のウエブサイトにフォーマットがある
・費用:日本尊厳死協会での保管の場合 年会費2.000円または終身会員費7万円(税込み)
エンデイングノート
・終末期医療の方針 延命治療の可否に関する希望 意思表明の書類等の有無・保管場所などを記載しておく 法的効力はないが 手軽にとりかかることができる 自分の考えをまとめる「下書き」としても活用できる
・費用:無料~各ノートの購入費用


■「おひとりさま」の相続財産


〇 相続人が兄弟姉妹等であり 遺言がない場合
・「おひとりさま」の宅地等を親族が取得し 一定の要件を満たせば「小規模宅地等の特例」の適用を受けることができる
・「おひとりさま」の自宅(家屋およびその敷地)を相続した兄弟姉妹等が その自宅等を売却した場合 一定の条件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)にかかわる譲渡所得の特別控除の特例」の適用を受けることができる
・登録免許税は 軽減措置の対象で 不動産取得税は非課税
・兄弟姉妹等が死亡保険金の受取人に指定されていれば 死亡保険金の非課税規定(非課税限度額 = 500万円 X 法定相続人の数)の適用が適用される
・未成年者控除や障碍者控除の適用も受けられるが 相続税額の2割加算の対象に
〇 相続人がおらず(相続人不存在)遺言がない場合
・相続人不存在の場合 相続財産は法人(相続財産法人)とされ相続財産の清算手続きが行われる
・利害関係人等からの申し立てにより 家庭裁判所は相続財産清算人(相続財産官人)を選出その後は・・・(以下の手続きの流れ 参照
● 相続人が不在で国庫に入る遺産は 2023年度は 1015.5億円超となり 10年で3倍に
〇 特別縁故者がいる場合
(上図 参照)
・特別縁故者として財産分与を請求できる者:被相続人と生計を同じくしていた者や被相続人の療養看護に務めた者等 → 内縁の妻・夫が代表例
・特別縁故者が取得した財産は 分与時の時価で評価され 相続税の対象
・相続税の基礎控除額(法定相続人がゼロの場合は3000万円)を超える場合は その超える部分に対し 相続税率を乗じて相続税の総額を算出し 取得した財産に応じて相続税を負担する
〇 相続人が兄弟姉妹等であるが 遺言がある場合
・(疎遠にしている兄弟姉妹等に財産が相続されたり 相続財産が国庫に帰属することを望まない場合)遺言で渡したい個人や法人に財産を引き継ぐことができる
・兄弟姉妹には 遺留分がないため 遺言通りの財産処分が可能
・特定遺贈の場合(財産を具体的に指定して遺贈):プラスの財産しか遺贈できない 相続財産清算人が選出され 債権者に弁済された後の財産から分配を受ける
・包括遺贈の場合(財産に対する割合(全財産や全財産の1/2等)を指定した相続財産を遺贈):この場合は 相続人不存在にはならない 包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有する(プラスおよびマイナスの財産を承継する)
〇 法人に不動産等を遺贈する場合
・法人へ遺贈された不動産等は 相続開始時の時価で譲渡したものとみなされ(みなし譲渡)その譲渡益について おひとりさま(被相続人)の所得税(譲渡所得)の対象となり 準確定申告をしなければならない(遺贈した不動産の取得費に相当する金額は寄付金控除の対象となる(総所得金額等の40%が上限))
 その遺贈が特定遺贈である時は 相続人が(特定遺贈を受けた法人ではない)準確定申告をしなければならない
・公益法人やNPO法人等への遺贈(いわゆる遺贈寄付)は 法人税の対象とならないが要件のひとつに 受贈した不動産そのものを公益目的事業の用に供さなければならない
 その不動産を売却し 売却収入を公益法人の事業運営資金に充てたとしても非課税にならない
・みなし譲渡にかかわる所得税は 譲渡益に対して課税されるため 遺贈する不動産に相続開始時に含み益がなければ譲渡益に対して所得税が課されることはない
 遺贈する不動産に含み益があっても その不動産が居住用財産である場合は「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」の適用を受けられる場合がある
・法人に包括遺贈する場合:相続人がいる場合は 法人も遺産分割協議の当事者となる 被相続人の所得税について 相続人とともに準確定申告をしなければならない

 

遺贈 金銭 不動産 株式等(譲渡所得の基因となる資産)
法人 法人税 ・法人税
・含み益(譲渡益)に対しては 被相続人の所得税(譲渡所得)


 自分の亡き後の財産が社会貢献につながることから 公益法人やNPO法人等への遺贈寄付に対する関心が高まっているが その法的効果や税負担について税理士等を交え その法人等と相談することが肝要

こんなサイトもあります
→ 遺贈寄付で思いやりが 循環する(日本承継寄付協会(Will for Japan))


*「遺言の存在を明らかに」
・「遺言」は、被相続人の最終意思を実現するもので,これにより相続をめぐる紛争を事前に防止することができる
・「おひとりさま」で遺言がない場合は 故人の兄弟姉妹などが法定相続分に従って分けるのが一般的 法定相続人以外の第三者に遺産を残す「遺贈」や特定の団体などに寄付をしたい場合は 遺言書に明記する必要がある
 「死後事務委任契約」を遺言執行者と交わしておけば遺言の内容を実行してもらえる
*遺言作成のポイント
① 遺産の分け方を明確に書く → 誰に、何を、いくらを明確に
② 相続人が納得できる分け方に → 特別受益 寄与分 遺留分に注意
③「付言」を活用する → 遺産の分け方の理由 家族への思いを伝える
 ちゃんと伝わるように書きましょう そうでないと → 「遺産争族・争続」になりかねない(魑魅魍魎が跋扈することになりかねない)

→ ブログ「100. 遺言書」もご覧ください

 


・( )内は遺留分 兄弟姉妹に遺留分はない

■ おふたりさま

・近年 子どもがいない夫婦 いわゆる「おふたりさま」が増えている
 「おふたりさま」は 比較的若いうちから 将来の相続について具体的に考える必要がある 他に相続人(故人の親や祖父母(直系尊属)や兄弟姉妹(傍系血族))がいる場合 残された配偶者だけでは 相続手続きをすることができず 配偶者の生活に支障をきたす可能性がある(かっての配偶者との間に子どもがいる場合は さらに要注意「おふたりさま」とはならない)


 (「自分は長生きするつもりはないし 亡くなったら誰かが何とかしてくれるだろう」とか「どうせ 亡くなったら財産は国のものになるんだから」とかおっしゃる方もいらっしゃいますが 物事 簡単には思った通りには進みません(これは亡くなった後も同じ)多くの方を想像以上に困らせます できるだけ対策はたてておきたいものです)


2025年10月13日

2023年02月16日

111. 在宅介護


Q自宅に住んでいる70代の夫婦です 出来ればこのまま自宅で暮らしていき また、自宅で介護も受けたいと思っています どんなことに備えればいいですか?「在宅介護」について 詳しく教えてください
 また、「地域包括ケアシステム」の中でどのような暮らしになっていくでしょうか?

誰が介護を担っているか?






・高齢者の 1人暮らしや夫婦2人暮らし世帯が増えている(昔は 二世帯同居や三世帯同居は当たり前で 家族の人数も多く、家庭ごとに高齢者を見守る体制ができていた)
 →「老老介護」や 認知症高齢者が認知症高齢者の介護を行う「認認介護」も増加(しかし それには限界がある)







・上図出典:いい介護

「住み慣れた 自宅で暮らして また 自宅で介護も受け できたら 自宅で最期まで過ごしたい」と願う人は多くいます
〇 公的介護保険では 「施設」から「在宅」「地域」へ介護の中心を移す方向に 背景に 急速な高齢化社会で「介護保険制度」を維持したいという国の思いがある 利用者にとっても 在宅での介護は 施設介護として費用面での負担が少なくなる一方 介護の質の問題や介護する家族の負担が 精神的にも 時間的にも増す恐れがある
〇 国・行政は「高齢者が 住み慣れた地域で最期まで暮らせる」ように また「高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援」のために 地域の医療・介護(在宅医療や訪問介護も含め)や その他のサービスの充実・連携を行う「地域包括ケアシステム」(地域の包括的な支援・サービス提供体制)の構築を進めている
〇 高齢者は 要介護の状態になっても住み続けられるような「生活の利便性がいい立地」(通院や通所がしやすい)で 「設備の整った家」(在宅医療や訪問介護が受けやすい)=「終の棲家」を確保する必要がある(努力が求められる)

・こちらを参考に → 「地域包括ケアシステム」(厚生労働省)

 → 重点5ポイント ⑤「終の棲家を確保する」こちらもご覧ください

・在宅介護


・上図出典:LIFULL介護


〇 在宅介護費用の目安例
平均月額(4.6万円)× 平均介護期間(約4年7ヶ月)+ 平均一時費用(69万円)= 約320万円
*上記計算式:生命保険文化センター「2018年度生命保険に関する全国実態調査」をもとにした単純計算
*一時費用:住宅リフォーム・介護用ベッドの購入など

〇 公的介護保険は「在宅介護」の場合 要介護度に応じて1ヶ月当たりの支給限度額が決まっている
  支給限度額 自己負担
(1割負担
の場合)
要支援1 5万320円 5032円
要支援2 10万5310円 1万531円
要介護1 16万7650円 1万6765円
要介護2 19万7050円 1万9705円
要介護3 27万480円 2万7048円
要介護4 30万9380円 3万938円
要介護5 36万2170円 3万6217円
在宅介護サービス 内 容
① 訪問型 ・訪問介護(ホームヘルプサービス)・訪問看護・訪問入浴介護・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導・夜間対応型訪問介護・定期巡回・随時対応型訪問介護看護 等
② 通所型 ・通所介護(デーサービス)・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護(認知症対応型デーサービス)・通所リハビリテーション(デイケア)・療養通所介護 等
③ 宿泊型 ・短期入所生活介護(ショートステイ)・短期入所療養介護(医療型ショートステイ) 等

● 利用者は限度額の範囲内でどんな介護サービスをどれくらい受けるかを決める(実際にかかった費用の1~3割が所得に応じて自己負担に)
● 要支援なら市町村が設置する「地域包括支援センター(包括)」要介護なら「居宅介護支援事業所」でケアマネージャーなどと相談するのが基本
● 要介護度に応じて決まる支給額の上限を超えて利用した分は全額自己負担
● 公的介護保険外のサービスの利用(配食・家事代行等)は全額自己負担
● 公的介護保険の対象外のサービスでも自治体の補助制度がある場合が多い(おむつ代の補助や配食サービス・理美容サービスなど)
● 特徴のある民間介護保険は増えているが 65歳以上の公的介護保険の保険料は全国平均で6000円を超える

・上記出典:現代ビジネス




・遠距離介護

メリット デメリット
〇 親子とも住み慣れた場所で暮らせる
〇 親子とも生活や仕事を維持しやすい
〇 同居家族がいる場合に比べ サービスの幅が広がる
● 親の緊急時などに子が対応しづらい
● 交通費など子の移動の負担が大きい


・介護を軽減させる6つの制度等

① 地域包括ケアシステム(上記)


② 介護休業・介護休暇

■ 育児・介護休業法に基づく制度

  期 間 申請方法・条件(給与等)
介護休業 ・家族1人につき通算93日
・3回までの分割取得可
・開始日の2週間前までに申請書提出
・申請してから93日を経過する日から6ヶ月経過をする日までに退職しないこと
・原則無給(有給か無給かは会社の規定による)
介護休暇 ・1人につき年5日 2人以上は年10日
・半日単位・時間単位で取得可
・当日の口頭連絡で可
・入社後6ヶ月経過している事
・原則無給
・勤務先によっては有給も
所定外労働の制限(残業免除)
時間外労働の制限
・1回につき 1ヶ月以上1年以内の期間
・回数制限はなし
・開始予定日の1ヶ月前までに書面等で事業主に請求
深夜業の制限 ・1回につき 1ヶ月以上6ヶ月以内の期間
・回数制限はなし
・(同上)
所定労働時間短縮等の措置 ・対象家族1人につき 利用開始の日から連続する3年以上の期間で2回以上 ・書面等で事業主に申出(申出期限は会社によって異なる)
年次有給休暇 ・継続勤続6年6ヶ月以上で年20日
・勤務先によっては積み立て有給休暇制度も
 
不利益取り扱いの禁止 介護休業などの制度の申出や取得を理由とした解雇 雇止め 降格などの不利益な取り扱いの禁止  
ハラスメント防止措置 ・上司 同僚からの介護休業等を理由とする嫌がらせ等を防止する措置を講じることを事業者に義務付け  
・要介護状態 負傷 疾病または身体上 もしくは精神上の障害により 2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態
・対象者 介護が必要な家族(要介護2以上 または 2週間以上の常時介護が必要な状態)を介護している労働者
・対象家族 配偶者(事実婚でも可)・父母(養父母を含む)・子(養子を含む)・配偶者の父母(義父母を含む)・祖父母・兄弟姉妹・孫

パートなどの有期雇用労働者の介護休業取得要件が緩和され 入社1年以上の要件が撤廃された しかし 労使協定により入社1年未満の者は対象外とすることもかのうであるため注意が必要
● 介護休業には 育児休業にある社会保険料の免除はない(育児休業にある養育特例のような制度もない)
● 介護休業93日「介護の長期的方針を決めるための期間」(厚生労働省)とされる
「要介護認定の取得」「ケアプランの作成」「施設の入居準備」等に充てるなどしたら 短い93日は 終わってしまう
 介護休暇や時短措置 時間外労働の制限や有給休暇等も活用したい
● 所定労働時間短縮等の措置:事業者は以下のいずれかの措置を講じなければならない
・短時間勤務制度・フレックスタイム制度・時差出勤の制度・介護サービスの費用の助成 その他これに準じる制度

● 介護休業制度などの使い方の例

子の状況 利用制度 子がすることの例
休業 介護休業1回目(31日) ・要介護認定を申請
・ケアプランを相談
・自宅改修や福祉用具購入
職場復帰 有給休暇や介護休暇 ・通院付き添い
・ケアマネージャーと面談
休業 介護休業2回目(31日) ・ケアプランが合うか確認
・必要なら介護施設探し
・必要ならプラン修正
職場復帰 有給休暇や介護休暇 ・通院付き添い
・ケアマネと面談
休業 介護休暇3回目(31日) ・介護施設入居手続き
・終末期の付き添い



● 育児・介護休業法の介護に関する改正(2025年4月施行)

介護休暇の取得要件の緩和 ・継続雇用期間6ヶ月未満の人(週の所定勤務日数が3日以上)も対象に
介護離職防止のための雇用環境の整備 ・介護休業など支援制度の研修や相談窓口の設置
・制度の利用事例の収集・提供、利用促進の方針周知
介護離職防止のための個別の周知・意向確認 ・介護に直面した社員に対し介護休業など支援制度の周知と利用意向の確認を個別に行う
・介護に直面する前の早い段階(40才など)での情報提供
テレワーク導入の努力義務 ・介護する社員がテレワークを選択できるようにする



■ 上図以外の介護支援制度

介護休業給付金(雇用保険の被保険者) (2週間以上の休業が必要):介護休業取得中に賃金が減額、支払われない場合に支給 支給額は 賃金(日額)× 休業日数(最大93日)× 67%
  給付金は 休みを終え 復帰してからの申請となる (そのまま退職したら一部もらえないことも) → 休業を取得する人は必ず復帰すること
自治体独自の制度 見守りや安否確認 配食・介護用おむつ等の購入助成 訪問利用サービスなど 要介護者の居住自治体で独自の介護支援制度を用意しているところもある 無料または有料 住民税の課税・非課税で助成に差も
会社独自の制度 有効期間が過ぎた有給休暇を積み立て 介護の際などに利用できる「積立有給休暇」があるところも(運用方法は会社によって異なる)



③ 扶養控除・障害者控除


・老親を扶養する場合の控除額

状況 控除区分 所得税 住民税
同居 老人扶養控除
58万円
45
障害者控除 27(75) 26(53)
別居 老人扶養控除 48 38
障害者控除 27(40) 26(30)
障害者
控除の
対象者
・障害者手帳を交付されている者
・65歳以上の人で その障害の程度が障害者手帳の交付などに準ずるものとして市町村長などが認めたもの
(公的介護保険での認定基準を判断材料の一つにすることが多い
 自治体によっては 介護保険の認定がない場合でも 医師の意見書に基づき 同様の基準で判断する
 対象となるかどうか 分からない場合は とりあえず申請してみるのも一案)
対象家族 ・老親を扶養する子 または子の配偶者
(その親は 合計所得が48万円以下(年金収入だけなら 65歳以上は158万円以下))

*上図の控除額で ( ) 内は特別障害者控除 老人扶養控除の対象者は70歳以上(一般的なケース) 

*同一生計の配偶者が 障害者控除の対象と認定されれば 納税者本人が控除を受けられる
* 介護保険法の要介護認定と所得税法の障害者控除の適用はイコールではないので注意が必要 詳しくは各市町村に確認しましょう



④ 保険外サービスの活用


・上図出典:NEWSポストセブン


 上図のように 自治体が補助したり 情報提供したりする例も多く 介護保険外の支援が必要な場合は 地域包括支援センターや担当のケアマネージャーに聞いてみるのも大事
● 介護保険サービスと生活支援サービスの違い

  介護保険サービス 生活支援サービス
対象者 要支援・要介護認定が必要 認定がなくても利用可能
目的 最低限の生活支援 生活の質を高める支援
費用 自己負担は1~3割 全額自己負担


 民間企業の保険外サービス(全額利用者負担)は充実している 家事支援サービス・家事代行サービス等の一環として 外出付き添い・病院付き添い・裁縫・炊事・洗濯・掃除・ゴミ出し・シーツ交換・買い物・訪問理美容・話し相手・記念日の企画/演出・教室やイベントの開催・囲碁の相手・配食・見守り・草むしり 等々多岐にわたる
 また、見守りサービスも各種ある(下表)

家電利用型 電気ポットとうの利用状況を通知する
センサー型 部屋に設置したセンサーが親の活動状況を検知
訪問 / 電話型 定期的に訪問や電話で安否を確認
緊急通報 / 駆けつけ型 異常時に警備員が駆けつけ等



⑤ 民間の介護保険


 介護費の負担はまず貯蓄で賄うのが基本だが 貯蓄だけで不十分ならほかの手段で補う必要があり 民間介護保険は選択肢の一つになる 最近は 特徴のある民間介護保険が増えている(介護が必要になった主な原因の第1位は 認知症)
 生命保険各社も 介護状態に備える「介護保険」認知症に備える保険「認知症保険」を用意しているが 保険金の支払い要件が各社で異なるので注意が必要

・軽度認知障害(MCI)を支払い要件にする保険もある
・要介護4以上と認定された際に死亡保険金を生前に受け取ることができる「介護前払い特約」を付加できる終身保険もあるが 支払われる保険金は 死亡保険金と同額ではなく 一定割合減額される(減額割合は各社所定の計算方法による)
・認知症保険は 介護保険と異なり 認知症以外の原因で要介護状態になった場合には 原則として 保険金が支払われない
・民間介護保険は 加入年齢と保険金を受け取る時期によっては 保険料総額が給付額を上回る (例えば 払込期間が長いうえ 保険料が5歳刻みで上がることが原因のひとつ)「40代や50代に積み立て投資を始めるとともに 保険料が安いうちに加入して要介護に備え 資産が一定規模に達したら見直す」というのも一案


⑥ 世帯分離


・世帯収入によって変わる自己負担限度額
 介護保険が適用される介護サービスを利用する際は 規定の費用を自己負担する必要があるが 自己負担額には上限がある 上限を超えて支払った場合は超過分の払い戻しができるこれが「高額介護サービス費制度」(「高額介護合算療養費制度」も同様)
 自己負担の上限額を定める基準となっているのが、世帯の所得額

・2016(平成28)年8月以降は 遺族年金や障害年金など非課税年金の収入も含めての判定となっている
・限度額の認定には 利用者本人 あるいは夫婦の預貯金額(世帯分離している場合も含む)が関係することもある
・配偶者(世帯分離している場合も含む)が課税されている場合は、サービスの対象外

 介護保険の「保険料」「負担割合」「負担限度額」については
 → ブログ「109. 介護保険3 」をご覧ください


「世帯分離」住民票に登録されている一つの世帯を 2つ以上の世帯に分けること

・介護サービスでは 世帯全体の所得により「高額介護サービス費」や「特定入所者介護サービス費(補足給付)」の「自己負担限度額」が決まるため 世帯を分けたほうが介護費用の節約につながるケースもある
  「住民税非課税の人だけの世帯」を作ることができれば「世帯分離」のメリットは最大になる


・上図出典:Yahoo! JAPAN


・上図出典:Yahoo! JAPAN


〇「世帯分離」のメリット
介護保険料の負担額を減額できる
 介護保険料は各世帯ごとの収入(所得)に応じて負担額が変わる変動制「世帯分離」することにより親世帯のみの収入に対して算出されるため その結果として負担が減る可能性がある
介護サービスの自己負担額を軽減できる
 介護サービスを利用する際 費用の一部は利用者が自己負担(条件により1割~3割)する必要がある「世帯分離」を行い 親の世帯収入が減れば 自己負担額が減る場合も
・介護施設費用の負担額を減額できる
 介護施設や療養型の病院等を利用するときには「特定入所者介護サービス費(補足給付)」という制度がある「世帯分離」を行い世帯収入が減れば負担が軽減する さらに 介護度が高ければ高いほど利用限度額が大きくなるため効果は大きい(特に 高額な費用がかかる施設に入所した場合は「世帯分離」するかしないかで負担額に大きな差が出る)
自己負担額の上限を下げられる
 「高額介護サービス費」は所得に応じて自己負担限度額が決まる 限度額を超えたときは申請により払い戻しが可能「世帯分離」をして親世帯の所得が下がると それに応じて自己負担の上限額が下がり 介護費用が軽減できる
国民健康保険料の負担額が減ることがある
 国民健康保険料の金額は前年の所得で計算されるため「世帯分離」によって負担額が減ることがある さらに 親世代の世帯年収が下がり「住民税非課税世帯」となると 国民健康保険料が減免される
・後期高齢者医療保険料を減額できる場合がある
 保険料は「所得割」で決められており 世帯全体の年収に応じて算定される「世帯分離」によって負担額が減ることがある
●「世帯分離」のデメリット
・国民健康保険料の負担額が増えることがある
 国民健康保険に加入している世帯が「世帯分離」をした場合 各世帯主が国民健康保険料を支払うことになるため 2つの世帯の保険料を合算すると 負担額の合計が増えることも
・親が扶養から外れる
 会社から扶養手当をもらっている場合「世帯分離」すると 親が扶養から離れ 扶養手当をもらえなくなる
・介護サービス利用料の合算ができなくなる
 複数の介護サービス利用者がいる場合、同一世帯であれば利用料を合算して払い戻しを申請できるが 世帯が別の場合は合算ができない 申請後の払戻額も少なくなる サービスの利用の仕方によっては 損をすることも
・世帯主の健康保険からも外れる
 「世帯分離」すると扶養家族から抜けるため (子の)会社の健康保険を利用することができなくなる
・行政手続きが面倒に
 同一世帯ならば 手続きは一回で済むが「世帯分離」すると 手続きは別々に 行政手続きを家族がする場合 委任状が必要に

●「世帯分離」の注意点
・必要のないことは言わない
 「世帯分離」の届出をする際に 市区町村の役所窓口にて生計や生活などの状況について口頭確認を受ける場合もある 世帯分離の理由を聞かれたら「生計を別々にすることになったから」と言うだけにしましょう
 この時「介護費用を抑えたいから」や「住民税非課税世帯になりたいから」などと不要なことを口にすると 受理してもらえないケースもあるので注意が必要 本来 「世帯分離」は 介護費用の負担軽減を対象とした制度ではない
・国民健康保険証の発行手続きをする
 「世帯分離」をしたら 必要に応じて(子の社会保険から外れるような場合)国民健康保険証の発行手続きをする
・夫婦の世帯分離は手続きが煩雑
 夫婦での世帯分離も申請することはできるが 手続きが煩雑(自治体によっては夫婦の世帯分離は認められないこともある)
〇「世帯分離」の手続き
・家族の中で収入の高い人が世帯分離するのがポイント
 介護費用を抑えるには 介護サービスを利用する人と 世帯の中で収入の高い人を分離して 高額介護サービス費の基準が下がるようにすること「住民税非課税の人だけの世帯」を作ることができれば「世帯分離」のメリットは最大になる
・手続きの方法
 住民登録をしている市区町村の役所で 届け出が可能なのは、本人、世帯主、代理人のいずれかで、代理人の場合は親族であっても委任状が必要
・必要な持ち物
・住民異動届(世帯変更届) ・本人確認ができる書類(運転免許証など)・印鑑

(「世帯分離」「家庭内別居」「離婚後同居」 それぞれ まったく別ものです それぞれのメリット・デメリットは それぞれで・・・)

■ ケア就業者

 

「パーソル総合研究所は10日、働きながら家族の介護や育児をする「ケア就業者」が2035年に22年比10%増の1285万人になるとの推計を発表した。ケア就業者の仕事をフォローする周囲の社員の中には不満や不公平感を抱いている人が一定数いることも調査でわかった。
 同研究所は、こうした反応に気兼ねして働き方の支援制度の利用を控える動きにつながる可能性があると指摘した。(2025年7月10日 日本経済新聞)

 
「育児就業者」は その開始時期や期間について ある程度の予想がつくが 「介護就業者」については それがいつ始まり いつまで続くかは なかなか予想することは難しい「介護は突然やってくる」とも言われます SNS等でも 非ケア就業者からの不満の投稿もあり「子持ち様」との発言も
「ケア就業者」への支援と同様に「非ケア就業者」への支援も同様に必要


2025年10月30日

2023年02月09日

110. 介護施設

Q: 高齢の親がいます 高齢者施設への入居も視野に入れて考えなければいけないと思いますが どんなことに注意して施設を選べばよいかをアドバイスしてほしい

・また、高齢者の 1人暮らしや夫婦2人暮らし世帯が増えている(昔は 二世帯同居や三世帯同居は当たり前で 家族の人数も多く、家庭ごとに高齢者を見守る体制ができていた)
 →「独居の老親」を心配し「高齢者介護施設」への入所を希望する子どもが多い
・介護施設入居を考えるタイミング(例)
① ひとりで外出して行方不明になることが多く 目が離せないなど 認知症の症状が進行したら
② 食事や排泄など 自分のことが自分でできなくなったら
③ 痰の吸引など 医療的ケアが必要になったら

介護施設 見学時の主な確認ポイント

① 立地:交通の便 周辺で買い物ができるか? 自分の足で歩き確認する
② 入退条件 :入居条件に加え、退去しなければいけない条件も確認
・介護度が高くなっても入居を続けられるのか?
・過去の入居者はどんな理由で退去したのか?
③ 費用 :入居一時金の有無 月額費用と内訳の確認
・入居一時金は 想定居住期間より前に退去すると一定額が戻るが どのくらい戻るのか?
(3ヶ月以内に退去する場合は入居期間の実費を除き 全額返還することが法律で決まっている)
・人件費や物価の高騰で月利用料が値上がりする可能性もあるため 今後の見通しを聞いておきたい
・入居者のニーズによって追加費用が発生するが 例えば 要介護3など具体的に挙げて 同じ介護度の人が毎月いくらかかっているかも参考に聞いておきたい
・「高齢者施設は入居時の費用が一番安い 徐々に介護度が重くなり高くなる」
・物価高により 高齢者施設の利用料は引き上げが続いている
④ 介護と医療の体制:介護職員資格と配置人数・時間帯ごとの配置、医療機関との連携 は?
・施設の雰囲気は?職員の表情や受け答え 入居者の表情は?
・高齢者の人口が増え 介護を必要とする人が増える中 介護職人の不足は深刻さを増しているが対処できているか
⑤ 経営 :財務基盤や情報開示についての確認
・コロナ禍での利用減や物価上昇等の影響で 経営が悪化するところも
・契約前に事業主体や施設概要を記した「重要事項説明書」を確認したい


 倒産の原因は 介護職員の人手不足、物価高騰、介護報酬の改定による収入構造の変化、 新型コロナウイルスの影響等


* 自宅の売却はしばらく様子を見ることが必要 万一退去するとことになった時(想定していた施設とは違ったからと退去したくなることもある)の経済的ダメージを最小限にできる「入居一時金を貯蓄で支払えるのであれば 本当に自分の終の棲家としてふさわしいと実感できてから売却に動いても遅くはない」












・上記出典:朝日新聞デジタル



公的介護施設 特養 老健 介護医療院
入居金   なし なし なし
多床室(相部屋)の室料 自己負担 基本サービス費に含む(*) 基本サービス費に含む(*)
認知症入居
看取り

特養(特別養護老人ホーム)= 介護老人福祉施設

老健= 介護老人保健施設  入院治療の必要がない要介護1~5の介護認定者

介護療養型医療施設は2023年度で廃止その転換先が介護医療(2018年4月創設)
介護医療院 日常的な医療ケアが必要な要介護1~5の介護認定者
* 老健や介護医療院 利用者にとっては実際には生活の場となっており 滞在日数が長期にわたっているのが現状 在宅と施設の公平性の観点から 室料相当額について 基本サービス費から除外して全額自己負担にする方針に(2025年8月施行予定 月8000円相当 一部の施設が対象 所得・資産の少ない人は除く)


■ 養護老人ホーム
・特別養護老人ホーム(特養) ・養護老人ホーム
・原則 65才以上で要介護3以上
・身体介護中心の生活支援
・「特定施設入居者生活介護」の指定
・夜間も必ず職員が1名以上配置されており緊急時でも対応可
・入居待機者が多い 入居までに数ヶ月~数年を要することもある
・生活的に困窮する(身体的に自立している)高齢者(65歳以上)
・夜間も必ず職員が1名以上配置されており 緊急時でも 対応可
・食事の提供、自立支援サービス、社会復帰支援などのサービス
・要介護となった場合 在宅介護事業者と別途 契約が必要

〇 最大のメリット・・1ヵ月の費用は0円~14万円(前年度の収入によって決定)施設の利用にかかるのは月額利用料のみ(入所時の一時金は必要ない)
● 最大のデメリット・・入居の可否は市区町村によって決定され 入所基準は自治体によって差がある 特養の順番待ちの間に 介護老人保健施設(老健 入所期間が最大3ヶ月 早期の在宅復帰を目指す施設)を転々とするというケースも

「特養」入所のための考慮事項 入所の優先順位は点数ポイント制で判断される
・本人の年齢
・本人の自宅介護の期間(長いほど点数加算)
・本人の居住地と施設が同じ自治体
・家族(介護者)の就業状況(フルタイムだと点数加算)など


・特別養護老人ホーム の1ヶ月の自己負担の目安(要介護5の人の場合)

(金額は 約/月) 多床室利用 ユニット型個室
施設サービス費(1割) 25410円 27870円
居住費 25650円(855円/日) 60180円(2006円/日)
食費 43350円(1445円/日) 43350円(1445円/日)
日常生活費 10000円(施設により設定) 10000円(施設により設定)
合計 104410円 141400円

*1単位を10円として30日で換算 住民税課税世帯(自己負担1割 )・軽減措置なしの場合 日常生活費は10000円とした
* 収入等に応じて居住費や食費の自己負担限度額が設定されている

■「軽費老人ホーム」
  食事提供 介護サービス 年齢 要介護度
A型 × 60才以上 自立~要介護
B型 × ×
都市型 ×
C型一般型 × ×
C型介護型 65才以上 要介護

・ケアハウス(軽費老人ホームC型)

・介護C型(介護付き) ・自立C型(自立型)
・65歳以上で要介護1以上
・「特定施設入居者生活介護」の指定
・生活に不安を抱える60歳以上
・洗濯、清掃等の生活支援・食事サービス

* 「ケアハウス (= 軽費老人ホームC型)」・「都市型軽費老人ホーム」( 助成制度があり 低所得の高齢者も入居できる)
*「軽費老人ホーム」身体機能の低下で 1人暮らしを続けることが不安な方を対象とした施設
*A型とB型は今後 建設予定はなく 順次C型(ケアハウス)に建て替えていく制度に(2008年~)
*首都圏を中心に 低所得者向けの「都市型軽費老人ホーム」が広まっている(都市部等において居住面積等の基準を緩和し家賃等の利用料を低額に抑えている)
ケアハウス(軽費老人ホームC型)には自立型と介護付きがあり、どちらも所得に応じて料金が減額される補助がある
* 「共同生活に適応できる」「月収が34万円まで」等の条件 ・認知症の人は一般的に入所不可

* その他に「シルバーピア( シルバーハウジング )」(公的サ高住)がある 自治体の公共住宅を バリアフリーとし 緊急通報システムを設置し ライフサポートアドバイザー(LSA)を配置

「高齢者向け施設」はさまざま 入居待機者が多かったり 入居一時金が高額だったり 利用料が高かったり 医療・介護サービスにばらつきがあったり 相部屋が多くプライバシーが守られなかったり 途中で退所を迫られたり 経営リスクが極力少ない施設を選ばなければならないし・・・(玉石混合) この中で「終の棲家」を探し出すのは大変です
 これらの中で「特定施設」は「要介護重度化の受け皿」「終の棲家としての機能」を果たそうとしている

「特定施設」とは?
・厚生労働省が決めた介護保険法の基準(人員基準・設備基準・運営基準)を満たすものとして都道府県や市区町村に届け出て 事業指定を受けた介護施設(「介護付きホーム」と呼ばれる)

 「特定施設」(介護付き)の対象となる可能性のある施設は 以下の4つに限られる
・(介護付き)有料老人ホーム(民間施設)
・(介護型)サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)(民間施設)
・(介護型)軽費老人ホームC型(ケアハウス)(公的施設)
・ 特別養護老人ホーム(特養)(=介護老人福祉施設)(公的施設)
「特定施設入居者生活介護」とは?
・「特定施設」で ケアマネージャーが作成したケアプランに基づく 以下のサービスを受けられる(介護保険の対象)

●24時間の介護サービス(入浴・排せつなどの「特定施設入居者生活介護」)
●生活支援サービス(食事・掃除・洗濯・買い物の代行など)
●機能訓練(リハビリテーション)
●生活相談や健康管理

・「特定施設」のメリット
〇 「職員が24時間常駐」
 介護職員か看護職員が 24時間365日常駐している 深夜の見回りなどもあり 安心感が持てる
〇 「介護体制が手厚い」
 施設 人員配置などの介護体制を 法定基準よりも手厚くしている施設も多い
〇 「介護サービスが定額」
 介護保険の自己負担額は 介護度に応じて定額 費用面の目途を付けやすく安心
〇 「将来転居しなくてよい」
 将来より高い介護度になったり 認知症などの発症があっても転居せずに入居を継続できる
〇 「要介護重度化の受け皿」「終の棲家としての機能」を果たしている
〇 「3種類の事業がある」
・特定施設入居者生活介護(指定:都道府県)(介護専用型と混合型がある)
・地域密着型特定施設入居者生活介護(地域密着型 指定:市町村)
・介護予防特定施設入居者生活介護(介護予防型 指定:都道府県)
 高齢者対象の入居施設がある中で 唯一「介護予防型」がある「介護予防型」は 要支援の人でも利用できる
・「特定施設」のデメリット
● 「介護が必要ない場合は自己負担が割高になる」
  要介護度に応じて定額の自己負担額が発生するため 介護がそれほど必要ない人は利用したサービス分の費用だけ支払う施設(住宅型有料老人ホームなど)の方が 自己負担が安くなる可能性がある
● 「介護保険を使った外部サービスを利用できない」
 介護保険を満額入居先に払う仕組みなので 他に利用したいサービスがあっても 介護保険での利用ができない 今まで通っていたデイサービス等は 全額自費負担に


 「特定施設」は「要介護重度化の受け皿」「終の棲家としての機能」を果たしていると言えそうですが 「終の棲家」として「看取り」の希望があれば受け入れるとしているのは「特定施設」の全てではありません その理由とし「夜間は看護職員がいないから」(施設による)が最も多く「家族等の意見が一致しないから」が続く
 そんな中で「特定施設」ではないが 「看取り」を一部受け入れている施設にループホームがあります(認知症高齢者の増加に伴い、施設数は毎年増え続けている)
 さらに老健 = 介護老人保健施設、介護医療院にも「看取り」を一部受け入れている施設もある

「グループホーム」 認知症の人が 専門スタッフの支援を受けながら 自立した共同生活をおくるための施設(「認知症対応型共同生活介護施設」とも呼ばれる)介護保険の地域密着サービスに属している(市町村から認定を受けた事業者がサービスを提供している)
 入居条件は厳しく(65歳以上の高齢者で 要支援2 または 要介護1〜5までの認定を受けている そして医師に認知症の診断を受けた人 共同生活を送れる人)原則として施設がある市区町村に住民票がある事が条件
■認知症グループホームの基本方針
 要介護者であって認知症であるものについて、共同生活住居において、家庭的な環境と地域住民との交流の下で入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにするものでなければならない。(「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」第1節第89条)





  サービス付き高齢者向け住宅 有料老人ホーム(住宅型など) シニア向け分譲マンション
権利 賃借権 利用権 所有権

■ 有料老人ホーム
・介護付 ・住宅型
介護や生活支援を受けて居住する施設
・「特定施設入居者生活介護」の指定
・施設の職員が介護をする「一般型」と 外部事業所が行う「外部サービス利用型」がある
・洗濯、清掃等の生活支援・食事サービス
要介護となった場合 在宅サービス事業所と契約
・介護度が高くなると 介護付きより介護サービス費が高くなる傾向

・健康型
・家事サポートや食事等のサービス
・要介護となった場合は 退去
・施設数が非常に少ない


■ サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
 高齢者が安心して暮らせる賃貸住宅 主に民間企業などが運営しており 都道府県単位で認可・登録されている

・サービスとは 介護・看護・医療のいずれかの資格を有するスタッフが 日中常駐し安否確認や生活相談を担う
・一般型は 介護が必要な人向けのサービスや体制は整っていない(一部を除く)
 快適で安全な生活を送ることが難しいとなった場合は 有料老人ホームやグループホーム、特別養護老人ホームなど 介護体制が整った施設への住み替えを考えることに

・種類

サ高住 一般型
(自立・支援タイプ)
介護型
(介護・認知症タイプ)
契約形態 賃貸借契約が多い
*ただし 契約更新はなく 礼金や更新料は不要
利用権契約が多い(賃貸借契約もある)
介護サービス なし
*介護サービスが必要になった場合は 外部または施設併設の事業者と別契約が必要
あり(*1)
*施設常駐のスタッフより介護サービスを受けることが可能
サービス内容 安否確認・生活相談 安否確認・生活相談
介助/介護サービス・食事の提供・健康管理・医療体制・リハビリ・レクレーションなど
*施設によりバラツキがある リハビリサービスがある施設もある
初期費用 敷金として家賃数か月分 数十万円程度
*礼金が必要な施設や初期費用0円の施設など様々
利用権契約の場合
入居一時金として数十万円~数千万円
月額費用 家賃と管理費で数万円~30万円程度 家賃と管理費と食費で十数万円~35万円程度
特徴 要介護度が悪化した場合 退去になる可能性も 要介護度が高くなっても入居が可能

(*1) 介護型のサ高住 厚生労働省の「特定施設入居者生活介護」の指定を受け 施設に常駐しているスタッフから 介護付き有料老人ホームと同様の介護サービスを受けることが可能 しかし まだまだ数は多くない

・特色

「終身建物賃貸借制度」
(都道府県知事から認可を受けた一部のサ高住のみが持つ制度)
 高齢者が終身にわたり安心して賃貸住宅に居住できる仕組み 高齢者に住宅を賃貸した際 借家人が死亡したときにのみ契約を終了することができる制度(相続性を排除)建物の老朽化以外では基本的に家主からの解約申し入れはできない

〇 入居条件
(入居条件は主に下記2つ どちらかの条件を満たしていれば入居することが可能 介護認定されていなくても入居できる)
●60歳以上の人
●要支援、要介護認定を受けている60歳未満の人
●また施設によっては2人で住むことも可能 下記のいずれかに当てはまらなければ同居することはできない
・配偶者(届出はしていなくても事実上夫婦関係にあるものも含む 60歳未満でも可)
・60歳以上の親族
・要支援・要介護認定を受けている親族
(ただし終身建物賃貸借の場合、要支援・要介護認定を受けていたとしても60歳未満は対象外)
・特別な理由により同居させる必要があると知事が認める者(友人同士で同居可能な住宅もある)


〇 退去条件
(基本的に一人で生活ができる自立した高齢者が対象で 介護サービスも別途契約となるため 施設によっては認知症不可など 独自の条件を設定している施設もある ただし、介護型のサ高住については 介護度が重めの入居者にも対応している)
●「介護度が重くなったら追い出されるのか?」
 サ高住は、身体的な状況を理由に強制的に退去をさせることはできない 退去の要因となりうることは・・・
・お金が払えないなどの経済的な要因
・重度の認知症で共同生活が難しいといった身体状況の悪化
・長期入院
・ご本人(入居者)の意思
 (これらの要因があることで強制的に退去させられることはない)

〇 居住環境
(サ高住は高齢者の居住の安定を確保することを目的としているため 以下のような条件が定められている)
〇 バリアフリー構造で個室タイプ
〇 床面積は 居室内にキッチンと浴室がある「住宅型」では原則25㎡以上(水回りが共用スペースにあり 他の居住者と合同で食事をとり 順番で入浴する「施設型」の最低基準は18㎡)
〇 原則 台所・水洗トイレ・洗面設備・浴室・収納などの設置
〇 多くの住宅では、入居者同士が交流するための談話室や食堂が設けられている


〇 サ高住 メリット
〇「高齢者でも賃貸住宅に入居できる」
 高齢化社会が進むなか 自立し元気に生活している高齢者でも賃貸への入居を断られるケースも多いが サ高住は 高齢者のための賃貸住宅でもあることから高齢者でも簡単に契約することができる
 短期間で退去することになっても 契約時に支払った初期費用の返還のルールが確立されており 入居者の権利がしっかりと守られている
 介護認定されていない高齢者や自立した生活が送れる高齢者でも入居することができる(多くの高齢者施設は要介護状態の人向けにのみ介護を提供する)
 また 比較的新しい業態なので(入居を断られることなく 高齢者が安心して生活できる住居を確保するために2011年に創立)ほとんどが新築や築浅で 居住環境が比較的に良い

〇「住宅の供給量が豊富」
 国の補助金制度などの理由から(国が 民間事業者やNPO法人、社会福祉法人などに直接補助を行い開業を促進している)運営する会社が増えたことで住宅の供給量が急増 現在は入居までの待機期間が比較的短くなっている
(福祉・介護系以外の法人が運営しているケースも多く、各事業者の強みを生かして独自のサービスを強く打ち出している)

〇「住宅の選択肢が豊富」
 住宅の供給量が増えたことにより「選択肢も豊富」となり より高齢者のニーズに寄り添うことができるようになっている
 介護サービスやバリアフリー構造、食事サービス、家事サービス等のさまざまなケアプランの中から自分が必要としているケアプランを選ぶことができる(結果として無駄な費用を払わなくて済む場合が多い)
 また、サ高住は現在全国各地に施設数を増やしており、自分の馴染みの地域で暮らし続けられる可能性も高い

〇「高齢者が安心して生活できる」
 高齢者のケアに詳しい生活相談員が常駐し さまざまなサービスも受けられる上に 近隣に近い世代が多く コミュニーケーションが取りやすい 1人暮らしの高齢者でも安心して生活することができる
 転倒などを防止するために全面バリアフリー構造になっているので 安心して生活を送れる

〇「自由度の高い生活が維持できる」
 賃貸住宅でもあるため 基本的にはプライバシーが守られており 外出や外泊などの制限が少ないところも多い
 台所やお風呂なども居室にあるので自宅にいるような感覚で比較的自由に生活が送れる環境が整っている

〇「有料老人ホームなどと比べて費用が安い」
 有料老人ホームの場合 介護サービスの提供が充実している面など初期費用は高額になる傾向があるが サ高住の場合は比較的元気な高齢者向けの賃貸物件なので サービス内容も有料老人ホームと比べると少なく その分初期費用なども抑えられる(入居一時金0円の場合がほとんど)

〇 「大部分は 有料老人ホームに該当」
(広義の)「有料老人ホーム」とは? 老人を入居させ 以下の①~④のサービスのうち いずれかのサービス(複数も可)を提供している施設 ① 食事の提供 ② 介護(入浴・排泄・食事)の提供 ③ 洗濯・掃除等の家事の供与 ④ 健康管理
● サ高住 デメリット
● 「一般の賃貸住宅より家賃が高め」
 高齢者向けの住宅なので 共用スペースが広いなどで管理費が少し高めに設定されている また 安否確認や生活相談サービスなどのサービス費用も含めると一般の賃貸住宅に比べて費用が高くなる

● 「連帯保証人が必要」
 一般的な不動産契約に基づく賃貸住宅であるため 契約時には「連帯保証人」が必要 なお、連帯保証人が求められる理由としては
・費用の支払いが困難になったときの経済的な保証が必要のため
・判断能力が低下した際 ケア方針などについての意志確認が必要なため
・定期的な報告や緊急時・死亡時に連絡が必要なため
なお 様々な事情から保証人を用意できない場合でも 保証人の代わりに成年後見人制度を利用できるサ高住を活用したり 保証会社を利用するなどで 入居できる可能性はある

●「介護度の進行により退去を求められることも」
 (入居する時は 自立し元気な高齢者の方が多い)しかし 入居後に介護状態が重度になってしまった場合に 老人ホームなどの介護施設に移動する必要が迫られるケースも少なくない
 介護型のサ高住では 介護度が重い人の入居を認めている また「終身建物賃貸借制度」を採用しているサ高住であれば 借家人が死亡したとき以外は契約が終了できないため 介護度に関係なく強制的に退去させられることはない

●「有料老人ホームに比べて 医療ケア・見守り体制が希薄」
 (一般型の)サ高住では介護が必要になった場合 個別で外部から介護サービスを利用する仕組みになっているので 医療・介護スタッフは常駐していない
 重度の要介護状態や認知症といった場合 適切な医療・介護のサービスが必要になり サ高住では対応に限界が出て来る どこまで対応してくれるのか 安全な体制はとられているのかなど入居前に確認する必要がある
 また 入居者に 併設事業所の介護サービスのみを使わせ 過剰な介護や介護費用の高額化を招く「囲い込み」の問題がある 適正な立ち入り調査等が求められる

〇 高齢者向け住宅の主な検索サイト(行政)

 「介護サービス情報公表システム」 (厚生労働省)・・介護付き有料老人ホームなどを全て掲載 退職者数などの情報も
 「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」 (すまいづくりまちづくりセンター連合会)(東京・新宿) ・・国土交通省の補助金で運営 「サ高住」を全て掲載 月額費用で検索可能
・住宅型有料老人ホームは 各都道府県のサイトに情報がある



・上記出典:毎日新聞


・上記出典:NEWSポストセブン


「看取り」とは 近い将来 死が避けられないとされた人に対し 清拭や褥瘡のケア、体位変換など 身体的苦痛や精神的苦痛を 緩和・軽減するとともに 人生の最後まで尊厳ある生活を支援すること 無理な延命治療などは行わず 高齢者が自然に亡くなられるまでの過程を見守ること
 「看取り」と同じような考え方として「ターミナルケア(終末期医療)」がある 上記のような介護に加えて 医師の判断に基づいた点滴や酸素吸入などの医療ケアを重点的に行う
 以前は「看取り」といえば 自宅か病院が多かったのですが(「自宅で最期を迎えたい」と願う高齢者は多いが 様々な理由によりかなわないことが多い)今は「看取り」の場所を 自宅・病院・高齢者介護施設の中で「選択する」という状況

(母を看取ったのは 父でした 当時 毎週 上京し 入院している母に会いに行っていました 認知症が進行し 子どもの顔も分からないような状態でしたが 父のことは分かっていたようでした
 最期に会ったとき 母の目を見た時 認知症を患いながらも「母は自ら死を受け入れているんではないか?」と 確信に近いものがありました 強くて優しい母でした 親孝行らしいことは何もすることが出来ない息子でした その週に自宅(都営の一般型サ高住)に戻り 最期を迎えました 朝 父より電話があり「朝 3時〇〇分に亡くなった」ということでした
   ・・・・・・・・・・・・・・・・
 通夜・葬儀は 〇〇寺 そして 霊柩車と共に 〇〇斎場へ移動 確か 地下4階 地上3階の巨大な斎場でした 火葬場はすさまじく 混雑もあり 空港の出発ロビーを思わせる その案内は 電光掲示板 エレベータ―が何基も並び それで下りたり上がったり 何人もの斎場スタッフが "テキパキ" と誘導する お棺に入った母も "生きた心地" がしなかっただろうと思われた それらの手配をしてくれたのは 隣の駅近のマンションに住む姉夫婦 ありがとうございました 七回忌は 昨年でしたがコロナで出来ず せめて花をお墓に供えよう)

2025年10月28日

2023年02月02日

109. 介護保険

・保険料
Q: 知り合いの夫婦の話ですが、ご主人は 65歳以降も会社員として働いています(老齢年金の受け取りは 繰り下げていて まだもらっていないそうです)
 65歳からは 介護保険料を納付書で納めることになり その負担額が65歳以前よりも 4倍ほどの増加になったと こんなことがうちにも起こりますか?


〇 公的介護保険の対象者と保険料の仕組み

  第1号被保険者 第2号被保険者
対象者
65歳以上 40~65歳未満の健康保険加入者
受給要件 要介護状態(寝たきりなどで常時介護が必要)
要支援状態(日常生活に支援が必要)
医師が回復の見込みがないと判断した がん 脳血管疾患など特定の疾病(16種の特定疾病 下表参照)により 要介護や要支援の状態
自己負担 1~3割(所得金額により異なる) 1割
保険料の徴収 ・原則として 年金からの天引き(特別徴収)
・市区町村に納付
・65歳になった月から
・健康保険料と一括で徴収
・健保は給料天引きで 原則1/2負担
・ 40歳になった月から
計算方法 ・市区町村で基準額を決め 本人の所得や世帯の課税状況に応じて調整 ・国保は世帯の人数や所得等で決める
・健保は月給や賞与に保険料率を掛けて算出


A:「起こりえます」65歳からは第1号被保険者となり 介護保険料は住んでいる場所によって異なる

■ 市町村は 介護保険サービスの総費用を賄えるように保険料の基準額を算出する
 市区町村は居住する要介護・要支援の人数等から それぞれの自治体で必要な介護保険サービスの総費用を見積もり その金額の23%(2023年度)を地域に住む65才以上の人数で割った金額を基準額とする(23%は介護保険の財源のうち65歳以上が負担する割合)
・さらに基準額をもとに 対象者の所得や世帯の課税状況に応じて 十数段階に細分し 各段階の介護保険料を決める 全員が基準額を納めれば 公費と40~64歳が納める保険料との合計で 必要となる介護費用の総額が賄える



〇 65歳以上の年間介護保険料の例(東京都練馬区のケース)

段階 所得 保険料
(年間)
第1~3 (低所得者) (略)
第4 80万円以下 60.240円
第5 80万円超 79.200円
第6 125万円未満 84.840円
第7 125万円以上210万円未満 97.440円
第8 210万円以上320万円未満 117.240円
第9 ~ 320万円以上 (略)

*介護保険料は 住んでいる市区町村によって異なる

■ 介護保険料 65歳以上で年間所得420万円以上を対象に引き上げへ(2024年4月~)
 現在「320万円以上」に設定している最も所得の高い区分を細分化して 新たに「420万円以上」「520万円以上」「620万円以上」「720万円以上」の4段階を設け(標準9段階が13段階に)年間所得が420万円以上の所得の高い高齢者について これまでよりも高い介護保険料を負担してもらうことに
 また 所得が低い高齢者については介護保険料の負担額を減らすことに


・65歳になると 全ての人は(会社員も 自営業者も 無職の人も 配偶者も)公的介護保険の「第1号被保険者」となる

65歳からの介護保険料は 原則年金から差し引かれる(特別徴収)
年金が 年額18万円以上ある場合は「年金からの天引きが法律で定められている」→ 納め方は選択出来ない
実際は 65歳になって年金天引きが始まるのは 半年から1年後(それまでは納付書などで納める)
健康保険から切り離されることで 事業主の1/2負担もなくなり 全額自己負担に
65歳になっても 会社勤めを続け 65歳未満の配偶者がいる場合は その配偶者の保険料はかからない(配偶者が 65歳になると「第1号被保険者」となり 保険料が発生する)
老齢年金の受け取りを 繰り下げている場合は 納付書や口座振替で納めることに



介護サービス 介護タイプ別の費用
在宅介護 要介護度別上限額の範囲で利用したサービスの「単価 X 回数」に応じた金額を月ごとに事業者に支払う
施設介護 公的介護保険の施設種類別の自己負担額に加え 月額費用(家賃相当額 管理費 基本サービス費 食費など)を施設に支払う 入居時に一時金が必要な施設もある
地域密着型介護 サービスの種類によって利用回数・利用日数に応じた料金 あるいは月額(定額)を事業者に支払う


・上図出典:ダイヤモンド・オンライン


・3年ごとに見直される「介護保険制度」、2年ごとに見直される「公的医療保険」

・2024年はその2つが同時に行われるダブル改定となる
・今後、介護保険の自己負担額が支払い能力によって細かく設定されていくことが予想される
 ちなみに2021年「介護保険制度」改定は・・(以下参照)

●2021年「介護保険制度」改定


・自己負担限度額
・世帯収入によって変わる自己負担限度額
 介護保険が適用される介護サービスを利用する際は 規定の費用を自己負担する必要があるが 自己負担額には上限がある 上限を超えて支払った場合は超過分の払い戻しができるこれが「高額介護サービス費制度」(「高額介護合算療養費制度」も同様)
 自己負担の上限額を定める基準となっているのが、世帯の所得額


・高額介護サービス費の負担限度額
 年収770万円以上(新たな所得区分の新設)
  新設により(該当者は)高額介護サービス費(負担の上限額)が倍額以上に

区 分 負担の上限額(月額)
・課税所得690万円(年収約1160万円)以上(新設) 140.100円
(世帯)
・課税所得380万円(年収約770万円)以上~課税所得690万円(年収約1160万円)未満(新設) 93.000円
(世帯)
・現役並み所得者に相当する人がいる世帯
・ 課税所得145万円以上かつ世帯内の収入が単身380万円未満(年収約770万円)2人以上 520万円未満
44.400円
(世帯)
世帯内の誰かが住民税課税者 44.400円
(世帯)
・世帯全員が住民税非課税
・下記以外
24.600円
(世帯)
・世帯全員が住民税非課税
・老齢福祉年金を受給している人
・前年の公的年金等収入金額+その他の合計所得金額の合計が80万円以下等
24.600円
(世帯)
15.000円
(個人)
・世帯全員が住民税非課税
・生活保護受給世帯等
15.000円
(世帯)

・65歳以上の人が対象 世帯で最も課税所得の高い人の区分を適用
・上図 負担限度額を超えた分が介護保険から支給される(高額介護サービス費)
・対象となるサービスは 特別養護老人ホーム等への入所に伴う施設サービスや居宅サービス等で 住宅改修費、簡易トイレといった特定福祉用具の購入費は介護保険が適用されていても対象外


・「特定入所者介護サービス費(補足給付)」の見直し(65歳以上)
 従来型個室の( )は 介護老人保健施設 介護療養型医療施設 介護医療院の場合

居住費 / 負担限度額(日額) 第1段階 第2段階 第3段階
多床室 0円 370円 370円
従来型個室 320円(490円) 420円(490円) 820円(1310円)
ユニット型準個室 490円 490円 1310円
ユニット型個室 820円 820円 1310円
対象者の区分 収入・預貯金( )など 食費/日
第一段階 生活保護受給者または世帯全員が住民税非課税で本人が老齢福祉年金受給の人 300円
第二段階 世帯全員(一人世帯含む)が住民税非課税で 本人の合計所得と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が80万円以下(単身:650万円以下夫婦:1650万円以下 390円
第三段階 ① 世帯全員(一人世帯含む)が住民税非課税で 本人の合計所得と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が80万円超~120万円以下の人(単身:550万円以下夫婦:1550万円以下) 650円
第三段階 ② 世帯全員(一人世帯含む)が住民税非課税で 本人の合計所得と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が120万円超の人(単身:500万円以下夫婦:1500万円以下) 1380円
住民税課税世帯(軽減なし) 配偶者が住民税課税者である場合または預貯金等が一定額(単身の場合1000万円 夫婦の場合2000万円)を超える場合は 食費・居住費の軽減はない
・居住費は 多床室 840円(370円)従来型個室 1150円(1640円)ユニット型準個室 1640円 ユニット型個室 1970円( )は介護老人保健施設 介護療養型医療施設 介護医療院の場合
1380円


食費/日 第二段階 第三段階 ① 第三段階 ②
施設入居者
390円 650円 1380円
ショートステイ 600円 1000円 1300円

・介護保険施設の入所者やショートステイ利用者の食費(1日3食)・居住費(家賃に当たる)は介護保険の対象外(全額自己負担)
 しかし 一定の所得以下の人は「特定入所者介護サービス費(補足給付)」という形で減額されている


・「高額介護合算療養費制度」の自己負担上限額

年収(課税所得)(*1) 70歳未満 70歳以上
・課税所得690万円(年収約1160万円)以上 212万円 212万円
・課税所得380万円(年収約770万円)以上~課税所得690万円(年収約1160万円)未満 141万円 141万円
・課税所得145万円(年収約370万円)~課税所得380万円(年収約770万円)未満 67万円 67万円
・課税所得(年収約156万円)~課税所得145万円(年収約370万円) 60万円 56万円
・住民税非課税(年金収入80万円以下などの場合) 34万円 31万円/19万円
(*2)

(*1)世帯で最も課税所得の高い人の区分を適用
(*2)世帯に介護サービス利用者が複数いると31万円
(注) 「高額介護サービス費」払い戻されるのは介護保険の給付の範囲内でサービスを利用した場合
・介護保険施設の食費や居住費などは原則 対象外
・介護保険の対象でも 要介護度に応じて決まる支給額の上限を超えて利用した分は全額自己負担


・窓口負担


■ 介護サービス利用料の2割負担の対象を拡大の方向(厚生労働省)
 2つの激変緩和措置を組み合わせる方針
① 毎月の負担増の限度額を7000円に抑える
② 預貯金額が少ない人は1割負担で据え置く



・65歳以上の人が世帯に1人の場合

自己負担割合 (介護サービスの自己負担割合の)条件
1割負担 本人の合計所得金額が160万円未満 もしくは本人の年金収入とその他の合計所得が280万円未満
2割負担 本人の合計所得金額が160万円以上220万円未満で年金収入とその他の合計所得が280万以上 もしくは本人の合計所得金額が220万円以上で年金収入とその他の合計所得が340万円未満
3割負担 本人の年金収入とその他の合計所得が340万円以上

・65歳以上の人が世帯に2人の場合

自己負担割合 (介護サービスの自己負担割合の)条件
1割負担 本人の合計所得金額が160万円未満 もしくは本人の合計所得金額が220万円未満で本人と同一世帯の65歳以上の方の年金収入とその他の合計所得が346万円未満
2割負担 本人の合計所得金額が160万円以上220万円未満で本人と同一世帯の65歳以上の方の年金収入とその他の合計所得が346万円以上 もしくは本人の合計所得金額が220万円以上で本人と同一世帯の65歳以上の方の年金収入とその他の合計所得が463万円
3割負担 本人の合計所得金額が220万円以上で本人と同一世帯の65歳以上の方の年金収入とその他の合計所得が463万円以上



(「特定入所者介護サービス費(補足給付)」)

 介護保険が適用される施設に入所した場合 所得や資産等が一定以下の人に適用される制度 主に 負担限度額を超える居住費・食費が発生した場合 超過分の費用が介護保険からまかなわれる
 負担限度額は施設や部屋のタイプ、所得に応じた段階によっても異なる

・公的医療保険に関わる「窓口負担」「保険料」「限度額」については
 → ブログ「106. 保険を補完 3 」をご覧ください

・「介護とは 老齢や心身の障害などの原因により日常生活を営むことに支障がある人に対して 日常生活の動作 家事 健康管理 社会活動の援助などを行うこと」(介護ワーカー)



・この 平均寿命と健康寿命の差「健康でない期間」は「介護される可能性が高い期間」と言えます


・公的介護サービスの主なサービス


 

■「地域包括支援センター」の役割

「地域包括支援センター」(主任介護支援専門員(ケアマネージャー)や保健師 社会福祉士等の専門員が配置されている):高齢者の様々な困りごとや悩みに対応する地域の拠点(介護保険サービス利用での関与が多い)

 具体的には

・介護保険や介護サービスの説明

・介護認定のための書類作成の支援や手続きの代行など

・要支援の場合に 介護計画(ケアプラン)を作成(要介護の場合は「居宅介護支援事業所」が行う)

・その他にも 虐待を受けている高齢者への対応 介護予防 認知症予防のサービス 成年後見制度の利用支援 地域のケアマネージャーの支援や指導

  対応する内容 連絡先
社会福祉士 介護や生活支援
・消費者被害
・困難事例
多問題家族
・虐待問題
成年後見制度の利用援助
行政
専門機関
保健師 ・健康
医療
・介護予防
・地域支援事業
虐待問題
保健所
病院
薬局
ケアマネジャー ・介護全般
・ケアマネ支援
・相談
・困難事例
・多問題家族
・虐待問題
・サービス事業者連携
・事業者の品質向上
介護サービス事業者

 

* サービスが利用できない自立の判定や要支援・要介護の結果に異議がある場合は 不服申し立てを行うことができる
* 要介護認定には有効期間があり 新規の申請は原則6ヶ月 更新申請は原則12ヶ月 更新申請で変化なしの場合の有効期間は 最長4年に変更されている

名称 対象者の条件 サービスの例
一般介護予防事業(*1) 65歳以上(認定不要) ・体操教室
・認知症予防教室
・サークル活動
介護予防・生活支援 予防給付サービス事業 要支援1~2(*2) ・訪問型サービス
・通所型サービス
・福祉用具レンタル
介護給付サービス事業 要介護1~5 ・訪問介護/監護
・通所介護/リハビリ
・ショートステイ


■「一般介護予防事業」
・フレイル(虚弱 下記参照)状態になるのを防ぐことを重視
 こちらもご覧ください → ブログ「070. フレイル」
・「地域の介護担当者と知り合ったり 介護に関する情報を入手したりする機会につながり 将来介護を必要とする状態になったときに役立つ」
■「介護予防・生活支援事業」
・要支援に非該当でも 生活機能が低下していると判断された場合も対象

■ 介護保険料を滞納するとサービス利用時に負担が増す

未納機関 負担増の例
1年以上 ・サービス利用料をいったん全額支払う
・後日申請すれば自己負担分を除く額を払い戻し
1年6ヶ月以上 ・サービス利用料をいったん全額支払う
・滞納保険料を払うまで払い戻しを原則差し止め
2年以上 ・未納期間に応じて自己負担を3~4割に
・高額介護サービス費が支給停止


・上記出典:ダスキンヘルスレント


 高齢者の多くはフレイル(虚弱)の時期を経て要介護状態になる
① 低栄養 口腔機能低下 ロコモティブシンドローム(運動器障害)などの「身体的フレイル」
② 閉じこもり 孤立 孤食などの「社会的フレイル」
③ 意欲低下 うつ 軽度認知障害(MCI)などの「心理的フレイル」

 3つのフレイル(虚弱)が多面的に関わりあっている 早めに適切な対応をとれば 現状維持ができたり 健康に戻れる可能性もある


*ロコモティブシンドローム(運動器障害)とは: 骨粗鬆症・変形性関節症・脊柱管狭窄症・サルコペニア(筋肉量低下)など





・できるだけ「適度な運動」「バランスのいい食生活」「充分な睡眠」を確保するようにしましょう



 → 重点ポイント「平均寿命と健康寿命」もご覧ください

(ご自愛ください)

2025年12月14日

2023年01月26日

108. ライフ・プラン

「産むか 産まないかを決める権利は女性の基本的人権である」
(1994年の国連国際人口開発会議で提唱された概念)
  2016年には 国連女性差別撤廃委員会が 日本政府に「配偶者の同意要件そのものの撤廃」を勧告


・(2022年6月24日)米国連邦最高裁判所 女性の人工妊娠中絶権を認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」を破棄 これにより人工中絶を認めるか否かは 各州の権限に委ねられることに
 バイデン大統領「米国民の憲法上の権利を奪った」「最高裁による悲劇的な過ちだ」と強く批判 「プロチョイス」(選択権支持派)と「プロライフ」(生命保護派)の論争は過激化



 人口妊娠中絶については「婚姻しておらず配偶者のいない女性については相手方男性の同意は不要」(婚姻していても 暴行や脅迫による妊娠については配偶者の同意は不要)なのだが 女性が未婚であっても 相手方男性との訴訟リスクやトラブル(堕胎罪や損害賠償請求等)を恐れ男性の同意を求める医療機関は多い
 不誠実な男性の態度や一部医療機関のこのような対応により 多くの悲劇が起こっている

・緊急避妊薬とは

 避妊しないで性交した場合など 望まない妊娠を防ぐために行う避妊法 無防備な性交後72時間以内に服用することで 妊娠を回避するための経口薬 緊急避妊ピル、アフターピル、モーニングピルとも呼ばれる
 しかし 避妊効果は8割程度しかないので 通常行う避妊法としては不向き 普段の避妊にはOC(低用量ピル)など より効果の高い方法が良い




・こちらをクリック
  全国妊娠SOSネットワーク
  BOND(ボンド)プロジェクト

〇 緊急避妊薬が必要なとき

●避妊をしない性交後
●コンドームが破れたり外れたり漏れたなどのアクシデント
●低用量ピルの内服忘れや下痢などによるピルの吸収障害
●腟外射精など
●アクシデントは発生していないけれども不安な時
●性暴力被害にあってしまったという深刻な状況の時

〇 緊急避妊薬は 2種類

① ヤッペ法:ホルモン配合剤(卵胞ホルモン+黄体ホルモン)を内服する方法
② レボノルゲストレル法:レボノルゲストレルという黄体ホルモンを内服する方法

*レボノルゲストレルによる緊急避妊法は 1998年WHOによって発表された大規模多施設共同臨床試験の結果から次の2点が明らかに
 ・レボノルゲストレル法はヤッペ法に比べて緊急避妊の効果が高く、安全性にも優れている
 ・レボノルゲストレル法は1回投与で有効である

〇 現在日本で発売されているレボノルゲストレルは2種類

・先発品の商品名:ノルレボ(一般名:レボノルゲストレル)2011年5月発売
・後発品の商品名:レボノルゲストレル(一般名:レボノルゲストレル)(ノルレボの日本製ジェネリック)2019年3月発売




緊急避妊薬の OTC 化 について 厚生労働省 国民から広く意見を求めるパブリック・コメントを行った

* OTC Over The Counter オーバー・ザ・カウンターの略  薬局・薬店・ドラッグストアなどで 処方箋なしに購入できる医薬品
* 期間 12月27日より1月31日まで

こちらを参考に 
「緊急避妊薬のスイッチOTC化に係る検討会議での議論」(厚生労働省)

・(2023年6月26日)「緊急避妊薬を薬局販売へ 処方箋なしで試験運用」(厚生労働省 決定)
 一定の要件を満たす薬局に限定し 夏ごろから調査研究として試験的に販売の運用を開始
・(2025年8月29日)「緊急避妊薬を(処方箋のいらない市販薬(OTC医薬品)として薬局販売へ」(厚生労働省の専門家部会が了承)
(緊急避妊薬は性犯罪の被害者が使うことも想定される。そうしたことを前提に悪用や乱用を懸念する声は根強く、ネットなどを通じての安易な販売を防ぐ仕組みづくりなどに時間がかかっていた)
・販売は対面のみで 研修を受けた薬剤師の面前で服用することが条件に
・年齢制限は 設けない
・親の同意を得ることは不要
・(2025年10月20日)あすか製薬(東京)緊急避妊薬「ノルレボ」の市販向け製造販売承認を 厚生労働省から同日付で取得したと発表緊急避妊薬(アフターピル)の市販化が国内で認められるのは初めて 医療用医薬品として使われているノルレボが 医師による診断や処方箋がなくても購入できるようになる(早ければ年度内にも販売が始まる見通し)

 → こちらをご覧ください
 「緊急避妊に係る取組について」(厚生労働省)
 「オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤について」(日本薬剤師会)

背景・各種見解・資料等

① 数多くある 望まない妊娠・予期せぬ妊娠




・上記出典:一般社団法人 日本家族計画


・上図 出典:朝日新聞デジタル

② 人工妊娠中絶手術は 残酷で 母体にとっても危険である

「中絶手術後にみられる影響として、月経不順、不妊症、習慣流産、次回出産時の障害、精神的な問題などの可能性がある」(日本産科婦人科学会)との報告があるが 今のところ統計データがあるわけではない しかし 重大な結果(母親の死亡例)も報告されている




③ 緊急避妊薬のアクセスに障害がある

  日本医師会「2019年から厚生労働省ホームページ内に「緊急避妊に係る取組について」のページが設けられ 身近な医療機関を探せるよう 緊急避妊に掛かる対面診療が可能な産婦人科医療機関等の一覧が 都道府県ごとに公表されている」等とし
  厚労省と共に現状を改めて確認した上で「医師の責務として、より受診しやすい環境を整えるとともに、薬へのアクセスを改善できるよう、丁寧な議論を進めていく」とした
  しかし 「丁重な議論を進めていく」とする まさに この瞬間にも 多くの悲劇が起こっている
・下記をご覧ください
「緊急避妊に関わる取組について」(厚生労働省)
「緊急避妊薬に対する日本医師会の見解示す」
「緊急避妊について」(日本産婦人科学会)

・日本産婦人科医会は 「女性の健康Q&A」(上記)を公表しているが 緊急避妊薬の市販薬化(OTC化)について その社会的影響を考え 「開始するにあたり、性教育を充実させる必要があるが 具体的政策の方向性が示されていない」「確実な避妊法の普及が進んでいない」などとし慎重な姿勢   しかし この瞬間にも 多くの悲劇が起こっている



④ 中絶に配偶者の同意が必要
(冒頭に記載いたしましたが ここに再録いたします)



 人口妊娠中絶については「婚姻しておらず配偶者のいない女性については相手方男性の同意は不要」(婚姻していても 暴行や脅迫による妊娠については配偶者の同意は不要)なのだが 女性が未婚であっても 相手方男性との訴訟リスクやトラブル(堕胎罪や損害賠償請求等)を恐れ男性の同意を求める医療機関は多い
 不誠実な男性の態度や一部医療機関のこのような対応により 多くの悲劇が起こっている

⑤「緊急避妊薬のOTC化は世界の常識」



⑥ 日本のSEXの特異な事情

 避妊が男性頼みの日本 例えばピルの飲用は「避妊の明確な意思表示」(女性主体の避妊)となる



・上図「みんな知ってる?世界の避妊グッズ」「アフターピルの入手しやすさ(国際比較)」の出典:文春オンライン


・上記出典:朝日新聞デジタル

⑦「世界には 避妊方法にもいろいろな選択肢がある」


・上記出典:文春オンライン

⑧ アフターピルの副作用



⑨ 「性被害にあってしまった時の対応等が耐え難い 十分ではない」



⑩ 「合計特殊出生率、出生・婚姻数の推移」





  2022年 2023年 2024年
合計特殊出生率 1.26 1.20 1.15
出生数 770.747人 727.277人 686.061人
婚姻数 504.878件 474.717件 485.063件

国内初の経口避妊薬(妊娠9週までが対象)
・(2023年1月27日)「人工妊娠中絶のための飲み薬」(経口避妊薬)について 厚生労働省「薬事承認して差し支えない」と判断し 承認を了承 中絶方法の選択肢が広がり 女性の体への負担も軽減される
 社会的な関心も高いことから 今後パブリックコメントを実施し 正式に決める(製造・販売へ)
 製品名は「メフィーゴパック」妊娠を続けるために必要な黄体ホルモンのはたらきを抑える薬「ミフェプリストン」と 子宮を収縮させるはたらきがある薬「ミソプロストール」を組み合わせて使う 対象は妊娠9週までの妊婦(英国の製薬会社ラインファーマが2021年12月に厚労省に承認申請していた)


・上図 出典:西日本新聞


中期の人工妊娠中絶(12~22週未満)
● 人工的に陣痛を起こして流産させる手術
● 3~7日間程度の入院が必要
● 費用の目安は50万円程度
●「初期中絶」に比べ 精神的・身体的・経済的に負担が大きい(危険が伴う場合もある)
● 役所へ死産届を提出し 胎児の埋葬許可書をもらう必要がある
● 心身にも経済的にも 大きな負担となるため 健康保険の被保険者に「出産育児一時金」が支給される
(*)初期中絶は 手術時間10~15分程度 基本的に入院は不要 費用の目安は10~20万円程度

(2022年の出生数が 初の80万人割れに 理由として その家族の「価値観」「経済力」「将来への不安」等があげられていますが 真の「産む自由」「産まない自由」がないことも あるのではないか  何事も「やらない自由」がないところに「やる自由」はないし「やめる自由」がないところに「やる自由」はない 同じように「産まない自由」がないところに「産む自由」はない  プロチョイスは言っている「BANS OFF OUR BODIES」(私たちの体を規制するな)と  産む人生 産まない人生 持つ人生 持たない人生 みんな ありありです いたずらに先送りすることはしないで 知識を得ずに決めることもしないで たった一度の人生 しっかりしろよォ~ )


■ 孤立出産・内密出産


・(2007年5月10日)日本初の「赤ちゃんポスト」となる「こうのとりのゆりかご」が「慈恵病院」(熊本市)に誕生
 (2019年12月7日)慈恵病院 匿名妊婦を受け入れ 事実上の内密出産をただちに実施すると表明
・(2025年3月31日)「賛育会病院」(東京都墨田区)赤ちゃんポスト「いのちのバスケット」の設置及び内密出産制度の運営を開始





■ 新型出生前診断(NIPT)

・上図 出典:朝日新聞デジタル



・新型出生前診断(NIPT)の年齢制限は 2022年2月18日に日本医学会の指針により撤廃 これにより (妊娠10週以上で 妊娠や出産に不安を抱えている妊婦さんであれば)年齢に関わらず 希望する妊婦が検査を受けることができるように
→  「NIPT」(国立生育医療研究センター)

・「着床前検査」(PGT-A)(受精卵の染色体を調べて異常がないものを子宮に戻す)について 日本産婦人科学会
① 2回以上流産や死産の経験がある「不育症」の夫婦
② 体外受精を繰り返しても妊娠しなかった「不妊症」の夫婦
に限定して(女性の年齢の目安を35才以上とし)検査の対象を広げることに



2025年10月21日

2023年01月19日

107. がんライフ




 → 「がん制度ドッグ」(NPO法人 がんと暮らしを考える会)
 → 「がん情報サービス」 (国立がん研究センター)
 → 「がん相談支援センター」 (国立がん研究センター「がん情報サービス」から検索

「人口動態統計(確定数)」(厚生労働省 2023年)
・死亡の原因で最も多いのは「がん」(24.3%)およそ4人に1人が「がん」で亡くなっている




・がんの部位別に死亡率をみると男性は「気管、気管支及び肺」が突出して多く 「前立腺」がそれぞれ一定の割合を占めている


・がんの部位別に死亡率をみると女性は「大腸」「気管、気管支及び肺」「膵臓」が多くなっている「乳房」「子宮」「卵巣」がそれぞれ一定の割合を占めている







*「日本では 2人に1人ががんになり 3人に1人ががんでなくなる」とされる がんの生存率は年々 上がっている「死の病」から「長く付き合う病」へと変わりつつある 半面 医療の進歩などで治療は長期化・高額化していると言われる


*私たちにできること
① 「定期的に健康診断(がん検診)を受けましょう」早期発見・早期治療は大切です 適切な治療を受ければ再発リスクは低下する可能性がある(近頃増えている 大腸がん 気になることがあれば 安心のためにも「大腸内視鏡検査」(早期ならば ほぼ治せる)を受けてみることを検討しましょう 大腸がん 早期は自覚症状なし)
② 「その「生活習慣」を改善しましょう」「がんは生活習慣病」とも言われます できるだけ「適度な運動」「バランスのいい食生活」「充分な睡眠」を確保するようにしましょう


 → ブログ「069. 内視鏡」もご覧ください

 男性・女性とも「日本人のおよそ2人に1人が一生のうちに「がん」と診断される」と言われています
 「がんは手術したら終わり」というものではありません 再発・転移の可能性がある場合は「がん治療」が続きます そして その「がん治療」は見通しがつきにくい 治療の効果やその副作用の度合いは やってみないと分からない場合が多いのです そして それは経済面の見通しも つきにくい事に繋がります
 医療技術の進歩とともに 治療の選択肢は増え その効果が劇的に改善される場合もあります(半面 医療の進歩などで治療は長期化・高額化していると言われる)しかし 健康保険の「高額療養費制度」により「がん治療は 先進的な医療や高額な薬代で金額が膨らむばかり」ということだけでは決してありません
 「がん治療にかかる費用はどれくらいなのか?」がん患者の治療における自己負担費用の総額は20万~50万円未満という人が最も多いとされる 診断時のステージが高い人ほど自己負担費用は高くなる また ステージが上がるほど医療費以外の費用も増加する傾向がある
 がんは通院による治療が増えており 治療と仕事の両立をする人も多い そんな患者の知りたい情報は「治療に伴う収入減少を補填する社会保険制度」「治療に伴い必要となる費用」こうした情報を提供し がん患者の経済的不安にも対応する相談窓口の中心は 全国のがん診療連携拠点病院などに設置されている「がん相談支援センター」





・がんにかかる3つのお金
  保険適用外の費用が以外に多い

保険適用 ① 病院に支払う医療費 検査・診察・治療・薬剤や入院料など
保険適用外 ② 病院に支払うその他のお金 差額ベッド代・食事代・先進医療・診断書作成料など
保険適用外 ③ 病院以外に支払うお金 交通費・宿泊費・日用品・健康食品・医療用かつら・快気祝いなど


・「保険外併用療養費」等については
 → ブログ「105. 保険を補完 2」をご覧ください

*がんと宣告されたら(経済面から 見通しを付ける)

① 「高額療養費制度」を利用する(*)
・「高額療養費制度」「世帯合算」「多数回該当」「限度額適用認定証」について 詳しくは
 ブログ「106. 保険を補完 3」をご覧ください

② 「傷病手当金制度」を利用する(*)
・「傷病手当金」(厚生年金に加入すると健康保険にもセットで加入)働けない状況で給料が支払われない場合 4日目から1年6ヶ月間 給料(標準報酬月額)の約2/3の手当が出る
・現在は 途中で出勤して不支給の不支給の期間があっても 開始日から暦の上で1年6ヶ月たてば支給が終わる 22年1月からは途中の不支給期間は除き 支給期間を通算して1年6ヶ月支給されるようになる 

③ 「障害年金」を申請してみる
・「障害年金」・・「対象になっていると知らず 申請しない人が多い」(時効は5年)受給できれば 無理に早期に復職することなく症状悪化を防げる場合も多い

④ 「団体信用生命保険」を利用する(*)
・「3大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)で所定の状態になったとき → 住宅ローン残高が0になる(金利上乗せ型)」等の団信付き 住宅ローンを利用していたら。 

⑤ 「住宅ローンの借り換え」をする(住宅ローンの返済が苦しくなったら)まず「返済期間の延長」などを 銀行に相談してみる それから「借り換え」を検討する
・「リバースモーゲージ型住宅ローン(リバース60)」を利用する
 自宅を担保にローンの借り換えをし(利息のみ返済)、死後に物件を売却するなどして元本を返済する「リバースモーゲージ」の一種
・夫婦共働きで 夫婦で住宅ローンの返済をしていたら「名義変更」を銀行に相談してみる 「ペアローン」「収入合算・共有名義(連帯債務型)」「収入合算・共有名義(連帯保証型)」について詳しくは
 「Q&A 不動産・住宅ローン」のページにて

⑥ 「払済保険」「延長定期保険」を利用する(保険を見直す)
・保険料の払い込みが困難になったら まず 保障減額の検討をし それでも苦しければ「払済保険」「延長定期保険」(以降の保険料払い込みは不要になる)を 詳しくは
 「Q&A 保険」のページ にて

⑦ 「国の養育費・教育費助成制度」等を利用する(子どもの教育費等に悩んだら)

・「児童手当」「児童扶養手当」のほかにも「高等学校等就学支援金制度(高校無償化)」「高校生等奨学給付金」「高等教育無償化」等が用意されており 自治体の助成制度、高校・大学などの独自の給付金制度や授業料等の免除・減免制度も各種あります
 また、足りない教育資金を準備する方法としては、奨学金、教育ローンがあります 詳しくは
 「Q&A 教育費・養育費」のページ にて

⑧ 「家族の理解と協力」なんといってもこれが一番 がんとの闘いは孤独なものと言われます そんな時は一番 身近にいる人が 家事の分担を増やしたり 働き方を変えたり 子育てにもっと協力したり できることはたくさんあります また 職場環境で「理解と協力」を得ることも大切

⑨「がん保険」や「就業不能保険」を利用する
 働けなくなった時の保険については
 → ブログ「099. 働けないリスク」をご覧ください

⑩ それ以外にも 年金の繰上げ受給 リバースモーゲージ・リースバック等の自宅の資産化 資産の売却等 



・(高額療養費制度の見直し案)は 撤回されました 高額な治療を長期にわたって受けざるをえないがん患者らは、「治療を続けられなくなる」と深刻な懸念を抱いている

・「高額療養費制度」(*):高額療養費の対象は保険診療の範囲内 自由診療や先進医療の費用、患者が希望した場合の差額ベッド代、食事代は対象外 公的医療保険(社会保障制度)の手厚さを確認した上で 「民間保険」の利用で備えたい

・「傷病手当金制度」(*):手続きに時間がかかる場合もある(請求は2年の時効がある)加入している健康保険組合によっては 独自の「付加給付」がある場合もある また、所属企業の「就業規則」等で休職制度や有給休暇について確認することは大切

・「団体信用生命保険」(*):民間金融機関の住宅ローンでは団信への加入を義務付けられていることが一般的(保険料が別途かかる)住宅ローンの債務者が返済期間中に死亡または高度障害状態になったときなどに、その保険金で住宅ローンの残高が完済される(その後は 返済が不要に「特約なしの団信」)
 「特約なしの団信」の他に「3大疾病保障付き」や「8大疾病保障付き」「がん団信」等がある 夫婦で住宅ローンを利用し 一方ががんと診断されたら残高がゼロになる「連生がん団信」もある これから 住宅ローンを組む予定の人は「特約付き」も検討しましょう

  「がん制度ドッグ」(NPO法人 がんと暮らしを考える会)
   「がん情報サービス」(国立がん研究センター)
  「がん相談支援センター」(国立がん研究センター「がん情報サービス」から検索)

Q :「ガンの緩和ケア」って何?




こちらをご覧ください
→ 「緩和ケア」(国立がん研究センター)
→ 「緩和ケア」(厚生労働省)
→ 「緩和ケアってなに?」(緩和ケア.net)
→ 「緩和ケア」(日本赤十字社医療センター)
→ 「がんの緩和ケア 自分らしく生きるには」(NHK)



・下の表からも 例えば 一番多い 肺がんでの死亡率は 10万人当たりで80人=0.08%です「日本人のおよそ 2人に1人ががんになる といわれています」からすると 多くの人は「がんと共に生きる」「がんライフ」を迎えることになります(それ以外にも with コロナだし 108もある煩悩とも 共に生きなければならないし 厄介です)何とか頑張っていきましょう




((2019年2月12日)21種目の日本記録を保持する池江璃花子(18)、自身のTwitterで白血病であることを告白 翌日「私は、神様は乗り越えられない試練は与えない、自分に乗り越えられない壁はないと思っています」と更新)


2025年11月30日

2023年01月12日

106. 保険を補完 3



・窓口負担



*平成20年4月から 70歳以上75歳未満の窓口負担は 1割に据え置かれていたが 平成26年4月以降 新たに 70歳になる被保険者から段階的に2割に引き上げられている


・2022年10月1日~ 年収200万円以上の75歳以上の後期高齢者の窓口負担を1割から2割に引き上げ
 現在の75歳以上の窓口負担は:現役並所得があれば3割 それ以外は1割



上記出典:東京新聞


・75歳以上の窓口負担引き上げ
 → 単身なら年収200万円以上、複数人世帯なら75歳以上の年収合計が320万円以上あれば負担割合を1割から2割に引き上げへ(75歳以上の20%にあたる約370万人が対象に)
・「激変緩和措置」(2025年9月末で終了)(急激な負担増に配慮し、通院回数の多い外来患者に対しては導入から3年間は1ヶ月分の負担増を3千円以内に抑える(外来受診が対象))
 入院の医療費は 対象外 外来受診も3年の期限が過ぎれば上限が外れる(2025年9月末で終了)
 何でも相談できる「かかりつけ医」をつくるなどして医療や投薬の重複を防ぐ事は大切
・2割負担対象者の高額療養費の月上限

外来(1人当たり) 外来+入院(世帯当たり)
18000円 57600円


■ 「OTC類似薬、保険適用外」 医療費削減へ政府検討


・上図出典:Yahoo! ニュース

・上図出典:東京新聞デジタル


・保険料

被用者保険や国民健康保険の保険料はどのように決まるのでしょう?

 *公的医療保険の保険料は 全員が同じではなく 保険主体である保険者毎に異なる

被用者保険
(職域保険)
・基本的には被保険者の報酬(給料)や賞与(ボーナスなど)の額等の所得に応じて決まる
・実際には「標準報酬月額」「標準賞与額」に対する割合(保険料率)で決まるが「保険料率」は保険者毎に異なる
「協会けんぽ」の保険料率は 都道府県毎に設定されている
・保険料は 被保険者だけでなく 事業主がその半分以上を負担する
国民健康保険等
(地域保健)
所得に比例した保険料率に基づく「所得割」だけでなく 「均等割」と併せて 保険料が算出される
・さらに 市区町村によっては「資産割」(保有資産にかかる)や「平等割」(世帯ごとにかかる)が加算される場合もある


・詳しくは 各保険者(各企業や組合 地方自治体)にお問い合わせ下さい

  国民年金 厚生年金
加入対象 20~59才の全国民 主に会社員や公務員
保険料 一律(月額17510円) 標準報酬月額の18.3%(労使折半)
年金投資額 加入期間に応じて一律(満額なら月約6.5万円) 加入期間と払った保険料で変わる(基礎年金を含め平均月約14.6万円)
年金を受け取るために加入が必要な期間 10年 1ヶ月
支給開始年齢 65才 65才


■ 高所得者の厚生年金保険料上げ

・厚生年金の保険料
 現在は 月収の水準によって32に区分した基準額である「標準報酬月額」に基づき算出(最も高い区分の基準額は65万円に設定)
 厚労省は2027年9月から高所得者(標準報酬月額65万円 年収798万円以上)の厚生年金保険料を3段階で引き上げる 最終的に上限は75万円となり 対象者(加入者の約6%)と企業の双方に月額約9.150円、年間約11万円の負担増が発生

保険料免除制度
2019年4月から国民年金の第一号被保険者について「産前産後の保険料免除制度」が始まったが 厚生年金保険料と健康保険料には設けられている「育児期間中の保険料の免除」はならず 国民年金保険料・国民健康保険料とも免除されず納付しなければならない(なお、この免除期間は、将来、被保険者の年金額を計算する際は、保険料を納めた期間として扱われる)
(免除制度) 国民 年金・保険(と介護保険料) 厚生 年金・保険(と介護保険料)
産前産後の保険料免除制度(*)
育児期間中の保険料の免除制度 ×
(**)
産前産後
休業期間
産前42日(多胎妊娠の場合は98日)、産後56日のうち、妊娠または出産を理由として労務に従事しなかった期間
育児休業期間 「産後休業期間」(産後8週間以内)の終了後 その翌日から子どもが1歳となる前日まで
(子が1歳以降の休業については 子が1歳に達する日前までの育児休業とは別に取得可能(*))

(*)保育所などの施設に子どもを預けられない・配偶者が死亡 負傷 疾病等により養育困難 などの理由で仕事に復帰できないときは 支給期間を 1歳から1歳6ヶ月まで、1歳6ヵ月から最大2歳まで延長することが可能(1歳の時点で、2歳までの延長を求めることはできない)
(*)「介護休業制度」は あるが 介護休業中に保険料を免除する制度は設けられていない

災害、失業、倒産、その他の事情により保険料の納付が困難になったときは、申請により保険料(国民 年金・保険(と介護保険料))の減免を受けられる場合がある 

(*)詳しくは、住所地の区役所保険年金課等にご相談ください



 後期高齢者医療制度 2024年度から段階的に保険料が増額される
・低所得者に配慮しつつ 年収が153万円以上の高齢者の保険料を2024年度から段階的に引き上げ(後期高齢者全体の約40%が該当)
・高所得者の場合 現行で66万円に設定されている保険料の年間の上限額を 2024年度から段階的に80万円まで引き上げ
・子どもが生まれたときに支給する「出産育児一時金」を2023年4月から原則42万円から一律50万円に増額 財源確保のため 75歳以上の後期高齢者の一部について 24年度から保険料を引き上げる(後期高齢者が7%分を負担する仕組み)
・保険料増額の2つ目の理由は 現役世代が負担する医療費を抑制するために 高齢者負担率(給付費のうち後期高齢者の保険料で負担する割合)を見直すこととなった


 

上記出典:中日新聞

・後期高齢者保険料(年額)
 (試算額 制度改正前比)

年収 制度改正前 2024年度 2025年度
80万円 15.100円 15.100円
(+0円)
15.100円
(+0円)
200万円 86.800円 86.800円
(+0円)
90.700円
(+3.900円)
400万円 217.300円 231.300円
(+14.200円)
231.300円
(+14.200円)
1100万円 660.000円 730.000円
(+60.000円)
800.000円
(+130.000円)
平均 82.000円 86.100円
(+4.100円)
87.200円
(+5.300円)

*制度改正前は今後の医療費増に伴う負担を含む
*出産育児一時金が47万円になったと仮定しての試算 一時金の引き上げ幅次第で 平均額と年収200万円 400万円の人は増える可能性がある(出産育児一時金は 50万円になることに)

・上記出典:時事通信

■ 医療費の自己負担の割合や医療保険料を決める所得に金融所得を加えることを 政府・与党が検討
*75歳以上の人が加入する「後期高齢者医療制度」から始める方向
■ 現状は 同じ年収でも 保険料と窓口負担は一変(確定申告するか しないかで)
(75才以上で配当収入(金融所得)が年500万円の場合 他の所得はない)
確定申告 なし あり
医療保険料 約1.5万円
→ 全員に課す
均等割りのみ負担
約52万円
→ 均等割り 5万円

所得割47万円
窓口負担 1割 3割



・負担限度額


〇 高額療養費制度の自己負担限度額(月額)

69歳以下 1ヶ月の上限額(世帯ごと) (同左)
所得区分 3回目まで 4回目以降
1160万円~ 252600円+(医療費ー842000円)x1% 140100円
770~1160万円 167400円+(医療費ー558000円)x1% 93000円
370~770万円 80100円+(医療費ー267000円)x1% 44400円
~370万円 57600円 44400円
住民税非課税世帯 35400円 24600円

*政府は、増え続ける社会保障費の伸びを抑えるため、2025年度当初予算案で、高額療養費制度を見直し、自己負担限度額の計算に使う基礎的な部分の金額の引き上げを盛り込んだ。(議論されている)→ 高額療養費の今年の患者負担引き上げは見送りに


70歳以上 1ヶ月の上限額(3回目まで) (同左) 4回目以降
年収 外来(個人ごと) 外来+入院(世帯ごと) 同左
1160万円~ 廃止 252600円+(医療費ー842000円)x1%
770~1160万円 廃止 167400円+(医療費ー558000円)x1%
370~770万円 廃止 80100円+(医療費ー267000円)x1%
156~370万円 18000円(年144000円) 57600円
住民税非課税世帯 8000円 24600円
住民税非課税世帯(年金収入80万円以下など) 8000円 15000円

 ① 140100円
 ② 93000円
 ③ 44400円


「外来特例(通院し放題)」(高額療養費制度の特例)の見直しが議論されている
対象 70歳以上の高齢者
仕組み 月間の外来医療費の自己負担額が上限に達した後は 追加の自己負担がほとんどなくなる
目的 高齢者が医療機関にかかる回数が増える傾向にあることを考慮し 外来受診の自己負担を軽減すること

■「外来年間合算」
 70歳以上75歳未満の被保険者・被扶養者を対象とした、年間(毎年8月1日~翌年7月31日)の外来医療にかかる自己負担額の合計に設けられた上限額(年間144,000円)を超えた場合に、その超過分が「高額療養費」として支給される制度






・「高額介護合算療養費制度」の自己負担上限額

年収(課税所得)(*1) 70歳未満 70歳以上
・課税所得690万円(年収約1160万円)以上 212万円 212万円
・課税所得380万円(年収約770万円)以上~課税所得690万円(年収約1160万円)未満 141万円 141万円
・課税所得145万円(年収約370万円)~課税所得380万円(年収約770万円)未満 67万円 67万円
・課税所得(年収約156万円)~課税所得145万円(年収約370万円) 60万円 56万円
・住民税非課税(年金収入80万円以下などの場合) 34万円 31万円/19万円
(*2)

(*1)世帯で最も課税所得の高い人の区分を適用
(*2)世帯に介護サービス利用者が複数いると31万円
(注) 「高額介護サービス費」払い戻されるのは介護保険の給付の範囲内でサービスを利用した場合
・介護保険施設の食費や居住費などは原則 対象外
・介護保険の対象でも 要介護度に応じて決まる支給額の上限を超えて利用した分は全額自己負担

・こちらも参考に →
「高額療養費制度を利用されるみな様へ」(平成30年8月診療分から)(厚生労働省保険局)
「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)」(全国健康保険協会(協会けんぽ))

「限度額適用認定証」
 (医療費が高額になりそうなとき)あとから申請することにより自己負担限度額を超えた額が払い戻される「高額療養費制度」がありますが、一時的な支払いは大きな負担に
 →「限度額適用認定証」を保険証と併せて医療機関等の窓口(*1)に提示すると、 1ヵ月 (1日から月末まで)の窓口でのお支払いが自己負担限度額まで(*2)となる
(*1)保険医療機関(入院・外来別)、保険薬局等それぞれでの取扱いとなる
(*2)同月に入院や外来など複数受診がある場合は、高額療養費の申請が必要となることがある
(*3)マイナンバーカードを健康保険証として使用すると 高額医療費の限度額を超える支払いが「限度額適用認定証」がなくても不要に

「世帯合算」
 一回分の窓口負担では、高額療養費の支給対象とはならなくても、複数の受診や同じ世帯にいる他の人(同じ医療保険に加入している人に限る)の受診について、それぞれの自己負担額を1か月(暦月)単位で合算し その合算額が一定額を超えた場合 超えた分を高額療養費として支給(共働き夫婦で別々の健保組合に加入するなど 健康保険が異なる場合は利用できない)
※ ただし、70歳未満の人の受診については、2万1千円以上の自己負担のみ合算される

「多数回該当」
 高額療養費として払い戻しを受けた月数が1年間(直近12ヵ月間)で3月以上あったときは、4月目(4回目)から自己負担限度額がさらに引き下げられる 療養が長期化したときなどの負担減に役立つ

「高額療養費の特例」
 特定の難病(血友病、人工透析、HIVなど)で長期間の高額な治療が必要な方については、原則として月額1万円の上限が設けられている

・介護保険に関わる「窓口負担」「保険料」「限度額」については
 → ブログ「109. 介護保険 3 」をご覧ください


・かかりつけ


・医療費の自己負担額は医療機関や薬局へのかかり方によって変わる

〇 「はしご受診」では 初診料が加算される

毎回別の医療機関 A病院 B病院 C病院 合計
(はしご受診) 初診料
864円
初診料
864円
初診料
864円
2592円
毎回同じ医療機関 A病院 A病院 A病院 合計
(かかりつけ) 初診料
864円
再診料
219円
再診料
219円
1302円

・上図 自己負担:3割 病床数:200未満 の場合

*はしご受診では 医療機関を変えるたびに初診料がかかり 検査をやり直せばその都度検査料もかかる
*同じ治療でも 健康保険の診療報酬は医療機関の規模等で異なる(病床が20床未満の診療所のほうが 自己負担額が安くなることが多い)
*大病院で検査が必要な場合は かかりつけ医に紹介状を書いてもらおう 紹介状なしで200床以上の「地域医療支援病院」を受診する場合 初診料に加えて「特別料金」が原則として7000円以上かかる 特別料金は 保険適用外で全額自己負担
 特別料金を支払う必要がある病院の対象には 200床以上の「紹介受診重点医療機関」(紹介患者の外来を基本とする病院)も今後加わる予定
「リフィル処方箋」(22年度導入)慢性疾患で症状が比較的安定している患者を対象に 一定期間内に最大3回まで反復して使用可(発行に別途費用は発生せず 2~3回目は受診する必要がないため 2回分の診療費が発生しない)


〇 受診する時間により「時間外加算」が請求される

「時間外加算額」 初診
再診
診療所の夜間・早朝 150円 150円
時間外(午前6~8時・午後6~10時) 255円
救急病院等は
690円
195円
救急病院等は
540円
休日 750円 570円
深夜(午後10時~午前6時) 1440円 1260円

・上図 受信者が6歳以上で自己負担3割の場合 時間外の範囲は医療機関によって異なる


〇 薬局の種類で「調剤基本料」は変わる

  調剤
基本料1
調剤
基本料2
調剤
基本料3
特別調剤
基本料
金額 126円 48~96円 78円 21円
該当する
薬局の例
地域の
個人経営
処方箋を扱う
大手ドラッグ
ストア
処方箋の数が一定
以上の門前薬局
(大手チェーン以外)
病院敷地内
の薬局

・上図 自己負担3割の場合 調剤基本料2は同一グループ薬局の処方箋受付回数などで異なる
□処方箋を受け付ける薬局で支払う主な費用

薬剤料 国の薬価基準で決まっている薬そのものの費用
調剤技術料 ・調剤基本料:調剤薬局を利用する基本料金
・薬剤調整料:薬をそろえ調合する費用
・各種加算料:錠剤を粉上にするなどの費用
薬学管理料 ・調剤管理料:処方箋が適切か判断する費用
・服薬管理指導料:患者が使ている薬の管理費用
*薬局や薬剤師にも「かかりつけ」の制度がある 薬代に「かかりつけ薬剤師指導料」が実質60~100円程度加算される
*かかりつけ薬剤師は 休日や夜間など薬局の開局時間外も電話で薬の使い方や副作用といった薬に関する相談に応じる
*「お薬手帳」を(かかりつけ)薬局に提示すると「服薬管理指導料」が安くなる 「お薬手帳アプリ」も一部を除き使える



・「お薬手帳」「ジェネリック医薬品」


□ お薬手帳
① 「保険薬局」での調剤の際に飲み合わせや服用量のチッェックができる「薬」の安全性が高まる
② 「副作用歴」やアレルギー・過去の病歴などがわかる「薬剤師さん」から適切な指導を受けられる
③ 旅行先などでの急病・不慮の事故などの場合 自分の「薬」の情報や病歴などを即座に理解してもらえる
「保険薬局」で 薬剤師が説明や指導をして薬剤服用歴に記入をする薬剤服用歴管理指導料が500円に設定されている「お薬手帳」を持参すると 120円安い380円になる(自己負担金額は1割負担の場合は10円 3割負担の場合で40円安くなる)
・最近は「お薬手帳アプリ」が使えるようになり さらに便利に

□ ジェネリック医薬品
「処方箋」に記載されている「薬」のなかで「ジェネリック医薬品への変更が可」と記載されているものは 薬剤師さんの説明を聞いて「ジェネリック医薬品」に変更をすることができる
「ジェネリック医薬品」とは「後発医薬品」のことで 新薬と呼ばれる「先発医薬品」の特許が切れた後に販売される有効成分や効き目が新薬と変わらない価格の安い「薬」の総称「新薬」と同じ効能で国が定める厳しい規制や基準をクリアして安全であることが認められないと 製造も販売も許されない「薬」

(2025年3月)「「高額療養費の見直し」の見送り」議論の中でこんな「社会保障改革案」が現実的に
→「医療費を年4兆円削減し 現役世代一人当たりの医療保険料負担を年6万円下げる」
社会保障改革 以下の4点が柱に(実現可能なものは 26年度から実行に移す)
(1)OTC類似薬の保険給付の在り方の見直し
 風邪薬などOTC(Over The Counter 医薬品:医師の処方箋なしでも調剤薬局やドラッグストアなどで購入できる医薬品のこと)類似薬を保険適用外とする
(2)応能負担の徹底
 所得が少なくても金融資産を多く持つ高齢者の保険料の自己負担比率の引き上げ(自己負担比率を1~2割から2~3割などに引き上げ)
(3)医療DXを通じた効率的で質の高い医療の実現
(4)医療介護産業の成長産業化


: 知り合いの夫婦の話ですが、ご主人が退職され国民健康保険に加入したのですが、翌年収入が 0(ゼロ)にも関わらず保険料納付額が40万円近くだったそうです こんなことがうちにも起こりますか?



A:「起こりえます」” 国民皆保険 ”の日本 退職後の健康保険加入の手続きは以下の6つがあります
・退職の翌日には、健康保険の資格を失ってしまう
会社都合で退職する場合は 国民健康保険の減免制度があり 健康保険の任意継続より負担が減る場合もある

① 国民健康保険に加入する 保険料の算出には、前年の所得を基にした「所得割額」、加入者全員が一定の金額を支払う「平均割額」、世帯あたりの国保加入者の人数に応じて均等に負担する「均等割」の3つを用いる 国民健康保険は扶養という仕組や保険料の最高限度額がないため支払う健康保険料が多くなる

②家族の健康保険に入る(被扶養者になる 保険料負担はゼロ 税金面でも扶養の仕組みがあり 配偶者控除等節税に)年収要件は原則130万円未満(60歳以上は180万円未満)、3親等内の家族であること かつ同居か別居かにより条件あり(要件は各健康保険組合等により異なる)
「同居・別居の場合の年収要件等」
・年収(これから先の年間見込み収入額)が健康保険の被保険者の原則1/2未満
・収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金が含まれる
・雇用保険の失業等給付の日額によっては被扶養者になれない
「別居の場合の年収要件等」
・収入を上回る仕送りを受けていなければ原則扶養に入ることはできない

③健康保険の任意継続をする

・健康保険の任意継続 メリット
〇 加入している健康保険を退職者の希望により最長2年間継続できる(今までと同じ給付内容)
〇 要件満たす家族は扶養家族の扱いに(保険料がかからない 国保よりも保険料が割安になる可能性)
〇 退職時の給与が月額27万円以上の場合、保険料は月額28万円(27~29万円)の水準で計算される保険料(最高限度額 月額27,888円(40歳以上の場合は32,312円)協会けんぽ東京支部の平成28年の額)で固定されるので割安
〇 2022年1月の改正により「任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を保険者に申し出た場合において、申し出が受理された日の属する月の末日が到来した時」が資格喪失事由に追加され 被保険者の申請により脱退できるようになった(「任意継続被保険者制度」改正前は 一度選択すると「国保に変えたい」「家族の扶養に入りたい」といった理由では脱退できなかった)

 

・健康保険の任意継続 デメリット
● 2ヶ月以上の加入歴、退職の翌日から20日以内の手続、最長で2年間と加入要件が厳しい
● 退職後の保険は全額を自分で負担(退職前:保険料は会社が半額負担)
● 保険料の滞納に厳しく、保険料を滞納すると即資格喪失に → 別の手続きを選択可
● 加入窓口が遠くとなり手続きに時間がかかる場合がある(退職後20日以内の手続き要件が厳しい)
● 退職後1年目の収入が低い場合、国保に比べ2年間同じ保険料が続く任意継続の方が割高となる可能性
保険料の決め方が変わる 従来は① 退職時の標準報酬月額 ② 全被保険者の平均の標準報酬月額 の低い方だが 22年からは健康組合では①のみとすることが可能に(加入する健保組合が新たな決め方を選べば 退職時の給料が高い任意継続被保険者の保険料はこれまでよりも上がることに)


④ 日を開けずに再就職し新たな会社の健康保険に加入する
・最長で後期高齢者医療制度に移行する75歳になるまで加入することができる
・健保では夫が被保険者を続ければ妻はその期間は被扶養者でいられるが 年金では妻が第3号でいられるのは妻が60歳になるまでか、夫が65歳になるまで
 そうなったら妻は第1号への種別変更をしなければならない(国民年金の保険料を納めなければならない)

⑤ 個人事業主でもOKという健康保険組合に加入する(個人事業主になった場合)

⑥ 75歳になるタイミングであれば後期高齢者医療制度に移行する


(ひとりの人が生まれてから亡くなるまでにかかる医療費「生涯医療費」(自己負担+医療保険)は、約2.600万円 その約半分は70歳以上の時期に占める(厚生労働省)  ただし、医療保険から7~9割が支払われ、さらに自己負担についても限度額を超えた分は「高額医療費」として保険から給付されるため、実際に支払う医療費はそれほど高額にはならない)

2025年12月07日

2023年01月05日

105. 保険を補完 2

 長寿化で医療費負担に対する不安が大きくなり 医療・がん保険に関心が高まっています 高齢期は一般的に病気やケガをしやすく 医療費に備えておきたいと考えるためです
 しかし「掛け過ぎ」には 注意が必要ですし 「やめ時」を考える事も大切です
 例えば 下記の表から 入院日数・世代別のがんにかかる確率・実質負担額等のデータを踏まえて総合的に判断することが大切です



「病気・ケガや万一の時の経済的影響は年齢とともに小さくなる」
 一方 保険料は 一般的に加入者の年齢が上がると高くなる


 ・「公的医療保険の手厚さ」については
 → ブログ「104. 保険を補完」をご覧ください

 ・「保険見直し」のポイントについては
  Q&A 「保険」の冒頭をご覧ください

 ・生命保険は いくら必要?





・上記出典:保険市場

選択例 医療保険の考え方・前提
加入継続 ・30代で終身型に加入済みで保険料が低い
・60歳等で保険料の払い込みが終了する
・がん保険などが特約で付いている場合(単独保険では 十分なものに入りにくい)
加入せず ・定期型の保障が切れ 新規契約は高額に(数倍になる場合も)健康状態によっては加入できないことも
・家計を圧迫するほどの金額なら 貯蓄に回し医療費に備える
・貯蓄が一定程度ある
・後期高齢者医療制度(年収によっては 自己負担が1割)さらに高額療養費制度(自己負担額に上限がある)で十分である
・保険料負担や貯蓄を考え「やめ時」と判断出来た場合
新規加入更新 ・公的医療補償外の費用(通院交通費や差額ベッド代等)がかさむ場合
・貯蓄が十分ではない
・「引受基準緩和型」「無選択型」「高齢でも加入できる医療保険(85歳まで契約できるタイプ等)」等に「何かあったときの安心料」として加入(保険料は高額)
・「先進医療特約」を目的に 医療保険に加入する
・例えば 先進医療と臓器移植に特化した医療保険「リンククロスコインズ」(保険料 月500円 SOMPOひまわり生命保険)に加入する


■ 最近の医療保険(主流の保障内容)

主契約および特約 ・主契約を単体の医療保険とするものが主流(以前は 特約が主流)
入院日数の保障 ・日帰り入院から保障
・入院の免責日数が短い(以前は4日免責で5日目からなどが主流)
・1入院の限度日数60日が主流(以前は180日型や120日型が多かった)
手術給付金の対象手術 ・公的医療保険制度が適用される手術約1.000種類(以前は約款所定の88種類または89種類が主流)
手術給付金の倍率 ・一律で10倍または20倍
・入院手術と外来手術で倍率を分ける
・複数のプランから選択
(以前は 手術ごとに 入院給付金日額の10倍 20倍 40倍など)
・手術により 入院給付金日額の50倍保障の商品も出てきている
先進医療 ・先進医療特約の付帯が一般的
・交通費や家族の滞在費保障を付加したり 別途一時金を支給するタイプも
(以前は適用されない )
三大疾病保障の対象と給付条件 ・三大疾病(がん 脳血管疾患 心疾患)の保障対象となる疾病の拡充や給付要件の緩和が進む(以前は 給付条件に 60日間の労働制限など)
・様々な特約などで保障を拡充できる
その他 ・患者申出療養制度や未知の医療制度にも対応する保険
・健康増進型の医療保険の進化(健康維持 予防・改善 セカンドオピニオンなどの付帯サービスの充実)
・引受基準緩和型の医療保険の進化(告知項目が多くて3項目 加入後一定期間 保障を半分にするなどから 初めから満額保障へ)
・通院治療への手厚い対応 退院給付 就業不能保障などの特約

■ 各種の共済や少額短期保険等 様々な選択肢があるが 険契約者保護の仕組みや生命保険料控除の適用の可否など 制度が保険会社(生損保)と異なる場合がある
■ 2012年1月1日以降の新契約の場合 第三分野の保険の契約は介護医療保険控除の対象となる
■ 高齢になれば 健康上あるいは経済的に加入できる医療保険の選択肢は狭まる 常に新しい医療保険に加入できるわけではない
■ 公的医療保険制度は改正が続いている(例えば 高額療養費制度の改正による所得区分の細分化 一定以上の所得のある75歳以上の窓口負担が2割に 等)既存の加入保険が 現在の医療や諸制度に合っているかどうか もし合っていなかったら どうカバーするかを考える必要もある


(高額療養費の対象は保険診療の範囲内 自由診療や先進医療の費用、患者が希望した場合の差額ベッド代、食事代は対象外 公的医療保険(社会保障制度)の手厚さを確認した上で、「民間保険」の利用で備えたい)
Q: JA共済・全労済・CO・OP共済、県民共済等の共済保険に「先進医療特約」を付けることはできますか? また、これからもずっと共済保険一本で大丈夫でしょうか?「先進医療特約」「先進医療保険」についても教えてください


  保険診療 治 験 先進医療 自由診療
費用
負担
保険適用 無料(交通費等支給) 自費+保険 全額自費
国の
審査
あり あり あり なし
医学的
有用性
×





■ 保険外併用療養費
 治療には 健康保険が適用される「保険診療」と 適用されない「保険外診療(自由診療)」があり 原則として保険外診療がある場合は医療費全額が自己負担になる ただし 一定の条件を満たす場合には「保険外併用療養費」とされ 保険適用の部分について保険の給付を受けることができる
・「評価療養」と「患者申出療養」は 将来的に保険適用するかどうかの評価を行う治療
「選定療養」は 保険適用を前提としない治療等
  先進医療 患者申出療養
開始時期 2006年10月 2016年4月
対象となる医療技術 81種類(23年10月1日現在) 11種類(23年8月1日現在
審査期間 3~6ヶ月 2~6週間
受けられる医療技術 (下表参照) (下表参照)
実施医療機関 定められた医療機関のみ リスクが低い治療法で さらに実績がある場合 身近な医療機関で受けられる
費用負担 検査・診察・入院など(保険適用)+先進医療(全額自己負担) 検査・診療・入院など(保険適用)+患者申出療養(全額自己負担)





・保険外診療(自由診療)
 治療として 国の承認を受けるための全段階を満たしておらず 有効性などが公的に確認されていないので「保険診療」として扱われない
  保険診療と厚生労働省が承認していない治療や薬を併用すると 公的医療保険による医療費負担は適用されず 治療費は全額自己負担



・先進医療(保険収載を前提とする)
 国が定める高度の医療技術を用いた療養のうち 公的医療保険の対象になっていないもの(評価療養のひとつ)(安全性と有効性が公的に確認されていない)
 一般的な保険診療を受けるなかで 患者が希望し 医師がその必要性と合理性を認めた場合に行われる
 併用する場合 先進医療部分は自費(高額療養費制度の対象外) 組み合わせる公的保険対象部分の自己負担は3割に抑えられる(保険外併用療養費制度のひとつ)
・厚生労働省 先進医療として 84技術を指定(2022年7月1日現在)「がんに関する技術が多い」(重粒子線(がん)治療など)公的保険対象技術より技術が上の「夢の治療」ではない(安全性と有効性が評価されれば 公的保険適用になる)
・先進医療の全てが 超高額ではない「30万円未満」が4割強
・19年度までは 白内障の治療技術「多焦点眼内レンズ」がかなりの比率を占めていたが 先進医療の対象から外れた(患者数や金額急減の大きな要因 上図)
● 先進医療の利用は 対象部位や患者の状態などが限られ 各技術とも厚労相が承認した医療機関でしか受診できない 医療機関1ヶ所だけの技術もある(遠地にあるため 通いきれないという問題もある) 
● 先進医療の技術は 一度指定されても その対象から外れることもある
・患者申出療養(保険収載を前提とする)
 患者さんの申出を起点とし 未承認薬等の使用について安全性有効性を一定程度確認しつつ できるだけ身近な医療機関で受けられるようにする制度 未承認薬等を迅速に「保険外併用療養費制度」として使用したいという困難な病気と闘う患者さんの思いに応えるもの

 「患者申出療養制度」(厚生労働省)をご覧ください

・混合治療(原則 認められていない)
 保険適用の保険診療と自由診療を併用し 保険診療部分は公的医療保険でまかない 対象外の診療は自己負担することですが 現在の医療保険制度では原則(例外あり)認められていない
 混合診療を認めてしまうと 所得により受ける医療に格差が生じ 平等な医療を受ける機会を保証した皆保険制度の主旨に反する

〇 保険診療のメリット
・健康保険が適用される(3割負担)さらに高額療養費制度により月の自己負担上限が決まっている
・基本的に どこの病院でも同じ治療が受けられる
● 保険診療のデメリット
・予防医療が出来ない
・混雑している病院が多い
・保険点数を上げることに躍起になる病院がある
・治療内容に制限がある


〇 自由診療のメリット
・予防に医療が使える
・治療法の選択肢が広がり 自分の体質や病気にあった治療を制限なく受けられる
・技術のレベルが高い
・ゆっくりとカウンセリングをしてもらえる
・最新技術を利用できる(例えば 国内未承認の抗がん剤など)
● 自由診療のデメリット
・病院によって料金が異なる
・全ての治療費が全額自己負担(高額療養費制度も適用外)
・自由診療を取り入れるだけで 本来 公的医療保険の適用だった治療もすべてが自己負担に
・最先端の医療なので 不測の事態が起きる可能性が否定できない



「共済」シンプルな補償を安く確保したい人には有力な選択肢


  共済 保険
監督官庁 厚生労働省や農林水産省など 金融庁
運営者 各種 生協や農協など 保険会社
加入できる人 組合員(出資金を払えばなれる) 制限なし
破綻時のセーフティーネット
ない 保険契約者保護機構による資金援助など
商品 基本的な補償で掛け捨ての商品が主力 基本的な掛け捨ての商品から貯蓄性のある商品など幅広い
特色 ・運営者が非営利 「割戻金」あり
・年齢で掛け金に差がない
 


4大共済(商品一例) 掛け金 先進医療 加入/保障
全労済
総合タイプ
1800円    
COOP共済
V2000円コース
2000円    
県民共済
総合保障2型
2000円    
JA共済 (様々)    

・詳しくは 各共済のサイトへ
  「たすけあいの輪をむすぶ こくみん共済」(こくみん共済(全労済))
  「わたしと、コープ共済。」(CO・OP共済)
  「約束に、まっすぐ。都道府県民共済」(全国生活協同組合連合会)
  「「ひとに関する保障」JA共済」(JA共済)

(人生の3大支出 住宅資金・教育資金・老後資金に次ぎ 支出が多いのが「保険」という家庭も結構多い 
 例えば 年間払い込み保険料を30万円 払込期間50年間 とすると
 30万円 X 50年間 = 1500万円 結構な金額に 「保険」に対する考え方は人それぞれではありますが・・・
 「保険は万が一の備え」ですし「貯蓄は三角 保険は四角」とも言われます しかし 過剰な保険契約が家計を圧迫しては 本末転倒「「公的保険」の手厚さを 知らないことで 必要以上の民間保険に加入してしまうことがないように注意しましょう」(金融庁)とも言われます

 ずっと「県民共済 総合タイプ 掛け金 2000円 / 月(割戻金あり)」の一本だという人も多くいそうです しかし この保険は 65歳になると 熟年2型に自動移行され 保障は ガクッと下がる(保障は85歳まで もちろん払い込みも85歳まで)どうしたもんだろうと考えるかもしれませんが・・・まあ その時の判断で

 ある局のある番組の街頭インタビューから「給料は信じられないぐらい上がらない 年金保険も怪しくて自分の老後は想像できてない 物価高で昼定食もおかずが減った いろいろで仕事も生活も満足できてない コロナで酒もいまいち サッカーも あと一歩♪♪」と 酒宴の後だったか?


2025年11月30日

2022年12月29日

104. 保険を補完


Q:医療保険・年金保険・介護保険・労災保険・雇用保険等の「社会保険制度」が様々用意されている中で、各種保険会社の「民間保険」に入らなければいけませんか?また、それはどんな場合に必要ですか?
Q: 「高額療養費制度」「高額介護サービス費制度」「高額介護合算療養費制度」について詳しく教えてほしい また、「世帯合算」「多数回該当」「限度額適用認定証」についても教えてほしい

医療保険 「高額療養費制度」「高額介護合算療養費制度」「(健康保険の)傷病手当金・出産手当金・出産育児一時金」
国民年金 「障害基礎年金」「遺族基礎年金」「寡婦年金」「死亡一時金」
厚生年金 「障害厚生年金」「遺族厚生年金」「(遺族厚生年金の)中高齢の寡婦加算・経過的寡婦加算」
介護保険 「高額介護サービス費制度」「高額介護合算療養費制度」
労災保険 「休業補償給付」「障害補償年金」「遺族補償年金」
雇用保険 「失業手当」「高年齢求職者給付金」「高年齢雇用継続給付」「育児休業給付金」「介護休業給付金」「(各種)教育訓練給付金」



〇 リスク等に対する公的保険の保障内容

リスク等 会社員・公務員
(厚生年金・健康保険加入者)
病気・ケガ ・療養の給付、高額療養費・家族療養費、出産手当金、傷病手当金(扶養家族は対象外)など、加入する健康保険によっては付加給付も
・医療費助成制度 / 子ども医療費助成制度、指定難病医療費助成制度など
業務上・通勤途上の病気・ケガ ・労災保険に該当時:療養(補償)給付、休業(補償)給付など
障害 ・障害等級1~2級のとき / 障害厚生年金+障害基礎年金
・3級の時 / 障害厚生年金
・3級より軽症 / 障害手当金
・労災保険に該当時 / 障害(補償)年金など
介護・認知症 ・公的介護保険サービスの給付、高額介護サービス費の給付、高額医療 高額介護合算療養費制度による給付
失業・休業 ・雇用保険より / 失業等給付の基本手当、再就職手当、教育訓練給付金、育児休業給付金、介護休業給付金など
死亡 ・子どもがいる配偶者(*)/ 遺族厚生年金+遺族基礎年金
・それ以外 / 遺族厚生年金、中高齢寡婦加算
・労災保険に該当時 / 遺族補償給付、葬祭料 葬祭給付
老後 ・老齢厚生年金+老齢基礎年金
出産 育児・介護 ・出産育児一時金+出産手当金
・育児休業給付金
・介護休業給付金

(*)子どもは18歳到達年度の末日まで 障害等級1級・2級の障害状態にある子どもは20歳未満まで


〇 リスク等に対する公的保険の保障内容

リスク等 自営業者など
(国民年金第1号被保険者・国民健康保険加入者)
病気・ケガ ・療養の給付、高額療養費など
・医療費助成制度/ 子ども医療費助成制度、指定難病医療費助成制度など
業務上・通勤途上の病気・ケガ ー(特別加入を除く)
障害 ・障害等級1~2級のとき / 障害基礎年金
介護・認知症 ・公的介護保険サービスの給付、高額介護サービス費の給付、高額医療 高額介護合算療養費制度による給付
失業・休業
死亡 ・子どもがいる配偶者 子ども(*)/ 遺族基礎年金(**)
・それ以外 / 死亡一時金(22万円)、寡婦年金(婚姻10年未満ではなし)
・国民健康保険より / 葬祭費(5~7万円程度)
老後 ・老齢基礎年金(過去に厚生年金加入期間があれば その分の老齢厚生年金も)
出産 育児・介護 ・出産育児一時金

(*)子どもは18歳到達年度の末日まで 障害等級1級・2級の障害状態にある子どもは20歳未満まで
(**)自営業者でも老齢厚生年金の受給資格者(25年以上加入)の死亡では 遺族厚生年金が支給される


民間保険 =「公的保険を補完するもの」(国の位置付け)


 「民間保険に加入する際には、加入者自身が自分のライフプランやリスクを理解したうえで、過不足なく保険を選ぶことが重要です。その際、日本では公的保険制度が充実していますから、自分が抱えるリスクについて公的保険制度でカバーできる範囲をきちんと理解したうえで、どの程度の保障が必要かを検討する必要があります」(金融庁)

(2021年12月28日)金融庁 生保販売で「公的保険説明を」との新指針
 金融庁は生命保険の販売時に年金や健康保険といった公的保険制度について顧客に適切に情報提供するよう生保会社に求める。28日に生保の営業手法に関する監督指針を改正した。生保各社へのモニタリングも強化し、問題があれば是正を求める。顧客の不安心理をあおって加入させる「過剰契約」を防ぐ狙い

 「公的保険について~民間保険加入のご検討にあたって~」(金融庁)
 「遺族保障ガイド 万一に備える生命保険活用術」(生命保険文化センター)

 「働けなくなった時の公的補償等」については
 → ブログ「099. 働けないリスク」をご覧ください

リスク 公的保険制度(例) 民間保険(例)
ケガ・病気 公的医療保険(健康保険 後期高齢者医療制度 高額療養費制度 傷病手当金)
医療費助成制度(子ども医療費助成制度 指定難病医療費助成制度 等)
傷害保険
医療保険
がん保険 等
業務上・通勤途上のケガ・病気 労災保険 労働災害総合保険 等
老齢 公的年金(老齢年金) 個人年金保険 等
死亡 公的年金(医療年金) 死亡保険(終身・養老・定期)等
介護・認知症 公的年金(障害年金) 公的介護保険 等 介護保険
認知症保険 等
障害 公的年金(障害年金)自立支援医療 障害福祉サービス 身体障碍保険
所得補償保険
就業不能保障保険 等
失業 雇用保険



(高額療養費の対象は保険診療の範囲内 自由診療や先進医療の費用、患者が希望した場合の差額ベッド代、食事代は対象外 公的医療保険(社会保障制度)の手厚さを確認した上で、「民間保険」の利用で備えたい
 「公的保険の内容が 国民にしっかり理解されているわけではない、という問題意識が以前からあった」(金融庁)という 「公的保険」の手厚さを 知らないことで 必要以上の民間保険に加入してしまうことがないように注意しましょう
 なお「公的医療保険制度」は 2年ごとに改正されています)

 → ブログ 「106. 保険を補完3 」もご覧ください

■ 万一の時の必要保証額の算出例

支出見込額 ・遺族の基本生活費
・住居費用(固定資産税 火災/地震保険料 リフォーム代 又は家賃/更新料など)
・子供の教育費
・子供の結婚資金
・自分の介護費用
・自分の葬儀費用
・負債の精算費用
・相続費用 相続税
-(マイナス)
収入見込額 ・公的保証(遺族年金 老齢年金 児童手当など)
・企業保障(死亡退職金 弔慰金など)
・自己資産(預貯金 有価証券 売却可能資産など)
・遺族の就労収入
=(イコール)
必要保証額 ・支出見込み額 - 収入見込み額 = 民間の死亡保険で備える分


「少子高齢化」が深刻な状況にある日本ですが(社会保険制度を 持続可能なものにするため 様々な制度改革が行われている)なお なお 日本の 社会保険制度 は手厚いとされる 


・健康保険や育児・介護休業に関する2022年の制度改正

1月 〇 傷病手当金の支給期間 ・支給日から1年6ヶ月を通算で1年6ヶ月に
1月 〇 任意継続被保険者制度 ・2年未満の脱退が可能に
・保険料の算定方法見直し(健保組合のみ)
1月 〇 雇用保険マルチジョブホルダー制度 ・65歳以上は2事業所で条件を満たせば雇用保険に加入
4月 〇 有期雇用者の育児・介護休業取得 ・同一事業主に1年以上継続雇用という要件撤廃
4月 〇 不妊治療の保険適用 ・体外受精などの基本治療はすべて保険適用に
4月 〇 先進医療の保険拡大 ・がんに関する先進医療で 陽子線治療・重粒子線治療の健康保険の適用範囲が拡大
10月 〇 育児休業中の社会保険料の免除 ・月末時点の取得だけでなく 月中でも2週間以上の取得で対象
・賞与保険料免除は1ヶ月超の取得者に限定
10月 〇 出生時育児休業(産後パパ育休) ・子の出生後8週間以内に4週間まで取得
・分割して2回取得も可
10月 〇 育児休業 ・分割して2回取得可能に
10月 〇 75歳以上の自己負担 ・年収が一定額以上の場合は2割負担になる



Q不妊治療・不育治療の保険適用・助成制度について教えてください


・こちらも参考に  「不妊に悩む夫婦への支援について」(厚生労働省」









■ 新たに保険適用となった治療

一般不妊治療 タイミング法 人工授精
生殖補助医療* 採卵 採精 体外受精 顕微受精 受精卵・胚培養 胚凍結保存 胚移植

*2022年3月までは 助成金の対象 助成金事業では「特定不妊治療」という名称を使用

「不妊治療の保険適用拡大」等
・人工授精や体外受精 / 顕微受精の基本的な治療が保険適用に
 体外受精の保険適用の条件は 原則女性が43歳未満の場合
 40歳未満は 1子ごとに6回 40歳以上は 1子ごとに3回という回数の制限がある(制限回数を超えた治療は保険適用外)
 年齢や回数に制限があるのは 生殖補助医療(体外受精や顕微受精等)のみで 一般不妊治療(タイミング法や人工授精)には 年齢・回数の制限はない また 男性には 年齢・回数の制限はない

・不妊治療の内容は 人により異なり 保険対象とならない治療も多い
 保険内の治療で成功しなかった場合に 保険適用外の治療に取り組むことも多い
 「先進医療」として認められた治療は 保険適用分に先進医療の治療費を上乗せできる
 保険診療でも先進医療でもない治療(例えば 着床前診断(流産を防ぐため受精卵の異常を調べる検査))を取り入れると一連の治療費は全額自己負担に
 「若い患者の大半の治療は保険診療と先進医療で対応できる」「治療開始が早いほど(若いほど)妊娠しやすい」

・保険適用前は 「特定不妊治療」と呼ばれる体外受精や顕微授精を対象に 1回15万円(初回は30万円)の国の助成制度があったが 3月末で終了
 地方自治体では 独自の助成を設ける動きがある(保険適用前から 金額や回数を上乗せしていた自治体もあった)
卵子凍結 ・保険適用外で全額自己負担
・費用は 医療機関により異なるが20~60万円さらに年数万円の保管料が必要
・費用助成制度のある自治体もある
医療保険 ・不妊治療が公的保険の対象となったことから 手術給付金の支払い対象になるケースが増えた(先進医療特約の支払い対象になる場合も)
・不妊治療への給付は 保険加入後2年間の免責期間が設けられているのが一般的
経済的負担 ・保険適用により負担が減る人がいる一方 先進医療との併用や年齢や回数制限などによる保険外適用により かえって負担が多くなった人も多い

 
「先進医療」「自由診療」等については
 → ブログ「105. 保険を補完 2」をご覧ください







・(2025年9月18日)厚生労働省の専門部会 勃起不全(ED)治療薬「シアリス」(一般名・タダラフィル)について 医師の処方箋なしで薬局で購入できる市販化を了承 薬剤師による対面販売が必要な「要指導医薬品」に指定(ED治療薬の市販化は国内初)

 製造販売のエスエス製薬(東京都)によると「性行為に十分な勃起とその維持ができない症状のある男性が対象 通常は成人が性行為の約1時間前に1錠(10ミリグラム)服用する 他の薬と「併用禁忌」があり 心血管障害などがある人は使えない 中枢神経には作用せず 催淫(さいいん)剤または性欲増進剤ではない」(国内では2022年4月から、男性不妊の治療目的で要件を満たした処方のみ保険適用となっている)

 日本性機能学会が国内の20~70代を対象に実施した23年の調査では「ED患者は1400万人で約3人に1人と推定される。羞恥心などを理由に約8割は未受診という」 14年度の厚生労働科学研究の報告によると、個人輸入代行サイトで販売されていたタダラフィルの約7割が模造品で健康被害も出ていた

・上記出典:毎日新聞

(ところで こんなニュースがありました 厚生労働省が12月20日発表した人口動態統計(速報値)によると「・・・・このままのペースで推移すれば、今年(2022年)の出生数は統計を取り始めた1899年以降 初めて80万人を割る見通し・・・」 街頭インタビューでは こんな声も「子ども(を持つの)は 贅沢(な事)だ」と)



  2022年 2023年 2024年
合計特殊出生率 1.26 1.20 1.15
出生数 770.747人 727.277人 686.061人
婚姻数 504.878件 474.717件 485.063件


*合計特殊出生率(1人の女性(15~49歳)が生涯に産む見込みの子どもの数 1.15で過去最低)は 既婚者に限ると 1.9とされる(出生数が減るのは婚姻数が減ったからに尽きると)

2025年09月18日

2022年12月22日

103. 事故・保険・賠償

自転車 bicycle 事故






■ 改正道路交通法(2024年11月1日施行)
 自転車のスマホ・酒気帯び が 罰則強化されます


■ 反則切符制度(青切符制度)(2026年4月01日)導入




・自転車保険の主な補償
〇 自身のケガによる入院や死亡時の補償(傷害保険)
〇 相手のケガや損害に対する補償(個人賠償責任補償)
〇 相手側との交渉を保険会社が代行(示談交渉サービス)
主な自転車保険 保険料(1年) 個人賠償責任補償 特徴
自動車ライフ安心保険 1200円(*) 1億円(自転車事故のみ) LINEで手続き
サイクルアシスト 3000円 1億円 楽天ポイントで支払い可能
Bycle 3790円 2億円(本人のみ) 故障した自転車の搬送サービス付き
ネットde保険@さいくる 3990円 3億円 医療や介護などについて電話相談サービス付き

 



■ 自動車の人身傷害(補償)保険
 契約車両に搭乗中に死傷した場合 示談を待たずに相手との過失割合に関係なく相手の過失分も含めて契約金額を上限に補償するのが特徴(自動車保険の傷害について中心的な役割を果たす)
 商品によっては ①自転車搭乗中の自動車事故を補償 ②交通乗用具事故特約等の付帯で自転車搭乗中の事故や歩行中に自転車にひかれた事故まで補償するものがある(しかし 自転車事故に対応する保険会社は少ない)既契約の自動車保険にこれらの補償がない場合は 自転車保険への加入を検討したい

② ヘルメット努力義務化

 2023年4月1日から法改正により、自転車に乗る際のヘルメット着用が努力義務に



③ 3人乗り自転車






□ 電動キックボード(特定小型原動機付自転車)



・電動キックボード等に「特定小型原付」区分が新設 免許不要・ヘルメットは努力義務に(改正道路交通法2023年7月1日施行)
・「特定小型原付」
 自転車保険や個人賠償責任保険の補償対象にならない 自動車保険のファミリーバイク特約などに加入することが必要に

□ モペット(ペダル付き原動機付自転車)




□ 電動三輪 (二人乗り 三人乗り)




□ もらい事故(0 対10)


● 保険契約者に過失がまったくなければ(過失割合ゼロ)事故の相手に払う賠償額がない 保険会社は保険金を払わず 弁護士法の制約で示談交渉を代行できない
● 相手にケガなどをさせるなどして「自動車運転過失致死傷罪」に問われると 保険会社は相手に賠償額の保険金を払うが 罪に問われた契約者の弁護まではできない
〇 加害者の保険会社としては 訴訟になれば賠償額が上がる可能性が高い・訴訟費用もかかる 弁護士は 示談交渉をまとめようと 訴訟になった場合に想定されるのと同程度の賠償額を提示する(被害者側は 弁護士費用を支払っても 得られる金額が大きくなることが多い)


→ 弁護士費用保険を付けることは大切
 ・火災保険や自動車保険の特約(重複には気を付けたい 基本的に片方からしか保険金は出ない)や単体保険(少額短期保険会社等)がある






・過失割合が 0 対10 のもらい事故では 上記の損害に関わる損害賠償金を100%請求できる

〇「休業補償」(「休業損害」いわゆる「休業補償」)
・相手の「対人賠償保険」から補償される 相手方が加入している保険の約款によるが 例として「日給相当額」の90日分を上限とする」とか・・・ 
・その際に 相手方(相手方の弁護士)は その事故が「労災」に当たるのか?また その事故で「有給休暇」を取るか?取らないか?で 補償額を減額しようとしてくる(補償日数を削減してこようとする)(そのような細則は 一般的な約款にはない)その事故に関わる交渉内容によるケースバイケースとなる
 「過失割合 0」の場合 その交渉は 自分でやらなければならない(保険会社は 交渉してくれない アドバイスは得られる)相手は 補償額を少しでも減額しようとしてくる弁護士等である 逸失利益を減額しようともする(こんな時です 弁護士費用特約の必要を感じるのは 大切なことです)
・「休業補償」といえば 労災保険の「休業補償」が 思い浮かぶが それとはまったくの別物

□ 高齢ドライバー暴走事故


 

・2019年4月19日「池袋暴走事故」 飯塚幸三(当時87歳)の運転していた車が暴走 母娘2人が死亡 飯塚と同乗者(妻)を含む10人が重軽傷を負った
 この事故は 高齢ドライバーの事故対策に対する社会の関心を高めるきっかけとなり 高齢者の運転免許証の自主返納が増加したとされる また本事故などを契機に 高齢ドライバーの事故対策に関する議論や法整備も進められている






・令和4年(2022)5月13日施行「道路交通法一部改正」
一定の違反歴」がある75歳以上のドライバー
「運転技能検査」(実車)の義務化

● 合格しないと「免許更新」出来ません
● 合格するまで何回でも受験できます (手数料は 3550円/1回)

 
→ 詳しくは ブログ「016. エコドライブ」をご覧ください



□ 個人賠償責任補償 ~ 認知症の事故に備える


・2007年の「認知症高齢者列車事故」(鉄道会社は振替乗車にかかる費用などを損害として 遺族に対し 約720万円の損害賠償請求)を機に 保険の対象が広がった


・この事故では「家族に賠償責任はない」とされたが どんな場合にも家族に責任はないと判断されるわけではない 認知症による事故で家族が賠償責任を負う可能性がないとはいえない

→ 民間損保の「個人賠償責任補償保険」などに加入するのも選択肢の一つ
・認知症事故の場合 本人や家族に代わり保険会社に交渉を任せられる
・複数の保険商品に加入しても 賠償額を超える保険金を受け取ることは出来ない 補償対象が認知症を考慮しているかもよく確認し 加入したい
・「個人賠償責任補償保険」は 自動車保険や火災保険などの付帯保険となっている場合が多い 自動車を運転しなくなったり 賃貸住宅に住んでいたりすると加入の機会が多くないので注意したい

・自治体が認知症高齢者向けの補償制度を扱っているいるケースも多い


・こちらも参考に
 →「精神疾患・認知症などのための保険」(全国地域生活支援機構「JLSA」

・「2022年 1年間の認知症の行方不明者が1万8709人 10年でほぼ倍増 行方不明者の総数は2年連続増加」
 77.5%が届け出を受理した当日に、99.6%が受理から1週間以内に所在が確認されている



「行方のわからない認知症高齢者等をお探しの方へ」(身元不明の認知症高齢者等に関する特設サイト)(厚生労働省)

2025年9月07日

2022年12月15日

102. 災害補償


・台風や暴風雨などで床上浸水した 土砂崩れで家が壊れた 川の氾濫で家が流された・・
 大雨による住宅の被害は 主に「火災保険」に付帯する「水災補償」の対象となる
  一般的な「水災保障」の補償範囲
対象 台風・豪雨が原因の洪水 土砂崩れ 落石などによる建物や家財への損害
補償対象となる基準(いずれかを満たすことが必要
・床上浸水
・地盤面から45cmを超える浸水(*1)
・再調達価格(同等のものを買い直す際の費用)の30%以上の損害
対象外 ・地震によって発生した津波による損害(*2)
・地震によって発生した火災(*2)
・水道管の破裂など給排水設備の事故により発生した損害(*3)
・降雪により雪の重みで発生した損害(*4)

(*1)床上浸水とは 居住の用に供する部分の床(畳敷または板張等のものをいい 土間・たたきの類を除く)を超える浸水のこと
(*2)別途 地震保険で補償される
(*3)火災保険の「水災」と混同されがちなのが「水ぬれ」による損害 給排水設備の破損や詰まりなどの事故による漏水や マンションの上の階からの漏水で建物や家財が損害を受けたような場合は「漏水」「水ぬれ」の補償の対象
(*4)「雪害」の補償の対象
*強風で窓ガラスが割れたり 落雷による過電流で家電製品が壊れたりしたときは 原則「風災」「落雷の被害」として扱われるため 浸水の程度などとは関係なく補償の対象


  「火災保険」の補償範囲(水災(上図)以外)
火災 ・火災(失火・延焼(隣家からのもらい火)・ボヤ)等による建物や家財の被害
・落雷による家屋の損傷または火災による建物や家財の被害 過電流等による電化製品の被害
・ガス漏れ等による破裂や爆発による被害
漏水
水濡
・給排水設備の破損や詰まりなどの事故による漏水や マンションの上の階からの漏水による被害
風災
雹災
雪災
・強風(台風 竜巻 暴風)などで屋根の瓦が飛んだ等の被害
・風で飛んできたモノや雹 雪崩などによる建物の被害 被害箇所からの雨などの侵入による家具等の被害
*経年劣化が原因の融雪水の漏入もしくは凍結 融雪洪水 または除雪作業中の事故等は除く
盗難 ・空き巣に入られ 窓ガラスやドアを壊された 家財を盗まれた等の被害
・労働争議 デモ行進等の集団による破壊行為
事故 ・建物の外部からの物体の落下 衝突による被害
・偶然の破損事故 うっかり窓ガラスを割ってしまった うっかりテレビを落とし壊してしまった等
*事故の原因が 法令違反・故意・重大な過失(重過失)の場合は補償されない

*「火災保険はどの商品を選んでも大差ないと考えがちだが 免責の有無や事故発生時の原因調査費がカバーされるかなど 細かい違いがある」




被災したら 「水災」保険手続き

連絡
報告
・保険代理店か保険会社に連絡
 日時 場所 損害の状況

案内
書類
・保険金の請求に必要な書類などについての案内が送られてくる
・保険証書で(手元になくても)契約を確認し 手続きへ

書類

送付
・保険会社が指定する書式の請求書
・被害状況の写真 片付けや修理の前に被災状況を示す写真をとる(浸水の痕の高さが分かるように 水につかった家具や衣類そのままに 近影と全体写真があればベター)
・損害を証明するための修理業者による見積書

立ち
合い
・保険会社の立ち合いによる現地の被害状況の確認や調査

支払
・契約時に定めた 自己負担額を引いた金額が保険金として支払われる
・商品や契約によっては一定額以下の損害は補償しないことがある 経年劣化で壊れた部分の修理代も対象外

「結局 いくら支払われるの?」

・災害があった際には 「建物評価額」を基にして支払われる保険金額が決定する
・「建物評価額」には 「新価(再調達価格)」と「時価」2つの考え方がある(契約による)
・保険金の支払い方法も「実損払い」(実際の損害額を支払う)と「定率払(水災縮小支払特約付帯の場合など)」(あらかじめ決めてある割合で支払う)の2種類があるがある
  「定率払い」は 保険料を抑えることができるが 損害割合に応じた所定の比率での支払いのため 被災住居の再建はままならない
・現在の火災保険の主流は 支払基準を満たしたら免責金額(自己負担額)を除いた実損額が保険金として支払われる「実損払い」 しかし 1998年の保険料率自由化前に契約した火災保険など 昔に契約した火災保険のまま見直していない場合や 最近の火災保険でも特約によって保険金の支払額を縮小している場合は 最大でも損害額の70%までしか支払われないこともある この場合も再建はままならない

「新価(評価)」のメリット
〇 「新価」とは 保険の対象の建物と同等の建物を 改めて建て直したり 購入したりするために必要な金額(再調達価格)
〇 例えば 10年前に購入した1000万円の新築物件が 物価の上昇等により 同等の物件を入手するのに今では2000万円が必要になった場合 これが火災により全焼してしまったら 2000万円を受け取れる
〇 いざという時の備えとして「新価」による評価 さらに「実損払い」が 現在では主流
「新価(評価)」のデメリット
● 「時価(評価)」よりも 保険料が高くなる
● 「被災時に物件を再評価する」という契約内容の場合 契約時の保険金額より少なくなる場合もある(支払った保険料が無駄になる)
「時価(評価)」のメリット
〇 「時価」とは 新価の額から経年劣化等を経て消耗した分を引いた金額
〇 「新価(評価)」よりも保険料が安くすむ
「時価(評価)」のデメリット
● 例えば 10年前に購入した1000万円の新築物件が 物価の上昇等により 同等の物件を入手するのに今では2000万円が必要になった場合 これが火災により全焼してしまったら 2000万円から 500万円(消耗したと判断された場合)を差し引かれた1500万円が 支払われる(いざというときに 保険で賄えない)
● 古い長期契約の場合(特に 1998年の保険料率の自由化前の契約では)「時価(評価)」の契約となっている場合が多い
● (2022年10月以降は 火災保険は最長で5年までしか長期契約を結べなくなった)それ以前は 10年または36年の長期契約が可能だった
● 「時価」での「全部保険」(建物評価額と同額で契約すること)の場合 いざというときは経年変化による価値の減少と消耗分が差し引かれ支払われるため 余分な保険料を支払うことに(特に長期の場合は その額が大きくなる)
● 「時価」での「一部保険」(保険金額が 建物評価額より少ないこと)の場合 その契約が「比例填補方式(*)」となっている場合がある(受け取れる保険金が大幅に少なくなる 古い火災保険契約では 多くある)



超過保険 保険金額>保険価額 利得禁止の原則から 超過部分は無効とされる
一部保険 保険金額<保険価額 保険金は「比例填補方式」によって計算される
全部保険 保険金額=保険価額 実際の損害額全額が保険金として支払われる(実損填補)


「比例填補方式(*)」
 保険会社が 保険金額の保険価額に対する割合をもって損害をてん補すること
  例えば保険価額1,000万円の建物に 保険金額500万円で火災保険に加入すると 事故時に500万円の損害が発生したとしても 比例てん補で250万円しか支払われないことに
(下図参照 下図は保険価額2500万円の場合)

・上記出典:お寺の安心保険



*火災保険の請求期限は被災から原則3年(保険金の請求は修理の後でも可)必要な書類や被害の証拠写真は保険金の請求には欠かせないため大切に保存しておくこと
*保険料を抑えるため 火災保険の契約の際に水災補償を外す場合があるが ハザードマップ等で自宅周辺の「危険度」をよく調べたうえで よく考えたい


ハザード
マップ
の種類
表示する内容例
洪水 降雨で河川が氾濫した場合の浸水想定区域
内水 大雨などで下水道の能力を超えて排水できない場合の浸水想定区域
高潮 台風など低気圧による海水面上昇での浸水想定区域
津波 津波が押し寄せた時に浸水が想定される区域
土砂災害 大雨や台風による崖崩れや土石流 地滑りの危険がある「土砂災害警戒区域」と「土砂災害特別警戒区域」
地震 地震時の揺れやすさや建物倒壊 火災延焼の危険性
火山 噴石や火砕流 火山灰 溶岩流などが及ぶと想定される範囲

・こちらをご覧ください
  「ハザードマップポータルサイト」
 → ブログ「024. キキクル」もご覧ください


● 損害保険大手4社 家具や家電などの損害を補償する火災保険の家財補償について 契約者の自己負担額の一部を大幅に(最低5万円に)引き上げる(2022年10月の契約分から)
 被害額が自己負担額を下回る場合は補償対象にならない(ただ、火災や台風などの災害による被害は除く)契約者の負担は増える

・上図出典:yahoo!ニュース


家財として認められるもの 家財として認められないもの
・箪笥 机 椅子 ソファー等の家具
・冷蔵庫 洗濯機 パソコン TV エアコン等の家電
・食器 衣類 寝具等
・敷地内にある自転車
・建物の外に持ち出した家具
・業務に使用する動産(什器 商品など)
・自動車 自動二輪等
・スマホ タブレット等
火災保険の対象となる損傷 火災保険の対象とならない損傷
・近隣の電柱への落雷による電化製品の故障
・強風による窓ガラスの破損に伴う家具 家電の破損
・給排水管の破損による家具 家電の水濡れ
・子供が遊んでいて不注意による破損
・誤って掃除機で異物を吸引したことによる破損
・経年劣化 自然消耗による損傷
・平常時の使用により生じた損傷
・ペットによる損傷
・地震 噴火 津波による損傷


火災保険 「参考純率」引き上げ
過去6年間で4回目 引き上げ率は過去最高(24年度の保険料は 10年前の約1.4倍に)
・背景① 自然災害リスクの増加 背景② 住宅全体のうち 古い物件の占める割合の増加(電気や給排水設備などの老朽化を原因とする火災や水漏れのリスクが高い また 自然災害に対し損壊リスクも高い)
・火災保険に付帯する水災保険について 市区町村別に水災リスクの大きさを5段階に分け 保険料率に差を付ける方式が盛り込まれた

〇 自分の住む市区町村がどの区分になるかは こちらをご覧ください
 「水災等地検索システム」(損害保険料率算出機構
〇 保険料をできるだけ抑えるには
・5年の長期契約で保険料を一括払い
・家族構成の変化などで家財補償額を見直す
・ネット系や火災共済も含め複数の保険会社から見積もり
・数万~20万円程度の免責額(自己負担額)を設定や割引制度の活用
・水災リスクが明らかに低い場合は水災保険を外すことも
〇 数年の間で 火災・地震保険ともに改正が続いたため 改定直前に見直しをして長期契約している場合も多い この場合 満期後に契約更新または新規で契約すると 影響が大きいこともあるので注意

・(9月01日)100年前(1923年)のこの日、11時58分32秒 大正関東地震(M7.9)により「関東大震災」発生 190万人が被災 10.5万人が死亡または行方不明 建物全壊10.9万棟 全焼21.2万棟



 地震保険は単独で加入することはできず 火災保険とセットで加入する(「後付け」はいつでも可 保険金は火災保険の契約額の30~50%に設定)通常の火災保険は地震による揺れや津波 火災の被害を補償しないが 地震保険がカバーする(少額短期保険会社の火災保険は 地震保険は付けられない)
 民間だけでは地震による被害のリスクを負いきれず 国が再保険を通じて共同で運営するため 度の損害保険会社で加入しても内容は同じ
 「地震保険は生活再建のために加入するもの」大地震の影響は長期に及ぶ 保険金があれば 家を直せなくても生活再建につながる



〇 地震保険の概要

  建物 家財
補償対象 〇 居住用建物
X 工場事務所専用建物など非居住用
〇 生活用家財
X 1個または1組の価値が30万円を超える貴金属や骨とう品など
保険金額 火災保険金額の30~50%で5.000万円が限度 火災保険金額の30~50%で任意
1.000万円が限度
保険金額 地域や建物の構造などにより異なる 同左
保険料の割引 (*下記参照) (*下記参照)
保険期間 最長5年 最長5年

*保険料の割引(建物 家財共)
・免責建築物割引 耐震等級割引 耐震診断割引 建築年割引があり 割引率は最大50% これらの適用を受けるためには「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく「耐震性能評価書」、公的機関等により作成された書類の写しなど 割引対象に該当することを確認するための一定の書類等が必要
・「長期契約」割引 改定で長期契約は最長でも5年間となり 5年契約の割引率が 7%から6%に変更になった



□ 台風や地震等で被災した場合 まず おこなっておきたいのが「罹災証明書」の申請


・災害発生後に利用できる主な制度と時期の例

利用時期(例) 制度 手続きや支援内容
発生後1ヶ月 火災保険 ・損害調査から1~2週間で支払い
・損害の程度に応じ保険金支払い
罹災証明書 ・公的支援策の利用で必要
・発生1~週間後から申請受付
1ヶ月~6か月 住宅の応急支援制度 ・修理完了期限は原則3ヶ月 大規模災害は6か月以内
・準半壊は34.3万円以内 半壊~大規模半壊は70.6万円以内
被災者生活再建支援制度
基礎支援金
・申請から平均1ヶ月半~2ヶ月で支給
・住宅の被害程度に応じ50万~100万円
6か月以降 災害弔慰金
災害障害見舞金
・弔慰金は生計維持者の遺族に500万円 それ以外の遺族に250万
・見舞金は重度の障害を負った生計維持者に250万円 それ以外の人は人に125万
被災者生活再建支援制度
加算支援金
・申請期限は原則37ヶ月以内
・住宅の再建方法に応じ25万~200万円
その他の諸制度 内容等 問い合わせ先
生活福祉資金(緊急小口資金) 当面の生活資金の貸付
・10万円以内(無利子)
・2ヶ月据え置き後 1年以内に返済
社会福祉協議会
税金・社会保障の納期の延長・減免 ・一時的に納付できないと認められる場合 期間の延長や減額
・所得税も確定申告により 雑損控除または災害減免法による軽減や免除を選択できる
自治体 税務署等
高校や大学等の授業料・入学料の減免 ・災害による経済的な理由によって授業料等の納付が困難な学生を対象に 授業料・入学料等を減額・免除 自治体 学校
雇用保険の基本手当の給付 ・災害により雇用される事業所が休業することとなったため 一時的に離職や休業を余儀なくされた場合 特例により基本手当が支給される ハローワーク



■ 罹災証明書
・地震や豪雨 豪雪といった被害の原因 自宅の損害の程度を証明する
① 被災した建物の世帯主が役所に行く
・同居親族でも可 代理人を立てる場合は委任状持参
・火災による被害は消防署に行く
・(持ち物)
 罹災の状況がわかる写真(あらば)(*)
 本人確認 住所確認ができる書類(免許証 マイナカードなど)・印鑑
② 罹災証明書交付申請書を記入 提出
・提出後 専門の調査員が現地調査し 被害の度合いを認定するまで最低1週間はかかる
・被害の度合いは「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」など(**)
・認定結果が不服の場合は再調査依頼ができる
③ 発行されるまで「被災届出証明書」で代用
・公的支援や保険金の申請に使える


(*)被災写真を撮るポイント
① 建物の全景を撮る
・遠景で建物の4面を撮影
② 浸水した深さを撮る
・メジャーを使って水が浸かった深さを測定
・測定場所が分かるように遠景を撮影
・メジャーの目盛りが分かるように近景も撮影(ペットボトルなどを置くとわかりやすい)
③ 被害箇所を撮る
・被害箇所ごとに遠景と近景の2枚セットで撮る(被害箇所がわかるように指をさして撮るといい)
・主な被害箇所は 外壁 屋根 基礎 内壁 天井 床 ドア 襖 窓 キッチン 浴室 トイレなど
④ 公的支援 民間保険のいずれも被害状況がわかる証拠があると 手続きが円滑に進みやすい 公的制度では写真の添付が必須なものもある

(**)災害の被害認定基準(罹災証明)

被害の程度 損害基準判定(住家の主要な構成要素の経済的被害の住家全体に占める損害割合)
全壊 50%以上
大規模半壊 40%以上50%未満
中規模半壊 30%以上40%未満
半壊 20%以上30%未満
準半壊 10%以上20%未満
一部損壊 10%未満

■ 一部損の基準を満たしていない場合は 地震保険に加入していても 保険金は受け取ることができない
■ 地震が起きた時に支払われる保険金の程度(基準)と罹災証明の程度とは異なる(罹災証明書で用いるのは 全壊・大規模半壊・半壊・一部損壊の4段階)

■ 住宅の応急修理制度(災害救助法)
対象となる被災世帯の要件 ・災害により大規模半壊 中規模半壊 半壊 または準半壊の住家被害を受け そのままでは住むことができない状態にあること
*全壊も 応急修理をすることで居住が可能になる場合は対象となることもある
*中規模半壊 半壊 準半壊は 自らの資力では応急修理ができない世帯が対象
・応急修理を行うことによって 避難所等への避難を要しなくなると見込まれること
・応急仮設住宅(民間借上げ住宅を含む)公営住宅等を利用しないこと
*一時的な避難場所として公営住宅等を利用している場合は除かれる
支援の内容 ・被災した住宅の屋根 台所 トイレ等日常生活に必要な最小限度の部分を応急的に修理する
*地震等が原因で家電製品が壊れた場合は 対象とならない
修理限度額 ・1世帯当たり739.000円が限度
・準半壊の場合は350.000円が限度
応急修理の期間 ・災害発生の日から3ヶ月以内(国の災害対策本部が設置された災害にあっては6ヶ月以内)に完了すること


■ 被災者生活再建支援制度
対象となる被災世帯 ① 住宅が「全壊」した世帯
② 住宅が半壊または住宅の敷地に被害が生じその住宅をやむを得ず解体した世帯
③ 災害による危険な状態が継続し 住宅に居住不能な状態が長期間継続している世帯
④ 住宅が半壊し 大規模な補修を行わなければ居住することが困難な世帯(大規模半壊世帯)
⑤ 住宅が半壊し 相当規模の補修を行わなければ居住することが困難な世帯(中規模半壊世帯)
申請期間 ・基礎支援金:原則として 災害発生日から13ヶ月以内
・加算支援金:原則として 災害発生日から37ヶ月以内

*世帯人数が1人の場合は 各金額の3/4の額
*この支援金の使途は限定されていない 必ずしも住宅の再建などのために使わなくても良い


■ 災害援護資金 自治体が最大350万円を原則3年間無利子で貸付
■ 災害復興住宅融資(住宅金融支援機構)
 こちらをご覧ください「災害復興住宅融資」(住宅金融支援機構)


■ 収入を維持または回復の見込み → 住宅ローンの返済条件の見直し
具体例 方法 注意点
返済の一時猶予 数ヶ月などの期間 返済を利息だけにする 猶予期間終了後に毎月返済額は増える
毎月の負担を軽減 返済期間を伸ばして毎月の返済を減額 総返済額は大きくなる

・一般に 災害時には金融機関は条件変更に柔軟に対応している

■ 災害ローン減免制度(自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン)
 被災した住宅のローンなどが残って返済が難しい場合 借入先の金融機関に申し出ると対応してもらえる(弁護士などによる支援も無料で受けられる)
 手元に残せるお金は 義援金などとは別に最大500万円と破産手続きよりも多い(利用しても信用情報機関の「ブラックリスト」に載らない) (手続きの流れ 下記表)
 被災者にとってメリットの大きい制度だが 東日本大震災当時の制度では 債務整理成立が1.372件にとどまる このような制度があることの周知がされておらず(選択肢の一つとしたい)「ローン返済が困難になった場合は 金融機関にすぐに相談するのが非常に大切」

・手続きの流れ

① 相談 ・個人版私的整理ガイドラインコールセンター
0120-380-883 または各支部 個別相談会に相談
② 専門家の紹介 ・ガイドラインの要求を満たす可能性のある方には 手続き支援のため 登録専門家を紹介
・登録専門家が 債務整理の申出に向けた書類の作成方法などについて支援
③ 債務整理の申出 ・住民票の写しや陳述書 財産目録などの必要書類を提出し 債務整理開始を申出
・債務整理の申出後は 債務の返済や督促は一時停止 債務者の資産処分や新たな借り入れも禁止
④ 弁済計画書の提出 ・登録専門家が相談に乗りながら 弁済計画案を作成し 提出(申出後3ヶ月以内)
⑤ 弁済計画の成立 ・全ての借入先から同意が得られると弁済計画が成立
・弁済計画に従って借り入れの免除などが行われる


■ 「自然災害補償の上乗せ補償等」をしておきたいと考える場合の対処法

地震危険等上乗せ特約(地震火災費用特約) ・火災保険とセットで多くの保険会社で契約できる 地震保険と合わせて最大で火災保険金額の100%まで補償される(全半損時のみや地震による火災の損害だけが対象のこともあるの要確認)
火災保険の特約とは別に 単独でも契約できる地震保険もある(少額短期保険)
住宅ローンの自然災害保障特約 ・「一定期間の住宅ローン返済を免除するタイプ」
 幅広い災害(地震 津波 噴火 洪水 台風など)が対象で 被災した際にローンの支払いが一部免除に(例えば 全壊でローンの24回分(2年分)大規模半壊で12回分(1年分)など)
・「債務が一部消滅するタイプ」
 地震 噴火 津波などで自宅が全壊した際に建物部分の住宅ローンの50%の残債が免除されるもの(このタイプは 全壊のみが対象)
・いずれのタイプとも上乗せ金利がかかる



■ 賃貸住宅向け火災保険の主な補償内容
種類 内容
家財補償 火災や水濡れなどの事故で家具や衣類が傷ついたり 盗難で所有物を盗まれたりした時に 修理費用や同じものを新たに買い直す費用を補償する
個人賠償責任補償 日常生活で他人の物を壊したり 他人にケガをさせたりした時の賠償責任費用を補償する
借家人賠償責任補償 火事を起こすなど借りている部屋の損害に対し 家主への賠償責任費用を補償する 賃貸借契約の条件とする家主が多い


〇 損害保険会社と少額短期保険会社が提供する火災保険の違い

  損害保険会社 少額短期保険会社
保険金額の上限(個賠責) 無制限(会社による) 原則1000万円
付帯サービス 賠償責任が発生したときに示談交渉をしてくれるサービスなどが付いてくることが多い 損害会社と比べると種類が少ないことも
地震保険 セットで付けられる 付けられない



火災保険 ■ 見直しポイント
・保険期間を長期に 1~5年で選べる保険期間 同条件なら長期のほうが安くなる
・保険料のまとめ払い 分割よりも一括で支払うほうが安くなる
・月払いで月の負担軽減 月々の家計負担を軽減したい場合(ただし 支払総額は増える)
・免責金額の設定 事故があった際の自己負担額=免責金額を対象外として保険料を抑える
・重複する特約を外す 個人賠償責任特約等の重複を確認 自動車保険や損害保険でカバーされている場合も
・水災補償は慎重に ハザードマップで急増する水災リスクを把握・確認する
・地震保険の付帯検討 誰でも被害にあう恐れ 地震保険は優先度が高い
・物価に応じた保険金額 住宅再建費用も上昇している 定期的な見直しを
・住宅ローン同時契約の見直し ローン完済と同時に切れている場合も 確認を


■ 災害による被害を受けた時の所得税

 こちらをご覧ください
 →「No.8004 災害により被害を受けたときの所得税の取扱い」(国税庁)


  家庭でできる15の防災対策(用意しておくもの等)
① ハザードマップの確認 自宅や職場周辺の災害リスクや非難ルート 避難場所 避難経路などを確認
② 家族会議 災害発生後の対応(集合場所 連絡方法等)を家族で定期的に話し合う 災害用伝言ダイヤルや公衆電話の使い方も
③ 飲料水 1人1日3リットルを目安に備蓄する ペットボトルを消費しながら新たに備蓄するローリングストック
④ 簡易トイレ 1人1日7回分(小5回 大2回)を目安に 車に入れておけば平常時(渋滞時)にも役立つ
⑤ モバイルバッテリー スマホなどの通信機器は情報収集のみならず 災害後の安否確認など重要な役割を果たす 自治体の防災アプリ ラジオアプリ 不審者対応アプリは重宝 インバーター発電機や蓄電池なども こまめに充電を
⑥ 食料 1週間分は備蓄しておきたい 最初の3日は冷蔵庫の食材を活用 次の3日は缶詰 乾物 レトルト食品で対応 残り1日はアルファ化米など 災害時用食品を準備する
⑦ 現金 キャッシュレス決済は便利だが 災害時には停電などの影響で利用できないことも 日ごろから現金を財布に入れておくことは防災対策になる
⑧ 服用している薬 お薬手帳や薬のパッケージをスマホで撮影し その画像を保存しておくという方法も
⑨ 各種日用品等 避難生活で役立つポリ袋 ラップ ウエットティッシュ トイレットペーパー 生理用品などの日用品を家族構成に合わせて多めに備えておく 風呂敷は マスク まくら エプロン エコバック ウエストポーチなど多様な用途がある 携帯ラジオ 救急セットも 非常持ち出し袋の用意を  
⑩ 懐中電灯やランタン 停電の備えになる 電池も一緒に 水入りペットボトルに懐中電灯の光を照射することで明かりが広がる 非常用ランタンも各種ある
⑪ ブルーシートやカセットコンロ等
ブルーシートは 寝袋 浸水の抑制 生活用水確保など 災害時にマルチな用途がある ヘルメットや雨合羽も避難時に役立つ 被災後の食生活を支えるために火は必須
⑫ 貴重品の保管 失いたくない大切なものは トランクルームや貸金庫の利用も
⑬ 地域のイベントに参加 万が一の場合 近所の人との助け合いが必要 地域の(防災)イベントなどに参加して関係作りを また ライフラインを止めて " おうちDEキャンプ " をしてみる 一度体験してみるといろいろなことが分かります
⑭ 室内を安全に 家具の転倒防止に突っ張り棒 観音開き扉のストッパーなどの活用 台風対策にガラスの飛散防止フィルムや通電火災の予防に有効な感電ブレーカーの設置も(工事不要の簡易タイプもある)室内での避難経路の確認も
⑮ 日常生活に防災の視点をプラス 大雨に備えて排水溝を掃除する等 また 移動・外出時には災害に遭うことを想定し心構えを(非常口や避難経路の確認 ガソリンを満タンにしておくなど)自宅の耐震診断を受けることも検討したい(自治体の助成制度もある)


(いざ被災すると 被災者は目の前のことで精一杯なのに加え 自分より大変な人がいくらでもいるという思いが強く 自分の問題に向き合えない事が多い しかし 家族等の安心・安全の確保 生活の再建 住まいの再建 職業の再建 各種の支払い 各種の手続きや契約 保険請求等々 被災の直後から様々な課題を抱えることになる(「被災者生活再建支援金」等の公的支援は いわば生活再建の側面的支援という位置づけであり「生活再建」は自助・共助が基本とされている)大災害となれば 失うものも大きく 経済的な回復は容易ではない そこで 保険の役割は大きいといわれる(しかし 例えば 地震保険の保険金だけでは 自宅の再築もできないのは明らか・・・
 「災害は忘れた頃にやってくる」と言われますが 近年は 忘れる間もなく次々と起こっています 地球環境は 確かに変わってきているのです 自らの命 そして家族や大切な人の命を守るため 常日頃から「災害への心構え」を)

2025年06月18日

2022年12月08日

101. 彼岸・成仏


・いろいろなタイプのお墓がある
種類 費用 特徴
一般墓 100万~300万円 ・いわゆる「〇〇家の墓」区画を占有 墓石・工事代、永代使用料(土地使用権)などで高額になりやすい 以下の4種類に分けられる
・寺院墓地:各宗派のお寺が運営管理する墓地 原則的に檀家になる必要あり 護持会費(お寺を管理維持・運営していくための費用)が必要 寄付やお布施の支払いがあり高額になることも
・公営墓地:地方自治体が運営管理する墓地 宗教不問 居住者限定など 利用条件が厳しいことも
・民営墓地:主に宗教法人が運営管理する墓地 多くは宗教不問
・個人墓地:個人名義の墓地
永代供養墓 5万~50万円 ・お寺や霊園の管理者が「永代的に」遺骨の管理や供養をしてくれる
・他人と一緒に入る合肥墓が中心 遺骨が混ざる「合葬」タイプは数万円から  一式料金を納めれば管理費は不要
納骨堂(永代供養) 20万~150万円 ・大半が屋内施設に遺骨を納める(共有参拝スペースでお参りする「棚型」)他に 直接参拝式のロッカー型や自動搬送型など
・寺院の格式や地域で費用は様々(一般墓より高くなることも)
・一定期間が過ぎると 他人の遺骨と合祀されるのが一般的
樹木葬(永代供養) 10万~100万円 ・墓石の代わりに樹木を墓標にするか 樹木の周囲などの草木や花を植えた区画に埋葬する 1人30万円前後が一般的
・一定期間が過ぎると個別型の納骨スタイルでも 他人の遺骨と合祀されるのが一般的
散骨
5万~40万円 ・パウダー状にした遺骨を海や山などに撒く(自治体によっては条例で散骨エリアの制限がある) 
手元供養   ・遺骨を小分けにして手元に置くか 装飾品などに加工する
宇宙葬 30万円~120万円前後

(ロケットに遺灰を何グラム乗せるかによる)
・「月面供養」(120万円~)遺灰を納めたカプセルをロケットに搭載して月に送り 月面に安置(着陸機の一部として)いつでも月を見上げてお墓詣りができる
・「流れ星供養」(30万円~)遺灰を納めたカプセルを 人工衛星に乗せて打ち上げる 打ち上げられた人工衛星は、地球を数日〜数年周回した後 流れ星となり大気圏に突入し燃え尽きる
・ロケットや人工衛星の打ち上げスケジュールによるので時間がかかる場合がある
・宇宙葬に使われる遺骨・遺灰は数グラムでごく一部 残りの遺骨・遺灰は別の方法での供養が必要



・最近は永代供養が増えている


永代供養(永代供養墓・納骨堂・樹木葬など)
・お寺や霊園の管理者が遺骨の管理・供養を行ってくれる
・一番人気は「樹木葬」(大部分は「公園型」「庭園型」)
・経営主体別(管理者別)に分けると次の3つ「公営墓地」「寺院墓地」「民間墓地」
・そのため 承継者がいなくても無縁仏にならない
・一般的なお墓よりも費用を抑えられる
・以下のような場合にお勧め
1. お墓の承継者がいない
2. お墓の維持・管理が困難
3. 子孫にお墓のことで迷惑をかけたくない
4. 遠方にあるお墓を近くに移したい
5. 墓じまいを検討している
6. 将来にわたって無縁仏にならずに供養してもらいたい
7. お墓や菩提寺がない
8. 承継者のいない親族の納骨場所に困っている
9. 宗派の問題からお墓に入ることが出来ない




 彼岸とは 春分・秋分を中日とし 前後各3日を合わせた各7日間 最初の日を「彼岸の入り」最後の日を「彼岸明け」と呼ぶ 俗に 中日に先祖に感謝し 残る6日は「悟りの境地」(すなわち彼岸)に達するのに必要な6つの徳目(修行)「六波羅蜜」(布施(ふせ)・持戒(じかい)・忍辱(にんにく)・精進(しょうじん)・禅定(ぜんじょう)・智慧(ちえ)の6つ)を1日に1つずつ修める日とされている
*波羅蜜(はらみつ サンスクリット語: पारमिता、Pāramitā、 パーラミターを音写した語)到彼岸(とうひがん)、度(ど)、波羅蜜多(はらみった)などとも訳す(Wikipediaより)


・「墓じまい」(改葬)件数は 年々増えている

・上記出典:朝日新聞デジタル

  墓じまいの費用の目安

・お墓の撤去費用 1㎡当たり10~15万円程度
・閉眼供養(魂抜き)・開眼供養 各3~5万円(寺院と要相談)
・檀家だった場合の離壇料 10万円~(高額な離壇料を請求される場合も)
・改葬先にかかる費用
改葬先のタイプによる
・墓じまいの行政手続き費用 3000円程度(代行業者に依頼した場合は5~15万円程度)


・墓じまいのメリット
〇 改葬先が永代供養であれば 管理者が永代的に遺骨の管理・供養を行ってくれる
〇 自分世代で墓じまいをすることで (承継者がいなくても)お墓の無縁化を防止できる
〇 お墓を放置している という精神的負担から解放される
〇 管理費・寄付・お布施等 お墓に関する出費が抑えられる(永代供養の場合)
〇 今後 子孫への負担を解消できる
〇 改葬先によっては お参りしやすくなる
〇 お寺や地域との煩わしい付き合いが無くなる
〇 お墓じまいを機に お付き合いの無い 又は薄いご親戚との関係も清算できる
・墓じまいのデメリット
● 墓じまいをする費用が思った以上にかかる
● 親族と揉める可能性がある(お付き合いの少ないご親戚間で後々トラブルになる)
● 多額の離檀料を要求されるなどトラブルになる場合がある
● 改葬許可申請書に印鑑を押してくれない 閉眼供養をしてくれないなど トラブルになる場合がある(特に地方では 過疎化が進み檀家が減り続け それこそ死活問題とされる)
● 一度合祀(合葬)すると 何かあった場合でも遺骨を還してもらえない
● 先祖代々のお墓がなくなってしまい 個別に手を合わせる場所がなく ルーツを感じづらい
● 永代供養にしたことは良かったが 墓じまいとの兼ね合い等でいささか急いで決めてしまった もう少しじっくりと改葬先を 決めてもよかった
● 先祖が代々祀ってきた墓石を処分することへの罪悪感を覚えて精神的に負担を感じる
● 改葬許可を取得せずにお墓じまいを行い 次のご納骨先でご遺骨が受け入れてもらえない(このようなことが少なくない)
● 地域の風習などを無視してお墓じまいを行い 墓地の管理責任者との間でトラブルになったり お隣の墓地の方とトラブルになったりする危険性がある


・上記出典:河北新報

(広い意味で 墓などにまつわる 思い出の地・話題スポットは多く 尽きない 「楼蘭の美女」等遺跡から発掘されるミイラ 即身仏 とにかくデカいピラミッド そしてツタンカーメン 各地の古墳 一般の立ち入りが許されない「天皇陵」 十字架が延々と並ぶ無名戦士の墓 カタコンベ 世界各地の虐殺記念館 古代中国の巨大墳墓 外人墓地 特筆すべきタージマハル いろいろな有名人の墓 「たらいから たらいにうつる ちんぷんかん」・・・
 これらにまつわる話題はまた 別の機会に・・現在のウクライナの映像を目の当たりにし 怒りと衝撃とで筆が進みません
 自分がどんな墓を希望するか 新しいタイプの墓を選ぶのか そんな場合は 事前に亡くなった後に 主に供養することになる子供など家族と話し合うことが大切「供養する側の気持ちや事情も考えたい」自分の希望を遺言に記す事も大切だが 遺言を開封するのは葬儀や納骨後になる場合が多いため なかなか希望通りには行かない そういう時は 生前に「死後事務委任契約」などを結ぶことも一案
 「誰にでも人生は一度しかない」これは決まっている事です 長いかもしれないし短いかもしれない これは誰にもわからない しかし 死を迎えた時 その遺体は 誰でもが願うように 静かに埋葬される状況であって欲しい そして 静かに供養ができる状況であってほしい
 しかし「月面供養」は 何かよいですなァ 月を見上げて手を合わせる しわとしわを合わせて幸せェ)





・家族が亡くなった後の手続き

期日 手続き等
死亡

当日
●「死亡診断書(死体検案書)」を受け取る(病院か警察)
・右半分が死亡の日時や原因(担当の医師が)記入された死亡診断書
・左半分が「死亡届」(遺族らが記入)(A3判の1枚の用紙にセットになっている)
・コピーを5毎ほど取っておく(複数の手続きで必要)
・事故死や孤独死などの場合は「死体検案書」となる
●葬儀社を決める
~7日程度

通夜
告別式
火葬
●「死亡届」提出(必ず7日以内)「火葬許可申請書」も同時に市区町村に提出(印鑑・身分証明書が必要)
●「埋火葬許可証」の取得
・「埋火葬許可証」に火葬場の「火葬済み」の認印をもらい 火葬
●「埋葬許可証」を受け取る(火葬後に骨壺と一緒に返却される)
● 葬儀の費用や病院での費用の精算
・支払いに故人の死亡保険金を充てるなら 早めに保険会社に連絡
・生活費や葬儀費用の支払、相続債務の弁済など、お金が必要になった場合 遺産分割協議中でも被相続人名義の預貯金の一部(預金額 X 1/3 X 法定相続分 1金融機関当たり150万円が上限)払戻し可能に また調停中でも裁判所が認めた分は換金可能(法改正により)
~14日程度

生活関連の手続き
●「世帯主変更届」提出(故人が世帯主で遺族が2人以上いるなら届け出 世帯主の印鑑・加入しているなら「国民健康保険証」が必要)
●「健康保険の資格喪失届」「介護保険の資格喪失届」提出
・各保険組合に「保険証」の返却
・「国民健康保険」や「後期高齢者医療制度」「介護保険」の「保険証」の返却(14日以内)
「世帯主変更届」(該当する場合)と同時に市区町村に提出 身分証明書が必要)
・「国民健康保険」や「後期高齢者医療制度」では 被保険者が死亡すると「葬祭費」が また 「社会保険」の場合は「埋葬料」(被扶養者が亡くなった場合は「家族埋葬料」が支給される(どれも5万円 葬儀の領収書や会葬礼状などが必要「健康保険資格喪失」が支給条件 申請は 2年以内)
・本人の死後でも「高額介護サービス費」と「高額療養費」で戻ってくるお金は 家族(相続人)がもらえる ただし 申請書は「介護」の場合は3ヶ月後 「療養」の場合は2ヶ月後に 自治体から送ってくる 戻ってくるお金は相続財産に(申請は 2年以内)
●「年金受給権者死亡届」提出(年金事務所・年金相談センターへ)
・故人の年金証書、戸籍謄本、住民票の写し、預金通帳が必要
・混雑している場合が多い 「ねんきんダイヤル」に電話相談すれば 郵送で手続きできるケースもある
・厚生年金は10日以内 国民年金は14日以内
・マイナンバーが紐ついている場合 死亡届を出した時点で自動的に受給停止に
●「未支給年金」の請求「死亡の前月分、当月分」の年金が振り込み前であれば 生計を同じくしていた3親等内の親族が受け取れる(時効は5年)
(速やかに) ●「運転免許証」の返却(死亡届、戸籍謄本の写しが必要)
●「公共料金関連」の解約や名義変更(電気・ガス・水道・電話等)
●「死亡保険金」の請求(時効は3年)
・受取人が指定されている保険金は 遺産分割の対象とならない
・保険料を払っていたのが 故人の場合も「法定相続人の数× 500万円」までは相続税非課税
●「団体信用生命保険」の請求(時効は3年)
・住宅ローンで 加入していたら
・団信弁済届、登記申請書、死亡診断書の写し等が必要
●「遺言書の検認」
・親が遺言を残しているのか 生前に確認しておくとよい
「自筆証書遺言書保管制度」(法務局において保管)を利用していれば、家庭裁判所の検認は不要(公正証書遺言の場合は必要ない)
・申立書、故人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本(全部事項証明書)、相続人全員の戸籍謄本(全部事項証明書)等が必要
「法定相続情報証明制度」の利用
・「法定相続情報一覧図」に 法務局で認証文を付けてもらう
・相続関連の手続きの戸籍関連の書類一式の代わりになる
●「相続人」「相続財産」の調査
・「相続人の確定」は 故人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本(全部事項証明書)から
・「相続財産」は 預金通帳/キャッシュカード、不動産の権利証、固定資産税の納付通知書、銀行/証券会社からの郵便物、故人の自宅(貴金属等)で確認
・親の生前に「財産目録」を残しておくと 手続きがスムーズに
・デジタル遺産も忘れずに確認する
・詳しくは → Q&A 「相続・贈与」をご覧ください
四十九日
納骨
 
3ヶ月以内 ●「相続放棄申述書」の提出
・「マイナスの遺産が多い」などの場合 故人の居住地の家庭裁判所に提出
・「相続財産の調査」がしっかりと終わっていないと 放棄した後に 多額の財産が見つかり損をすることも
・「相続放棄」は撤回できない また 3ヶ月以内(熟慮期間)に相続放棄しなかった場合は相続することを承認したとみなされる
4ヶ月以内 ● 「準確定申告」
・死亡者が自営業者だった 年間2.000万円以上の給与収入があった 不動産を売却したなど 一定の条件に当てはまる場合に相続人が行う
10ヶ月以内

相続
●「遺産分割協議書」の作成
・相続人が1人でも参加しないと無効に
・相続人全員が実印を押し 印鑑証明書の添付が必要
●「預貯金・有価証券の相続届」
・銀行 証券会社などで故人の口座を解約し 相続人の口座に払い戻しをする
●「不動産の相続登記」
・法務局で「所有権移転登記」を申請 権利証(登記識別情報)が発行される
●「相続税の申告・納付」
・遺産総額から 基礎控除(3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を引いて税額を計算 申告は税務署で 納付は金融機関などで
・後から 払い過ぎが分かった場合 還付を受けるための「相続税の更正の請求」は 申告期限から5年以内に
2年以内 ●「葬祭費」「埋葬料」「埋葬費」の申請
●「高額介護サービス費」と「高額療養費」で戻ってくるお金の申請
●「死亡一時金」の申請
3年以内 ● 不動産の相続登記(新たに制度化)
5年以内 ●「遺族年金」や「寡婦年金」の申請
●「相続税の更正の請求」
●「還付申告」
その他

期限なし
●「復氏届」提出
・配偶者が亡くなった後 旧姓に戻したい場合は届け出る(市区町村に)
・「復氏届」によって 旧姓に戻るのは本人だけ
●「姻族関係終了届」提出(死後離婚)
・配偶者の死亡後も 親族との姻族関係は続く 終了させたい場合は届け出る必要がある(市区町村に)その際 親族の同意は不要
・姻族関係が終了すると 例えば義理の父母の扶養義務が無くなる
・受け取り始めた遺族年金は「死後離婚」しても原則 もらい続けることができる ただし 再婚したら権利を失う(事実婚も一緒


■ 亡くなった人の確定申告等の概要

名称 準確定申告 還付申告
所得税の取り扱い 納税 還付
確定申告義務 義務 任意
申告期限 相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内 相続発生年の翌年の1月1日から5年以内
注意点 期限内に申告しなかった場合 青色申告特別控除の55万円や65万円の適用を受けることができず 10万円となる 確定申告の期限は5年以内だが 還付金は相続財産となるため 速やかに申告する必要がある
相続税への影響 被相続人に係る納付税額で相続人等が負担した額は債務控除として相続財産から控除 被相続人に係る還付金額は相続財産に計上


〇「成仏」とは 煩悩が消えて悟りを開いた状態のことで 現世に未練を残さず仏になるという意味 仏教用語(成仏への捉え方は宗派によって異なる)
〇 「昇天」とは 死を間接的に表現する語 本来の表記は「召天」キリスト教用語で イエス・キリストが復活の40日後に天に昇っていったという出来事
〇 「ミーラージュ」とは 元来は〈はしご〉を意味する語 イスラム教用語 後には特に〈ムハンマドの昇天〉の意に用いられるようになった

葬儀 内容 費用の目安
一般葬 ・通夜と葬儀・告別式
・知人や職場の人など幅広く参列
150万円前後
家族葬 ・通夜と葬儀・告別式
・近親者のみ参列
100万円前後
一日葬 ・通夜はなし
・告別式で1日のみ
50万円前後
直葬 ・通夜や告別式はなし
・火葬のみ
30万円前後

 → 「いい葬儀」(鎌倉親書)もご覧ください


① 医学的な死 心拍 呼吸が止まり 臨床的に生命反応がない状態 まだ蘇生の可能性がある
② 脳死 臓器提供の同意がある場合のみ 脳死を人の死と認める(人の死と認めるかは 国によって異なる)
③ 生物学的な死 全身の細胞が不可逆的に機能停止した状態 すべての臓器が停止し 生命現象が消失する
④ 法的な死 医師が死亡を確認し 死亡診断書を作成した時点で確定 社会的・行政的に「人の死」と認められる段階




(合掌)

2025年12月01日

2022年12月01日

100. 遺言書



*「遺言の存在を明らかに」
・「遺言」は、被相続人の最終意思を実現するもので これにより相続をめぐる紛争を事前に防止することができる(被相続人の認知能力の面からも)遺言書作成は 相続トラブルを予防する意味で 遺言書作成は早めがいい
・「おひとりさま」で遺言がない場合は 故人の兄弟姉妹などが法定相続分に従って分けるのが一般的 法定相続人以外の第三者に遺産を残す「遺贈」や特定の団体などに寄付をしたい場合は 遺言書に明記する必要がある
 「死後事務委任契約」を遺言執行者と交わしておけば遺言の内容を実行してもらえる
*遺言作成のポイント
① 遺産の分け方を明確に書く → 誰に、何を、いくらを正確かつ明確に 「相続させる」「遺贈する」など 正確な文言を使う 内容が曖昧だと手続きも始められないスムーズに進まない 必要なら遺言執行者を指定する
② 相続人が納得できる分け方に → 特別受益 寄与分 遺留分に注意
③「付言」を活用する → 遺産の分け方の理由 家族への思いを伝える
 ちゃんと伝わるように書きましょう そうでないと → 「遺産争族・争続」になりかねない(魑魅魍魎が跋扈することになりかねない ただ遺言書を書いて残せば円満な相続が実現するわけではない)
 特に親が亡くなり 子どもだけで遺産分割を決める二次相続で相続争いが起こりがち 争いの本質は 金額の多寡ではなく「いつも私ばかり割を食って・・」「兄ばかりが優遇されてきた」といった 長年心の奥底にしまい込んできた不満が 相続の場面で一気に噴出することも 「親の思い」は生前のコミュニケーションと「付言」でしっかり伝えましょう
④ 家族の状況の変化や葬式 お墓の希望について付言事項の追加など 将来書き換える可能性もある その際はいったん(法務局の保管制度を利用した場合も含む) 自筆証書遺言書を撤回し 改めて書き直す(改めて保管申請をする)変更を機に改めて公正証書遺言にする という方法もある
⑤ 相続人等が不存在になった時の手当として予備的遺言をなすこと「予備的遺言(妻が遺言車より前に死亡していた場合は、誰に相続させるか)の記載がなければ 妻に相続させるはずだった遺産が宙に浮いてしまう)」宙に浮いた遺産は遺産分割協議の対象となり 家族間でもめることになる
⑥ 相続税や遺産を換価する際の所得税についてまったく考えられていない遺言書が意外と多い 想定外の税負担はトラブルの元
⑦ 問題のない遺言書があれば 遺産の名義変更をする際の押印はその遺産を受け取る相続人だけでよく 他の相続人の協力は必要がない(これが 遺言書を作成する大きなメリット)しかし 相続人でない人に遺産を渡す「遺贈」をする場合などは 原則として相続人全員の実印押印が必要となるが その際 「協力しない」という相続人がひとりでもいると手続きは進まない また、海外に相続人がいたり 重度の要介護者がいるような場合は 手続きが困難になる場合も こんな場合は 遺言執行者を指定しておきたい
⑧ 遺言執行者に変更はないか その遺言執行者で問題ないか 予備の遺言執行者はいなくて大丈夫か

*遺言を残したほうが良いケース
● 夫婦の間に子がいない
 配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合 義母と夫婦の3人で夫名義の戸建てに同居していた場合等 配偶者に全財産を相続させたいときは 遺言書を残し 相続時の配偶者の負担を軽減したい
● 前妻との間に子がいる 認知した子がいる
 前妻との間の子も認知した子も直系血族の子であるため 後妻の子と同様に相続する権利がある このような場合は トラブルになる可能性がある
● 内縁の妻に財産を残したい
 内縁関係には遺産相続の権利がない このような場合は遺言書が必要
● 財産を与えたくない相続人がいる 相続人に法定相続分と違う割合で相続させたい
 遺言書で遺言者の思いを伝えたい




*自筆証書遺言に添付する財産目録のパソコン作成が可能に また 通帳のコピーや登記簿謄本(登記事項証明書)の添付が可能に(2019年1月13日~)


・上図出典:ひかり相続手続きサポーター



*法定相続人の順位



・「配偶者は、常に相続人となる」 配偶者は子供や親、兄弟姉妹の有無に関わらず、必ず相続人になる
・「第一順位 直系卑属」元配偶者との子、養子縁組した子も含む(婚外子も認知していれば相続権あり)
・「第二順位 直系尊属」子がいない場合
・「第三順位 兄弟姉妹」子と両親がいない場合

* 法定相続分


・( )内は遺留分 兄弟姉妹に遺留分はない



  メリット デメリット
自筆
証書
・自分で作成できる
・費用がかからない
・遺言書の内容を誰にも知られることがない
・法務局に預けられるようにする制度を創設(検認不要に)
・自筆証書遺言の財産目録のパソコン作成が可能に
・紛失 偽造 隠匿 発見されないというリスクがある
・記載内容不備により無効となるリスク
・遺言の執行に 家庭裁判所の検認(*遺言書の有効性調査)が必要
・検認の申立がされると 申し立て人以外の相続人に検認期日が通知される
・本人の判断能力や自筆について争いとなることがある
公正
証書
・公証人が関与するので条件を満たさずに無効になることがない
・紛失 偽造 隠匿 発見されないというリスクがない
・出向けない場合 出張サービスがある
・家庭裁判所での検認が不要
・遺言の内容を証人(2人必要)公証人に知られてしまう
・必要書類収集に手間がかかる
・費用がかかる(遺言の目的となる財産の価格に応じて法令で手数料が決まっている)
秘密
証書
・遺言書の存在を明確にしながらも 内容を秘密にできる
・偽造される恐れがない
・紛失 偽造 隠匿 発見されないというリスクがある
・記載内容不備により無効となるリスク
・家庭裁判所での検認が必要


・上図出典:朝日新聞

■ 公正証書遺言のデジタル作成が可能に(2025年10月~)
  従来 改定後
作成申し込み ・公証役場に出頭し手続き
・公的書類で本人確認
・メールでも可能
・電子署名も可能
案分確定 原本作成日程調整など ・対面 メール 電話 郵送などで実施 ・対面 メール 電話 郵送などで実施
遺言原本の作成・保存 ・原則対面 役場または本人の自宅 病院等で
・書面で作成・保存
・本人 公証人 証人の署名・押印が必要
・一定条件でウエブ会議も可能
・電子データで原則作成・保存
・電子署名のみ 押印不要
交付 正本・謄本を書面で交付 メール受信 CD-Rなど記録媒体 書面から選択
基本的な要件 (ウエブ会議の利用条件)
・本人から利用の申し出がある
・公証人が相当と認める
 
相当性の考え方の例 会議の必要性
・本人の心身状況 居住地域との距離などから出頭が難しいか
本人の意思・判断能力
・医師の診断書で十分な判断能力が確認できるか
遺言の内容
・財産配分に合理的な理由があるか
利害関係者の同席防止策
・会議開始時などに全方位を撮影し 周囲にいないことが確認できるか・証人が本人と同じ場所から参加できるか



・上記3種類の「普通方式遺言」の他に 下記4種の「特別方式遺言」がある

一般
危急時遺言
病気などの理由で死亡の危険が急迫である場合の遺言書
一般
隔絶地遺言
伝染病や災害で交通を断たれた場所にいる人や服役囚が行うことができる遺言書
船舶
隔絶地遺言
船舶に乗っていて陸地から離れた人が行うことができる遺言書
難船危急時遺言 船舶や飛行機に乗っていて死亡の危険が急迫である場合に行うことができる遺言書


・「家庭裁判所の検認」とは?

 相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに(および 検認期日(検認を行う日)を通知 検認は 家裁に申し立ててから 1ヶ月ほどかかる)
 「検認の申し立て」には 申立書、故人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本(全部事項証明書)、相続人全員の戸籍謄本(全部事項証明書)等が必要 (「法定相続情報証明制度」 の利用が便利)
 遺言書の形状 加除訂正の状態 日付 署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして 遺言書の偽造・変造を防止するための手続
 遺言の有効・無効を判断する手続ではない
 申立人以外の相続人が 検認期日に出席するかどうかは 各人の判断に任されており 全員がそろわなくても検認手続は行われる

 → 詳しくは「遺言書の検認」(裁判所)をご覧ください


*法務局による自筆証書遺言書の保管制度(検認不要)がスタート(2020年施行)

・「この制度は 有効な遺言書が保管される 紛失・偽造の恐れがない 遺言者の死後に相続人に遺言書の保管通知が届く 検認不要という利点はあるが その内容に不備がある場合もある」





保管の申請 (遺言者が保管の申請をするかどうかは 自由)
誰が ・遺言者本人に限られる
・法定代理人(遺言者の親権者等)又は 任意代理人による申請は認められない
どこで ・遺言者の住所地 遺言者の本籍地 遺言者が所有する不動産の所在地のいずれかを管轄する遺言書保管所
・全ての法務局が 自筆証書遺言書を保管できる法務局(遺言書保管所)ではない
方法 ・必要書類 「自筆証書遺言書」「保管申請書」
・遺言者本人が 出向いて申請する
・顔写真付きの公的な本人確認書類が必要(提示のみ)
・添付書類 住民票の写し等
・郵送による申請は認められない
・原則として予約が必要
要件
・文字が明瞭に判読できる日本産業規格A列四番の用紙
・縦置き 又は 横置きかを問わず 縦書き 又は 横書きかを問わない
・各ページにページ番号を記載する
・片面のみに記載
・数枚にわたる場合でも 閉じ合わせない
・余白を設ける(規定あり)
手数料
・申請1件につき 3.900円(収入印紙で納付)
・保管されると 遺言者の氏名、遺言書保管所の名称、保管番号等が記載された「保管証」(再発行不可)が交付される
・保管されている事実を 相続人らに 自動的に通知する仕組みはない(*)
・原本は遺言者死亡の日から50年間 画像データは150年間保管される

(*)「死亡時通知」
・遺言者が遺言書の保管申請時に 遺言者の推定相続人 遺言書に記載した受遺者および遺言執行者等の中から通知を希望する1名(3名に改定)を指定しておく
 遺言書保管官が戸籍担当部局と連携して 遺言者の死亡事実を確認した場合 指定した1名に対して 遺言書が保管されている旨の通知が行われる(死亡時通知)
・「死亡時通知」記載されている内容は ・遺言者の氏名 ・遺言者の出生の年月日 ・遺言書が保管されている遺言書保管所の名称 ・保管番号

保管の撤回 (遺言の撤回とは別物 預けた遺言書を返却してもらうためのもの)
誰が ・遺言書を預けた遺言者
・法定代理人 又は 任意代理人による手続きは認められない
・遺言者の死後に その相続人が申請の撤回をすることも出来ない
どこで ・遺言書の原本が保管されている遺言書保管所でのみ
方法 ・遺言者本人が 出向いて書等を提出
・郵送による手続きは認められない
・顔写真付きの公的な本人確認書類が必要(提示のみ)
・原則として予約が必要
・必要書類 「撤回書」また 遺言者の氏名や住所等に変更があり「変更の届出」を行っていない場合は 変更事項を証する書類が必要
・添付書類 なし
手数料 ・無料


変更の申請 (*)変更が生じた場合は 速やかに遺言書保管所に届け出なければならない
誰が ・遺言者本人
・遺言者の親権者や成年後見人等の法定代理人
どこで ・全国の遺言書保管所
方法 ・郵送で行うこともできる
・遺言書保管所で手続きを行う場合のみ予約が必要
・必要書類 「届出書」
・添付書類 住民票の写し 戸籍謄本等
・本人確認に必要な書類 必要なし
手数料 ・無料

(*)以下について変更が生じた場合
・遺言者の氏名 出生の年月日 住所 本籍(または国籍)および筆頭者
・遺言書に記載した受遺者 遺言執行者等の氏名または名称および住所等
・死亡時通知を希望していた場合 その通知対象者として指定した人


遺言書の閲覧 ・遺言者の死後 関係相続人等が閲覧すると 他の相続人等に遺言書が保管されている旨の通知をする(関係遺言書保管通知*)
誰が ・遺言者の存命中:遺言者に限られる
・遺言者の死後:関係相続人等(相続人 受遺者 遺言執行者)法定代理人も可 
どこで ・原本を閲覧する場合:遺言書の原本が保管されている遺言書保管所
・モニターで閲覧する場合:全国の遺言書保管所
方法 ・遺言者本人または関係相続人等が遺言書保管所に出向いて閲覧
・原則 予約が必要
・必要書類 「閲覧請求書」
・添付書類 遺言者の場合はなし(存命中)
・添付書類 遺言者の死後 関係相続人等の場合(**次の書類等)
・顔写真付きの公的な本人確認書類が必要(提示のみ)
手数料 ・原本の閲覧:1回につき1700円(収入印紙で納付)
・モニターでの閲覧:1回につき1400円(収入印紙で納付)

(*)「関係遺言書保管通知」
 記載されている内容は ・遺言者の氏名 ・遺言者の出生の年月日 ・遺言書が保管されている遺言書保管所の名称 ・保管番号
(**添付書類)
・遺言者の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍)謄本
・請求者が遺言者の相続人に該当することを証明する事項(戸籍謄本等)等

遺言書保管事実証明書」の交付請求 (遺言者の死後 遺言書が保管されているかどうかを確認したい場合)
誰が ・誰でも請求できる(*)
どこで ・全国の遺言書保管所
方法(**) ・窓口 又は 郵送で交付申請をする
・窓口で請求する場合は 原則 予約が必要
手数料 手続き終了後 遺言書保管所の窓口で「証明書」が手渡される また 郵送で受け取ることも可 請求者の住民票上の住所に送付される
・証明書1通につき800円(収入印紙で納付)

(*)相続人以外の者が請求した場合:保管されている遺言書が存在しても 請求者を受遺者等にしている内容ではない限り 請求者を受遺者等とする遺言書が保管されていない旨の証明がされるだけ
(*)相続人が請求した場合:内容のいかんに関わらず 保管されている遺言があれば 存在している旨の証明がされる(請求者の法定代理人も可能)
(**)保管申請の際に 申し出をすれば 推定相続人等のうち1名に 死後 遺言書が保管されている旨の通知をしてもらうことができる(死亡時通知)

「遺言書情報証明書」の交付請求 ・交付されると 遺言書保管官は 他の相続人等に遺言書が保管されている旨の通知をする(関係遺言書保管通知)
誰が ・関係相続人等(法定代理人も可能)
どこで ・全国の遺言書保管所
方法 ・窓口 または 郵送で交付請求
・窓口で請求する場合は 原則予約が必要
手数料 ・手続き終了後 遺言書保管所の窓口で「証明書」が手渡される また 郵送で受け取ることも可 請求者の住民票上の住所に送付される
・証明書1通につき1400円(収入印紙で納付)

(*)「遺言書情報証明書」
・遺言書の画像情報がすべて印刷されており 遺言書の内容を確認することができる
・遺言書の原本の代わりとして 相続手続きなどの際に使用できる
・遺言書保管所に保管されている遺言書は 家庭裁判所での検認の手続きは不要



 先の40年ぶりの相続法改正において「遺言執行者」について「遺言の内容を実現するため 相続財産の管理 その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する」と明記
「遺言執行者」

・遺言執行者の職務は 必ずしも相続人の利益のために行うものではない

・遺言事項と執行の必要性の有無(主なもの)

■ 執行を必要とする遺言事項
〇 遺言執行者による執行を必要とする遺言事項
・認知
・推定相続人の廃除や推定相続人の廃除の取り消し
〇 遺言執行者がいる場合は 遺言執行者による執行を必要とする遺言事項(遺言執行者がいない場合は相続人が執行する)
・相続させる遺言
・遺贈
・祭祀承継者の指定
・生命保険金の受取人の変更 など
■ 執行を必要としない遺言事項
・特別受益の持ち戻しの免除
・遺産分割の禁止
・遺言執行者の指定や指定の委託
・未成年後見人や未成年後見監督人の指定
・遺言の撤回

*遺言執行者がいない場合は 相続人等の利害関係者が家庭裁判所に対し遺言執行者の選任の申し立てをしなければならない

ケース ■ 遺言執行者の職務
・遺言執行者が遺言で指定された場合 遺言書が民法に定められた遺言の方式に則って作成されたものかを確認する
・遺言執行者が就任を承諾した場合(辞退することも可) 遺言の内容を相続人に通知し 相続財産目録を作成して相続人に交付する
・相続人に預貯金を「相続させる」遺言(特定財産承継遺言)がある場合 金融機関等へその内容を通知することにより対抗要件を備える または払い戻し請求や解約の申し入れをする
・遺言により保険金受取人の変更がある場合 就任後すみやかに保険会社にその旨を通知しなければならない
・遺留分を侵害している遺言がある場合 (遺留分侵害額請求権があるため)その場合でも 遺言事項をそのまま執行すればよい


■ 「相続させる」遺言(特定財産承継遺言)と「遺贈する」遺言 および不動産の権利の登記

  「相続させる」遺言 「遺贈する」遺言
受遺者 相続人のみ 相続人・相続人以外
対抗力 法定相続分を超える部分については登記等をしなければ対抗できない 相続人:左記に同じ
相続人以外:登記等をしなければ対抗できない
不動産の権利の登記 遺言執行者 または 受遺者が単独で登記申請 受遺者と遺言執行人 または遺言執行人がいなければ受遺者と相続人全員の共同申請



「戸籍証明書等の広域交付制度」(24年3月1日施行)


・相続人を確定させるには 被相続人の出生時から死亡時までの連続した戸籍の全部事項証明書(除籍謄本 改正原戸籍謄本等を含む)を本籍地役場で取得しなければならなかった とても非効率で 時間・手間がかかった

・そこで全国の市区町村と法務省をつなぐ「戸籍情報連携システム」が稼働 利用者が自分の居住地など最寄りの役場で申請すると 例えば 故人(被相続人)の出生時・転居時・死亡時の本籍地の役場から戸籍謄本をまとめて入手できるようになった(相続手続きの書類収集にかかる手間や時間が軽減され 安価かつ効率的な相続手続きを実現)

請求できる人 ・本人、配偶者、直系尊属(父母、祖父母など)、直系卑属(子、孫など)に限られる
取得できない戸籍 ・夫の両親 兄弟姉妹 おじ,おば 甥,姪の戸籍謄本等
・戸籍抄本や除籍抄本 戸籍の付票 コンピュータ化されていない戸籍




「法定相続情報証明制度」


 相続した財産を相続人の名義に変更するためには、「相続人が誰で 何人いるかを確定」しなければならず そのため 多くの戸籍謄本を収集し、手続きをする必要がある
 この戸籍謄本の束は、不動産の名義変更の際や銀行口座の解約などの相続手続を行う際にも必要  銀行口座がいくつもあれば、その分の戸除籍謄本等の束を提出しなければなりません
 さらに、集めた戸籍に過不足があれば、何度も窓口で手続きをしなければならない

 「法定相続情報証明制度」は、これらの煩雑な相続手続きを簡略化するための制度
 一度戸籍謄本等の必要書類を提出すれば、法務局が法定相続情報一覧図を発行して相続関係を証明してくれるので、何度も戸籍謄本を集める必要がない
 法務局は 内容を確認し「集めた戸籍に抜け落ちている部分があれば指摘してくれる」確認済みの一覧図の写しは 無料で必要な枚数を交付してくれる
 また 法務省は本籍地の窓口だけでなく 最寄りの市区町村でも必要な戸籍を取得できるように準備を進めており 23年度中の開始を予定している

・こちらも参考に
 →  「法定相続情報証明制度」について」(法務局)
 →  「新しい相続手続き「法定相続情報証明制度」とは」(日本司法書士会連合会)





(「遺言」と聞いて 「北の国から 2002 遺言」を思う 本当に懐かしい DVD全部持っていますが TVでまたまた放送されたら また見るような気もします)



「遺言代用信託」「遺言信託」の違い


・上図出典:OAG税理士法人

→ 詳しくは ブログ「087. 家族と信託」をご覧ください

2025年12月14日

2022年11月24日

098. リスキリング

「リカレント(recurrent)」とは「繰り返す」「循環する」という意味 リカレント教育とは 学校教育からいったん離れて社会に出た後も それぞれの人の必要なタイミングで 再び教育を受け 仕事と教育を繰り返すこと
「学び」に遅すぎはない!
It is never too late to learn!
社会人の学び直し「リカレント教育」


「リスキリング(reskilling)」とは 「新しい職業に就くために、あるいは 今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために(必要な人材として 生き残るために)必要なスキルを獲得するという意味合いが強い
 昨今の日本では 特にデジタル化が進む社会で デジタル技術の力を使いながら価値を創造できるようなスキルの習得を指す ことを指す場合が多い
「リスキリング」は「リカレント教育」ではない
 リカレント教育は「働く→学ぶ→働く」のサイクルを回し続けるありようのこと 新しいことを学ぶために「職を離れる」ことが前提になっている

・こちらをご覧ください
「「学び」に遅すぎはない!社会人の学び直し「リカレント教育」」(政府広報オンライン)
「リカレント教育」(厚生労働省)
「マナパス」(社会人の学びを応援するポータルサイト)(文部科学省)
「リスキリングとは」(経済産業省)




・上記出典:SankeiBiz

*主な社会人の学びの場 スキルアップを目指し 学び直し(リカレント・リスキリング)を考える社会人が増えている

大学院 学位を取得する一般の大学院のほか MBAや法科など実務家を養成する専門職大学院も
大学
短大
科目等履修生(学位や単位取得)や公開講座の聴講など
放送大学 テレビ・ラジオ・ネットで授業 学位取得のほか 社会人の学び直しも想定
入学料:在籍する期間に応じて7000~24000円 授業料:11000円(1科目2単位で)
専門学校 専門技術や資格の取得を目指す人が多い

*学びに役立つ無料または低額のサイト・アプリの例

名 称 内 容
スタディサプリ 小中高校生向けのプロ講師の動画授業 大人向けの英語学習もある
JMOOC(ジェイムーク) 大学などが提供する講義をネットで無料で見られる
Schoo(スクー) 生放送の対話型授業 生放送授業は無料
GLOBIS学び放題 ビジネススキルを学ぶ定額制動画学習サービス
Udemy(ユーデミー) IT技術からフィットネスまで幅広いオンライン学習 1~2ヶ月に一度 激安セールも

・上図出典:日本FP協会


Q:新型コロナウイルスの感染拡大で解雇や雇止めが想定されます「失業手当」を中心に「雇用保険」について 「教育訓練給付金」「公共職業訓練(離職者訓練)」また 「求職者支援(訓練)制度」についても 教えてください「学びなおし(リカレント教育)」についても教えてください  

・「失業手当」を中心とした「雇用保険」については  → Q&A「社会保障」のページにて





*給付を受ける条件は雇用保険に一定期間加入している事(原則は3年 初回に限り1~2年でも利用できる場合もある)または 被保険者であった人(離職者)のうち 被保険者資格を喪失した日以降において受講開始日までが1年以内の人(ただし 妊娠 出産 育児 疾病 負傷等で教育訓練給付の適用対象期間が延長された場合は最大20年以内)
*過去に給付を受けたことがある場合は 条件を満たせば何度でも利用できるが 前回の利用から3年以上経過する必要がある
*2024年5月の改正雇用保険法により(以下の給付拡充に)

名称 給付拡充 2024年10月以降
特定一般教育訓練給付 資格取得の場合:費用の10%を上乗せ給付 最大50%に
専門実践境域訓練給付 受講後に賃金が一定以上上昇すれば:費用の10%を上乗せ給付 最大80%に


*初めての「専門実践」には 一定条件を満たす45歳未満の退職者に「教育訓練支援給付金制度」がある(雇用保険の基本手当日額の80%(上限あり))(2025年3月31日までに開始した場合)(法改正で2027年3月31日までの開始に延長された ただ25年4月以降の受講開始なら給付率は60%に下がる)

* 詳しくは こちらをご覧ください「教育訓練給付制度」(厚生労働省)

24年10月~ ・リスキリングを支援する教育訓練給付金について 給付率最大70%→80%に
25年10月~ ・教育訓練を受けるために無給の休暇を取得した場合基本手当の額と同じ「教育訓練休暇給付金」を最大150日分受け取れる

 

  「教育訓練休暇給付金」
目的 ・働く人々が職場を離れずに教育訓練を受け キャリアアップ図ることを支援
対象者 ・雇用保険被保険者(雇用保険に5年以上入っていること)
・会社に無給の「教育訓練休暇給付金」制度がある
・申請は労働者本人が行う(ハローワークが会社経由で申請書類を本人に送付)
給付内容 ・失業給付と同額(給付前の賃金(手当などを含む)の5~8割程度)
・支給期間(雇用保険の期間)
 10年未満     :最大90日
 10年以上20年未満:最大120日
 20年以上     :最大150日
給付上限額 ・休暇取得前の賃金の5~8割(基本)
・1日当たりの上限額(休暇取得時の年齢)
 29才以下   7255円
 33~44才  8055円
 45~69才  8870円
 60~64才  7623円
特徴 ・対象期間でも社会保険料は免除されないが 非課税
・いったん受給すると 雇用保険の被保険者期間はリセットされる
・給付金の額は リスキングの費用と連動しないが「教育訓練給付金」との併用可
・30日以上の休暇制度を導入・適用した事業主には助成制度があるが「身につけたスキルを活かす場を会社が用意できなければ 人材流出につながる」

「教育訓練休暇給付金について」(厚生労働省)







公共職業訓練(ハロートレーニング)

  対象 訓練費用 訓練期間 実施機関
離職者向け 求職者 無料(*) 3ヶ月~2年
在職者向け 在職労働者 有料 2~5日
学卒者向け 高校卒業者等 有料 1年または2年
障害者向け 求職障害者 無料 3ヶ月~1年

(*)テキスト代等は自己負担
□ 実施機関
① ・国:職業能力開発促進(ポリテク)センター ・都道府県:職業能力開発校 ・民間教育訓練機関等(都道府県からの委託)
② ・国:職業能力開発促進(ポリテク)センター、職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ) ・都道府県:職業能力開発校
③ ・国:職業能力開発短期大学校促進(ポリテクカレッジ) ・都道府県:職業能力開発校
④ ・国:障害者職業能力開発校 ・都道府県:障害者職業能力開発校、職業能力開発校 ・民間教育訓練機関等(都道府県からの委託)

・離職者が受給する雇用保険の基本手当は90~360日だが 公共職業訓練を受けている期間中に基本手当の受給期間が終了しても 訓練が終了する日まで引き続き受給できる
・訓練期間中 「受講手当」(1日につき 500円 上限額は2万円)「通所手当」(公共交通機関や自動車等を利用する場合 最大月額42.500円)が受けられる場合がある
・家族(訓練を受ける人によって生計が維持されている同居の親族)と別居して寄宿する場合 「寄宿手当」(月額10.700円)が受給できる
・「受講手当」「通所手当」「寄宿手当」は 公共職業安定所長の指示した公共職業訓練を受ける場合に受給できる


職業訓練は2種類あります
「公共職業訓練」(雇用保険加入者向け)
 → 失業保険が受けられる
「求職者支援訓練」(非正規や自営業者等)
 → 月10万円が給付される制度も

□ 求職者支援制度



対象 主に雇用保険が受給できない求職者
訓練費用 無料(テキスト代等は自己負担)
訓練期間 2~6ヶ月 *シフト制の対象者などを対象とする場合は 2週間~6ヶ月(2023年3月31日までの特例措置)
実施機関 ・民間教育訓練機関等(訓練コースごとに厚生労働大臣が認定)
(基礎コース)基礎的能力を習得する訓練
(実践コース)基礎的能力から実践的能力まで一括して習得するコース

・詳しくは
 「求職者支援制度のご案内」(厚生労働省)


□ 「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」

 ・経済産業省の学び直し支援事業2023年開始
 ・目的を転職に絞り キャリア相談からリスキリング 転職までを一体的にサポート

対象者 支援内容 特徴など
転職を目指す在職者 ・受講費の1/2(上限40万円)
・転職し継続就業1年で受講費の1/5を追加補助(上限16万円)
・キャリア相談 学びなおし 転職実現まで一体支援
・契約/派遣社員 パート アルバイトも利用可能(雇用保険加入の有無は不問)


高等職業訓練促進給付金事業



・母子家庭の母または父子家庭の父が 就職の際に有利となる資格を取得するため 養成機関において6月以上修業する場合に生活費の助成として給付金を支給

  市町村民税非課税世帯 市町村民税課税世帯
高等職業訓練促進給付金(月額) 100.000円 70.500円
高等職業訓練終了支援給付金 50.000円 25.000円

*職業訓練の期間は 最長で3年間
*訓練を受けている期間の最後の1年間は支給額を4万円増額
・詳しくは
 子ども・子育て 高等職業訓練促進給付金のご案内

□ 自立支援教育訓練給付金制度


・母子家庭の母または父子家庭の父(児童扶養手当を受給している または同等の所得水準)が 就職に有利な資格取得を目指して スクールなどで指定講座を受講し修了した場合 経費の60%相当額 年間では上限20万円(最大4年で80万円まで)の経済的支援を受けることができる制度

「公共職業訓練」または「求職者支援訓練」を受ける人でも「自立支援教育訓練給付金」の支給が可能な場合(併給)がある 詳しくは ハローワーク または各市町村の窓口へ

・詳しくは

 →「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の実施について」(厚生労働省)



(「学びに遅すぎはない!(It's never too late to learn)」

・「人間、志を立てるのに遅すぎるということはない(Man, it's never too late to make ambitions)」(スタンリー・ボールドウィン)

・「なりたかった自分になるのに 遅すぎるということはない(It is never too late to become what you might have been)」)(ジョージ・エリオット)

・「何事も遅すぎることなんてない ― 新しいことをはじめること、幸せになるのに遅すぎるなんてことはないわ(It is never too late – never too late to start over, never too late to be happy)」(ジェーン・フォンダ)

・「修正をすることに関して決して遅すぎることなどない それがフィクションであろうとも現実であろうとも(It's never too late- in fiction or in life - to revise)」(よく使われる英語表現)

・「60の手習い」

・「(Just Like)Starting Over」(ジョン・レノン))



2025年11月05日

2022年11月17日

097. 奨学金・学生バイト

Q : 日本学生支援機構(JASSO)の奨学金について教えてください また、滞納する人が少なくないと聞きますが そのあたりも教えてください また、「国の教育ローン」についても教えてください


 日本学生支援機構の「平成30年度 学生生活調査」によると 奨学金を受給している学生の割合は 大学(昼間部)で47.5%、短期大学(昼間部)で55.2%、大学院修士課程で48.0%、大学院博士課程で53.5%となっている




・日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金(大学)

貸与型奨学金 利息なし
(第1種)
利息あり
(第2種)
世帯年収の目安 例えば4人世帯で716万円以下 例えば4人世帯で1113万円以下
貸与月額 進学先・通学形態により3~5種類
2万~6.4万円の範囲で選ぶ
2万~12万円(1万円単位)で選ぶ
学力基準の目安 高校の学力が5段階評価で平均3.5以上など 高校の成績が平均水準以上など
利息 固定型0.69%
変動型0.2%
返済方法 所得連動返還方式 or 定額変換方式(*) 定額変換方式 (**)
返済期間 最大20年
(卒業後)
最大20年
(卒業後)
平均借入総額 216万円 337万円

上記の平均借入総額は 2022年3月に貸与が終了した奨学生の平均額
・大学の場合 年収の目安は 父が給与所得者 母が専業主婦 本人 中学生の4人世帯
・条件により「入学時特別増額貸与奨学金」を利用できる
・貸与型は 子供名義の借金で 返還は卒業後7ヶ月目から始まる
(*)所得連動返還方式 or 定額返還方式 どちらかを選べる
所得連動返還方式を利用できるのは 「第1種」で2017年4月以降の奨学生かつ「機関保証」に加入している人が対象

(**)「第2種」(利息あり)は定額変換方式のみ(貸与総額によって返還月額と返還年数が自動的に決まる)
① 返還方法は
 毎月同じ金額を返還する「月賦返還」と返還総額の半分を毎月均等に支払い 残りをボーナスなどの賞与のタイミングに合わせて1・7月に上乗せして返す「月賦・半年併用返還賦」の2パターン
② 採用時に提出する「返還契約書」でいずれかを選択する(提出後は 変更できない)
③ 返還利率は 奨学金を申し込む際に
・「利率固定方式」(貸与終了時の利率が返還完了まで適用される)か「利率変動(見直し)方式」(おおむね5年ごとに市場金利に合わせて見直される)を選ぶかによって決まる
・返還利率が決まるのは 貸与が終了する卒業時(返還利率には 3%の上限がある)
・卒業年度に 改めて利率の算定方式(固定か変動か)を変更することができる
・2023年3月貸与終了の場合 返還利率は「利率固定方式」は 0.940%「利率見直し方式」は 0.400%



■ 大学入学者の初年度納付金(2021年度 文部科学省)

  国立大学 私大文系 私大理系
授業料 53.58万円 81.50万円 113.6万円
入学料 28.20万円 22.56万円 25.10万円
施設設備費 14.82万円 17.91万円
合計 81.78万円 118.89万円 156.62万円





■ 収入が少ないなど 返済が厳しい時は「救済措置」を利用することができる

「救済措置」 ・返済が滞ると 延滞した金額に年率3%の延滞金が加算される
返還期限猶予 ・一定期間 毎月の返済を先送りできる
・通算10年返済を先送りできる
・返済総額は変わらない
減額返還 ・毎月の返済額を減らす
・毎月の返済額を 1/2や1/3に減らし その分返済期間を延ばす
・返済総額は変わらない
・年収の目安を現在の325万円から400万円以下に緩和(24年度~)
・返済割合に2/3と1/4を加える(24年度~)
















「出世払い型奨学金」の導入に向けた国の検討会議が始まる 在学中の授業料を国が立て替え 学生は卒業後の所得に応じて支払う新たな制度 政府は再来年度からまずは大学院での導入を目指す 


 



「出世払い型」奨学金のメリット
〇 財政的に厳しい状況下では返済義務がない 仮に失業してもローン返済に悩むことがないし 返済に窮した借り手が家族に助けを求める必要もない
〇 借り手は「破産」することはなく 将来返済される可能性が残り その分納税者の負担が減る
〇 学生が不況時に卒業し職を得られない場合、 子育てや老齢の親の世話で一時的に仕事を離れねばならない場合でも ローン返済に追われることはない
〇 ローン返済が難しくなることへの懸念から 進学をあきらめていた多くの大学進学希望者を救う
「出世払い型」奨学金のデメリット
●「所得連動返還方式」(出世払い型)が 必ずしも教育格差(進学率の格差)の解消に繋がらない よりいっそうの「給付型」奨学金の拡充が必要
●「出世」の基準をどう決めるのかが難しい 高くすると 返還が進まず その穴埋めのための財源を確保しなければならず 低くすると 低所得者への負担軽減の度合いが薄れる
● 「出世」の基準をどう決めるのかにより 不公平感が生まれる
● 奨学金の2つの保証制度「人的保証」(原則的に両親が連帯保証人に)「機関保証」(毎月決められた保証料が奨学金から天引きされる)の問題はそのまま


■(修士課程の)「授業料後払い制度」の創設(25年度から)

・20年度に始まった修学支援制度の対象に大学院が入っていなかったこと
・将来の奨学金返還を懸念する学生に安心して進学を促す狙いから



■ 教員になった大学院生の奨学金 全額免除へ
 教員:小中学校・高校のいずれの校種も(2024年度採用から)



△ 条件付きで免除:学校現場での実習などを修了した人を教員の奨学金免除の対象に
* 奨学金:日本学生支援機構の貸与型奨学金の返済を免除する
* 「教員不足」の解消に向けた取り組みの一環 戦後長らく続けられた教員の奨学金の返済免除制度を「復活」させることを検討


■「給付型」奨学金の対象の拡大




年収目安 支援内容
(上図)
270万円未満(住民税非課税世帯) 全額支援(授業料などの減免と給付型奨学金)
270万円~300万円未満 2/3 支援(〃)
300万円~380万円未満 1/3 支援(〃)
380万円~600万円未満
(理工系や多子世帯)(*)
1/4 支援(〃)(*)

(*)新区分(検討中 拡充イメージ)(理工系女子はさらに支援を上乗せも)


・こちらを参考に →「高等教育の修学支援新制度(2020年4月スタート)」(文部科学省)


□ 奨学金の手続きは受験の前に始まる

時期 手続きなど
春~ 高3生時に申し込む民間の奨学金手続き
4~7月 JASSOの予約採用申し込み
秋~ 入試前に申し込む給付型奨学金(大学の予約型など)の受付
10月ごろ JASSOの予約採用の採否
翌年春~ 在学生向け給付型奨学金の手続き

〇 多くの奨学金は 申し込み条件として 一定以上の成績を求める
〇 所得などの条件を有利にする努力は必要(「所得制限なしの奨学金でも 審査では所得が少ないと有利になる」)
・審査対象となる収入年度は 住民税基準なら募集期間が5月までなら前々年 6月以降の場合は前年
・高校入学後は医療費控除などを積極的に活用して 課税所得を抑えておきたい
・夏の募集でダメでも ねばり強くチャレンジしたい 9月以降になると入試の出願に併せて手続きをする奨学金の募集が始まる
・大学の奨学金には 入学後に申し込むものも多い(大学2年生以降もチャンスはある)
〇 多くの私大が定員割れを起こし また 国の給付型奨学金制度の拡充もあり 私大の奨学金制度は 奨学生の対象や給付内容は随時見直されている

□ 教育資金が足りない時に役立つ制度

運営者・制度など 特 徴
JASSO(日本学生支援機構)の奨学金 給付型(2017年新設)と貸与型(無利子・有利子)
自治体や民間企業の奨学金 市町村による貸与型が多い
地元での就職や定住を条件に返済免除や減額も
企業財団が実施する給付型が多い
新聞奨学生 学費の一部もしくは全額を新聞社が肩代わりする代わりに 在学中 新聞配達業務を行う 業務を行う場所は 学生側が選択することは不可能
大学の奨学・特待生制度 給付型も貸与型もある
国公立大学では授業料免除や減額が多い
給付型では 「予約型」が増えている
「国の教育ローン」(日本政策金融公庫) 令和4年4月に改正された(*
母子父子寡婦福祉資金貸付金(地方自治体) ひとり親や親のない子どもに無利子で貸付
生活福祉資金貸付制度(社会福祉協議会) 住民税非課税など低所得世帯に無利子で貸付

□ 全国には約9000(19年度)の奨学金制度がある(学校や公益団体では)給付型が主流でそれぞれ対象となる人数や条件 募集時期などは様々(地方公共団体では貸与型が多い)「毎月のように様々な奨学金が募集をしているが 知られていない」
 奨学金の情報は高校や大学に問い合わせるほか 様々な 奨学金情報サイト がある

・こちらも参考に→

「独立行政法人 日本学生支援機構」
「国の教育ローン 日本政策金融公庫」
「進学にかかるお金と奨学金の話」(日本FP協会)


学生バイト(19歳以上23歳未満)税と社会保障

「年収103万円の壁」(所得税の壁)を160万円に引き上げることが決定(2025年から適用)
結果 → パート・アルバイトの場合 所得税が非課税となる給与収入は160万円以下 住民税では110万円以下に(住民税の基礎控除は変わらないため 所得税より50万円も下回る)
結果 → 納税者が大学生などの場合 勤労学生控除(所得税27万円 住民税26万円)の適用を受けると 学生自身の所得税は年収150万円(123万円+27万円)以下で所得税非課税に アルバイトで123万円以上稼いでも 直ちに親に税負担が発生しない「特定親族特別控除」を新設


■ 「特定扶養控除」
〇 12月末時点で19歳以上23歳未満の扶養親族がいれば 「特定扶養控除」の対象
 上記の年齢条件に加えて以下の要件を満たす必要がある
 ・配偶者以外の親族である
 ・特定扶養親族の年間合計所得金額が58万円以下である
 ・納税者と生計が同一である(同居しているか いないかに関わらず)
 ・納税者が事業を行っている場合 事業専従者として給与を支払っていない
〇 控除額は所得税で63万円 住民税で45万円

→ 特定扶養親族の年収上限が123万円に引き上げられた(勤労学生控除を使えば 150万円)

・控除が適用されるのは「子など扶養親族の所得が58万円まで」(給与所得控除は65万)
・子の合計所得金額58万円超123万円以下(収入が給与だけの場合 123万円超188万円以下)123万円を超えると特定扶養控除の対象とはならないが

■「特定親族特別控除」が創設されたことにより、特定扶養親族の対象とはならない場合でも、合計所得金額58万円超123万円以下(収入が給与だけの場合 123万円超188万円以下)の特定親族につき、その合計所得金額に応じて控除する仕組みが適用される


■ 特定扶養控除引き上げ (2025年より)
・ 改正後は 所得税の場合 学生の年収が123万円を超えても 「勤労学生控除」を使えば150万円までは課税されない 親も「特定親族特別控除」を使えば税負担は増えない
・具体的には 年収が123万円を超える場合でも 年収が150万円までは特定扶養親族の扶養控除額と同額の63万円が特定親族特別控除額として控除することができ さらに188万円までは段階的に控除額が減少するため 子どもの収入増加が家庭の手取りに大きな影響を与えることを防げる

■ 特定扶養控除(19歳以上23歳未満の扶養親族)
子の年収 控除の種類 親の控除額(所得税) 親の控除額(住民税)
123万円以下 特定扶養控除 63万円 45万円
150万円以下 特定親族特別控除 63万円 45万円
155万円超188万円以下 特定親族特別控除(段階的減少) 段階的に減少 段階的に減少
188万円超 控除なし 0円 0円


■ 一般扶養控除(16歳~18歳・23歳以上の子供)
子の年収 控除の種類 親の控除額(所得税) 親の控除額(住民税)
123万円以下 一般扶養控除 38万円 33万円
123万円超 控除なし 0円 0円


* 高校生などの扶養控除の見直し  児童手当の支給期間が 高校生までに拡充され( 所得制限は撤廃 2024年10月分から適用 支給は12月分から )それに合わせて 扶養控除について 所得税は25万円(26年度から) 住民税は12万円(27年度から)に縮小される予定だったが  延期に)



  現行 改正後
給与所得控除 下限55万円 → 下限65万円
基礎控除 所得税48万円
住民税43万円
→ 95万円
→ 43万円(据え置き)
所得税の課税最低限 103万円(の壁) → 160万円(65万円+95万円)
扶養控除 19~22才の63万円(所得税)控除
・対象者の年収は103万円以下
→ 年収150万円以下


● (所得税に関して 学生に限らず )給与収入が162万5000円以下の場合
 給与所得控除:65万円
 基礎控除:95万円
 さらに勤労学生控除(大学などに在学中の勤労学生が使える):27万円
 → 給与収入160万円までは 課税所得がゼロ
 
● (住民税の所得割
 給与所得控除:65万円
 基礎控除:43万円
 勤労学生控除:26万円
 →給与収入124万円までは 住民税非課税(均等割りについては自治体により異なる)

● (健康保険)130万円を超えると アルバイト先の健康保険もしくは国民健康保険に加入

● (国民年金の学生納付特例
 要件:前年の所得が「128万円 + 扶養親族等の数 X 38万円 + 社会保険料控除等」以下であること
 ・扶養親族や社会保険料控除がない場合は 128万円以下で特例制度の対象
 ・128万円を超える所得がある場合は 通常の保険料を納めることに

・「控除」が外れた場合の親の税負担イメージ(例)

123万円以下 子の給与収入 123万円超
親の控除額
所得税で63万円
住民税で45万円
特定扶養控除 控除額はゼロ(親に税負担が発生)
所得税 63万 X 20% = 12.6万
住民税 45万 X 10% = 17.1万
計 17.1万円 の税負担
親の控除額
所得税で15万円
住民税で15万円
所得金額調整控除 控除額はゼロ(親に税負担が発生)
所得税 15万 X 20% = 3万
住民税 15万 X 10% = 1.5万
計 4.5万円 の税負担

*(上図)税負担額は概算 親の税率は所得税20% 住民税10%のケース(親の年収は1000万円)

● 「所得金額調整控除」
・23歳未満の扶養親族がいる場合「(給与収入-850万円)X 10%」が控除される(給与所得控除が縮小された見返りに2020年度分からできた(親の年収は850万円超))
・「特定扶養控除」と併用できる(「特定扶養控除」は 親のどちらかしか適用できないが「所得金額調整控除」は両親ともに使えるので 適用外になった場合の影響は大きい)

● (扶養手当(家族手当))
・親が勤務先から支給されている 条件は企業によって異なるが 給与収入を103万円以下とするケースが多い


■ 留学先でバイトをする16歳以上30未満の親族
(非居住者である子供等)について扶養控除等の適用を受ける場合


・令和5年1月からは 扶養控除の対象となる国外居住親族は 扶養親族(居住者の親族)のうち 合計所得金額が 48 万円以下(給与収入が103万円以下*)である者とされた
(* 給与収入が103万円以下):国内外を問わず1月1日~12月31日の間の給与収入が 日本円に換算して103万円までは 課税所得はゼロ(なお 海外に留学する学生は 勤労学生控除は適用されない)
 住民税は1月1日時点に住民票がある自治体が その者の前年の所得に対して課税するので 居住地を海外等に移している場合は 住民税は課税されない

■ 扶養控除に係る確認書類
(給与等の支払者に提出し 又は提示する必要がある)

非居住者である親族の年齢等の区分 扶養控除等の申告書の提出時に必要な書類 年末調整時に必要な書類
16歳以上30歳未満又は70歳以上 「親族関係書類」 「送金関係書類」
30歳以上70歳未満で 留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者 「親族関係書類」及び「留学ビザ等書類」 「送金関係書類」
30歳以上70歳未満で あなたからその年において生活費又は教育費に充てるための支払いを 38万円以上受けている者 「親族関係書類」 「38万円送金書類」

* 確定申告において 非居住者である親族について扶養控除等の適用を受ける場合「親族関係書類」、「留学ビザ等書類」、「送金関係書類」又は「38万円送金書類」を確定申告書に添付または提示

「親族関係書類」 ① 戸籍の付票の写しなど日本国又は地方公共団体が発行した書類及び非居住者である親族の旅券の写し 又は
② 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類
「留学ビザ等書類」 ① 外国における査証(ビザ)(留学の在留資格に相当する資格)に類する書類の写し 又は
② 外国における在留�カード(留学の在留資格に相当する資格)に相当する書類の写し
「送金関係書類」 ① 外国送金依頼書の控え(日本語での翻訳文も必要)
② クレジット会社の利用明細書(非居住者が利用したことに対し あなたが支払いをした事を明らかにする書類)
「38万円送金書類」 「送金関係書類」のうち あなたから非居住者である親族へその年における支払いの金額の合計額が38万円以上であることを明らかにする書類

*知り合いに依頼して 生活費等を現金で非居住者である親族に渡している場合などは 送金関係書類がないことになり 扶養控除等の適用を受けることはできない

・詳しくは →「令和5年1月からの国外居住親族に係る扶養控除等Q&A(源泉所得税関係)」(国税庁) をご覧ください(このファイルは アクセス許可が制限されています 飛ばない場合は 検索エンジンから 検索してください)


(「出世」と言ったら「出世魚」(成長につれて呼び名が変わっていく魚のこと)「出世魚」と言ったら「ブリ 鰤」「ブリ」といったら「ブリ大根」しかし・・・
 ブリは「青魚」なのです 青魚を食べるなら やはり 刺身か寿司 が 良いですなァ しかし 「ブリ大根」も旨そう)


2025年10月26日

2022年11月10日

096. パパ・ママ・育児

● 25年度から(4月01日~ さらに子育て支援策が 拡充された)
「出生後休業支援給付」の創設 育児休業給付金を賃金80%へ引き上げ(一定期間の実質手取り10割相当に(育休期間は社会保険料が免除され 給付金は非課税 このため合計給付率が80%なら 手取り額では休業前とほぼ同じになる)
 両親がともに14日以上育児休業を取得した場合(男性が子の出生後8週間以内 女性が産後休業後8週間以内に なお 配偶者が雇用保険の被保険者ではない場合やひとり親家庭の場合は除外 母親だけが単独で休業すると給付率67%(手取り8割相当)の育児休業給付金のみ 父親の休業により 支援給付金が上乗せとなる)最長で28日間育児休業給付に13%上乗せをして 手取り収入が減らないようにする)(産後パパ育休などを14日以上取得すると給付率が上がる仕組みに)(25年4月から)

・「育児時短就業給付」の創設(賃金の最大10%に相当する給付金を給付)2歳未満の子どもを養育する目的で時短勤務を選択した場合の賃金の減少を補うための給付制度(女性だけが時短勤務を選択してキャリア形成に男女差が生じることがないように 男性も給付の対象になる)(25年4月から)

・「子の看護等休暇」(25年4月から)これまでは 子が病気などで看護が必要な時でないと利用できなかったが(1年度において5日(子が2名以上の場合は10日))
→ 就学前から小学校3年生まで延長
→ 学級閉鎖 入園(入学)式 卒園式でも取得可能に
→ 勤続6ヶ月未満の労働者の労使協定除外の仕組みの廃止(除外できない)

・「柔軟な働き方を実現するための措置」(25年10月から)
→ 事業主は「3才以上小学校入学前」の子を養育する労働者に対し ①始業時刻の変更 ②テレワーク(月10日以上)③保育施設の設置運営・ベビーシッターの手配と費用負担 ④養育両立支援休暇(年10日以上)⑤短時間勤務制度から2つ以上を講ずる必要

・「個別の周知と意向聴取」(25年10月から)
→ 子が3才の誕生日1ヶ月前になるまでの一年間で面談等
  3歳以降も利用できる支援策説明
  制度利用の意向確認

・「こども誰でも通園制度」親の就労の有無にかかわらず保育施設が利用可能に(26年4月から)
・障害児・医療的ケア児などの支援体制強化
・「児童手当の拡充」(・所得制限撤廃 ・支給期間を「中学生まで」から「高校生年代まで」に延長 ・第3子以降の支給額を月3万円に増額 ・併せて 扶養控除も見直される)(24年10月分から適用 支給は同年12月から)
・保育士の配置基準の改善・処遇改善 保育士1人が見る4~5歳児のい人数を減らせるように 運営費の加算措置を創設 人件費の引き上げ
・放課後児童クラブの職員配置の改善 常勤の放課後児童支援員を2人以上配置した場合の補助を創設
・児童扶養手当の拡充 満額受給できる年収を190万円未満 一部受給は385万円に緩和 第3子以降の加算増額
・ 子供が1才になるまで 親の国民年金保険料の免除(2026年10月より)
・「妊婦のための支援給付」妊娠・出産時に10万円相当の給付を制度化(25年4月から)

  短時間勤務制度(*) 育児時短就業給付
子どもの年齢 原則3歳未満(25年10月以降 会社が選択した場合 小学校就学時まで) 2歳未満
契約上の勤務時間 原則1日6時間 時短就業前より1週間当たりの労働時間を少しでも短縮

(*)法令上の規定 会社によって子どもの年齢の引き上げや6時間以外の労働時間の設定をする場合もある


「改正育児・介護休業法」(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)
「育児休業制度」は労働者の性別を問わず適用され 原則として 子が1歳に達する日(1歳の誕生日の前日)までの間の労働者が希望する期間の育児休業を取得できる(例外あり 育児休業制度が導入されている職場の場合)
〇 有期雇用の従業員の育休取得は「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件があったが廃止される 要件は「子が1歳6ヶ月までの間に契約が満了することが明らかでない」のみに(労使協定で1年未満の従業員を除外することは可能)
〇 男女を問わず1歳までに育児休業を2回に分割して取得できるようになる「産後パパ育休」と併用すれば 男性は1歳までに計4回の育休取得が可能に
企業には
本人または配偶者の妊娠・出産を申し出た社員に育休制度を個別に知らせることを義務付け
● 育休制度を知らせた対象者の取得意向を確認することを義務付け
● 従業員1001人以上の企業に育休取得率の公表を義務付け(2023年4月~)

・(2022年10月01日)「産後パパ育休」(出生時育児休業)創設と「(通常の)育児休業の分割取得」の導入 パパの育休は 最大4回に分けて取得OKに

 

  産後パパ育休
(22年10月01日~)
育休制度(22年10月01日~)
対象期間
取得可能日数
・子の出生後8週間以内に 最大4週間(28日)まで取得可能
・育休とは別に取得可能
・原則子が1歳(最長2歳(*1))までの1年間(365日または366日(*2))
申出期間 原則 育児休業開始の2週間前まで 原則1ヶ月前まで
分割取得 分割して2回取得可能(始めにまとめて申し出ることが必要) 分割して2回取得可能(取得の際にそれぞれ申し出)
休業中の就業 労使協定を締結している場合に限り 労働者が合意した範囲で休業中に就業することが可能(上限あり) 原則就業不可(一時的・臨時的に就労できる場合も)
1歳以降の延長   育休開始日を柔軟化
1歳以降の再取得   特別な事情がある場合に限り再取得可能(*3)
・(通常の)育休制度(22年10月1日~)
(*1)保育所等(認可外保育施設は除く)に入所できない 配偶者の死亡・負傷・疾病・障害 離婚等の特別な事情がある場合は 対象期間をまず「1歳半まで」延長 さらに「2歳まで」再延長することが可能
 1歳6ヶ月まで延長の場合:延長期間の初日に育児休業を開始する必要あり 妻のみ 夫のみ 夫婦共に 夫婦交代での取得が可能
 2歳まで再延長の場合:再延長期間の初日に育児休業を開始する必要あり 妻のみ 夫のみ 夫婦共に 夫婦交代での取得が可能 夫婦交代で取得する場合は 両者の育児休業の間に空白期間がないようにする(重複は可能)
 パパ・ママ育休プラスの取得中に 保育所が見つからない等の場合 育休の延長事由となるが 当面の延長は1歳6ヶ月到達日まで その開始日は 通常の「1歳の誕生日」ではなく 「パパ・ママ育休プラスの終了予定日の翌日」となる
(*2)産後パパ育休を取得した場合 または産後休業を取得した場合は それらを合算した日数
(*3)1歳以降の育児休業の分割取得:特別な事情がある場合は 1歳6ヶ月または 2歳までの育児休業の再取得が可能に 特別な事情とは 例えば 第1子の育児休業中に第2子が生まれ 産後休業が始まったことで第1子の育児休業が終了したものの 産後休業中に第2子が死亡したというような状況

・産後パパ育休(出生時育児休業)(22年10月1日~)
対象労働者 〇 労働者(日雇労働者を除く)
・産後休業中の労働者(=女性)は除かれるため 主に男性が対象 ただし 養育する子が養子等の場合は女性も対象に
・配偶者が専業主婦(夫)でも取得可能
〇 有期雇用労働者(契約社員 派遣労働者など)は 対象期間の翌日から6ヶ月後までに労働契約期間が満了し 更新されないことが明らかでないものに限る
〇 労使協定により次の労働者を対象外にできる
①入社1年未満の労働者
②申出日から8週間以内に雇用関係の終了が明らかな労働者
③1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
対象期間・取得可能日数 子の出生後8週間以内に4週間(28日)まで
・出産予定日前に子が出生 → 対象期間の起算日は出生日
・出産予定日後に子が出生 → 対象期間の起算日は出産予定日
回数 分割して2回まで
・初回にまとめて申出が必要 後から申出があった場合 事業主は拒否できる
申出期間 原則 育児休業開始の2週間前まで
・雇用環境整備などについて 法を上回る取り組みを労使協定で定めている場合は 1ヶ月前までとすることも可能
・出産予定日前に子が出生した時の場合は 1週間前まで
休業中の就労 原則 就業不可 ただし 労使協定を締結した場合に限り 労働者が合意した範囲で可能(就業日数等の上限あり)


・育児休業に関する主な改正点(2022)

改正点(施行日) 概要
① 個別の周知・意向確認の義務化(4月1日) 妊娠・出産等の申出をした労働者に対し 事業主は育児休業等について個別に周知し 取得の意向を確認する必要がある
② 雇用環境の整備の義務化(4月1日) 育児休業等の申出が円滑に行われるよう 事業主は所定の措置を講じなければならない
③ 有期雇用労働者の取得要件の緩和(4月1日) 要件が「子が1歳6ヶ月までの間に契約が満了することが明らかでない」のみに
④ 出生時育児休業(産後パパ育休)の創設(10月1日) 育児休業とは別に 子の出生後8週間以内に4週間まで分割して2回取得可能
⑤ 育児休業の分割取得(10月1日) 子が1歳までの育児休業は分割して2回取得可能 出生時育児休業(産後パパ育休)とは別に取得できる
⑥ 育児休業開始日の柔軟化(10月1日) 1歳以降の育児休業期間の途中で 夫婦で育児休業が交替取得可能
⑦ 社会保険料免除要件の変更(10月1日) 月末をまたがない育児休業については要件を緩和 賞与月の育児休業については要件を厳格化
⑧ 育児休業取得状況の公表の義務化(2023年4月1日) 常時雇用労働者1000人超の事業主は 育児休業等の取得状況を年1回公表する義務がある


Q:「産前産後休業・育児休業期間中の社会保険料」について 会社員と自営業の違いを含めて教えてほしい また、会社員の「パパ休暇」「パパ・ママ育休プラス制度」についても教えてほしい また 新設の「出生時育児休業制度(産後パパ育休)(改正育児・介護休業法22年10月1日~)についても教えてください


妊娠・出産するともらえるお金等
①「妊婦検診費用の助成」:一般的には、妊娠が分かった場合お住まいの市区町村の役所に「妊娠届出書」を提出し、「妊婦検診審査受診表(検診クーポン)」付きの「母子手帳」を受け取る 14回分が助成される(全市区町村で可 内容や上限額は自治体ごとに異なる)

②「出産手当金」(健康保険に加入する会社員 給料の約3分の2 出産の日(あるいは 出産予定日)の42日前(多胎妊娠の場合98日前)から出産翌日以降56日まで取得できる産前産後休業で休んだ日数分支給(出産が予定日より遅れた場合 遅れた日数分も加算して産前の出産手当金として支給される) 出産の数か月後にまとめて支給されるのが一般的)

③「出産育児一時金」妊娠4ヵ月(85日)以上で出産したとき、一児につき42万円が健康保険より支給される(2023年4月より50万円に)多胎児の場合は その人数分 早産、流産、死産、人工妊娠中絶のいずれについても支給対象)ただし、妊娠22週未満での出産、または産科医療補償制度に未加入の医療機関等における出産の場合は「40万8000円」
 いったん出産費用を支払ってから「出産育児一時金」を受け取るのが原則だが 健康保険の「直接支払制度」や「受け取り代理制度」を利用すれば 直接医療機関に支払われ 建て替える必要はない また 健康保険の「出産費貸付制度」を利用すれば「出産育児一時金」の8割相当額まで無利子で借りられる(出産費用につい 「正常分娩」の費用の保険適用を検討し26年度までに決定するとされている)

④「傷病手当金」
⑤「高額療養費」
 出産の際「異常分娩」 (・重度のつわりで出産前に入院/検査 ・切迫早産・帝王切開が必要と判断された ・逆子などで吸引による分娩 流産 妊娠中毒症等)と医師が判断すると 入院費や手術代 薬代など必要な医療行為が保険対象になる(通常分娩より自己負担額が少なくなることも)

⑥「産婦検診の費用補助」産後間もない女性の心身の健康のための検診への費用補助 全国的に広がっている

⑦「医療費控除」検診や出産費用の自己負担分 通院にかかった交通費は 所得税や住民税の医療費控除の対象に

「出産・子育て応援交付金」(こども家庭庁)(2023年1月~)妊娠の届出時と出生の届出時にそれぞれ5万円 合計10万円を住んでいる市区町村から給付
 また 自治体独自で「出産祝い金」として5万~10万円が支給されることも

「育児休業」「育児休業給付金」
「出生時育児休業(産後パパ育休)」「 出生時育児休業給付金」
「産前産後の保険料免除制度」(国民年金保険料・国民健康保険料、厚生年金保険料と健康保険料共)、「育児期間中の保険料の免除制度」(厚生年金保険料と健康保険料のみ)
・⑨⑩⑪ については
 → ブログ「096. パパ・ママ育児」をご覧ください

「子の看護休暇」 休業制度以外に休暇制度として「子の看護休暇」(年5日 対象の子どもが2人以上の場合は10日)と「介護休暇」(年5日 対象家族が2人以上の場合は10日) いずれも 半日単位 時間単位での取得が可能になっており 利便性が高まっている(「育児・介護休業法」)

「所定外労働」等の制限 労働時間関係として 所定外労働(就業規則等で定められた時間を超える労働)の制限、時間外労働(労働基準法で定められた時間を超える労働)の制限、深夜業の制限、所定労働時間の短縮措置が定められている(「育児・介護休業法」)

「幼児教育・保育の無償化」:(出生(0歳)~2歳児は住民税非課税世帯 3~5歳児は全世帯)

「児童手当」:出生(0歳)~15歳(中学3年)に達してから最初の3月31日までの児童が対象(年収約1200万円以上の人がいる世帯に対する児童手当の特例給付は2022年10月に廃止)(2024年10月分から適用 所得制限は撤廃 支給は12月分から 所得制限は撤廃され 支給期間は高校生までに拡充)(合わせて 見直される予定だった扶養控除の方は先送りに)

「子の医療費助成」子のための医療費の全額又は一部(医療機関等の窓口で支払う自己負担分)を自治体が負担する(多くの市区町村)

「雇用保険料」は勤務先から給与をもらっていなければ負担はない
「所得税」出産手当金や育児休業給付は非課税 ほかに所得がなければ「所得税」は発生しない
「住民税」は前年の所得にかかるため 発生する
〇 自治体独自のひとり親世帯向けの支援制度が整っている自治体もある(制度の有無や名称、内容は自治体によって異なる)
・児童育成手当
・ひとり親家族等医療費助成制度
・ひとり親家庭住宅手当

→ 「出産なび」(厚生労働省)公開(2024年5月30日)

・上図出典:楽天保険
※1 育休取得の要件を満たしている必要があります
※2 育児休業給付金の受給要件を満たしている必要があります
※3 児童手当を受給する人の所得が所得制限を超えている場合は、児童手当の特例給付(5,000円/月)の受給になります。ただし、2022年10月の児童手当支給分から、両親どちらか一方の所得が一定額に到達すると、特例給付5,000円の受給が廃止となりました。






産前産後休業期間 産前42日(多胎妊娠の場合は98日)、産後56日のうち、妊娠または出産を理由として労務に従事しなかった期間
育児休業期間 「産後休業期間」(産後8週間以内)の終了後 その翌日から子どもが1歳となる前日まで
(子が1歳以降の休業については 子が1歳に達する日前までの育児休業とは別に取得可能(*))

(*)保育所などの施設に子どもを預けられない・配偶者が死亡 負傷 疾病等により養育困難 などの理由で仕事に復帰できないときは 支給期間を 1歳から1歳6ヶ月まで、1歳6ヵ月から最大2歳まで延長することが可能(1歳の時点で、2歳までの延長を求めることはできない)


パパ休暇 「産後パパ育休」の新設に伴い 廃止
パパママ育休プラス 〇 夫婦で育児休業を取得する場合 原則 子が1歳までの休業可能期間が 子が1歳2ヶ月に達するまで(2ヶ月分はパパ(ママ)の延長分)まで延長できる(保育園に預けられないなど、仕事に復帰できない理由は必要ないが本人の育児休業の取り方について次の要件をすべて満たす必要がある)
① 本人の配偶者(事実婚の相手も含む ただし 事実婚の場合 本人は子を認知している必要がある)が 子の1歳到達日以前において育児休業(産後パパ育休を含む)をしている
② 本人の育児休業開始予定日が 子の1歳の誕生日以前である
③ 本人の育児休業開始予定日が 配偶者がしている育児休業(産後パパ育休を含む)の初日以降である
〇 2人合わせて 1歳2ヶ月まで 67%給付(育児休業給付金)を受けられる


A:2019年4月から国民年金の第一号被保険者について「産前産後の保険料免除制度」が始まったが 厚生年金保険料と健康保険料には設けられている「育児期間中の保険料の免除」はならず 国民年金保険料・国民健康保険料とも免除されず納付しなければならないなお、この免除期間は、将来、被保険者の年金額を計算する際は、保険料を納めた期間として扱われる)

(免除制度) 国民 年金・保険(と介護保険料) 厚生 年金・保険(と介護保険料)
産前産後の保険料免除制度(*)
育児期間中の保険料の免除制度 ×
(**)


(*)国民年金の第一号被保険者の「産前産後期間」
・出産予定日または出産日が属する月の前月から4ヶ月間  多胎妊娠の場合は、出産予定日または出産日が属する月の3ヶ月前から6ヶ月間(なお、産前産後期間は付加保険料の納付ができる)
・子供が1才になるまで 親の国民年金保険料の免除(2026年10月より)
・出産とは、妊娠85日(4ヶ月)以上の出産(死産、流産、早産された方を含む)
(**)22年10月~ 月末時点の取得だけでなく 月中でも2週間以上の取得で対象に(賞与保険料免除は1ヶ月超の取得者に限定)
(**)子育てをしながら働き続けていると 法的には子が3歳になるまでの間 認められている短時間勤務などで報酬が下がることがある(そうなると、将来受け取れる老齢年金が減ってしまう)
 このため 3歳未満の子を養育中の人で養育期間中の報酬が養育を始める前の月より下がった場合 一定の条件を満たした期間については養育を始めた前の月の標準報酬月額が適用される(下がる前の給料を基に年金額を計算する「養育特例」

「出産手当金」や「育児休業給付金」(現在の180日間賃金の 67%)だけでは収入は下がる しかし 「手取り」で考えると当初の180日(約半年)では (以下の理由で)減額幅はそれほど大きくはない(手取りは 8割相当と言われる)
・いずれの給付も「所得税」は非課税 ほかに所得がなければ「所得税」は発生しない
・「雇用保険料」は勤務先から給与をもらっていなければ負担はない
・ 健康保険や社会保険料などが免除となる(免除を受けても将来受け取る年金額などで不利になることはない)


・「こども・子育て支援金」児童手当拡充などの財源確保のため公的医療保険料に上乗せする「子ども・子育て支援金」の徴収は2026年4月1日から開始される(徴収総額を 6000億円から順次引き上げ 28年度に1兆円とする)



Q : 妊娠・出産するともらえるお金等を教えてください

  「Q&A 教育費・養育費」をご覧ください


Q:「育児休業給付」、新設の「出生後休業支援給付金」について詳しく教えて欲しい

・育児休業期間中は 雇用保険から給付金が支給される


  育児休業給付金 出生時育児休業給付金
対象となる育児休業 育児休業(パパ・ママ育休プラス 育児休業の延長 再延長を含む) 産後パパ育休
休業対象期間 原則 子の出生日~1歳(場合によって1歳2ヶ月 1歳6ヶ月 2歳)到達日まで 子の出生日~8週(56日)間
休業取得可能日数(最大) 原則 1年(場合によって 1年6ヶ月 2年) 4週(28日)間
休業前の雇用保険の被保険者期間 (*1) (*1)
休業期間中の就業可能日数 1ヶ月(休業開始日から起算)に10日以下(10日超の場合は就業時間が80時間以下) 最大10日間以下(10日超の場合は就業時間が80時間以下)
有期労働者への追加要件 子が1歳6ヶ月(場合によっては2歳)までの間に労働契約の満了や不更新が明らかでないこと 産後8週間の翌日~6ヶ月までの間に 労働契約の満了や不更新が明らかでないこと
給付金支給額 (休業開始時賃金日額×支給日数)× 67%(50% *3) (休業開始時賃金日額×支給日数)× 67%

(*1)休業開始日前の2年間(*2)に 賃金支払い基礎日数が11日以上(11日未満の場合は就業時間80時間以上)の月が12ヶ月以上
(*2)育児休業開始日前2年間に 疾病や負傷など やむを得ない理由により引き続き30日以上賃金の支払いを受けることができない期間があった場合は その期間を2年に加算できる(合計で最長4年間)
(*3)育児休業開始から181日以降の場合は 50% なお 実際の支給額は 育児休業中に仕事をした日数により変わり 賃金の80%以上が支払われると給付金は支給されない

〇 上記2つの育児休業給付に加えて「出生後休業支援給付金」の創設(2025年4月)
 子の出生後8週間以内(男性は子の出生後8週間以内 女性は産後休業後8週間以内)に 本人と配偶者が共に14日以上育児休業を取得した場合 最長で28日間 育児休業給付に13%上乗せをして 賃金80%へ引き上げ(一定期間の実質手取り10割相当に(育休期間は社会保険料が免除され 給付金は非課税 このため合計給付率が80%なら 手取り額では休業前とほぼ同じになる)

  育児休業給付の補助率
~28日間(両親とも取得なら) 休業前賃金の80%(社会保険料の免除などで 手取りは100%)
29~180日間 67%
181日間~ 50%


・こちらも参考に →
「育児休業給付の内容及び支給申請手続きについて」(ハローワーク)
「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」(厚生労働省)
「育児休業等給付について」(厚生労働省)


〇〇
改善
22年度 24年度
保育士の給与 1.2% 10.7%
男性の育休取得率 17.1% 30.1%(23年度)
●●
悪化
22年度 24年度
出生数 77万人 68.6万人
婚姻数 50.4万組 48.5万組
合計特殊出生率 1.26 1.15

・上記出典:NHK


*合計特殊出生率(1人の女性(15~49歳)が生涯に産む見込みの子どもの数 1.15で過去最低)は 既婚者に限ると 1.9とされる(出生数が減るのは婚姻数が減ったからに尽きると)




(親を思う・子を思う・世に在る子を思う いずれ その子も 親を思う・子を思う・・・う~ん

2025年9月29日

2022年11月03日

095. 結婚とお金



 婚姻とは 男女の婚姻意思が合致して夫婦となる身分行為 法律的にも夫婦として認められるためには婚姻届を提出する必要がある
 憲法第二十四条
① 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
② 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。


・上記出典:読売新聞

・上記出典:朝鮮日報

 依然として 日本では男性が稼ぎ手 女性はそれを支える という性別役割分担意識が根強く 男性は自分の稼ぎでは結婚できない 女性はこの人の収入では生活できない と考えて結婚に至らない
  収入が増えないと家庭を持つことをためらう男性 十分な収入のある男性との出会いを待つ女性 未婚のまま年齢を重ねていく


夫婦のお金の管理方法
「どの方法が簡単に続けられるか」夫婦で話し合って決めましょう
① 家計管理が得意なほうが管理する
② 項目別に支出を分担する
③ 毎月定額を共同口座に入金する
④ 夫婦の収入を全て共同口座に入金する
⑤ 生活費と貯蓄に 完全に分離する
・夫婦にとって無理のない家計管理の方法を活用し 毎月の管理をしながら将来のための貯蓄も進められると理想です



① 家計管理が得意なほうが管理
〇メリット
・夫婦のどちらかが 家計管理の全てを担う方法 収入と支出が全て管理できるため見落としや抜け漏れがなく 無駄遣いを発見しやすい
・家計管理の得意な人、時間的にゆとりのある人が管理を担当することで お金に関わる時間を夫婦で最適化しやすく 家計管理のストレスを感じにくくなる
・世帯の収支を一括管理すると 夫婦間での煩わしい金銭のやりとりを省ける 1人で切り盛りすれば節約の効果が家計に現れやすい
●デメリット
・一方はお小遣い制 もう一方のお小遣いは家計の中から出るので 管理する側のお小遣いが不透明 不公平感が出ることも
・「お金は妻が管理するもの」などと決めつけて 不得意な妻がお金を管理すると「気づいたらお金が無くなってしまっていた」なんていうトラブルにもなりかねない
・1人が全体管理をする方法は負担が偏ってしまい 一方がストレスを感じることも また 一方が家計に無関心になることも
・いくら手間な家計管理を任せているとはいえ 好きに使える金額が制限されてしまうとストレスが溜まってしまう 定期的な見直しが必要
・きちんと生活費 貯蓄の金額を決めておかないと「生活に必要だから」の一言で 家計費を使いすぎてしまうことも


・下図出典:ママ賃貸

② 項目別に分担する
〇メリット
・ローンや家賃 光熱費は夫、食費や日用品費は妻などと 項目別に分担するパターン 一度しっかり決めてしまえば 毎月の報告などがなくてもある程度自由にできる
・もともと一方が住んでいた家に もう一方が引っ越してくる場合などにも取り入れやすく わざわざ話し合いをしなくても自然とそうなることが多い
・夫婦で収入の高いほうが金額の大きい費目を担当する、家事を担うほうが食費や日用品費を担当するという区別が簡単 上手くバランスが取れて役割分担できる
・割り当てられた分さえ支払えば 残額をそれぞれ自由に使うことができる
・例えば通信費に強い人が通信費を担当し この新プランがいいらしいよ などと節約のアイデアが浮かびやすい
・費目で分けるため 定期的に各費目を合算し家計全体の状況を確認することができる
●デメリット
・家賃や光熱費など 自動的に引き落とされる固定費に比べ 食費や日用品 交通費などの変動費は精神的な負担がかかることも
・それぞれが負担する金額をフェアにするため 誰が何費を負担するといった項目の組み合わせをよく考える必要がある 最初の分担が偏ってしまうと トラブルになりやすい
・出ていくお金を割り振るだけで そもそもいくら入ってきているのかといった家計の全体像を把握できず 世帯の収支が不透明 支出が多くなりがちで 貯蓄が貯まりにくい
・貯金に関して決められていない 夫婦共有の貯蓄用口座を作って一定額を入れる等の取り決めをしないと 個人の貯蓄に頼ることになり 貯蓄がたまりにくい


・下図出典:ママ賃貸

③ 毎月定額を共同口座に入金する
〇メリット
・お互いに月収の6割を家計に入れよう などとルールを決め その中で生活費をやりくりする方法 収入から入金する金額を差し引いた分は自由に使えるお金となる 最も共働き夫婦の家計管理に向いた方法
・家計の支出はこの口座から出し その月の余った額 又は あらかじめ決まった額を別の貯蓄用の共同口座に移すことで 貯蓄もしやすい
・夫婦に収入の差がある場合は 共通口座に入金する割合を調整すればシンプルで不公平感がない
●デメリット
・自由に使えるお金は使い方が不透明になることも きちんと支出を管理しないと無駄遣いが増えてしまう
・貯蓄もそれぞれの収入に応じて負担しないと 貯蓄できているかどうかわかりにくい 妻が産休・育休に入ったときなど収入に変化があった際の見直しや 家事負担についての考慮も必要


④ 夫婦の収入を全て共同口座に入金する
〇メリット
・いわゆる「財布を一つにまとめる」その中からそれぞれのお小遣いを取り 残りをすべて生活費や貯蓄にする方法 お小遣いの上限が決まっているので節約の意識が高まる
・入ってくるお金も出ていくお金もすべてふたりで共有していくので お金がとても貯まりやすい方法 普段からあまりお金を使わない夫婦には最適
●デメリット
・貯金は先取りで別の口座に入れるなど 使いすぎない工夫が必要 収入が少ない方がお金を大量に使いすぎるということがあればトラブルにも
・自由にお金を使っていた独身時代と比べ 生活スタイルが大きく変わり 支出がすべて明るみに出ることに負担を感じる人も

・下図出典:ママ賃貸

⑤ 生活費と貯蓄に 完全に分離する
〇メリット
・一方の収入だけで生活をやりくりし もう一方の収入をまるまる貯蓄に回すという方法(収入が少ない方を貯金に回すほうが一般的)1人分の給料をまるまる貯金に回すので 貯まるスピードが速い
・一方の収入だけで生活する習慣が築き上がり 一方の収入が減っても生活費が変わらない 生活費として想定される金額の目安があるため 生活費の肥大化が防げる
●デメリット
・生活費を稼いでいる方が病気などで働けなくなった場合や育休産休の時の対応もあらかじめ決めておく必要がある
・夫婦どちらとも手取りが少なく どちらかの給料だけでは2人で生活出来ない場合はこの方法は使えない そんな中でも一部を貯蓄に回す必要がある
・生活費をいくら節約しても 家計全体の節約に繋がりにくい
・本当に貯蓄できているか疑いが発生しやすい 本当に公平なのか 情報共有がしっかりできないと難しい
・ふたりの収入バランスも重要 貯蓄担当の収入が圧倒的に低いと 必要な割合の貯蓄ができない可能性が 生活費担当の収入が十分でない場合も 貯蓄担当の口座に本当に手を付けずに続けられるのかが心配


 


 



■ 「子連れ再婚」

・再婚率は上昇しており 結婚するカップルの1/4は どちらか 又は双方が再婚の組み合わせ


 再婚(特に「子連れ再婚」)に伴うお金の問題は大きく4つある
 養育費・扶養関係・年金・相続の4つ


「子連れ再婚」とお金 ① 養育費

 再婚の場合 新しい配偶者に前婚の未払い婚姻費用 慰謝料 財産分与 養育費といった支払いが残っている場合がある

① 再婚した夫が養育費を支払っている場合
 養育費の支払いは 支払期間も長く 支払金額も少なくない場合が多い この支払は家計への負担が大きい 特に再婚後に子供ができた場合 妻が産休・育休を取ると 家計全体の収入が大きく下がる

② 再婚した妻が養育費を受け取っている場合
 再婚相手の夫と再婚した妻の連れ子が 養子縁組(*)をすると 第一次的な扶養義務者は 離れて暮らす実父(前夫)ではなく 一緒に暮らす養父(再婚相手の夫)となる この場合 前夫の手続きにより 前父からの養育費が減額 免除になることも

さらに
③ 子連れ再婚により 突然 子どもができた親の場合
 自分自身に子育て経験がなく 急に親になった場合 子育て費用は思ったより高額だと感じることも多い 子育て費用がトラブルの原因にならないように 事前に確認をしておくことが大切

「子連れ再婚」とお金 ② 扶養関係

 妻子を扶養親族にできれば 社会保険料や税金の負担を軽減できる

・健康保険について(再婚相手の夫も前夫も会社員の場合)
 再婚した夫が妻の連れ子と養子縁組をしていなくても 妻の連れ子(16歳以上23歳未満)と生計維持関係にあって 同居していれば 連れ子を健康保険の被扶養者にできることが一般的
 しかし 実父(前夫)が被扶養者としていれば 健康保険の二重加入になってしまいできない(実父とのトラブルになりかねない)

健康保険における被扶養者の範囲 認定要件
・配偶者(内縁関係を含む)
・被保険者本人の 直系尊属(父母・祖父母など)
・子(養子を含む)孫 弟妹
生計維持関係
・三親等内の親族(上記を除く)
・内縁関係の配偶者の父母 子(連れ子等)
生計維持関係
+ 同一世帯


・税金について
 再婚した夫が妻の連れ子と養子縁組をしていなくても 妻の連れ子は 1親等の姻族に当たるため 「生計同一関係にある」「所得要件を満たす」であれば 妻の連れ子の扶養控除も利用できる
 しかし 健康保険と同じように実父との重複利用はできない(実父とのトラブルになりかねない)

「子連れ再婚」とお金 ③ 年金


・年金分割 再婚相手が離婚経験者の場合 元夫婦間で年金分割がされていると(事前に確認しておきたい) 実際に年金を受け取る年齢になったとき 年金額が少なく 老後プランに支障が及ぶことも(一方 分割を受けた妻は再婚しても受け取ることができる)

・遺族年金 夫が死亡して遺族年金を受給している妻が再婚すると(内縁関係も同じ)遺族年金の受給権を失う
 妻が再婚した場合 代わりに子供が18歳になった年度の3月31日までは遺族年金を受給できるが その子供が母と同一生計の場合や 子供が母の再婚相手と養子縁組をしている場合は 遺族基礎年金は受け取れず 遺族厚生年金のみ継続受給できる(40~64歳なら年約60万円の中高齢寡婦加算も上乗せになる)

 離婚に伴うお金の問題は大きく5つある 婚姻費用・慰謝料・財産分与・年金分割・養育費の5つ

 → ブログ「094. 離婚とお金」をご覧ください

「思ったほど遺族年金は多くない 当てが外れた」と感じる ” 残された妻 ”  押さえておきたい 「遺族年金のポイント 」①~⑱

「遺族年金」について   「Q&A 年金」のページ

「子連れ再婚」とお金 ④ 相続


 適正な遺言書があれば スムーズな遺産相続が可能(注意したいのが 各相続人の遺留分(法定相続分の1/2))

 例えば 前妻との間に子供がいる男性が 離婚歴があり子供がいる女性と再婚し 再婚後に子供をもうけた後 その男性が亡くなった場合 法定相続人は
・再婚した妻
・再婚後に生まれた子供
・前妻との間の子供
・再婚した妻の連れ子(養子縁組をした場合)
 (法定相続分は妻(配偶者)は 1/2 子は1/2を子供の数で分ける)


 普段関わりのない人が同じ法定相続人という立場では 遺産分割協議は難しくなりがち
  前妻との間の子供が未成年の場合 前妻が子供の法定代理人として協議に参加することとなる 感情的なもつれが生じたりして 協議は難航しやすい

〇 相続トラブル回避のポイント
「相続を円滑に進めるには内容が整った遺言書が不可欠」
・遺言で誰に、何を、いくら渡すかを明記
・再婚相手に多く渡すのなら子の遺留分に配慮
・遺留分の支払いに備え死亡保険に加入も
・もめそうだと思ったら生前贈与することも
・再婚相手の住まい確保のため配偶者居住権利用も


■ 連れ子と養子縁組しましたか?


■ 再婚する際の「連れ子」の戸籍と苗字について 選択肢は?
→ 再婚しても自動的には子供の戸籍・苗字は変わらない 別に手続きが必要
■ 再婚・子連れ再婚に際しての 戸籍・苗字についての選択肢は?
詳しくは
→「氏名変更相談センター」(運営:司法書士事務所エベレスト大阪事務所)


再婚しても養子縁組しなかった場合 子どもは実親の戸籍に残ったまま 養育費の支払い義務は基本的に実親が引き続き負い 再婚相手は扶養義務を負わない また 再婚相手の財産を相続する権利もない 子どもの名字も変更されない

  普通養子縁組 特別養子縁組
縁組の成立 養親と養子の同意により成立 養親の請求に対して家裁の決定により成立
要件(養親) 成人であること(独身でも可) 満25歳以上の夫婦(一方が25歳未満の場合は20歳以上)で共に養親
要件(養子) 養親より年少者 原則として6歳未満
実親の同意等 養子が満15歳未満の時は法定代理人が同意 実父母の同意が必要
実父母との関係 親族関係は終了しない 親族関係は終了する
成立までの看護期間 特段の設定はない 6ヶ月以上の看護機関を考慮して縁組
戸籍の表記 実親の名前が記載され 養子の続柄は「養子(養女)」等と記載 実親の名前は記載されず 養子の続柄は「長男(長女)」等と記載
身分事項欄に「〇年〇月〇日民法第817条の2による裁判確定」と記載される
相続権 実親と養親の両方から 養親のみから
離縁 当事者の協議で可能 養子 養親のいずれでも訴えの提起可能 家裁の審判が必要 養親からの請求不可


〇 「特別養子縁組制度」改正(2020年4月1日~)



■「事実婚」法律婚と事実婚は相続や税の扱いが異なる
  法律婚 事実婚
婚姻届 提出する
社会に広く認められる
提出しない
住民票に「夫(未届)」「妻(未届)」と記載できる
戸籍上の姓 同じ それぞれ
子どもの親権 共同親権 1人が親権
一般に子どもは母親の戸籍に入り 父親が認知する
健康保険の被扶養者 なれる なれる(*)
国民年金の第3号被保険者 なれる なれる 年金分割も可(*)
遺族年金 受給できる 受給できる(*)
民間の保険 配偶者として扱う 配偶者として扱うことが多い
生命保険金受取時の非課税枠 適用化 適用できない
法定相続人 自動的になる なれない(子どもは認知されればなれる)
被相続人の財産を引き継ぐ場合 相続人(相続) 受遺者(遺贈)(*2)
相続税額 配偶者としての税額 2割加算の対象」
配偶者居住権 適用化 適用できない
不動産登記時の登録免許税(*3) 評価額の0.4%(相続) 評価額の2%(遺贈)
所得税の配偶者控除 対象 対象外
相続税基礎控除の法定相続人数 含まれる 含まれない
相続税の配偶者税額軽減 使える 使えない

(*)個別の法律で「配偶者」に含まれると規定されている
(*2)遺贈の場合 被相続人による遺言書での受遺者に対する意思表示が必要 他に死因贈与契約という方法もある
(*3)不動産登記(名義変更)については相続であれば相続人のみで手続きできるが 遺贈の場合は遺言執行者または相続人の協力が必要


〇 家族の中で姓が異なることに伴う手続き以外 社会保障制度など子どもの生活面での不利益は少ない
● 税制上の優遇は受けられない
● 事実婚では パートナーの法定相続人にはなれず遺留分もない 財産を引き継ぐには 互いに遺言書を作成したり 生命保険を活用したりといった対策をとる必要がある「何も手を打たないと 財産を一切引き継げないこともある」
● 夫婦が事実婚関係を解消する場合 子どもの親権を父親が持つ場合は 母親の親権を外して父親に移す手続きが必要 法的な親子関係があれば 養育費を負担する義務がある




・生涯未婚率は(上図)


(新郎○○(新婦○○)、あなたは○○を妻(夫)とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻(夫)を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?)


□ 選択的夫婦別姓

・「結婚に伴い改姓するのは96%が女性 女性に負担が注中しており 社会進出の障害になっている」と

 


・上記日付は 2019年



□ 再婚禁止期間の撤廃

・明治時代から続いていた「女性の再婚禁止期間」は 平成28年に6ヶ月から100日に短縮されたが このたび「完全に廃止」されることに


・民法改正(嫡出推定制度の見直し等を内容とする民法等の一部を改正する法律)2024年4月1日施行(懲戒権に関する規定等の見直しに関する規定は 令和4年12月16日施行)
〇 離婚後300日以内に生まれた子供を「前夫の子」とする原則は維持 出産時に再婚していれば「現夫の子」に
〇 女性の100日間の再婚禁止期間を撤廃
〇 夫にのみ認められていた摘出否認の権利を子と母にも拡大 訴えられる期間を1年から3年に延長
〇 虐待防止のため「懲戒権」の規定を削除し 体罰禁止を明記


背景① 医学の発達
 現在は医学が発達し DNA鑑定などにより親子の証明をできる精度が高まり 妊娠中かどうかも高精度でわかる また 女性だけに再婚禁止期間が設けられているのは不合理
背景② 「無戸籍児童問題」
 改正前の民法では 女性が離婚後300日以内に出産した場合「前夫の子」と推定されていた この規定があるために女性が離婚後「再婚」して300日以内に再婚後の男性の子どもを出産した場合でも「前夫の子」と推定されてしまう
 このため 離婚後「再婚」し 現夫の子を300日以内に出産した女性が 前夫の子と推定されるのを避けるため 出生届を出さないという事例が多発していたと言われる 子の出生届を出さないと 子が無戸籍になってしまう

2025年06月05日

2022年10月27日

094. 離婚とお金



「夫婦は、その協議で、離婚することができる」(民法第763条)とあるように 夫婦が合意し 子どもの親権者も決まれば 離婚は自由にできる(改正前親権者の記載がない離婚届は受理されない)(協議離婚の成立に 理由は必要ない)

・しかし 夫婦の一方が離婚に合意しない場合は 家庭裁判所の調停 調停が不調に終わった場合は裁判がある


・この度 離婚後も父母の双方が子どもの親権を持つ「共同親権」を創設
 離婚すること自体は合意できたものの 親権者について合意できない父母が 離婚を先行しても受理される という改正も(77年ぶりの改正)さらに 祖父母の面会交流も可能となる改正も(2026年施行)






 離婚に伴うお金の問題は大きく5つある 婚姻費用・慰謝料・財産分与・年金分割・養育費の5つ

・離婚とお金 ① 婚姻費用

 法律上「婚姻費用」については 夫婦がその負担能力(収入の大小等)に応じて 分担する義務を負う
 離婚に向けた別居中でも 法律上は夫婦であることに変わりはない
 夫婦が別居した際に 妻に比べて収入の高い夫が生活費を払ってくれないような場合は「婚姻費用分担請求」をすることができる



「婚姻費用」は 支払う側の年収と受け取る側の年収をもとにした「算定表」を目安に決まる


・離婚とお金 ② 慰謝料

「慰謝料」離婚によって生じた精神的な苦痛を慰める目的で支払われる賠償金  離婚に至る主な原因を作り出した「有責配偶者」から 苦痛を被ったもう一方の配偶者(無責配偶者)に対して支払われる   調停や裁判をしても その額は 200万円~300万円以上になることはほぼない


・(2019年2月19日)最高裁「離婚時の精神的苦痛に対する慰謝料は(特段の理由がない限り)別れた配偶者の不倫相手には請求できない」との判決「平成31年2月19日判決」


・離婚とお金 ③ 財産分与



・退職金(未受給の退職金も分与財産になる場合もあるが)共同で築いた財産であることが必要なため 婚姻前の就業期間や別居期間に対応する部分は対象にならない また 離婚から退職まで10年以上ある場合の退職金は一般的に分与対象とならないといわれている
・財産分与も年金分割制度も離婚から2年で権利は消滅する
 令和6年5月に成立した改正民法(施行日未定)で 離婚した際の財産分与の請求期限が2年から5年に延長されたが それに伴い 厚生労働省は 夫婦が離婚し厚生年金を分割する際の請求期限を現行の離婚後2年以内から5年以内に延長する方針を固めた(2026年までに施行される)


離婚による家の名義変更(財産分与)
・共有名義の変更や解消方法 住宅ローンが残っていなければ比較的容易
 離婚届の提出と夫婦間の協議が合意に達していることが求められる(財産分与にあたっては、金額や支払い方法などをきちんと離婚協議書に記載する必要がある どちらか一方が同意していないケースでは裁判所で解決することになる)

 夫婦の共有名義となっている場合 夫婦の財産分与は、財産形成などの寄与度によって決定されることが多く、特別な事情がない場合には不動産の持分の割合ではなく1/2 づつとするケースが多い
 お互いの話し合いで持分を相手方に変更することで合意ができれば、あとは持分の名義を変更するだけ
 ただし離婚届の提出から(法的に離婚が成立した時点から)2年以上が経過していると時効となり、財産分与請求権が消滅するため注意が必要
 夫婦の合意があれば、必要書類に署名押印し、法務局へ申請をすれば名義変更をすることができる  離婚後も家を住み続ける人の名義に変更するには「所有権移転登記」を 共同名義だった家をどちらか片方の単独名義に変更するためには「持分移転登記」を行う

〇「3種類の財産分与」→ 財産分与は税務上の贈与に該当しないので「贈与税」「不動産取得税」は原則かからない
・清算的財産分与:離婚によって夫婦が共有する財産を分け合って清算するもの 共働きの場合は折半、専業主婦の場合は3~5割程度が一般的
・扶養的財産分与:夫婦のどちらかが生活に不安がある場合、収入の多い方から少ない方へ財産分与の名目で行なわれる生活の援助をするもの
・慰謝料的財産分与:精神的損害に対する賠償という性質を持つ財産分与
 しかし、財産分与の額が著しく過大で、相続税や贈与税を免れるために行われたとみなされる場合には課税されるケースもあるため注意が必要

〇「譲渡所得税」 → 原則かかる「財産分与のときの不動産の時価」が「不動産取得時の時価(建物については減価償却後の価額)」よりも値上がりしていれば、その差額(=譲渡益)に対して、財産分与をした方に譲渡所得税がかかる しかし、「居住用不動産の3000万円の特別控除」の特例もあり、実際にはかからない場合が多い

〇「登録免許税」 → 財産分与で名義を変更する場合には必ずかかる

・共有名義の変更や解消方法 住宅ローンが残っている場合
① 不動産は夫名義 離婚後も夫が住み続ける場合(住宅ローンも夫名義)特に問題はないが
 妻が住宅ローンの連帯保証人になっている場合 → 連帯保証人を外す必要
「連帯保証債務」は離婚したからといって、なくなるわけではない 金融機関にはずしてもらえない場合は、代わりの連帯保証人を探したり、別の金融機関に借換えをする必要がある

② 不動産は夫名義 離婚後は妻が住み続ける場合 (住宅ローンは夫名義)→ 名義を妻名義に変更
 「金融機関に離婚による名義変更のため 住宅ローンの債務者も妻に変更してほしい」と相談
→ 妻の資力(返済能力)について審査 審査が通らず変更できない場合は、別の金融機関への借換えか 連帯保証人を付けたりする必要がある また、金融機関の承諾なく名義変更をすると残債務を一括請求ということもあるのでやめたほうがいい

 なお 名義を変更しない場合は(名義人(夫)が返済を続ける場合) 支払いが滞ると最終的には競売となり退去のリスク(公正証書で作成した離婚協議書でローンの支払い責任について明記することが必要)しかし そもそも銀行がローンの名義人が住んでいないのに住宅ローンとして継続してくれるかという問題もあり その場合は 事前に金融機関や弁護士に相談することが大事

③ 不動産は夫婦共有名義 住宅ローンの債務者も夫婦二人 どちらかが住み続ける場合
・連帯債務の場合 → 連帯債務を外す必要
・ペアローンの場合 → その分を返済する または、その分について債務者を変更する必要


・離婚に伴い、マイホームを処分する場合
① 売れたお金で住宅ローンをすべて返済できる → 残金を協議して分ける
② 売れたお金で住宅ローンをすべて返済できない → 売れない どちらかが住み続けローンを返済
 → それでも処分したい 「任意売却」(または 家族売買・親族売買)の手続きへ


家を売却しない場合 ローンを返済続けることに
名義人(夫)が住み続ける 連帯保証人が妻の場合 名義人でない元妻も延滞時に催促される
名義人でない人(妻)が住み続ける 名義人(夫)が返済を続ける場合 支払いが滞ると最終的には競売となり退去のリスク(公正証書で作成した離婚協議書でローンの支払い責任について明記する)



・離婚とお金 ④ 年金分割





・現在 年金事務所に請求する期限は離婚した日の翌日から2年以内だが5年以内への延長が決まっている(26年4月予定)
・相手が死亡してから1ヶ月が経過すると、年金分割の手続きはできなくなる ただし,3号分割や案分割合が定められて確定した後に相手が死亡した場合には,死亡後1か月間に限り請求手続が可能
・分割するのは 年金額そのものではなく厚生年金保険料の納付記録(標準報酬)のみ
 分割を受けた人の平均年金月額の増加額は 合意分割(離婚分割)で3万円台 3号分割のみだと7.000円台 分割額は「思ったより少ない」







・専業主婦が離婚した場合と離婚しない場合 年金はこう変わる
妻:例えば現在50歳で 結婚するまで国民年金に加入しており 結婚後は専業主婦だった場合
離婚しない 65歳~

65歳以降に夫が亡くなると
老齢基礎年金(+振替加算)

老齢基礎年金(+振替加算)と遺族厚生年金
離婚した 65歳~、 または 65歳以降に元夫が亡くなると 老齢基礎年金+(分割された)老齢厚生年金(思ったほど多くない!)
子供 養育費をもらうなど父親によって生計を維持していた場合に 父親の死後 18歳になるまで遺族厚生年金がもらえる 遺族基礎年金は母親と同居していると支払い停止になる
「年金を分割される側(夫)」
・離婚時には 退職金や貯蓄等資産は 財産分与され(場合によっては 慰謝料も発生)さらに 終身である年金は分割される(合意分割の際 平均して年に40万円近く年金が減少する)老後の生活資金は大幅に減少し 影響は余りにも多い
 また 経済的問題だけではなく 離婚に至る経緯によっては 子供との関係が希薄となり 介護等老後の支援が期待できなくなるというケースも多い


・離婚とお金 ⑤ 養育費


 残念ながら「離婚」となった場合、民法は離婚時に「養育費について協議する」と明記 だが「相手と関わりたくない」「支払い能力がない」などの理由で、養育費の取り決めをしないケースは多い(約束事の文書を交わすも「公正証書」にする場合はまれ)「肝心なのは 離婚の際にまず養育費を取り決めること」
 協議がまとまらなければ ① 裁判所での調停 ② 弁護士に交渉を依頼 ③ 裁判外紛争解決手続き(ADR)の利用 ④ 法律相談に応じる日本司法支援センター(法テラス)を利用する といった対応が考えられる
 母子家庭の多くは父親から養育費をちゃんと受け取っておらず、貧困を招く一因に「逃げ得」を決め込む父親も多い





・「養育費の未払い」で困った場合 相手の財産(預貯金や不動産、給与等)を差し押さえ「強制執行」の申し立てをするのですが、そのためには「債務名義」(裁判所の判決(仮執行宣言付き判決))・裁判所の調停調書や和解調書等)が必要
 ただし、「養育費未払いの場合は直ちに強制執行ができる」という趣旨の文言が入っている「強制執行認諾文言付き公正証書(執行証書)」(債務名義にあたる)があれば裁判を経ることなく「強制執行の申し立て」ができる

① 16年ぶりに最高裁「改定養育費・婚姻費用算定表(令和元年版)」を公表(改正)(令和元年12月23日)

②相手を裁判所に呼び出して裁判官の前で「財産」を明らかにさせる「財産開示手続き」
 以前は、相手が呼び出しに応じなかったり、うそをついたりしても罰則が軽かったが、2020年4月からは「6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金」に

③「第三者からの情報取得手続き」という仕組み 裁判所の情報開示の命令により預貯金や株式などについては金融機関、勤務先は市町村など 相手が不動産を持っている場合は法務局が情報提供しなければならなくなった 財産を隠すことはほぼ不可能に

④「養育費の立替制度」を国が検討 保証料を補助するなどして民間保証会社と連携する地方自治体も
⑤ 「法定養育費制度」(2026年までに創設 省令を制定 )
法定養育費 内容
不払い 差し押さえ 養育費の取り決め文書に基づき「先取特権」を付与 ほかの債権より優先的に
養育費の決定 収入や資産の情報開示 家庭裁判所が開示の命令も
1回の申し立てで複数の手続きができる
取り決めなく離婚 「法定養育費制度」一定額の養育費請求ができる
法定養育費 離婚した日にさかのぼって請求できる
「生活保護の水準を念頭ににした額になる可能性が大きい」
〇 民法改定により 成年年齢が18歳に引き下げられたが 養育費については今後も20歳までの支払いが目安に(実際には 子供が大学まで進学するケースでは 22歳まで養育費を支払う取り決めが行われることもある)

〇 支払う側が再婚し 子供が生まれた場合は「養育費減額の調停」を申し立てられる可能性も(一度決めた養育費も その後の状況に応じて変わることがある)


● 離婚後に再婚したり 入籍せずに新しいパートナーと暮らしたりする人も多いですが
 こちらもご覧ください→ ブログ「095. 結婚とお金」

 特に「熟年離婚」をお考えの皆様へ
① とにかく早く別れたいという思いから十分な話し合いをせずに離婚するのは止めましょう 請求できるものは請求する(財産分与も年金分割制度も離婚から2年で権利が消滅してしまう →離婚後2年以内から5年以内に延長する 方針 を固めた(2年後の2026年までに施行される))
② 高齢期のリスクを考えましょう 子供がいるならば 認知症に備えた家族信託等や介護施設の利用等について 伝えましょう
③ 離婚後に入籍せずに新しいパートナーと暮らす場合 事実婚であっても遺族年金の受給はできるが 法定相続人ではないので 遺贈を考えるならば遺言等の対策が必要なので 対処しましょう

 → こんなサイトもあります「公益社団法人 家庭問題情報センター」

□ どうなる? 離婚後の「共同親権」(2026年施行)


・上記出典:東京新聞



「共同親権」メリット
〇 離婚後も育児を平等に分担できる(一方の育児負担が減る)
〇 子どもとしては 両方の親と関われる 片親と突然引き離されることがない
〇 親として子どもを養育する義務・権利を引き続き負うことができる
〇 シングルマザーの貧困化の解消につながりやすい
〇 「親権を失う = 子どもを奪われる」という印象からの 親権争いの激化が防げる
〇 一緒に住まずとも面会の権利の実効性が高まる
〇 子にかかわることで養育費の支払いの実効性が高まる
〇 母親が働いていない場合でも 連れ去った場合でも 母親が親権を持つ可能性が高い日本で 父親の親権獲得が実現しやすい
〇 再婚した場合 その子が虐待等を受けないかを監視するという役割が期待される
〇 「父親が働き母親が家事・育児をする」という考えがいまだ根強い日本でのジェンダー解消につながる
「共同親権」でデメリット
● 子どもにとって「どこに自分の居場所があるのか」がわからなくなり精神的に不安定になる
● 「親の都合による面会」を強いられ 子どもに物理的な負担もかかる
● 両親それぞれに子どもに合う権利が尊重されるが 会いに行く側の負担が大きくなる
● DV・虐待・モラハラ被害者が 離婚後もDV加害者から逃れにくくなる
● DVや虐待があると裁判所が認めた場合 単独親権にしなければならないとされても 裁判所がその実態を正確に把握できるのか?
● 離婚に応じる条件として「共同親権」を選ばされる懸念がある
● 教育方針の違いで 意思決定が遅れ子どもの利益を害する
● 離婚後も延々と子どもが 父母の紛争にさらされる
● 再婚後に養子縁組をしようとする場合 別居親の「許可・同意」が必要となる
●すでに離婚(単独親権)している場合も「共同親権」の対象になる 混乱するケースも


・番外編「遺族年金」「思ったほど遺族年金は多くない 当てが外れた」と感じる ” 残された妻 ”  押さえておきたい 「遺族年金のポイント 」①~⑱
・「遺族年金」について  「Q&A 年金」のページ

(「遺族年金」は 2028年4月以降 改正される)




(Money 、money、money ♪♪)


(「現在の日本では3組に1組の夫婦が離婚している」というフレーズをたびたび聞きますが「3組に1組」という離婚率の根拠となっているのは、1年間に結婚した夫婦数と同1年間に離婚した夫婦数を単純に対比したもの つまり「結婚した3組の夫婦のうち1組が離婚する」という意味ではない


・各種統計からみる最近の離婚の傾向
① 同居期間別の離婚件数の割合から → 5年未満が最も多く、半数以上が10年未満 結婚(同居)後、短期間で離婚するケースが多い

② 年齢別の離婚件数の割合から → 30代~40代の若い世代の離婚割合が多い 妻の年齢では、34歳までに離婚する割合(30代前半の離婚割合)が半数近くを占める 10~20代の離婚割合は下がっているが、これは晩婚化による減少で若年層の離婚の確率が低下したわけではない

③ 若年層の離婚割合が多いことからも → 離婚総件数の未成年の子がある離婚の割合は58%(2016年調査)実際「子が成人するまでは離婚を見送る」という夫婦は多い

④ 「厚生労働省の人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況」によると → 平成27年(2015年)に結婚した夫婦のうち、26.8%が再婚

⑤ 全年齢の人に対する生涯で離婚する確率というデータは公表されていないが → 実際の日本の「普通離婚率」は1.7% 先進国であるアメリカの2.5%、韓国・スペイン・イランの2.1%、ドイツ・オーストラリア・オランダの2%などと比べてもそれほど高くない

⑥ 再婚率は上昇しており 結婚するカップルの1/4は どちらか 又は双方が再婚の組み合わせ


2025年10月28日

2022年10月20日

092. ビフォー・アフター

Q:「住まいの修繕の先送りは禁物」「価値劣化で負動産リスク」とは?
 国は住まいの適切な維持・管理を後押しするため「老後に備えるリフォーム(バリアフリー等)」「省エネリフォーム」「耐震リフォーム」などへの補助金や税制特例を多く用意している(「所得税優遇制度」「固定資産税減額制度」「補助や融資等の公的支援制度」等)
 しかし 支援対象は耐震性や省エネ性など住宅品質の向上につながるリフォームが中心で 「老朽化による雨漏りの修繕などで支援を受けられるかはわからない」・・・どのように対策したらいいでしょう?


■ リフォーム支援制度

 

国の事業を調べるには
「住宅リフォームの支援制度」(国土交通省)


 制 度(例)  内 容
住宅省エネ2024キャンペーン ①子育てエコホーム支援事業
※リフォームについては、子育て世帯・若者夫婦世帯以外も対象
②先進的窓リノベ2024事業
③給湯省エネ2024事業
④賃貸集合給湯省エネ2024事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業 ・既存住宅の長寿命化や省エネ化等に資する性能向上リフォーム、子育て世帯向け 改修等に対する支援
・耐震性・劣化対策・省エネ性など基準を満たすことが条件 ・工事前にインスペクション(建物状況調査)が必要
住宅エコリフォーム推進事業 ・既存住宅の省エネ性能をZEHレベルまで高めるリフォームを支援
次世代省エネ建材の実証支援事業 ・工期短縮可能な高性能断熱材や、快適性向上にも資する蓄熱・調湿建材等の次世代省エネ建材の効果の実証を支援
既存住宅における断熱リフォーム支援事業 ・省エネ効果(15%以上)が見込まれる高性能建材(断熱材、ガラス、窓、玄関ドア)を用いた住宅の断熱リフォームを支援
子育て支援型共同住宅推進事業 ・分譲マンション及び賃貸住宅を対象とした、事故や防犯対策などの子供の安全・安心の確保に資する住宅の新築・改修等を支援
居宅介護住宅改修費給付(下記参照) ・介護保険にて 手すりの取り付け、段差の解消、階段の付け替えなど対象工事にかかる費用を支給 上限20万円(1割自己負担 20万円を超えた分は全額自己負担)
リフォーム瑕疵保険 ・工事に欠陥が見つかった場合 補修費用などが事業者に支払われる
リフォーム見積り相談制度 ・リフォーム業者から提示された見積書について 不要な項目がないかや費用が一般的な相場と比べて高すぎないかなど 専門家が点検
自治体ごとの制度 ・要介護認定等を受けていない65歳以上の高齢者等
・自治体が独自のリフォーム関連支援制度を設けている場合があります 

→ 各ページに飛びます


〇 居宅介護住宅改修費給付 (公的介護保険を活用)
・対象「要介護」「要支援」の認定を受けた人
・内容 介護保険にて 手すりの取り付け、段差の解消、階段の付け替え、床材の変更(畳をフローリングなどに)、扉の取り換え(開き戸を引き戸や折り戸に変更など)など対象工事にかかる費用を支給 上限20万円(1割自己負担 20万円を超えた分は全額自己負担)転居したり 要介護度が3段階以上上がったりすると再度20万円の枠が使える
・手続きの流れ
① 事前にケアマネージャーもしくは地域包括支援センターに相談
・「承認前に工事を始めると給付を受けられない」
・工事を目的に要介護認定を得る人も珍しくない
・工事に慣れた施工業者を紹介してもらうと手続きはスムーズに進む
② 施工業者の選定・費用の見積もり
・市区町村の登録業者に頼めば 利用者が自己負担分だけ払う「受領委任払い」を選べるが 未登録だと(旧知の市外の業者に頼んだりすると)全額払って後から払い戻しを受ける「償還払い」が基本となる
③ 事前申請・承認
・改修内容 理由がわかる書類を市区町村に提出
・申請などは通常 ケアマネージャーや施工業者が代行する
・持ち家だけでなく賃貸住宅でも可能(いずれも持ち主の承認が必要)
④ 改修工事の施工 完了 支払い
・工事完了後は原則その家で暮らす(入院中に工事を終えたものの 帰宅せずに高齢者施設に入所したケースで 給付が受けられず 全額自己負担になることも)
・介護保険では 福祉用具の貸与もあり(置き型の手すりやスロープなど)工事との併用も可能(「いったん取り付けたら変更できない工事と違い 身体状況に合わせて用具を変えることができる」賃貸住宅では重宝)
・介護保険工事に上乗せして改修を考えるなら自治体独自の助成制度等も一案(下記表参照)
・「受領委任払い」の場合 改修費は施工業者に支給
⑤ 住宅改修費の支給申請(受領委任払いの場合)決定
・事後申請の場合


〇 自治体の事業を調べるには
→ 「住宅リフォーム支援制度検索サイト」(住宅リフォーム推進協議会)


補助制度の例 内容
家庭における熱の有効利用促進事業(高断熱窓・ドア) 高断熱窓・ドアへの改修の経費の一部を助成
雨水貯留タンク設置補助制度 雨水貯留タンクの購入・設置工事費用の一部を補助
家庭用生ゴミ処理装置等購入費助成制度 生ゴミ処理装置購入費用の一部を助成
生垣造成補助金交付事業 生垣設置費用およびブロック塀などの撤去費用の一部を補助
住宅・共同住宅用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成 省エネルギー機器などの購入・設置工事費用の一部を助成
移住促進奨励金 市区町村外からの移住者に住宅取得費用の一部を補助など


*住宅リフォーム税制の各種制度の併用の可否等 最新の情報については各地方公共団体にお問い合わせください
〇 様々な支援制度のどれを使えるかは ハウスメーカーや工務店が把握している 建築士が用意する書類等もあるため 建築・購入の計画段階から早めに相談しましょう
 住宅ローン控除・リフォーム減税・固定資産税の減額措置・リフォーム融資制度等 様々な住宅改修支援制度が用意されている(以下表を ご参照ください)

■ (リフォーム・増改築での)住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)


住宅ローン控除 ・令和4年1月1日〜令和7年12月31日までのあいだに居住し 一定の条件に当てはまること
・借入限度額:2.000万円 控除期間:10年 控除率:一律0.7% 控除額の合計は10年間で最大140万円(所得税から控除しきれなかった分は 住民税から控除 その際の上限額は 前年課税所得×5%で 最大97.500円)
主な適用条件 ① 自分が所有し 居住する家で行う増改築等であること(一定の修繕・模様替えの工事 バリアフリー改修工事 省エネ改修工事等)
② 対象となる工事費用から補助金等の額を引いた金額が100万円以上であること
③ 改修工事後の床面積が50㎡以上であること店舗併用住宅であっても床面積の1/2以上が自己の居住の用に供するものであること)
④ 増改築等の日から6ヶ月以内に入居し 12月31日まで引き続いて住んでいる事
⑤ 借入金の返済期間が10年以上であること銀行等からの借入金であること勤務先からの借入金である場合には年率0.2%以上であること)
⑥ 入居した年とその前後2年ずつの計5年間に 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていないこと
⑦ この特別控除を受ける年分の合計所得金額が 2.000万円以下であること



■ リフォーム減税制度(所得税の特別控除)


対象工事(リフォーム) 対象工事限度額 最大控除額(対象工事)
耐震 250万円 25万円
バリアフリー 200万円 20万円
省エネ 250万円(350万円) 25万円(35万円)
三世代同居 250万円 25万円
耐震+省エネ+耐久性向上(*) 500万円(600万円) 50万円(60万円)
耐震 or 省エネ+耐久性向上(*) 250万円(350万円) 25万円(35万円)
子育て 250万円 25万円

(*)は 長期優良住宅化工事
・控除率は 対象工事いずれも 10%
・対象工事限度額 / 最大控除額 の( )は 太陽光発電設備を設置する場合

対象工事 要件等
耐震 「耐震リフォーム(耐震改修)」
・1981年5月31日以前に建築された居住用の家屋についての 新耐震基準に適用させるための耐震改修
・窓の改修工事・床・天井・壁の断熱など 必須とされる対象工事限度額250万円までは 所得要件の制限はない
バリアフリー 「バリアフリーリフォーム(高齢者等居住改修工事等)」
・国内に居所のある個人で 以下のいずれかに該当する人
① 50才以上(工事完了後 居住した年の12月31日現在)
② 介護保険法の要介護または要支援の認定を受けている人
③ 所定の障害者
④ 65才以上の高齢者 または上記②もしくは③に該当する親族のいずれかと常に同居している人
省エネ 「省エネリフォーム(一般省エネ改修工事)」
・併せて所定の要件を満たす太陽光発電設備を設置する場合は 控除限度額が上乗せされる
三世代同居 「三世代同居リフォーム(三世代同居対応改修工事)」
・三世代同居を後押しするもので 調理室 浴室 便所 玄関のいずれかを増設する工事で 改修後に いずれか2つ以上が複数個所となる住宅
長期優良住宅化 「長期優良住宅化リフォーム(耐久性向上改修工事)」
・耐震リフォームまたは省エネリフォーム あるいは両方のリフォームを併せて居住用の家屋に耐久性向上改修工事等をして 既存住宅の長期優良住宅の認定を受けた場合
子育て 「子育て対応リフォーム」
・適用期間は 2024年のみ(4月1日~12月31日目まで)
・配偶者のどちらかが40才未満 または19才未満の扶養親族があること
・子どもの事故を防止するための手すり設置 対面式キッチンへの交換工事 床の防音性を高める工事等が対象

・リフォーム減税制度:2025年12月31日まで延長

〇 リフォーム減税制度 共通要件等
・いずれの工事も その年分の合計所得金額が 2.000万円以下が適用要件(ただし 一部耐震リフォームを除く )
・いずれの工事も 改修工事後の床面積が50㎡以上の自宅であることが適用要件(耐震リフォームを除く)
・住宅ローンの利用の有無を問わず 工事が完了した年の1年に限り所得税が控除される
・耐震改修・特定の改修工事で「工事費用相当額」の10%が所得税から控除
 「工事費用相当額」とは:その工事の種類ごとに単位当たりの標準的な費用を定め計算された金額のことで 実際にかかった工事費用ではない
 「最大の対象工事限度額」は 必須工事とその他のリフォーム工事とを合わせて合計1.000万円
 「工事費用の要件」として 耐震工事を除いて標準的な工事費用が50万円を超えていること(補助金の交付がある場合は その補助金の額を除いた金額)
・必須工事の「対象工事限度額」を超える部分や 対象工事と同時に行うその他のリフォーム工事についても 期限内に改修工事を完了し居住する場合には 工事費用相当額の5%が所得税額から控除
・住宅ローン控除とリフォーム減税(耐震改修を除く)は併用できない
・リフォーム減税の適用減税を受ける場合には 確定申告が必要



■工事翌年度の固定資産税の減額措置(*1)

2026年3月31日までの工事 減額割合
耐震リフォーム 1/2 を減額
バリアフリー 1/3 を減額
省エネリフォーム 1/3 を減額
長期優良住宅化(*2) 2/3 を減額

(*1)特に重要な避難路として自治体が指定する道路の沿道にある住宅について 耐震改修をした場合は2年間1/2を減額 耐震改修をして認定長期優良住宅に該当することとなった場合は翌年度2/3を減額 翌々年度1/2を減額
(*2)耐震改修または省エネ改修を行った住宅が認定長期優良住宅に該当することのなった場合
(*3)工事完了後 3ヶ月以内に 住宅のある市区町村に申告手続きを行うと 工事が完了した翌年度分の固定資産税が減額される 住宅ローン控除 / リフォーム減税制度 それぞれの要件を満たせば 固定資産税の減額制度は併用できる


・詳しくは こちらをご覧ください
 → リフォームの支援制度
 → リフォーム減税制度の概要

■ リフォーム融資制度


フラット35 リノベ ・中古住宅の購入とあわせて、一定の要件を満たすリフォームを実施することで住宅ローンの金利引下げ
グリーンリフォームローン ・住宅の「断熱性能を高める」または「省エネ設備を導入する」等の基準を満たす省エネリフォームに対する全期間固定金利のリフォーム融資
リバース60 ・住宅金融支援機構と提携している民間金融機関が提供する60歳以上の方向けの住宅ローン
・住宅の建設、購入、リフォーム、借換えに利用できる(シニア向け住宅ローン 民間金融機関が住宅金融支援機構と提携)→ 融資の限度額その他の商品内容は、金融機関ごとに異なるが リフォームの内容については「バリアフリー」「省エネ」「耐震」等に限定されることはない
リフォームローン融資 ①耐震改修工事
②高齢者向け返済特例
 部分的バリアフリー工事、ヒートショック対策工事、耐震改修工事を含むリフォーム(住宅金融支援機構)
※満60歳以上の方が対象

 → 各ページに飛びます

 前述の「リバース60」(リフォームの内容については「バリアフリー」「省エネ」「耐震」等に限定されることは ほとんどない)と「高齢者向け返済特例制度」(部分的バリアフリー工事、ヒートショック対策工事または耐震改修工事を含むリフォームと併せて行えば ほとんどのリフォーム工事が対象)
 ①②の両方とも 自宅を担保にリフォーム資金を借り、死後に物件を売却するなどして元本を返済する「リバースモーゲージ」の一種 自宅は相続人が元本を一括返済しないと引き継げないため 家族などと話し合うことが必要


  「高齢者向け返済特例制度(リフォーム融資)(住宅金融支援機構) 
  「リバース60」 (住宅金融支援機構)



リフォーム工事流れ 内容
① 事前準備 ・リフォームヵ所の洗いだし
・補助制度の情報収集
・予算の目安をつける
② 見積もり依頼 ・インスペクション(建物状況調査)
・複数の施工会社に見積もり依頼
・リフォーム瑕疵保険利用の検討
③ 施工会社選択
・見積書の比較検討
・不明点・不安点を確認
・担当者との相性を考慮
・総合的に判断し選択決定
④ 工事の詳細決定 ・家具や家電の配置を検討
・見積もりの調整と資金計画
・補助制度利用の確認 手続き
・瑕疵保険利用の手続き
⑤ 契約 ・契約書類の内容確認
・契約
⑥ 工事開始  


 家計にとって大きな資産であるマイホーム 長く住むには建物の適切な管理が大切 ここ数年のコスト上昇による修繕費の負担増で「資金捻出に苦労する世帯は少なくない」
 かといって「住まいの修繕の先送り」をしていると その価値が劣化し(負動産リスク)売りたい時に 買い手がつかず 例えば 老後に家を売って住み替えたり 高齢者向け施設に入ったりするというライフプランが狂いかねない

 「老後に備えるリフォームは早めにしておくことは大切」高齢になると一般的に身体機能が低下し 日常生活で転んだり落下したり また「ヒートショック」(心筋梗塞や脳卒中につながりかねない)等の事故にあう可能性が高まる 特に注意を要するのが自宅 介護に備え 税の優遇制度等も活用し 優先順位を決めて 費用を見積もり 貯蓄等で備えていきたい
 どこかのタイミングで インスペクション(建物状況調査)(建築士など専門家が建物の劣化状況などを調べる)を利用する事は大切 工事が必要となる部分や時期が概ね把握できるので 計画的にリフォーム資金の貯蓄ができる また 防水工事等 予防的に実施するほうが費用が安くなる場合も多く 早めのリフォームは効果が大きい





・入浴中に亡くなる人は 全国で年間約14000人と推測されていますが(交通事故死は約7000人) 原因の多くはヒートショックであると推定されている ヒートショックによる血圧の変動は心臓に負担をかけ 心筋梗塞や脳卒中につながりかねない ヒートショックの予防のため 脱衣所やトイレを暖めておきましょう

 → ブログ「064. 家庭内事故」もご覧ください




(小学校の壁に「整理・整とん」「廊下を走るな」の張り紙がありましたが あれは子どもたちの「安全」「けがをさせない」という先生たちの心配りだったのですね 今になって痛感いたしました それにもかかわらず毎日やってた ” 悪事 " の数々 ごめんなさい それにしても大きな事故がなくて本当に良かった
 大改造!!劇的ビフォーアフター(テレビ朝日系列 番組のファンです)リフォーム(と整理整頓)で家族の問題を解決しましょう)

2025年10月28日

2022年10月13日

091. マンション管理

 日本全国のマンションは 約700万戸 国民の1割以上が居住している 一方で建築から長時間たった物件が増え 建物や設備の老朽化 住人の高齢化 空室の増加等の課題も多い
 そうした中で分譲マンションの資産価値をどう守っていくかは 所有者にとって重要な問題
 資産価値を守るには 適切な管理と 建物・設備の適切な修繕が欠かせない





・上図出典:東京新聞







「長期修繕計画」「修繕積立金」
 通常は新築時に20~30年程度の「長期修繕計画」が立てられ 工事内容やおおまかな時期 費用などが示される その計画に基づき「修繕積立金」の金額が決まり 居住者(区分所有者)が支払っていく
 大規模修繕に備えるため(その費用を確保するため)建物の定期的な点検と修繕計画の見直しは重要 しかし 現実には 修繕積立金では足りず 一時的な追加費用を徴収するマンションが少なくない
 工事費はここ数年で大幅に上昇しており また 修繕積立金が入居当初の低い水準のままだったりすると 資金不足に悩む管理組合が多い 毎月の積立金を引き上げたり 一時的な追加徴収には 管理組合総会での合意が必要で 難航するケースが多い「居住者が高齢化したマンションで積立金が不足して修繕できず 老朽化が深刻化する」とされる(特に給排水管の更新には多額の費用が必要)
■ 積立金の徴収方法

「積立金不足」に対応

  対策 特徴
短期的 積立金の引き上げ ・合意が難しい
短期的 不足分を分割払いで徴収(1) ・一括払いより合意しやすい
短期的 住宅金融支援機構等から借り入れ(2) ・早期に工事が必要な場合に検討
・管理計画認定で金利優遇も
短期的 工事時期を春秋の繁忙期を避ける ・人件費や工事材料費を抑制
長期的 機械式駐車場の外部貸し出しや縮小(3) ・貸し出しは管理組合の収入増に
・縮小や撤去は運用コスト減に
長期的 携帯電話基地局を設置 ・管理組合の収入増に
・携帯会社のニーズに合うとは限らず
長期的 工事周期を延長(4) ・修繕に必要な総工事費を抑制

(1)居住者向けに 自宅を担保にする「リバースモーゲージ」型の融資もある 区分所有権を担保に将来の積立金をまとめて借り管理組合に納入 死亡後に所有区分の売却などで元本を返済する
(2)管理組合向けに「マンション共用部分リフォーム融資」(住宅金融支援機構)がある(原則として1年以上10年以内の期間で 100万円から固定金利で借りられる)
 その他に「マンションすまい・る債」(管理組合向けに修繕積立金の運用を目的として販売する債権)(住宅金融支援機構)がある
(3)かって大規模マンションを新築する際に 一定台数以上の駐車場を確保するよう条例で義務付けた自治体も多かったが 昨今カーシェアリング等の普及もあり 空きが目立つマンションも多い
(4)定期的な点検により 想定に比べて劣化が進んでいない箇所があれば その箇所の修繕を見送り 不具合が見つかった箇所を早めに対応し 全体の費用を抑える

・」マンション管理の「質」について評価する制度 始まる(2022年4月)
「マンション管理計画認定制度」「マンション管理適正評価制度」

・マンションは 築年数が経過すれば 必ず劣化する 適切な管理をしなければ 住人の住み心地は悪化し 資産価値は大きく下がってしまう

2つの制度を利用したマンションのメリット
・区分所有者や管理組合の意識が高く保たれ 管理水準の維持向上につながる
・適切に管理されているマンションとして 市場において評価が高まる
・マンション管理の状態が可視化され 購入希望者が管理状態を把握しやすくなる
・適切に管理されたマンションが立地することで 地域価値の向上につながる
・認定制度の認定マンションは「フラット35」等の金利引き下げの優遇を受けられる


■ 「マンション管理計画認定制度」
 管理組合が作成した管理計画が 一定の基準を満たす場合に 適切な管理計画を持つマンションとして認定を受けることができる


・管理計画の認定基準

管理組合の運営 ・管理者等の定め
・幹事の選任
・集会(総会)の年1回以上の開催
管理規約 ・管理規約の作成
・緊急時や管理上必要時の対応体制
・管理組合の財務・管理情報の書面交付
管理組合の経理 ・管理費と修繕積立金等の区分経理
・修繕積立金会計から他の会計への充当
・修繕積立金の滞納額が一定割合以下
長期修繕計画の作成および見直し等 ・国が定める様式準拠の計画か
・7年以内の作成 見直し
・30年以上かつ2回以上の大規模修繕工事
・将来の一時金徴収の予定がない
・修繕積立金の平均額が著しく低額でない
・計画期間の最終年度の借入金残高
その他 ・組合員名簿の備え 1年に1回以上の確認
・地方公共団体が定める指針に適合

*認定申請は 地方公共団体のほか 公益財団法人マンション管理センターの「管理計画認定手続支援センター」を利用することも可
*認定されたマンションは「管理計画認定マンション閲覧サイト」で公表される(2024年3月時点で504件)


■ 「マンション管理適正評価制度」



制度 マンション管理計画認定制度 マンション管理適正評価制度
運営 国土交通省 地方公共団体 一般社団法人 マンション管理業協会
対象 ・マンション管理適正化推進計画を作成している地方公共団体に立地するマンション
・新築マンション 予備認定が可能
全国のマンション
・新築マンション 対象外
判定方法 認定か否か 6段階評価によるランク付け
有効期間 5年間 1年間


 詳しくは
 「マンション管理適正化診断サービス」
 「マンション管理計画認定制度」
 「マンション管理適正評価制度」


「マンション大規模修繕による固定資産税減額特例」を導入
(2023年4月)
対象マンション ・築20年以上で10戸以上
・長寿命化につながる大規模修繕を過去に1回以上実施
・修繕積立金を引き上げて「管理計画の認定」などを取得
 修繕積立金は一定水準を上回る必要がある(下図ガイドライン参照)
対象工事 ・新たな大規模修繕を2023年4月~25年3月末に完了
減税内容 ・工事翌年度の固定資産税を減額(対象は建物部分 1戸当たり100平方メートル相当分まで)
・減額割合は1/6~1/2の範囲で市町村が決定


・修繕積立金は一定水準を上回る必要がある
「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」
(国土交通省23年4月改定

*特例による固定資産税の減税額は 多くの場合 年間数万円程度とみられ 多くの場合 不足する積立金を賄うことは難しい


: 「中古マンションの購入」を考えています 中古マンションを選ぶ際の一番のポイントは何ですか? また購入後 将来の「立て替え」も視野に入っていますが 国の支援策等も教えてほしい

 マンションの老朽化 所有者・居住者の高齢化 に加え 所有者・居住者の多様化 所有者の不明化 等 マンションが抱える課題は様々
 これらに対処するため 国は「改正マンション建替え円滑化法」の施行「マンション管理計画認定制度」の創出等で マンション建て替えを後押ししている


「改正マンション建替え円滑化法」

A: (2014年12月11日) 「マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律」(改正マンション建替え円滑化法)施行
  国土交通省によると、2013年12月末時点のマンションストック総数は約601万戸(居住人口は1480万人と算出される)、そのうち1981年の旧耐震基準で建設されたものが約106万戸も存在
 改正のポイントは建て替え」を選んだ場合の容積率の緩和と建て替えずに
「マンションおよび敷地の一括売却」を選択した場合、区分所有者の5分の4の合意で可能とすることに(改正法の対象となるのは、耐震性不足の認定を受けたマンションに限られる)
(改正前は原則「民法の原則」にのっとって区分所有者全員の同意が必要で現実的ではなかった)







議決案 議決条件
建替え(単棟型) 区分所有者および議決権の各4/5以上の賛成
団地型(一括建替え) 上の条件に加え
各棟の区分所有者および議決権の各2/3以上の賛成(一括建て替え決議)
団地型(一棟のみ建替え) 当該棟の区分所有者および議決権の4/5以上の賛成に加え
団地管理組合または管理組合法人の集会で議決権の3/4以上の賛成(建替え承認決議)
マンションおよび 敷地の一括売却 売却の相手方・売却代金・分配金の算定方法を 区分所有者および議決権の各4/5以上の賛成(マンションン敷地売却決議)(*)

(*)4/5以上の賛成によるマンション敷地売却決議は 特定行政庁の「要除却認定」が必要



A :(2022年4月1日施行)「マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律施行

〇 「改正マンション管理適正化法」
 区分所有者の高齢化・非居住化 および適切な長期修繕計画・修繕積立金の不足という現状・課題への国の支援策
 ・詳しくは こちらをご覧ください  「改正マンション管理適正化法・マンション建替え円滑化法について」(国土交通省)

〇 「改正マンション建替え円滑化法(2020)」


(1)要除却認定の対象の拡充

・上記出典:週刊エコノミストオンライン


 「要除却認定」を受けた場合には マンションの建替えの際に容積率の緩和特例の適用対象に
 特定要除却認定を受けた場合には これに加えてマンション敷地売却事業 及び団地型マンションにおける敷地分割事業(以下の(2))の対象に


2)団地における敷地分割制度の創設




 団地型マンションの再生に係る合意形成を図りやすくするために創設(団地の敷地分割を行うためにはこれまでは民法の原則に基づき区分所有者全員の同意が必要だった)
 今回の改正によって 特定要除却認定を受けたマンションを含む団地では 敷地を共有する団地建物所有者等の4/5以上の同意により敷地の分割が行えることに
 これにより、棟や区画ごとのニーズに応じ、団地の一部棟を存置しながらその他の棟の建替えや敷地売却を行うことが可能に

・詳しくは → 「団地型マンション再生のための敷地分割ガイドライン」(国土交通省)をご覧ください


「要除却認定マンションの認定制度」
 例えば 容積率等の問題で(容積率が緩和されたとしても)
① マンションの建替えを行っても 住居環境等が充分に改善されない(十分な戸数が確保できない、建替えで住戸面積が縮小する等)
② 住環境等が改善できるとしても 建替えに要する各区分所有者の負担が大きすぎる場合
③ 特に 住宅ローンが残っている区分所有者(後から中古物件として購入した様な場合)「更なる費用を捻出することは無理」
 こんな場合は 議決できず半永久的に 建て替えは実現しない
 → 改修や建替えよりもマンション敷地売却制度を利用する方が望ましい

「マンション敷地売却制度」では
・分配金や補償金があるため区分所有者の権利調整がしやすい
・一旦 マンション及び敷地を デベロッパーに買い取ってもらい 新しい建物を建築して再分譲 売却で得た資金をもとに購入(新たな住宅ローンを組む必要がない)または 他の物件に引っ越すことも選択できる(居住の安定には充分な配慮が必要)
・「要除却認定マンション」に認定された場合は 行政は管理組合に対し 除却の「指導」や「助言」また「指示」ができるという強制力がある(反対者の名前の公表も可能となっている)
・取り壊すべきであるという「要除却認定マンション」という烙印を押したうえで 4/5決議が可能に
・「要除却認定」は「管理組合から申請があった場合」(認定の申請を決議する必要がある)に限られる とはいえ 「要除却認定」の申請には 十分な配慮が必要である


「修繕・改修」「建替え」「マンション敷地売却」の比較検討


〇 「マンション 修繕・改修」メリット
・必要な部分だけ手当てする事で費用を抑えられる
・慣れ親しんだ住空間で生活し続けることができる
● 「マンション 修繕・改修」デメリット
・中途半端な改修だとわずかな延命にしかならない
・既存の構造をベースにするので改修にも限度がある

〇 「マンション 建替え」メリット
・建物を新しくすることで構造の強度の面で安心できる
・最新の仕様 設計プランによって居住性が向上する
● 「マンション 建替え」デメリット
・既存より大きく建替えられないと費用負担が大きくなる
・工事中 仮住まいへの引っ越しとその費用が必要になる

〇 「マンション敷地売却」メリット
・売却して得た費用を新たなマンション購入に充てられる
・建て替え後のマンションを購入することもできる
● 「マンション敷地売却」デメリット
・敷地を一括売却し 代金を分配することになるため より慎重な合意形成が必要
・敷地売却の対象は耐震性不足等(除却の必要性)の認定を受けたマンションのみ


A:(2016年6月01日)「改正都市再開発法」成立 老朽化するマンションや団地の建て替えを後押し 市町村等自治体が再開発事業と位置付けることを条件に所有者の同意要件を3分の2に引き下げ
・特に老朽化するマンションや団地(住民の高齢者率や空家率が高い物件も多い)では、現行の区分所有法や建て替え円滑化法などのマンション建て替え法制での同意要件「所有者の5分の4以上、各棟の3分の2以上」が建て替えの高い壁に
 主に都市部の大型団地などで、建物が同じ敷地に2棟以上ある場合、再開発でマンションを高層化し敷地内の空いた土地に介護施設、保育所、商業施設を含めて再開発することなどを想定(小規模の建て替え案件でも自治体が認めれば適用)(既存の建物を生かしつつ、市街地を整備する手法も再開発と認定)
 再開発では自治体が「都市計画決定」することで、「区分所有法」の影響を受けずに工事が進む


・こちらも参考に →
「「マンション建て替え法」改正について」(国土交通省)
「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の概要 」(国土交通省)
「まちづくり融資(高齢者向け返済特例)」(住宅金融支援機構)



・上記出典:国土交通省「マンション建替えの実施状況(令和3年4月1日時点)」


 国内で建て替えられたマンションの実績数は2021年4月1日時点において累計で(たったの)263件 建て替えは 様々な理由で進んでいない(旧耐震基準のマンションは 全国に103万戸以上ある)


・(2024年01月16日)法制審議会(法相の諮問機関)の区分所有法制部会 老朽化した分譲マンションの建て替えを円滑化するための要綱案をまとまる



 現行法では マンションの建て替えには所有者の「5分の4以上」、取り壊しには「全員」の同意が必要 要件の厳格さに加えて 所在不明の所有者が「反対」として扱われることから 決議に必要な賛成を得るのが困難との指摘がある
 要綱案では
■ 耐震性・耐火性の不足、外壁の剥落、給排水管の腐食、バリアフリー基準への不適合のいずれかの客観的事由に該当するマンションについて 建て替え・取り壊しの合意割合を「4分の3以上」に緩和 裁判所が認定すれば 所在不明の所有者を決議の母数から除外できる仕組みを盛り込む
■ 大規模な共用部分の変更や修繕についても一定の条件下で 現在の「4分の3以上」から「3分の2以上」に要件を緩和 過半数の賛成が要件の外壁や通路といった軽微な修繕では 決議の集会に参加しない無関心な所有者を多数決の母数から除く仕組みを新たに導入
■ 大規模災害で被災したマンションは 建て替え・取り壊しの合意割合をいずれも「5分の4以上」から「3分の2以上」に引き下げ 迅速な復興の促進につなげる



中古マンションを選ぶ際の一番のチェックポイントは「管理」です  仲介不動産会社等を通して またはそのマンション管理組合のHP等で「長期修繕計画(その実績等)」や「管理費・修繕積立金(その滞納状況やその金額設定が適切か等も)」をチェックしたり 管理組合議事録・HP等で日々の問題解決の過程等を見ることは大事(さらに そのマンション(管理組合)が 「要除却認定」に向けて動いていないかも気になるところ)
 また、実際にマンションに出向き エントランスや植栽、集合ポスト、掲示板、駐輪場やゴミ置き場などの共用部分が整理整頓されているか きちんと清掃されているかを見て 自分がこのマンションで生活することになった場合のことをあれこれ想像してみることは大切
  中古マンションの購入後にリフォームを予定し その費用をローンで借りるなら住宅ローンと合算したほうが借りやすい リフォーム単体で借りると金利は一般的に高くなる(その際には マンション管理規約のリフォームに関する条項の確認もお忘れなく)
 建物や設備の劣化が進むと住み心地は悪化し 資産価値は下落する 中古マンションの将来の価値は3極化するとされる「価格を維持するか上昇する物件」「なだらかに下落する物件」「無価値の物件」に。
 マンションは 将来の資産価値も考えて(売却可能な物権か(買い手が付くか?))地域や物件を選ぶことも大切 一方 永住を考えるのであれば 将来的に「無価値の物件」も対象になる 住居費を抑えて その分金融資産を積み上げるという考え方もある

2024年01月16日

2022年10月06日

090. 住宅購入

・住宅取得前に押さえておきたいポイント

■ 資材の高騰や人手不足による人件費の高騰などにより 住宅の価格は上がっている

・住宅以外にかかる費用は 初期費用・維持費等 様々 初期費用は 一般的に住宅価格の5~10%程度かかります

■ 住宅ローンの借入額(年収倍率)が上がっている


住宅ローンの借入額(年収倍率)は かっては 年収の5倍程度だったが 7倍程度まで上がっている 銀行の中には 年収の8倍程度まで貸してくれるところも多いが 借りられる金額 = 無理なく返せる金額ではない

・住宅購入希望者のありがちな失敗例
● 今の家賃と同じくらいか少し多い金額を目安に購入額や返済額を考えてしまう
● 住宅ローンを いくら借りられるかで考え いくら返せるかで考えずに購入を判断してしまう
● 展示場やモデルハウスを訪れ 気に入ったからと勢いで購入を決めてしまう
● 35年後のことも考えずに 月々の返済額が適当だということで長期ローンを組んでしまう
● 一生に一度の買い物だからと 少し背伸びをした金額で購入してしまう
● その後の生活やライフプラン 収入の減少リスク等を考えずに購入してしまう
● 定年時点で住宅ローンが残っていても 退職金で完済すればいいと安易に考えてしまう


■ 2050年までの「カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現を目指す」
 「2030年度における温室効果ガス46%削減(2013年度比)」の実現目標
 住宅分野においても 省エネ性能の確保・向上による省エネルギーの徹底と再生可能エネルギーの導入拡大の取り組みが進められている
・2030年までに「新築される住宅・建築物について ZEH水準の省エネ性能が確保されること
・2050年までに「ストック平均でZEH水準の省エネ性能が確保されること」
 これらの目標に向けて 省エネ住宅に対する支援制度の拡充やそれらに適用される省エネ基準の高性能化などの施策が打ち出されている
・断熱性能等が高い「省エネ住宅」は 従来の住宅に比べ建築費がかさむため 減税や補助金といった様々な支援策が用意されている

・「2025年 省エネ基準適合義務化」(建築物省エネ法改正)
→ 原則すべての新築住宅や非住宅が省エネ基準に適合することが義務化 これに伴い 建築確認手続きにおいて省エネ基準適合性審査が実施され 基準を満たさないと着工できない
対象 2025年4月1日以降に着工する すべての新築住宅や非住宅(延べ床面積10平方メートル以下の建築物を除く)が対象
義務内容 省エネ基準に適合していない場合 建築確認が取得できず着工できない
目的 2050年カーボンニュートラル達成に向けた取り組みの一環 住宅の省エネ性能向上を推進するもの
その他 2024年からは 省エネ基準に適合していない住宅は住宅ローン減税の対象に

 →「省エネ基準適合義務化」(国土交通省)
 →「住宅:建築物省エネ法のページ」(国土交通省)


Q:「住宅購入への国の支援策」継続・強化されている支援策(住宅ローン控除13年特例・すまい給付金・住宅資金贈与の非課税制度等)また、新設の「グリーン住宅ポイント制度」について詳しく教えてほしい

「2022年度税制改正大綱」改正・ポイント


・住宅ローン控除 〇 控除率を年末ローン残高の1%から0.7% に
・支払い利息額より控除額が上回るという「逆ざや」に対応
〇 適用期限を2025年末まで4年延長
〇 所得要件を3000万円以下から2000万円以下に
〇 残高の上限は環境性能で4つに分け 新築は段階的に引き下げ
〇 控除期間は新築で原則10年から13年に
・「一般住宅」は2024年以降の入居は10年 既存(中古)住宅は10年
〇 11~13年目の3年間に控除される額
・建物価格の2%分と残高の1%の3年分の合計額の低いほうの額が控除される
〇 住宅の床面積は 50㎡以上であること
・新築の場合 2023年までの建築確認を受け 所得要件1,000万円以下であれば40㎡以上に緩和(2024年末まで延長)
〇 住民税からの控除額は 課税総所得金額の5%で最大96,500円まで
〇 既存住宅で減税対象となる住宅は「登記簿上で新築年月日が1982年(昭和57年)1月1日以降と確認できる住宅」という要件に一本化
・1981年(昭和56年)6月1日以降の建築確認を受けて新築したと考えられる新耐震基準の住宅は すべて対象に
・従来は一定の耐震性や品質が確保された住宅だけが対象となっていた
・住宅取得資金 〇 非課税贈与の期限を2026年12月31日まで延長
〇 非課税枠は最大1500万円から1000万円に
・固定資産税 〇 住宅地は負担軽減措置を取りやめ
〇 商業地は最大2.5%増に抑制
・株式配当などの課税 〇 所得税と地方税で課税方式を選べる制度を24年度に廃止

「2025年建築基準法等改正」← 詳しくはクリック


■ 住宅ローン減税
年末借入残高の上限額(「夫婦どちらかが40歳未満」「19歳未満の子がいる」のいずれかの者(特例対象個人) 2024年については 現在の水準を維持し 住宅取得を税制面から支援)

(注)ZEH水準省エネ住宅では 冷暖房などのエネルギー消費量を省エネ基準より20%以上抑えられれば 太陽光発電はなくてもよい
(注)その他の住宅(新築住宅)で 入居年が 24・25年の場合は
・ 23年12月31日までに建築確認を受ける住宅 または登記簿上の建築日付が2024年6月30日以前の住宅については 住宅の残高上限額は 2000万円(140万円 控除期間は10年)として住宅ローン減税が適用される
■ 住宅ローン控除の借入限度額(2024年中に入居の場合)

  子育て世帯 その他世帯
長期優良・低炭素 5000万円 4500万円
ZEH水準省エネ 4500万円 3500万円
省エネ基準適合住宅 4000万円 3000万円
その他 0 0


・2024年以降に建築確認の「その他の住宅」は対象外 つまり

2024年以降に建築確認を受ける新築住宅については省エネ基準への適合が住宅ローン減税の適用要件とされ これに適合しない「その他の住宅」については 住宅ローン減税が適用されなくなる(予定)
 フラット35でも 新築住宅では 2023年4月以降の設計検査申請分からより厳しい省エネ基準を満たさないと利用できなくなる また フラット35には「維持保全型」が新しく登場し 認定長期優良住宅などが対象で 金利の優遇が受けられる
■ 改めて「住宅ローン控除(住宅ローン減税)」とは?
 住宅ローンを利用して住宅の新築・購入 あるいは増改築をし 一定の要件に当てはまる場合に 年末の住宅ローン残高に応じて 入居の年以降一定期間の所得税を減額する制度であり 住宅ローンの年末残高に控除率を乗じた金額が 所得税額から控除される税額控除
住宅ローン減税の適用対象者 ① 新築または取得の日から6ヶ月以内に居住の用に供し 適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいる事
② この特別控除を受ける年分の合計所得金額が 3.000万円以下であること
主な適用条件(新築の場合) ① 住宅の床面積が50㎡以上であること(40㎡以上に緩和させる方向 議論中2025年)
② 店舗併用住宅であっても床面積の1/2以上が自己の居住の用に供するものであること
③ 借入金の返済期間が10年以上であること
④ 銀行等からの借入金であること
⑤ 勤務先からの借入金である場合には年率0.2%以上であること(2016年12月31日以前に居住の用に供する場合は 無利子または1%に満たない利率による借入金は対象にならない)



控除額上限






・新築住宅には 買取再販住宅(宅地建物取引業者により一定の増改築等が行われたもの)を含む

 買取再販住宅とは:宅地建物取引業者が特定増改築等をした既存住宅を その宅地建物取引業者の取得の日から2年以内に取得した場合の既存住宅(その取得の時点において その既存住宅が新築された日から起算して10年を経過したものに限る)


■ 認定住宅とは 認定長期優良住宅および認定低炭素住宅をいう
■ ZEH住宅(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは  居住の際に太陽光発電システムなどを活用して再生可能エネルギーを利用し 年間の一次エネルギー消費をゼロ以下にする事 なお 一次エネルギーとは 自然界に存在するエネルギーで 変換加工していないものをいい 石油・石炭・原子力・天然ガス・水力・地熱・太陽熱などのこと
■ 省エネ基準適合住宅とは 平成28年の省エネ基準を満たす住宅 全国が8つの地域に区分されており それぞれの基準値が定められている

項目 長期優良住宅の認定基準(概要 新築の例)
劣化対策 数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること
耐震性 極めてまれ(数百年に1度)に発生する地震に対し 継続利用のための改修の容易化を図るため 損傷のレベルの低減を図ること
維持管理・更新の容易性 構造躯体に比べて耐用年数が短い設備配管について 維持管理(点検・清掃・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること
省エネルギー性 必要な断熱性能等の省エネ性能が確保されていること
可変性(共同住宅・長屋のみ) ライフスタイルの変化等に応じて間取りの変更が可能な措置が講じられていること
バリアフリー性(共同住宅等) 将来のバリアフリー改修に対応できるよう共用廊下等に必要なスペースが確保されていること
居住環境 良好な景観の形成 その他の地域における居住環境の維持および向上に配慮されたものであること
住戸面積 良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること
維持保全計画 建築時から将来を見据えて 定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること
災害配慮 自然災害による被害の発生の防止または軽減に配慮されたものであること

・認定を受ければ 税制優遇・補助金・地震保険料の割引など様々なメリットがある

〇 様々な支援制度のどれを使えるかは ハウスメーカーや工務店が把握している 建築士が用意する書類等もあるため 建築・購入の計画段階から早めに相談しましょう

● ZEHのデメリット
ZEHは 環境にだけでなく 家計にも優しい(光熱費削減効果 補助金の交付 住宅ローン控除の優遇など)住宅ですが 次のようなデメリットもある
・建築費が高額となる
・光熱費削減効果は 地域・建物の構造等様々な要因で異なる また 家族構成や生活スタイルによっても異なる 費用対効果のバランスを検討しないと 思ったほどの効果が出ないことも
・設備機器についても それぞれに寿命があり 取り換え費用を考えなければならない(一部メーカーの 屋根と一体化している太陽光パネルの場合 寿命が来たとき 屋根の吹き替えという工事が必要となり 莫大なコストがかかる)パワコンや蓄電池についてもしかり


■住宅省エネ2024キャンペーン ① 子育てエコホーム支援事業
※リフォームについては、子育て世帯・若者夫婦世帯以外も対象
② 先進的窓リノベ2024事業
③ 給湯省エネ2024事業

・詳しくは →「住宅省エネ2024キャンペーン」(国土交通省)

■省エネ住宅の新築に対する主な支援措置

制 度 対 象 等
グリーン住宅ポイント 2021年12月15日でポイント発行申請の受け付けは終了
すまい給付金 2021年12月末をもって終了
こどもみらい住宅支援事業 2022年10月31日までに締結した契約(新築売買、リフォーム等)
ZEH支援事業 年齢に関わらず利用可
原則として23年1~2月までに竣工し 登録業者が建築や販売に関わる必要がある
地域型住宅グリーン化事業 「住宅・建築物カーボンニュートラル総合推進事業」ZEH住宅・認定長期優良住宅:1戸140万円 認定低炭素住宅:1戸125万円
サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型) 先導性の高い省エネ化に取り組むプロジェクトについて民間等から提案を募り 支援を行う
リ・バース60 住宅の建設、購入、リフォーム、借換えに利用できる(シニア向け住宅ローン 民間金融機関が住宅金融支援機構と提携)
→ 融資の限度額その他の商品内容は、金融機関ごとに異なる
フラット35S ZEHの全期間固定金利「フラット35」の金利を 当初5年間:年0.5%引き下げ(6~10年目は 年0.25%引き下げ)
認定住宅等新築等特別税額控除 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅の新築 税優遇(所得税)
登録免許税の優遇措置 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の新築
固定資産税・不動産取得税の優遇措置 認定長期優良住宅の新築
贈与税非課税措置 住宅取得費用の贈与を受けて行う省エネ性能(省エネ基準相当)に優れた住宅の新築
残価設定型ローン 現在 開発中の モデル事業


■ 「住宅資金贈与の非課税制度 」

〇 非課税贈与の期限 → 2026年12月31日まで延長(非課税枠は最大1000万円を維持)
〇 →50㎡以上の場合は、合計所得金額が2000万円以下の者、40㎡以上50㎡未満の場合は、合計所得金額1000万円以下の者に限る

非課税限度額

省エネルギー性・耐震性等を備えた良質な住宅用家屋 1.000万円
上記以外の住宅用家屋 500万円
 詳しくは → ブログ「086. 生前贈与」もご覧ください

自宅の購入「不動産投資」である
・住宅ローンは 不動産投資ローンよりも はるかに低い金利で借りられる
・「団体信用生命保険」の加入で 万が一の時の 家族の備えになる
・老後の年金生活でも 家賃を払わずに住み続けることができる
・自宅を売却し 老人ホーム等への入居資金にすることが可能


「残価設定型住宅ローン」

・(2020年10月12日)政府と民間の金融機関が「残価設定型住宅ローン」を開発し モデル事業の開始を予定しているという記事(日経新聞)




メリット・デメリット等 詳しくは
 → ブログ「017. 残価設定」をご覧ください



「既存(中古)住宅(空き家)」

 増え続ける「空き家」 2033年には総住宅数7106.7万戸、空き家数2146.6万戸、空き家率30.2%との予測も
「既存(中古)住宅取引」 を安心に進めるため
・「適正な資産価値評価」のために国土交通省「建物状況を調査するインスペクション」「既存住宅売買瑕疵保険」「住宅履歴情報の公開」の3つの制度を推進
 また 自宅の「老後に備えるリフォーム」「省エネリフォーム」「耐震リフォーム」等を推進するため様々な「所得税優遇制度」「固定資産税減額制度」「補助や融資等の公的支援制度」が用意されている

 → ブログ「085. 中古住宅購入」をご覧ください




 → ブログ「083. 空き家」もご覧ください



「住宅の品質確保の促進等に関する法律」
・新築住宅の 壁や柱など構造耐力上主要な部分等の不具合や雨水の侵入などが発生している場合の修理や損害賠の時効は 物件の引き渡しから10年

 



Q:「定期借地権付き住宅」は 一般的な土地所有権付きの住宅と比べると 比較的安価で販売されていると思いますが メリット・デメリット等を教えてください


■ 定期借地権の種類

  一般定期借地権 建物譲渡
約付
借地権
借地借家法 22条 24条
借地権の存続期間 50年以上 30年以上
利用目的 用途制限なし 用途制限なし(前提となる借地権に従う )
権利の内容 以下の3つの特約を定める
① 契約の更新をしない
② 建物滅失後の再築による存続期間の延長をしない(再築はできる)
③ 建物買取請求権を行使しない
・借地権設定時に 設定後30年経過した日以降に地主が借地人から借地上の建物の譲渡を受ける(買い取る)旨を特約する
・特約は 最初の借地契約締結時に付帯されなくてはならず 借地権設定後や既存の借地権に特約を追加することはできない
契約方式 上記3つの特約を書面で行う(公正証書である必要はない) 建物譲渡特約については制限はなく 口頭でも成立する
借地関係の終了と措置 期間の満了により終了 原則として更地にして返還する(双方が合意すれば 地主が建物を買い取ることもできる) 建物の譲渡により終了 建物は地主に帰属することとなり 借家関係は地主に承継 借地人使用の場合は借家人として使用継続




 

■ 定期借地権付き住宅のメリット・デメリット

メリット
〇 土地を所有しない分 全体の価格が安くなる
〇 土地の所有者が支払う固定資産税や都市計画税を支払う必要がない
〇 土地の所在地が 都心や駅近など 利便性が高いケースが比較的多い
デメリット
● 価格が安いとはいえ 権利金の他に 地代を毎月支払う必要がある
● 契約期間が満了したら 建物を取り壊し 更地にして返す必要があり 解体費用が発生する
● その際には 新しい住まいを探す必要があり 資産として残らない
● 居住期間が限られており 契約期間満了が近ずくと 売却が困難
● 土地の担保評価が低いため 住宅ローンが借りにくい


□ 時効取得

他人の土地に家を建築 所有権などを一定期間で得られる例
時効取得10年 ・自分に土地の所有権があると考えている
・所有の意志を持って平穏・公然と占有
時効取得20年 ・自分に土地の所有権がないと知っている
・所有の意思を持って平然・公然と占有



(日本人には 「新築信仰」ともよばれるものがあるとされる これだけ世の中に 中古住宅・空き家 が たくさんあるというのに・・・新築ピカピカがいいんでしょうね まあ 考え方もあるし 理想もあるし しかし 懐具合もあるし
 住宅資金・教育資金・老後資金が人生の3大支出とされます お金は相当かかります
 それぞれを どのようにするか? で いろいろ影響もあるんだとは思います「住宅ローンは返済できるだけでは不十分」ローンを返済し さらに毎月一定額を預金に回せるかを考えてほしい 住宅費が膨らんで 教育資金・老後資金のための貯蓄の余裕がなくなるようなら 物件選びを考え直したい
 確かに 新しい畳・張り替えた障子紙 はまことに気分が良い 新鮮な気分にもなれそうです しかし こんなもんで十分じゃあないの?(行き届いた掃除と整理整頓は大事))

2026年01月05日

2022年09月29日

089. 資産運用(不動産)

: 老後資金のために資産運用の必要は理解しますが、金融資産はほとんどありません 自宅以外に不動産資産もありません このごろ「リバースモーゲージ」というのをよく聞きますが・・
 「自宅運用」についてどのような手法があり、それぞれの特徴や注意点、その利用可能性を知りたい

  リバースモーゲージ リースバック 不動産担保ローン
資金調達 融資限度額まで借り入れ 自宅を売却 代金受け取り 一括で借り入れ
居住形態 所有して居住 賃借して居住 所有して居住
返済 死後 売却等により返済 返済なし 生前に元金 利息を返済
自宅は? 将来的に売却予定 売却 原則として所有継続
借り入れ あり なし あり
調達資金 評価額の5割程度 評価額の7~8割 評価額の7~8割
生前の支払負担 利息のみ(ない場合も) 家賃 元金+利息
相続人の同意 必要 不要 不要
資金使途制限 多い ない 少ない

・「リバースモーゲージ」


 通常のモーゲージ(=抵当・担保)ローンでは年月と共に借入残高が減っていくが、この制度では逆に増えていくのでリバースモーゲージと呼ばれる




  一般的な商品 リ・バース60
対象者 ・おおむね50代以上 ・50歳以上
融資限度額 ・担保評価額の50~60%程度
・限度額の範囲で必要な時に借りる方式が多い
・担保評価額の50~60%以下(50代は30%以下)で 最大8000万円までの必要額
・借入時に全額を一括融資
返済方法 ・生存中は金利のみで死後に元本を一括返済
・死後に金利と元本を一括返済(利息元加方式)
・生存中は金利のみで死後に元本を一括返済
*実際の融資条件は取扱金融機関が決める


「リバースモーゲージ」メリット
〇 「毎月の支払いは利息のみ」: 老後の支出を減らすことができる
 金利も払う必要がない「利息元加方式」も増えている(金利は死後に元本に上乗せして支払う)
〇 定年退職後も月々の住宅ローンが残っており、その返済が負担となっている場合は、「リバースモーゲージを利用して借換え」(リバースモーゲージ型住宅ローン:借り換えし利息のみ返済 死亡後売却)という手がある
〇 「元金の返済」:本人が死亡した際に現金一括返済または、自宅の売却のいずれかを選べる(生存中に繰上返済することも可能)
〇 「住宅や土地を担保に」 → 自宅に住み続けながら老後資金の借入れができる 将来は有料老人ホームなどに入ろうと考えている場合 自宅は残したまま、まとまった金額を借入れて、有料老人ホーム等の入居金の一部に充てることができる
〇 「配偶者の居住に関するリスクを回避」本人が死亡した場合、配偶者が契約を引き継げるようにしている金融機関が多い → (連帯債務者として引き継ぐ)
〇 「退職金や預貯金などのまとまった資金を残しておける」→ 居住環境を確保しながら老後資金の減少を遅らせることができる
〇 自宅を子どもに残す必要がなく セカンドライフを充実させたい・病気や要介護になった時の備えとして貯めておきたい場合 その資金を多目的に利用できる ただし、金融機関によっては使いみちを限定しているものもある
〇 「保証型」「保険付き」また、「ノンリコース型」(残債があっても子供など相続人に請求されない)があり安心
こちらをご覧ください →「リ・バース60」(住宅金融支援機構 保険付き)
〇 利用者や資金使途に制約があるものの「ノンリコース型」が主流(利率はリコース型に比べ高め) → 子ども等に迷惑がかからず安心
〇 担保割れリスクを保険がカバーする「保険付き」で安心
〇 高齢になって住宅ローンを借りるのが難しい場合も 老朽化した自宅のリフォーム資金や新居への住み替え資金(夫婦二人の暮らしに合った広さの家へ)を用意できる
〇 高齢になってから住宅ローンの残債があり 毎月の返済が苦しい場合 住宅ローンの借り換えを行い「毎月の支払いは利息のみ」に

「リバースモーゲージ」デメリット
「長生きリスク」
(1)存命中にローンの受け取り総額が融資限度額に達した場合 → その後の融資が途絶える
(2)契約期間(最終返済期限)が設けられている場合(金融機関による)→ (想定よりも長生きした場合)元金と利息を一括返済しなければならない
 もし一括返済できなければ、契約者が存命でも自宅を売却して一括返済する必要がある(自宅の売却価格よりも借入金残高が多かった場合には、差額の借入金残高が残ってしまう(家を失い 借金が残る)
(3)「毎月の返済が利息のみ」である、元金を繰上返済しない限り 返済はずっと続く 長生きすればするほど(返済期間が長期化し)利息の総支払額が膨大な金額になってしまう可能性も

「金利上昇リスク」
(1)契約期間中にに金利が上昇した場合(変動金利を選択した場合) → 借入残高が増えて担保割れとなるリスク(融資可能金額の上限に達してしまう)
(2)契約期間中にに金利が上昇した場合 → 月々の返済額が膨らむリスク(リバースモーゲージは、不動産を担保とした融資となるため、毎月利息が発生する)

「評価額下落リスク」
(1)不動産価値が大幅に下落すると担保割れのおそれがある(融資額は、契約時の担保(不動産)評価額に応じて決められる 一般的に担保不動産の評価額の50~60%程度が融資の上限 契約後は、一定期間ごとに担保価値を見直す)→ 融資限度額を下げられるリスクや場合によっては融資が止まってしまうリスクがある
(2)融資限度額が下げられ、借入残高が限度額を上回った場合 → 差額を返済しなければならない
 債務者が亡くなった場合、想定よりも担保物件の不動産価格が落ちて売却金額が借入額に満たない場合 → 相続人が足りない分の返済を負担しなければならない

●その他のデメリット
(1)「推定相続人全員(子どもなど)の同意を必要とする金融機関が多い」
 債務者が亡くなった後は自宅売却が前提のため、家がなくなり、家が相続財産として残らない(一般的には配偶者以外と同居している場合は契約することができない)
(2)「融資金の使いみち(資金使途)を限定している金融機関が多い」
 老後の生活資金の確保を目的とした商品が中心(原則自由としている金融機関も、事業資金や投資目的の利用は認めていない場合が多い)
 ・地方自治体の社会福祉協議会が提供している「不動産担保型生活資金(公的リバースモーゲージ)」:自立支援を目的としているため、老後の生活資金のみにしか利用できない
 ・住宅金融支援機構が提供するリバースモーゲージ「住宅金融支援機構の「リバース60」」:住まいに関する5つ(本人が居住する住宅の建設・購入、リフォーム、高齢者向け住宅への入居一時金、住宅ローンの借りかえ、子世帯などの住宅資金贈与)の用途のみで、生活資金としては利用できない
(3)「マンションは対象外となる場合が多い」
 建物が建っている土地をメインに不動産評価額を決定するのが一般的 マンションでも利用可能な場合もあるが、数は少ない また、融資が可能でも条件は厳しい
(4)「利用できる物件の制約が多い」
 多くの金融機関は「評価額に下限がある」(5000万円程度としている場合が多い)また、多くの金融機関が 地域限定としている(例えば 3大首都圏などの都市部に限定等
(5)「リコース型」(残債がある場合 子供など相続人に請求する)が主流(「リバース60」以外)
(6)「年齢制限」ほとんどの場合 55~65歳以上との年齢制限がある

*リバースモーゲージの代替案として「リースバック」



・「賃料返済型リバースモーゲージ」(移住・住みかえ支援機構JTI と提携)
・住み替えをする人が「移住・住みかえ支援機構」に自宅を貸すことで得られる賃料を担保に融資を受ける
・自宅を売却することなく 賃貸で保有し続けられる
・「マイホーム借り上げ制度」と同様に 入居者探しや賃貸管理等は「移住・住みかえ支援機構」が行う
・事前に建物の耐震診断などを受けることが必要
・家賃をベースに融資額が決定される 融資額は一括一時金で受け取る →  住み替え先の購入資金や高齢者住宅や介護施設の入居一時金などに充てられる
・地価が高い地域では一般的なリバースモーゲージのほうが評価額(融資限度額)が多くなる場合も
・地価が低い地域では 逆に賃料返済型が有利に


・「高齢者向け返済特例制度」(住宅金融支援機構 リバースモーゲージ型)
・古びた自宅を直して住み続けたい場合に 60歳以上が対象
・自宅で耐震改修かバリアフリーを含むリフォーム用資金の融資が受けられる(住宅金融支援機構の直接融資)
・生存中は利息のみを返済 借り入れ元本は契約者死亡時に一括返済
・民間の住宅ローン並みの低水準 融資時の金利で固定される
・全国の物件が融資の対象で、利用できる人の間口が広いのが特徴
 「リバース60」(リフォームの内容については「バリアフリー」「省エネ」「耐震」等に限定されることは ほとんどない)と「高齢者向け返済特例制度(リフォーム融資)」(部分的バリアフリー工事、ヒートショック対策工事または耐震改修工事を含むリフォームと併せて行えば ほとんどのリフォーム工事が対象)
 ①②の両方とも 自宅を担保にリフォーム資金を借り、死後に物件を売却するなどして元本を返済する「リバースモーゲージ」の一種 自宅は相続人が元本を一括返済しないと引き継げないため 家族などと話し合うことが必要

  「高齢者向け返済特例制度(リフォーム融資)(住宅金融支援機構)
  「リバース60」 (住宅金融支援機構)


「不動産担保型生活資金」
 都道府県社会福祉協議会が実施主体
 住所地の市区町村社会福祉協議会が窓口
契約者 ・世帯の構成員が原則として65才以上
・世帯収入が一定水準以下(住民税非課税世帯など)
利用目的 ・契約者 配偶者の生活にかかる資金
・事業目的 投資目的は不可
担保となる不動産 ・土地評価額が一定以上の一戸建て住宅(1500万円以上等)
融資限度額 ・月額30万円以内(資金交付は 3ヶ月ごと)
・担保土地評価額の70%以内
返済方法 ・契約者死亡後 3ヶ月以内に 元金 利息を一括返済
融資額見直し ・担保評価下落の場合 融資限度額下落も



・「リースバック」



「リースバック」のメリット
〇 買主を探す必要がないので現金化までの期間が比較的に短い
〇 引越しすることなく自宅を現金化できる 資金の使い道は自由
〇 引越し費用や賃貸契約等の初期費用がかからない
〇 子どもの学区が変わることがない 勤務先への通勤時間に変更がない
〇 「賃貸借契約」を結び賃貸物件として住み続ける事が出来 売却したことが周りに知られない
〇 将来的に買い戻すことが可能
〇 住宅ローンの支払いや固定資産税の納税義務がなくなる
〇 不動産の相続対策として 被相続人は自宅に住み続けながら資産整理を進められ、老後資金としてのまとまった現金も手に入る
〇 同居者は配偶者のみと制限されるリバースモーゲージと異なり 家族との同居が可能
「リースバック」のデメリット
● オーバーローン状態(売却価格が住宅ローンの残債に届かない)だと利用できない → 任意売却または、家族間・親族間売却へ
● 売却価格が周辺相場よりも安くなりがち(相場の7~8割と言われる)
● 毎月のリース料(家賃)が周辺の家賃相場よりも高くなることがある(年間のリース料の目安は、売却価格の8~10%)また、さらに家賃の引き上げを請求されることがある
● 「勝手に売却され」(物件の所有権は相手に移転する)その後の賃貸契約更新を断られたり、賃料の値上げを請求されるケースも さらに「将来的に買い戻すことが不可能」に 
● 賃貸期間に制限があるケースが多い(「定期建物賃貸借契約」になっている場合 期間満了により終了し更新なし 出ていかなければならない 再契約は可能だが 家賃等条件は変わることが多い)
● 買い戻しは可能だが、その費用は売却価格よりも高くなる場合が多い 提示された買い戻し金額が払えないとなると、その物件から出ていかない限り賃貸借契約を更新し続けざるを得ない
● 強引な勧誘で契約してしまい 解約を申し出ると 高額な違約金を請求される 等トラブルになるケースも多い


・「不動産担保ローン」



・上の表の出典は、avacs.co.jp です


「不動産担保ローン」のメリット
〇 担保の不要な「無担保ローン(無担保融資)」と比較して借入可能な金額が多い しかも利用の際に連帯保証人は原則不要
〇 無担保ローン(借入限度額により金利が変わる場合がある)に比べ、低い金利でお金を借りられる(返済期間も最長35年と長い)
〇 大半の金融機関等は、資金使途を制限しない 住宅ローンの借り換えや教育資金、事業資金(開業資金等)にも使用できる ただし、個人向けと法人向けで資金使途の自由度が違う場合もある
〇 不動産担保ローンは、老後の収入が少なく、資産が自宅以外に無い人に向いている 自宅を売却処分することを前提に担保に入れて、生活資金となるお金を借りるイメージ なお、似た仕組みのローンに「リバースモーゲージ」がある
〇 不動産担保ローンは、資金使途が原則自由なので 目的別ローンを複数借りている人などがローンをひとつにまとめる時に向いている 担保価値に余力があれば、住宅ローンの借り換えに利用することもできる
「不動産担保ローン」のデメリット
● 個人かつ自宅を担保とした場合は、ローン全般に適用される「総量規制」ルールが適用され「年収の3分の1を超える貸し付けはできない」(不動産担保ローン自体は総量規制の対象外)
● 不動産評価額の平均60~80%程度(担保掛目(あるいは掛目)」と呼ばれる値)が借入限度額とされる
● 返済しきれず返済不能となった場合 競売などの手段で(抵当権が設定される)担保不動産を売却されてしまうリスクがある また月々の返済遅延が続くと、仮に不動産を売却されなかったとしても、契約者の信用情報に「返済事故」として履歴を残される恐れがある
● 無担保ローンに比べ ローン審査基準が多岐にわたるため 手続きにかかる時間が長期化する
● 融資額に応じた事務手数料がかかる(融資額の2%程度の事務手数料)また、繰り上げ返済手数料や不動産鑑定費用(調査料)、印紙代、抵当権の登記費用などが別途かかる
● 資産価値の低い不動産(例えば再建築不可能な物件や、災害リスクの高い立地にある物件、老朽化した建物など)は、担保価値も低い(場合によっては担保にできない)また、契約後に担保とした不動産の価値が下がった場合、「追加担保」を請求されることもある
● 銀行系とノンバンク系では、借りられる条件や審査の厳しさがかなり違う


・「マイホーム借り上げ制度」


・こちらをご覧ください →
 「マイホーム借り上げ制度」「再起支援借り上げ制度」(移住・住みかえ支援機構JTI)


・「住宅確保要配慮者向けシェアハウスにリフォームし自分も暮らす」


 →  ブログ「018 シェアハウス」 をご覧ください


・こちらも参考に
「老後の暮らしに備えて 住宅資産を上手に活用」(日本FP協会)
「住宅セーフティネット制度について - 制度の概要 -(国土交通省)
「シェアハウスガイドブック」(国土交通省)


・「サブリース」




・「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(令和2年6月公布)」(サブリース新法)
・「サブリース業者とオーナーとの間の賃貸借契約の適正化に関する措置(令和2年12月15日施行)」策定




*「サブリース」のメリット
〇 何も活用されていない更地に賃貸住宅を建てることで資産価値を下げずに評価額が下がり節税効果が大きい 借入金(建築費)が大きいため相続税を大幅に減額することが可能
〇 サブリース契約の賃貸アパート経営は事業収支が安定的とされ金融機関から巨額な建築費用等の融資を受けやすく長期のローン返済もしやすいとされる
〇 募集家賃に対して90%(一般的なサブリースの場合 80%、85%の場合もある)の「借り上げ家賃」ではあるが、家賃滞納や空室の有無に関わらず一定の賃料が確保でき経営が安定的で将来的に安心
〇 煩わしい入居者管理(募集~(苦情等の対応)~退去処理)、建物管理(点検・清掃等)の手間が不要(確定申告も比較的に容易)入居者とトラブル(さらに訴訟)になっても入居者と賃貸契約を結ぶサブリース会社が対応してくれ費用負担もない

 

*「サブリース」のデメリット
● 上記の「金融機関からの巨額な建築費用等の融資」は いずれ「デメリット」として引き継がれ 相続人に大きくのしかかる
● 収益性が期待できない立地にアパートを建て 多少なりとも相続税評価額を圧縮できたとしても 最終的に売却する際 想定より低いその収益性に見合った売値しか付かず ローンの負債が残る事態も 相続税評価額が下がるのではなく 資産そのものが減少してしまう可能性がある
● 収益性の低下 賃料が下がる可能性が高い 契約中でもサブリース会社から家賃減額の請求を受け(建物は経年で必ず劣化する)賃料が下がる可能性が高い また、敷金、礼金、更新料はサブリース会社に入りオーナーには入らない 初期募集期間や退去時の賃料が免除される「免責期間」を設定される場合も(固定資産税はオーナー持ち)
● 将来的な修繕・リフォーム工事が必須条件となる事も (建物は経年で必ず劣化する)サブリース会社によっては「指定のリフォーム業者」の利用や「〇年後にはこの修繕工事を実施することが必須条件」とするサブリース契約も多い また、アパートメーカーは「新築物件が対象」で新築工事から建てた後の賃貸管理とサブリースまで一括で請け負う「(おまかせ・言われるまま)パターン」に 収益は上がらずローン返済計画がくるうことも
● 賃貸管理会社も選べない 長期安定経営の必須条件は「(空き室を早期に埋める)賃貸管理」ですがその賃貸管理会社の選定・変更が新築から30年間超ともなる長い賃貸経営の中でしたくてもできない サブリース会社から一方的に契約を打ち切られたり、会社が倒産するリスクも
● 少子高齢化と人口減少という課題に直面する日本には「空き家問題」があり賃貸住宅も例外ではない 他物件との差別化を図るために更なる追加リフォーム工事を求められる事も


 

(上図より)数が最も多いのが 433万戸にのぼる「賃貸用」の空家(空き家の半分は 相続対策などで慢性的に供給過剰の賃貸用)これらは 数は多いものの 借り手を募集しているため管理は(一応)行われている
 問題なのは 内 共同住宅も少なからずある)


・上図出典:産経ニュース

(「サブリース 2025年問題」 2015年の相続税増税前に駆け込みで大量供給されたアパートが築10年(10年更新期)を迎える 悲劇に繋がることがありませんように)


・こちらをご覧ください(相談先も載っています)

 → 「賃貸住宅経営(サブリース方式)において特に注意したいポイント」(国土交通省・消費者庁・金融庁)
 → 「サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!」(消費者庁)

「空き家サブリース」(マイホーム借上げ制度)

 



自宅の購入「不動産投資」である
・住宅ローンは 不動産投資ローンよりも はるかに低い金利で借りられる
・「団体信用生命保険」の加入で 万が一の時の 家族の備えになる
・老後の年金生活でも 家賃を払わずに住み続けることができる
・自宅を売却し 老人ホーム等への入居資金にすることが可能


(通常のモーゲージ(=抵当・担保)ローンでは年月と共に借入残高が減っていくが この制度では逆に増えていくのでリバースモーゲージと呼ばれる
 最終的に自宅を手放す(可能性が高い)ことはその家を売却することに似ているが 契約の期間中はその家に住み続けられることが特徴
 自宅不動産を所有しているが 金融資産が乏しく 公的年金などでは生活費を賄えない高齢無職者(または低所得者)の生活費の原資として利用されることが多い(Wikipedia))

2025年10月23日

2022年09月15日

088. 財産評価


相続財産に占める資産別の比率



財産 評価方法
土地 路線価 X 土地面積
*農地や山林は国税庁の「倍率方式」を採用
建物 固定資産税評価額 X 1.0
上場株式
上場投信
REIT
次の①~④で最も低い金額 X 保有株式数または投信口数
① 相続開始日の終値
② 相続開始日の月の終値の平均額
③ 相続開始日の前月の終値の平均額
④ 相続開始日の前々月の終値の平均額
取引相場のない株式 こちらをご覧ください
→「No.4638 取引相場のない株式の評価」(国税庁)
一般の非上場公募投信 死亡日の1口当たり基準価格 X 保有口数 - (信託財産留保額 + 解約手数料)
NISA口座の資産
iDeCoの資産
・下記をご覧ください
現金 残高
預貯金 残高 + 経過利息 - 20%の源泉税控除
死亡保険金
死亡退職金
それぞれ 500万円 X 法定相続人の数 まで非課税
ゴルフ会員権 取引相場 X 70% +取引相場に含まれない預託金がある場合は その現在価値
宝石等 相続時の売買実例価格

■「NISA口座」「課税口座」や「iDeCo」の資産の相続手続き・税
・口座のある金融機関に 故人(被相続人)が亡くなった日の残高証明書の発行を依頼する


NISA口座 ・NISA口座の資産は 相続人のNISA口座に移すことはできず 移管先は課税口座(相続人の課税口座は故人と同じ金融機関であることが条件)
・NISAでは売却益や配当などの運用収益が非課税となり 故人が死亡した日まで適用される 課税口座に払いだすときに実現した利益には約20%の所得税などはかからない
・故人が死亡した日の終値が相続人の取得価格(課税口座の場合は購入価格が取得価格になる この場合 故人が死亡した日の終値と比較して利益が出たとしても 含み益であるため「故人は所得税などの負担は発生しない不課税として 課税繰り延べの扱いになる」)(移管後に売却した場合に利益が出れば所得税と住民税の対象 損失が発生した場合は 損益通算も可能)
課税口座 ・故人の購入価格が相続人の取得価格
・移管後に売却した場合の損失は 他の課税口座で得た利益と通算できる
iDeCo ・iDeCoの資産を相続する場合 資産は「死亡一時金」(みなし相続財産 法定相続人1人につき500万円まで非課税)として現金一括で支払われる(遺産分割の対象外 故人が生前に指定した人が全額を受け取る)
・iDeCoの資産は 金融機関が現金化のタイミングを決める
・資産を受け取るには 相続人が金融機関に請求する必要がある
 死後3年以内:みなし相続財産(非課税枠が適用される)
 死後3年超~5年以内:相続人の一時所得(所得税の対象)
 5年超:相続財産として扱われ 遺産分割協議の対象
 請求がなければ 遺族はいないものとされ国庫に



■ 「土地」



*土地の形状などによっては「補正率」で評価額が調整される
 (補正率は国税庁が定めた数字で 同庁のホームページに掲載されている)

・「1より大きい補正率」自宅が正面と側方の2つの道路に面している角地等
・「1より小さい補正率」奥行価格補正率・奥行長大補正率 等

〇 相続税評価額を下げられる主な土地の例(数字は減額率)
 (マイナスの要因が路線価にすでに織り込まれていると減額はされない)
 ① 間口が狭く奥行きが長い(旗竿地(不整形地))→ 10~20%(普通住宅地)
 ② 幅4メートル未満の道路に面する → セットバック部分の70%
 ③ 道路と高低差がある → 10%
 ④ 線路沿いの土地 → 10%



(路線価が役立つ主なケース)

事例 目的や使い方
土地の相続税評価額の算出 相続税が課税されるかを早めに確認
相続時の土地の分割 路線価で評価し 紛争を回避
配偶者へのマイホームの贈与 贈与する土地の評価は路線価を使うのが一般的 贈与のタイミングを決める手掛かりにも
自宅の売買や買い替え 路線価を0.8で割ると時価の目安 価格交渉の手掛かりに


「小規模宅地等の特例」

 個人が相続や遺贈によって取得した財産のうち その相続開始の直前において 被相続人等(被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族)の事業の用または居住の用に供されていた宅地等がある場合には その宅地等の一定の面積までの部分について 相続税評価額を減額し 税負担を軽減する制度


■ 「自宅」(特定居住用宅地)を相続できるのは 配偶者・同居親族・別居親族(家なき子)詳細は下記
配偶者 ・要件はなし 長年別居していても 適用対象
・相続税の申告期限(相続発生から10ヶ月)までに遺産分割を確定して申告すれば対象となる
同居親族 ・2世帯住宅も原則として適用可能
・親の自宅に子が同居していない場合 二世帯住宅に建て替えるなどして「同居」の条件をクリアすることも一案 その場合は 以下を満たす必要がある
① 同じ一棟の建物に親と子が同居
② 建物の敷地の所有者は親
③ 子が親に対して家賃を払っていない
④ 相続発生から10ヶ月後の相続税申告期限まで子は住み続ける
・相続税の申告期限まで宅地を所有・居住している事
・親の介護のため自分の家族を持ち家に残して 一時的に同居した場合は適用外
・持ち家があるのに 住民票だけ親がすんでいる家に移し 実際には一緒に住んでいない場合も適用外
・故人が老人ホームなどに入居していた場合も 要介護認定を受けていた等の一定の条件で可能(入居後に住み始めた場合は 同居していたとは認められない)
別居親族 「家なき子」の適用条件が厳しくなった
・故人に配偶者 同居親族がいない(同居親族が 兄弟姉妹や孫等 法定相続人以外であれば適用の対象)(相続人とは 相続の放棄がなかったものとしたときの相続人 被相続人と同居していた親族が相続の放棄をしたとしても 特例の要件上の相続人とみなされる)
・相続税の申告期限まで土地を保有する(貸し付けたり 家屋を取り壊したりしても 宅地を保有していれば可 居住する必要はない)
・相続開始前3年間に自分や配偶者 さらに3親等以内の親族 特別な関係のある法人などが所有する家屋(相続開始直前に被相続人の居住の用に供されていた家屋を除く)に住んでいたことがない
・相続開始時に住んでいた家を過去に所有したことがない
■「貸付事業用宅地」(賃貸アパートや駐車場など)で「小規模宅地等の特例」を使うには
・相続まで3年超にわたって貸付事業を行っている(3年超にわたり「事業的規模」である場合を除く) つまり 賃貸業を始めて3年たっていなければ この特例は使えない 相続対策で不動産対策を始めるのであれば 早めに始めることが大切
・「相続直前に貸付事業を行う」「相続の時だけ一時的に地価の高い都心の駐車場を所有する」等の節税対策は 無効


・相続時に自宅土地の評価を330㎡まで80%減に 配偶者への相続なら同居・別居を問わず適用(自宅以外に賃貸などの貸付事業用なども減額対象に)
・配偶者居住権に基づく敷地利用権も(また、負担付き(配偶者居住権付き)土地所有権も)小規模宅地等の特例を適用することができる → 適用できれば、敷地利用権の評価額を大幅に減額して相続税を少なくすることができる
・遺言がない相続で「小規模宅地の評価減の特例」を使うには 遺産分割協議が必要
上記はいずれも 相続税の申告期限(相続発生から10ヶ月)までに遺産分割を確定して申告することが必要(分割されていない宅地等は 原則として対象とならない)
・全ての相続財産について決まらなくても 親の自宅の分け前が決まっていれば 特例は使える
・分け方が決まっていない場合は 相続税は特例を使えない前提で計算し 一旦 申告・納付する そして「申告期限から3年以内に分割できる見込みである」との文書を税務署に提出 その上で分割ができれば 相続税の減額を申し出る → 多めに払った分が還付される

■適用対象宅地等が複数ある場合
・特定事業用等宅地等(特定事業用宅地等と特定同族会社事業用宅地等)と宅地(特定居住用宅地等)がある場合
 → それぞれの限度面積(最大730㎡=330+400㎡)まで適用を受ける
・貸付事業用宅地等を含めて選択する場合
 → 次の計算式で求めた面積が上限
特定事業用等宅地等の面積x200/400 + 特定居住用宅地等の面積x 200/330 + 貸付事業用宅地等の面積 ≦ 200㎡

■ 宅地(特定居住用宅地等)が複数ある場合(2拠点居住等)
・主としてその居住の用に供していた一の宅地に適用(どちらかのひとつ)

■ 本特例は 被相続人自身の居住用だけでなく 被相続人と生計を一にする親族(*)の居住の用に供されている被相続人所有の宅地についても適用される
 (*)常に生活費の仕送りをしている子や高齢の親 兄弟姉妹など(相続税の申告期限まで引き続き居住している事)

■ 被相続人が老人ホーム等に入所中に相続が開始した場合
・老人ホーム等への入所により空き家となっていた
 → 直前まで居住の用に供されていた宅地は 被相続人等の居住の用に供されていた宅地に該当
・老人ホーム等の入所により生計別となった
 → 引き続き同居親族が その家屋に居住していた場合は適用される
・老人ホーム等に入居後 新たに生計別の親族が被相続人の家屋に住み始めた場合等は 適用されない

■ 特例の対象となる私道

・このような共有持ち分の宅地(私道A)についても小規模宅地等の特例の対象






・上図出典:幻冬舎ゴールドオンライン


〇 「固定資産税」(特例で下がることも)

小規模宅地用地(1戸につき200㎡ までの部分) 課税標準額を評価額の1/6に
一般住宅用地(小規模宅地用地を超える部分) 課税標準額を評価額の1/3に
(新築住宅に対する減額措置) 一戸建て 3年間(長期優良住宅の場合は5年間)は税額が1/2
(新築住宅に対する減額措置)マンションなど 5年間(長期優良住宅の場合は7年間)は税額が1/2

*新築住宅の減額措置には2024年3月までに建設するなどの条件がある



■「配偶者居住権」




・配偶者居住権が成立するには、以下3つの要件を満たす必要がある

1.相続開始時に被相続人の所有する建物に居住していたこと
2.相続開始時に被相続人が配偶者以外の者と建物を共有していないこと
3.以下のいずれかに該当
(ア) 遺産の分割(遺産分割協議や遺言)により配偶者居住権を取得するものとされたこと
(イ) 配偶者居住権が遺贈・死因贈与の目的とされたこと
・配偶者居住権のメリット
① 被相続人が亡くなった後も配偶者は引き続き自宅に無償で居住できる また、遺産分割協議や遺言による設定がなくても「配偶者短期居住権」(最低6ヶ月は自宅に継続して居住できる権利)で住まいを追われる心配はない

財産の取り分が減らない「自宅を相続すると住む場所はあっても生活費が不足する」といった問題が「配偶者居住権」によって解消する 自宅を配偶者居住権と負担付所有権に分けることになるので、妻は自宅に住み続けながら、預貯金の一部を受け取ることも可能に

代償金リスクが減る 自宅が主な相続財産の場合、「配偶者居住権」を行使すれば、不動産所有権より相続する価値が下がるので、代償金を支払わずに済む可能性が高くなる

④ 一次相続で配偶者が相続した「配偶者居住権」(一身専属権)は、配偶者が死亡した場合は消滅する → 子が次ぐ二次相続では課税されない(相続税の節税)

⑤ 相続人である妻(後妻)と子ども(先妻の子)に直接的な血の繋がりがない場合「配偶者居住権」を後妻に、所有権を先妻の子どもに設定することで、二次相続で先妻の子どもに相続できる もし「配偶者居住権」を設定せず、後妻が自宅を相続すると後妻が亡くなった場合、後妻の親や兄弟などの親族に自宅が相続される恐れがある

⑥ 「配偶者居住権」の設定の対象となった土地については 特定居住用宅地等として小規模宅地の特例は適用可能
 妻は対象となった土地の敷地利用権に対し適用でき 「配偶者居住権」の対象となった土地所有権を取得した子についても 同居要件等を満たしていれば適用を受けられる

⑦ 婚姻期間20年以上の場合 配偶者居住権も「特別受益の持ち戻し免除の意思表示の推定規定」(その居住用不動産を含めず 遺産分割協議を行う)の対象となる つまり 婚姻期間20年以上で配偶者居住権の遺贈があった場合は 配偶者居住権の価額を除外して遺産分割を行うことになる

居住建物の所有者が先に亡くなった場合所有者の相続人が相続するが 所有者が変わっても配偶者の終身の居住権はそのまま存続する
・配偶者居住権のデメリット
① 「配偶者居住権」は遺贈・死因贈与 もしくは遺産分割(遺言または、遺産分割協議)によってのみ取得される それ以外での取得方法は裁判手続きを経て判決を得る事になる

② 配偶者自身が、不動産の譲渡・売却はできない「配偶者居住権」はあくまで「家に住む権利」であるため、途中で「老人ホームに入居するから自宅を売りに出したい」と希望しても、配偶者自身が(「配偶者居住権」が設定されたままの状態の)自宅を譲渡・売却することができない
 対処法として、「配偶者居住権」を合意解除や放棄する事はできるが(その際は贈与税がかかる場合がある)(「配偶者居住権」を放棄することを条件に,これによって利益を受ける建物の所有者から金銭の支払を受けることは可能)自宅を売却する可能性があるなら、「配偶者居住権」の設定は慎重に判断したほうが良い
 一方、自宅の所有権を持つ者(子供等)なら譲渡・売却は可能だが、当該物件には「配偶者居住権」が設定されているため、実際には売れない
(仮に 所有者が 第三者に居住建物を売った場合は 「配偶者居住権」が登記されていないと 配偶者は第三者に居住権を主張できない また知らずに取得した買主、配偶者、元の所有者(売主)との間でトラブルとなる可能性が高い)
 特に問題となるのが、親が認知症になり、病院または施設に入らざるを得なくなったケース「配偶者居住権」は原則として、事前に定められた「配偶者居住権」の存続期間が終了するまで存続し、特に期間を定めなかった場合は配偶者が死亡するまで権利は有効となる(実際に配偶者が住んでいなくても、配偶者が生存しているうちは居住権がなくなる事はない)例外として、配偶者自身が「配偶者居住権」を放棄した場合は権利を消滅させる事ができるが、認知症になった配偶者に居住権の放棄をさせるのは無理
→ 物件の所有者である子供は居住権を持つ親が死亡しない限りは実質的に物件の譲渡・売却ができず、自宅をもてあましてしまう可能性が高(居住建物の所有者の承諾を得て 居住建物を第三者に賃貸し 配偶者が賃料収入を得る方法もある)

設定手続きが複雑で登記も必要
・「配偶者居住権」の価値評価については、法務省が以下の「簡易な評価方法の考え方」を提示しているが → 「配偶者居住権の価値=建物敷地の現在価値-負担付所有権の価値」
 負担付所有権の価値は建物の耐用年数、築年数、法定利率を考慮し、かつ「配偶者居住権」の負担が消滅した時点の建物敷地の価値を算定した上で、これを現在価値に引き直して求める「配偶者居住権」は配偶者が死亡した時点で消滅するため、配偶者が自宅に一生涯住むことを前提として、平均余命までの年数などをもとに計算する事になる(たとえ年数が少ない場合でも、不動産の所有権より価値が上になる事はない)
・また、登記をしなければ、「配偶者居住権」の権利を第三者に主張できない(所有者にとっては、自分たちが住んでいない土地の固定資産税を支払う事になるため、登記の協力が得られない場合がある)

配偶者と居住建物の所有者との法律関係
・「配偶者居住権」を取得した者は「通常の必要費を負担する必要がある」とされており、固定資産税や修繕費を負担しなくてはならない
・これまでと異なる用法で建物を使用することはできない(例えば,建物の所有者に無断で賃貸することはできない)
・建物の所有者の承諾がなければ,居住建物の増改築をすることはできない
・配偶者が家族や家事使用人と同居することは可能
・「配偶者居住権」は配偶者の居住を目的とする権利なので,第三者に譲り渡すことはできない
・建物の所有者の承諾を得れば,第三者に居住建物の使用又は収益をさせることができる(例えば,使用しなくなった建物を第三者に賃貸することで賃料収入を得て,介護施設に入るための資金を確保することも可能)

⑤ 配偶者の年齢によっては手元に残るお金が少なくなる「配偶者居住権」の価値は居住権の存続年数=平均余命年数が長ければ長いほど高くなります。配偶者の年齢が若いと居住権の価値も相対的に高くなり、その結果、居住権以外に相続できるお金が少なくなってしまいます(居住権の評価では専門家の協力が必要な場合が多い 配偶者居住権も相続税の課税対象)

⑥ 「配偶者居住権」を利用できるのは法律上の配偶者のみ「配偶者居住権」はあくまで被相続人の配偶者が利用できるものなので、事実婚や内縁配偶者は対象外(かつて内縁の妻に居住権が認められたというケースも存在する 可能性はゼロではない)

相続税の節税になるとは限らない「配偶者居住権」の本来の目的は配偶者の生活の安定 節税につながるケースが多いのは確かだが(場合によっては節税とはならない)、やみくもに設定せず税理士などに相談し「小規模宅地の特例」や「二次相続」も念頭に総合的に判断することが大切

配偶者は 居住建物の使用・収益に必要な修繕をすることができ 居住建物の所有者の承諾を得れば 増築・改築も可能だが 災害等の理由により居住建物の全部が滅失してしまった場合は 配偶者居住権は消滅する


Q:「小規模宅地の特例」「配偶者居住権」「配偶者特例」「家なき子」が絡む相続税対策 また、「二次相続対策」についても教えてほしい



〇 「相続した住宅の売却が想定される場合 配偶者居住権を設定すると 居住権にはこの特例が使えず税負担が増える可能性がある」
〇 二次相続対策 (「配偶者居住権」を設定し相続した場合の二次相続)
・一次相続で配偶者が相続した「配偶者居住権」は、配偶者が死亡した場合は消滅する(子が次ぐ二次相続では課税されない)


 

(上図の場合)子が同居親族として要件を満たせば 小規模宅地等の評価減の適用を受けることも可能
 一方 子が要件を満たさず小規模宅地等の評価減の対象とならない場合は 配偶者居住権の設定をせずに 配偶者が自宅の敷地を取得して小規模宅地等の評価減の特例を受けるほうが 一次相続の税負担の軽減に繋がることもある 配偶者が自宅の土地建物を取得すれば その売却時に「居住用財産の3.000万円特別控除」の適用も可
 「配偶者居住権」の利用により税負担の軽減につながるかどうかは 相続開始時の自宅の利用状況や売却の可能性 一次・二次相続を通じた相続税や所得税の負担など 様々な要因が影響する
 「配偶者居住権」の本来の目的は配偶者の生活の安定 やみくもに設定せず税理士などに相談し「小規模宅地の特例」や「二次相続」も念頭に総合的に判断することが大切
 一時相続の納税資金の確保が困難である また 配偶者としては生活の安定のために できるだけ多くの財産を確保したい事情もある このような場合は 一時相続の後 二次相続までの間に 子や孫への生前贈与や非課税限度額までの生命保険の加入 小規模宅地等の特例の要件の充足など 二次相続対策を進めておくことは大事



「既存(中古)住宅」


 「既存(中古)住宅取引」 を安心に進めるため・「適正な資産価値評価」のために 国土交通省「建物状況を調査するインスペクション」「既存住宅売買瑕疵保険」「住宅履歴情報の公開」の3つの制度を推進
 また 自宅の「老後に備えるリフォーム」「省エネリフォーム」「耐震リフォーム」等を推進するため様々な「所得税優遇制度」「固定資産税減額制度」「補助や融資等の公的支援制度」が用意されている

 既存住宅の流通促進に向けて、「不安」「汚い」「わからない」といった従来のいわゆる「中古住宅」のマイナスイメージを払拭し、「住みたい」「買いたい」既存住宅を選択できる環境の整備を図るため、国土交通省の告示による「安心R住宅」制度を創設しました(施行平成29年12月1日)(「R」は Reuse(リユース 再利用)、Reform(リフォーム 改装)、Renovation (リノベーション 改修)を意味する)


 → 「安心R住宅」(国土交通省)
 → 「まんがでわかる! 安心R住宅」(国土交通省)
 → ブログ「092. ビフォー・アフター」もご覧ください
 → ブログ「083. 空き家」もご覧ください



「サブリース問題」「貸家地」等


Q:空き家を貸家にすると 相続税の評価額が下がると言われますが 具体的にはどういうことですか?
Q:相続税対策として賃貸アパート経営を考えているがどんなもんでしょう?(いわゆる「サブリース問題」)



・上図出典:株式会社GREENINE


・上図出典:和不動産



 サブリースについて 詳しくは
 → ブログ「089. 資産運用(不動産)」をご覧ください


・相続税評価に不動産活用 「路線価」と「債務控除」



・これまで一般的だった不動産を使った節税策「大幅な評価減が可能」
① 相続する土地の価格の評価は「路線価」(公示価格の8割が目安)を用いる
 ・購入したものが賃貸用物件なら 所有者が自由に使えない分を減らせるため さらに評価額は下がる
② 相続時に(多額の)借金があった場合は 相続財産から借金の分を差し引ける「債務控除」
 ・「債務控除」を使うことで 取得した不動産以外の財産とも相殺ができ 課税対象額を大幅に減らせる
・相続財産の算定額が「著しく不適当」な場合 国税当局が再評価できる(国税庁 例外規定)税務当局の指摘を受けやすい
・賃貸不動産を多額の借り入れで購入した
・購入者が高齢
・債務控除が不動産以外の財産評価に影響
・購入した不動産を相続開始後 間もなく売却
・不動産購入目的が相続税の大幅な節税(露骨な節税)
・タワマン節税
 タワマンの相続時の評価では 対象となる土地部分は少なく 建物部分は購入価格の40~60%とされる固定資産税評価額を使う 一般の住宅に比べて評価額が購入価格より大幅に低くなる




( 借り入れに依存した高額の不動産購入を通した節税策は 一部の富裕層にしかできません このような露骨な節税策について「実質的な租税負担の公平に反する」とした国税局・最高裁の上記の判断は やはり「常識的」
 一方「小規模宅地の特例」「配偶者居住権」等は おもに残された配偶者・家族のための「” 常識的な"」優しい節税制度といえます まっとうに生きていきましょう!)

「タワマン節税」と「新ルール」


・(2023年6月30日)国税庁「マンションの「相続税評価額」が著しく低く 市場の「実勢価格」との乖離(かいり)が大きく適正な課税ができていないケースがある」とし ルールの見直し案を公表 評価額を最低でも実勢価格の6割とし 大幅な節税を防ぐのが目的(24年1月1日から適用)

 この改正は 「富裕層向けの節税封じ」であり 「都心のタワーマンション狙い撃ち」という誤解もあるが 実際は中低層のマンションや地方のマンションも改正の対象 改正後の相続税評価額が改正前の評価額の1.5倍以上となるケースも

 築年数や階層などに様々な係数をかけ 相続税評価額と理論的な市場価格の「乖離率」を算定し それが 1.67倍超(評価額が市場価格の60%未満)なら 新ルールで評価をする(乖離率に0.6をかけた数値を従来の評価額にかけることで 評価額が市場価格の60%になるように補正する)(評価額が市場価格の60~100%なら 従来の評価額とする)

・築年数:築年数が浅い(いわゆる「築浅」)ほど評価額が高くなる
・総階数:高層マンションであるほど評価額は高くなる(ただし 総階数33階で最大値となる)
・所在階:評価する専有部分が高層階にあるほど評価額が高くなる
・敷地持分狭小度:専有部分の床面積に対する敷地利用権の面積の割合が小さいほど評価額が高くなる

・算式 乖離率

(築年数 X ▲0.033)+(総階数 / 33 X 0.239)+(所在階 X 0.018)+(敷地持分狭小度 X ▲1.195)+ 3.220
・敷地持分狭小度 = 敷地利用権の面積 / 専有部分の床面積


→ 詳しくは「「居住用の区分所有財産(いわゆる分譲マンション)」の評価が変わりました」(国税庁)をご覧ください


 





・上図出典:北國新聞 


相続対策で不動産投資を行うのであれば 物件選びがきわめて重要になる
 相続税の評価額が下がっても 資産としての価値は毀損せず かつ収益性と換金性の高い物件を選ぶ必要がある  
→ こちらもご覧ください 重点ポイント その④ 「子孫に美田を残す」

2025年10月19日

2022年09月08日

087. 家族と信託


 信託とは「自分の大切な財産を 信頼できる人に託し 自分が決めた目的に沿って大切な人や自分のために運用・管理してもらう」制度
委託者 自分:財産を預ける(信託する)人
受託者 信託銀行等:財産を預かって(信託されて)管理・運用する人
受益者 恩恵を受ける人:財産から生じる利益を得る人
信託財産 委託者から信託銀行等の受託者に信託された財産
信託目的 信託財産を 誰のために どのような目的で どのように管理・運用するかということ(委託者が自由に決めることができる)
 しかし 信託は 信託するためのまとまった資産を用意する必要がある そのため 多くの人は 万一に備えて生命保険に加入するのだが その生命保険の可能性を広げるのが 「生命保険信託」

■ 「生命保険信託」

 「生命保険信託」を活用すれば 事前に決めたとおりの方法で 保険金を受取人に支払うことが可能になる



「生命保険信託」のメリット
〇 「家族信託」は 信託するためのまとまった資産を用意する必要がある そのため 多くの人は 万一に備えて生命保険に加入するのだが その生命保険の可能性を広げるのが「生命保険信託」
〇 ①の契約時(上図)に 委託者が財産を渡したい相手(受益者)や信託終了時に残った財産を受け取る人(残余財産帰属権利者)を決めておける 受益者の管理能力に管理能力に不安がある場合などは 受益者の親権者等を指図権者に定めておき 受託者はその指示を受けて支払いを行う
〇 法定相続にとらわれることなく受益者を指定できる(生命保険契約では 死亡保険金の受取人は 配偶者や子 親 兄弟姉妹など一定の親族に限定される場合が多い)
〇 第一受益者が 委託者(生命保険契約者)の配偶者や子など所定の親族である場合 通常の保険契約と同様に生命保険料控除の適用を受けられる
〇 例えば「おひとりさま」のため 受託者(信託銀行等)が保険金を受け取った後 「死後事務委託契約」に関わる費用を事前に指定しておいた「死後事務委託契約」の委託者に支払う機能を付加した「生命保険信託」がある
「生命保険信託」のデメリット
● 信託銀行等(受託者)が指定する保険会社の生命保険を契約する必要がある場合が一般的(自由に商品を選べない)また 1000万円以上等 最低保険金額が設定される事が多い そして「生命保険信託」契約には タイミングにより費用が発生する(以下の図 参照)
● 「生命保険信託」による死亡保険金も 相続財産とみなされ 保険金受取人に相続税が発生するため 一般的に相続税の軽減には繋がらない(受取人が法定相続人である場合は「500万円 X 法定相続人の数」の被相続枠がある)

・「生命保険信託」の費用の目安(税込)の例

信託契約締結時 5.500円~55.000円など
死亡保険金支払時 一括交付の場合:110.000円
分割交付の場合:受領した死亡保険金に対して2.2%
分割交付の場合 事務・管理等の報酬:毎年22.000円
分割交付中の運用報酬(年) 所定の信託報酬率等にて計算(運用を行わない管理型信託は運用報酬は発生しない)


■「遺言代用信託」と「遺言信託」の違い


  遺言代用信託 遺言信託
内容 ・契約された遺言内容を確実に実現
・二次相続以降の財産の分配も可能
・遺言書を作成・保管し 信託銀行が遺言執行者となって遺言内容を実現させる仕組み
遺言の作成 不要 必要
遺産分割協議 対象ではない 死後の相続手続きがスムーズ 対象 協議が難航する場合も
設定方法 ・金融機関と結ぶ契約
・委託者の意志だけで契約内容の変更はできない
・契約ではなく 単独行為
・遺言書は 何度でも書き直せる
デメリット ・信託できるのは 原則 金銭のみ (信託できる金額には上限と下限が設けられている)
・原則として 信託期間の途中で解約することができない
・遺留分を侵害する契約はできない
・信託銀行が行えるのは 財産に関することだけ 子の認知や相続人の排除など身分に関する事項については行えない
・相続人同士で遺産分割に関する争いが起きている場合などは信託銀行は遺言執行者とはなれない
その他のメリット ・信託財産は相続税や債務などから保護される
・信託の開始を認知症になった時とすれば 本人が認知症になった時点で財産管理を受託者に移すという柔軟な設計も可能
2種類の遺言信託がある
① 遺言の作成と保管 執行(金融機関が主導)通常の遺言と比較して 何か特別なことができるわけではない
② 信託する内容を遺言で定めておく方法 委託者が亡くなった時に信託の効力が発生する家族信託の一つ(*)
手数料 費用が発生するのは信託契約締結時のみで 申し込み時の手数料は発生しないケースが多数 30万円〜100万円程度の費用が発生する

(*)の場合 原則として 「委託者が死亡しても当該委託者の地位は相続されない」と定められている 「委託者の相続人」と「受益者」との関係を考えた場合、委託者の相続人ではない人や、一部の相続人のみが受益者として指定されている可能性があり、その信託財産について「委託者の相続人」と「受益者」との間には相反する利害関係が生じる事になるため(=利益相反)



■ 家族信託



〇 家族信託と成年後見制度の主な内容(一般的なケース)

  家族信託 成年後見(法定後見)
開始時期 契約開始時(認知症等 判断能力が衰えると契約できず) 認知症発症後に家裁の審判で決定
終了時期 契約で決定 本人死亡まで
対象財産 個別に選択 すべて
本人が結んだ契約の取消権 受託者が財産を管理するため必要なし あり
受託者や後見人による資産活用 できる 本人の財産を守る・維持することが原則 家族のためには使いずらいことも
節税対策 資産活用の結果として節税になる場合も できない
家族以外の関与 ・委託者などの判断で家族以外が受託者になる場合も
・信頼して託せる相手がいない場合は適さない
・家族が後見人になれないリスクがある
・家族の要望が後見人に認められないリスク
・後見人は専門職の比率が高い(月2~6円ほどの報酬が継続して要る)


〇 家族信託を利用する際の流れ(一般的なケース)

① 専門家に相談 ・主な相談先は 弁護士 司法書士 税理士 行政書士 FPなど
② 信託内容の決定と契約締結 ・信託の目的 誰にどの財産を信託するか 受益者は誰かなどを決定
・信託契約書は公正証書などで作成
③ 受託者名義の信託口座を開設 ・委託者の財産と受託者の財産を分別管理
・不動産は受託者名義に書き換え
④ 家族信託を開始 ・受託者による財産の管理・処分が可能に


「家族信託」のメリット
〇 本人(委託者・受益者)の判断能力があるうちに財産の管理を信頼できる家族(受託者)へ託すために家族間で契約を結ぶものであるため、家族の判断で取引ができる(ただし 信託には プラスの財産しか入れることができない)
(ただし 受託者は 契約を結んでも本人名義の預金をそのままでは引き出したり解約したりすることはできない あらかじめ契約に対応する信託財産用の口座に移す必要がある 受託者の個人資産と区分けするため「信託口口座」を開設するのが一般的)
〇 信託契約後すぐに受託者が財産管理を始めるため、委託者は信託財産の運用状況の確認やアドバイスがしやすい 将来のリスクに早めに備えられる
〇 信託契約の条項に定めておけば、託した後に本人の判断能力が低下・喪失しても、「本人の意思確認手続き」を経ずに受託者による柔軟でスムーズで柔軟な財産の管理や処分ができる(相続税対策を目的とした遊休不動産の開発、老朽化した賃貸物件の建替え、不動産の買換え、借入れによるアパートの建設など)
〇 死後の財産管理に「家族信託」を活用 自分の死後の財産は妻が相続 ただ 妻の死後 妻の親族に渡るのは・・・(例)信託財産として甥に託し 生活費などを妻に 妻の死後 財産は甥に帰属
〇 順位を指定した遺産相続(次の受益者だけでなく、さらに先(3代目)の受益者の指定)が可能(資産承継の指定(遺言代用)=「後継ぎ遺贈型受益者連続信託」(遺贈や生前贈与では、その次の代で相続する人物の指定はできない また、遺言書ではその通りになるとは限らない)
→ この例は前妻との間の子と後妻がいる等の「相続関係が複雑な家庭」での資産承継についての備えともなる
〇 (遺言の機能として家族信託契約書で指定した)「受遺者が既に財産管理の能力が無い場合」(例えば認知症の妻)でも引き続き受託者の下で財産の管理が可能(妻の生涯にわたる財産管理ができる)
〇 生活資金をサポートすることができる)→ この例は「親なき後問題」(障害を持つ子供が残される)の備えともなる(特定贈与信託)
〇 不動産を将来的に兄弟・親戚等で共有せざるを得ない場合、家族信託による受託者・受益者の指定により共有不動産の塩漬け等のトラブルを回避できる
〇 「倒産隔離機能」将来、委託者や受託者が負債を負ったとしても、信託財産は残る(信託受益権という債権を持つ受益者の場合 負債を負い、強制執行の対象になった場合は差し押さえとなる事もある)
〇 代替として 信託銀行などによる「遺言代用信託」もある 身内がいない場合に活用できる




・特定贈与信託(「親なきあと問題」に対応)


「家族信託」のデメリット
● 成年後見制度では「身上監護」(被後見人の住居確保や生活環境の整備など)義務が規定されているが「家族信託」は基本的に財産管理のために信託契約を結んでいるため、身上監護は想定されない
● 「身上監護権」がないので「受託者」の身分で本人の入院手続きや施設入所手続きをすることはできない 身上監護権が必要であれば、「成年後見制度」を利用して、後見人として身上監護権を行使する必要がある(実際には子や家族である受託者が家族の立場で「身上監護」にも対応するケースが多い)
● 生命・名誉など、借金(債務)・保証債務(債務を引受けることは可能)、一身専属権(結婚や養子縁組、生活保護受給権や年金受給権)など「金銭的価値に置き換えることができないもの」については信託財産とすることはできない
● 家族信託契約書に記載がない財産については、遺産分割協議で争いにならないように遺言書に記載しておく必要がある
● 遺留分を侵害する(恐れのある)遺言を作成した場合「遺留分減殺対象財産の順序指定」は信託では対応できず、遺言でしなければならない
● 財産名義が受託者に移るが、受益者・受託者に様々な税金が生まれる場合も多く節税効果は望めない 家族信託を組むだけでは直接的な税務メリットは生じない
● 信託の実行時にある程度まとまった費用がかかる 通常の遺言書作成や成年後見などに比べ費用が高くつく
● メリットの欄で挙げた「後継ぎ遺贈型受益者連続信託」「受遺者が既に財産管理の能力が無い場合」などでは長期にわたり資産の処分に制限がかかり当事者を拘束する事になり争いの火種になるリスクも
● 「信託設定後30年を経過した後、新たな受益権の取得は一度のみで、その受益者の死亡により終了する」ため、実質的に4代目受益者の指定はできない
● 「信託不動産に関する損失」は、信託財産以外からの所得と損益通算できない また、その損失の翌年への繰越しもできない
● 税務申告が複雑になり手間が増える


・ 「家族信託」の当事者が死亡した場合 信託契約はどうなる?
「委託者 受託者 受益者のいずれかの死亡により信託は終了する」と定めがある場合 そこで信託終了となる
● 残余財産は 残余財産受益者若しくは帰属権利者に帰属する
 次の順に帰属権利者が確定される
① 信託契約で指定された帰属権利者
② 委託者又は委託者の相続人(帰属権利者の指定がない、もしくは帰属権利者の全員がその権利を放棄した場合)
③ 清算受託者(①②で帰属先が定まらない場合)


〇「委託者」が死亡した場合
・(遺言信託以外の信託契約の場合)委託者の地位は原則として 相続により承継される(ただし、遺言により信託をした場合は委託者の地位は相続人に承継されないつまり、委託者がいないことに)
 とは言え 委託者の相続人が複数いる場合や受益者との利益相反が生じる可能性を考慮すると 委託者の地位を相続人に承継させる事はおすすめできない
→ そのため実務上では 委託者が死亡した場合を想定し 何らかの条項を設けるのが一般的
(例1)「委託者の地位は相続により承継せず、受益者の地位と共に移動するものとする」等の条項を設け 委託者と受益者の地位を合わせて移動するのが一般的
(例2)「委託者の地位は相続により承継せず、委託者の死亡により消滅する」等の条項を設けることも可能
「受託者」が死亡した場合
・受託者が死亡した場合 原則として信託契約は終了しない 新たな受託者が信託契約を引き継ぐことになる
・受託者の地位は 一身専属的なもので 相続によって承継されない 受託者の相続人であっても そのまま受託者の地位を引継がなければいけないという義務はない ただし 受託者の相続人は 受益者に受託者が死亡したことを知らせたり 新しい受託者に信託事務の引き継ぎをしたりする義務を負う

ケース① 信託契約に新受託者が指定されている場合
 当初受託者の相続人は 指定された新受託者に信託事務を引き継ぐ
ケース② 信託契約に新受託者が指定されていない場合(又は 新受託者に指定された人が拒否した場合)
 新たに受託者を選任する必要がある 原則として 委託者と受益者の合意が必要だが 協議によっても合意が取れない場合は裁判所に選任してもらうことも可能
 また 受託者が死亡した時点で委託者も死亡していた場合には 受益者が単独で新受託者を指定する事ができる
 なお 受託者が死亡して1年間 次の受託者が選任されなかった場合 強制的に信託契約は終了してしまう(1年ルール)

■ 信託事務の引き継ぎ
① 不動産登記の名義変更手続き(不動産の名目上の所有権者として当初受託者が登記されている)
② 預貯金などの口座引継ぎ 家族信託の場合 一般的には委託者の個人口座とは別の「信託口口座」を開設しているが 新受託者は金融機関に自身が新受託者であることを証明する書類を提出すれば 信託口口座を引き継ぐことができる
〇「受益者」が死亡した場合
ケース① 受益者の死亡により信託終了となる場合
 信託契約内で「受益者の死亡により信託は終了となる」との条項がある場合 そこで信託終了となる

ケース② 信託終了せずに新たな受益者を指定する場合
 信託契約に次の受益者の指定がない場合 当然に信託終了とはならずに 新たな受益者を決めて家族信託を継続する事が可能
 受益者の地位=受益権は 信託財産から利益を受ける財産的価値のあるものなので 相続の対象となる
■ 受益権の相続
① 遺言がある場合 遺言がある場合 その内容に従う(他の相続人の遺留分を侵害する場合 遺留分減殺請求の対象になる)
② 遺言がない場合 遺産分割の対象に(争いになる場合も)

ケース③ 信託契約時に次の受益者が指定されている場合
 当初受益者が死亡した場合を想定して 予め第二 第三受益者と複数世代に渡って受益者を指定する事が出来る(「後継ぎ遺贈型受益者連続信託」)


・民事信託設定時にかかる費用 費用の目安
コンサルティング・組成費用 信託財産の1~5%程度
公正証書の作成手数料 4~12万円
専門家による信託登記費用(不動産を含む場合) 6万円~
登録免許税(不動産を含む場合) 信託不動産の固定資産税評価額の0.3~0.4%


■ 「教育資金贈与信託」(教育資金一括贈与非課税制度)
■ 「結婚・子育て支援信託」(結婚・子育て資金一括贈与非課税制度)



→ 詳しくは ブログ「086. 生前贈与」をご覧ください

■ 投資信託



→ 詳しくは ブログ「117. 投資信託」をご覧ください


Q: 後期高齢者になりました 元気なうちに(意思表示ができるうちに)今後 のことを考え「任意後見」や「民事(家族)信託」を考えています それぞれの 特徴や注意点 また、これ以外にも手法があれば合わせて教えてほしい
Q: 高齢の親が認知症になったら相続はどうなるか心配だ どうすればよいか?
Q: 障害を持つ子供の生活支援を行っていますが、親の私が病気や認知症、死亡してしまった場合「誰が自分の子供を支援してくれるのか」と漠然とした不安や心配に襲われてしまう いまからできることはありますか?(親なきあと問題)
A:「成年後見制度」とは:認知症や知的障害等の精神上の疾患により判断能力が充分でない方の財産を保護するための制度 すでに判断能力が不十分な場合の「法定後見制度」と判断能力があるうちの「任意後見制度」がある

 詳しくは Q&A「社会保障」のページをご覧ください


: 判断能力が多少心配な高齢の親がいるのですが ちゃんとお金の管理ができているか心配です「本人はまだ大丈夫と考えるケースが多いが 認知症になってから打てる手は限られる」と言います 心配です
 また、親の医療費や生活費を立て替えることもたびたびです 親の銀行預金について 子の私が出金や振り込みが必要な時にやり易いような制度はありませんか?

  詳しくは Q&A「老後・介護」をご覧ください



「信託制度」には、「民事信託」と「商事信託」がある

・「商事信託」の「個人のための信託」(教育資金贈与信託、遺言代用信託、生命保険信託、遺言信託、年金信託等)については こちらを参考にしてください
  「個人のための信託」(一般社団法人 信託協会)

・「商事信託」の「公益・福祉のための信託」(公益信託、特定寄付信託、特定贈与信託、後見制度支援信託)については こちらを参考にしてください
  「公益・福祉のための信託」(一般社団法人 信託協会)



(レティシアの故郷アイクス島を訪れたふたり そこで偶然 出会った幼い従弟に莫大な財産(分け前)を残す「成人になったときに渡せるように供託所に預ける」と・・・
 そんなシーンを思い出す 好きな映画のひとつです)

2024年5月30日

2022年09月01日

086. 生前贈与

Q:「一括贈与非課税制度」(教育資金、結婚・子育て資金、住宅取得等資金の贈与の特例)や「暦年贈与」「相続時精算課税」等 ” 生前贈与の特例等 ” を利用できる「相続税対策」としては、どのようなものがありますか?
A「一括贈与非課税制度」は 非課税限度額の変更がある場合もあるが 富裕層の節税封じを一段と強化しつつ期間の延長がされている
 生前贈与で一定の節税効果を見込めることは多いが 贈与が有利かどうかは慎重に見極めたい


「教育資金贈与信託」(教育資金一括贈与非課税制度)・「結婚・子育て支援信託」(結婚・子育て資金一括贈与非課税制度)


〇 非課税贈与の期限(23年度税制改正)
 教育資金 → 2026年3月まで延長
 結婚・子育て資金 → 2025年3月まで延長




「一括贈与非課税制度」(教育資金)のメリット
〇 非課税贈与の期限 → 2026年3月まで延長
〇 受贈者が30歳になった時点で在学中であれば 40歳まで期間を延長(ただし 40歳になるまでに学校等を卒業した場合は その年の年末に期間が終了し 使い切れなかった金額に対して贈与税が課税される)
〇 贈与を受けてから3年以内に贈与をした祖父母等が亡くなった場合 受贈者が23歳以上であれば 贈与の使い残し分を相続財産に加算できる(23歳未満や在学している場合などは除く)
〇 暦年贈与との併用が可能(年間110万円以内ならば 通常の贈与としてもいい)
「一括贈与非課税制度」(教育資金)のデメリット
●子や孫などの要件:前年所得が1000万円超だと適用外
● 非課税枠内でも 申告期限までに必ず贈与税の申告が必要
● 贈与税の対象となる教育資金の贈与時期 → 3年以内に限らずすべて
(相続発生時)受贈者が孫・ひ孫の場合 贈与者の死亡時に使い残しがある場合は → 相続税2割加算とする(23歳未満や在学している場合などは除く)
(相続発生時受贈者が23歳以上の場合 習い事(学習塾・予備校・絵画教室の月謝等)に使われるお金は対象外に(平成31年7月1日以降に支払ったお金に対して適用 既に教育資金贈与信託を始めている場合も適用)相続財産が5億円超なら年齢を問わず加算(2023年4月以降の贈与の場合)
● (相続発生時)使い残しがあった場合(上記参照)の贈与税がこれまでの特例税率から一般税率を使うことに(2023年4月以降の贈与の場合)
● 信託銀行等からお金を引き出す際に領収証等が必要など 手続きが大変
● 教育資金として認められるかどうかの判定が難しい 信託銀行等からお金を引き出す際 教育資金贈与信託に関する細かいルールをいちいち確認しなければならない
● 老後の生活費も考えずに孫に教育資金を贈与してしまい後々困ったことになるケースが多い もともと扶養義務があるのだからその都度教育資金を贈与しても非課税 よく考えましょう

・こちらを参考に →「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税」(国税庁)



 


「一括贈与非課税制度」(結婚・子育て資金)のメリット
〇 非課税贈与の期限 → 2025年3月まで延長
〇 暦年贈与との併用が可能(年間110万円以内ならば 通常の贈与としてもいい)
〇 成人年齢の引き下げにより 贈与を受ける人は 18歳以上50歳未満に拡大
〇 相続開始前3年以内であっても相続税の課税対象外(非課税適用となった金額のみ有効)
〇 受贈者が孫・ひ孫の場合 贈与者の死亡時に使い残しがある場合(通常は → 相続税2割加算となる)しかし、結婚・子育て資金の一括贈与の場合は 2割加算の対象外
「一括贈与非課税制度」(結婚・子育て資金)のデメリット
●子や孫などの要件:前年所得が1000万円超だと適用外
● 非課税枠内でも 申告期限までに必ず贈与税の申告が必要
● 贈与税の対象となる教育資金の贈与時期 → 3年以内に限らずすべて
● 受贈者が50歳になった時点で贈与財産の残額(使い切れなかった資金)に対して贈与税がかかる その税率が これまでの特例税率から一般税率を使うことに(2023年4月以降の贈与の場合)
● 信託銀行等からお金を引き出す際に領収証等が必要など 手続きが大変
● 老後の生活費も考えずに孫に結婚・子育て資金を贈与してしまい後々困ったことになるケースが多い もともと 結婚・子育て資金の都度贈与は非課税 よく考えましょう

・こちらを参考に →「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」(国税庁)

● 贈与税の税率(→ 一般税率に)

基礎控除
後の
課税価格
一般税率
(控除額)
特例税率
(控除額)
200万円
以下
10%
(ー)
10%
(ー)
300万円
以下
15%
(10万)
15%
(10万)
400万円
以下
20%
(25万)
15%
(10万)
600万円
以下
30%
(65万)
20%
(30万)
1000万円以下 40%
(125万)
30%
(90万)

*基礎控除後の課税価格 = 年間贈与額 ー 110万円



「住宅取得資金等一括贈与非課税制度」

 2022年1月1日から2023年12月31日まで(2026年12月31日まで延長)の間に父母や祖父母など直系親族からの贈与により 自己の居住に用に供する住宅用の家屋の新築 取得または増改築等の対価に充てるための金銭を取得した場合に一定の要件を満たすときに 下記表の金額を上限として贈与税が非課税となる

■ 適用期限を3年延長
■ 非課税限度額の上乗せ措置の適用対象となる省エネ性能を厳格化
・既存住宅・増改築の場合「断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上であること」
・新築の場合「断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上であること」
・ただし 2023年12月31日までに建築確認を受けた住宅または2024年6月30日までに建設された住宅については 現行要件のまま
■ 「住宅取得資金等一括贈与非課税制度」と「相続時精算課税」
・一定の要件を満たすときは 贈与者が贈与年の1月1日時点で60才未満であっても「相続時精算課税」を選択できる特例がある
・適用期限が2026年12月31日まで延長
〇 「相続時精算課税」や「暦年単位の贈与税の基礎控除」と併用して適用できる
 それぞれ次の金額まで贈与税は課税されない
(例:令和6年9月に一般住宅取得のための贈与を受けた場合 非課税限度額は 500万円)
① 「相続時精算課税の特例」と併用した場合
 110万円(基礎控除)+ 2500万円(特別控除)+ 500万円(非課税限度額)= 3110万円
② 「暦年単位の贈与税の基礎控除」と併用した場合
 110万円(基礎控除)+ 500万円(非課税限度額)= 610万円
〇 特別控除の適用に関する具体例
① 住宅取得資金を贈与により取得した年分以降に財産の贈与を受けた場合
 子が父から本年に住宅取得資金の贈与を受け 相続時精算課税制度を取得した場合には 翌年以降の父からの贈与については 父が60才未満であっても 相続時精算課税制度は継続する
② 同一年中に住宅取得資金とそれ以外の財産の贈与を受けた場合
 子が父(60才未満)から本年1月に土地(評価額1500万円)の贈与を受け 本年8月に住宅取得資金1000万円の贈与を受けて相続時精算課税制度を取得した場合には 本年1月に受けた土地の贈与についても相続時精算課税制度が適用される

・上記出典:不動産流通推進センター

■ 非課税限度額

省エネルギー性・耐震性等を備えた良質な住宅用家屋 1.000万円
上記以外の住宅用家屋 500万円



「一括贈与非課税制度」(住宅取得等資金)のメリット
〇 非課税贈与の期限 → 2026年12月31日まで延長
(非課税枠は最大1000万円を維持) 2021年(令和3年)1月以降の贈与については、合計所得金額1000万円以下の者に限り、床面積要件が40㎡以上に緩和される →50㎡以上の場合は、合計所得金額が2000万円以下の者、40㎡以上50㎡未満の場合は、合計所得金額1000万円以下の者に限る
〇 「暦年贈与」または「相続時精算課税」(どちらかを選択)との併用が可能 一度にまとまった資金を贈与できる
〇 共有名義で物件を購入する際も利用可 夫婦の場合 それぞれが最大1000万円を受け取れる(別々に申告する必要がある)
〇 親が子に資金を贈与し 親子の共有名義で住宅を取得する場合も制度の対象
〇 住宅の新築や増改築 中古住宅の購入に関わる資金を贈与できる
〇 「3年加算」(相続開始前の3年以内に贈与者が亡くなってしまった場合 その贈与はなかったものとされ相続税の対象となる)の対象外 贈与者が3年以内に亡くなっても贈与税の対象外
「一括贈与非課税制度」(住宅取得等資金)のデメリット
● 受贈者(子や孫など)の要件が厳しい
● 新築または取得する住宅の要件が厳しい
● 増改築する住宅の要件が厳しい
● 非課税枠内でも 申告期限までに必ず贈与税の申告が必要(申告しないと適用されない)
● 小規模宅地等の特例と併用できない
● 既に購入した住宅のローン返済のための資金援助には使えない(あくまで住宅を新たに取得するための資金援助に限定されている)


●受贈者(子や孫など)の要件が厳しい
・贈与を受けたときに 贈与者の直系卑属(授与者は直系尊属)であること(養子縁組をしていれば配偶者の父母からの贈与でも適用)
・贈与を受けた年の1月1日現在で 20歳以上であること(成人年齢の引き下げにより 2022年4月1日より「18歳以上」)
・原則として 贈与を受けた時に日本国内に住所を有し かつ日本国籍を有する
・贈与を受けた前年の所得が2000万円超だと適用外(住宅の床面積が40~50㎡未満の場合は 1000万円以下)
・配偶者や親族など一定の特別の関係がある人から取得した住宅用の家屋でないこと
・贈与を受けた年の翌年の3月15日までに 贈与された資金の全額を充てて住宅の取得や新築をすること(家屋の床面積要件と2分の1以上が受贈者の居住用という要件を満たしていれば 居住用以外の部分も含めて贈与された資金が非課税制度の対象)
・贈与を受けた年の翌年の3月15日までにその家屋に居住すること または(翌年3月15日までに完成引き渡しに至らずとも 新築に準ずる状態(いわゆる棟上げ以降の状態)になっており)同日後 遅滞なく(遅くとも12月31日までとなっている)その家屋に居住することが確実であると見込まれること
・マンションや建売住宅は 住宅取得等資金の贈与を受けた年の翌年3月15日までにその引き渡しを受けていなければ適用はない(新築(注文住宅)とは 判断基準が異なる)
● 新築または取得する住宅の要件が厳しい
・登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が40㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住用であること(戸建てで1階に車庫を設ける「ビルトインガレージ」の場合 車庫も一つの家屋として登記していれば 車庫も床面積に含まれる)(店舗兼住宅などの場合は 居住の用以外の用に供されている部分も含めた家屋全体の床面積で判断)
・取得した住宅が次のいずれかに該当すること
1 建築後、使用されたことのない住宅用の家屋
2 既存住宅の築年数要件が撤廃され 1982年1月1日以降 に建築されたもの
3 建築後使用されたことのある住宅用の家屋で 耐震基準に適合している事(「耐震基準適合証明書」等で証明できるもの)(実際に住む日までに耐震改修工事済みのこと)
「住宅用の家屋の新築」には 新築等をする住宅用家屋の敷地の用に供される土地等の取得に充てる場合も対象だが その取得した土地の上の住宅用の家屋を所有していない場合は 適用を受けられない
● 増改築する住宅の要件が厳しい
・増改築後の住宅の登記簿上の床面積が40㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住用であること
・増改築等に係る工事が 自己が所有し かつ居住している住宅に対して行われたものであること
・増改築工事に要した費用が100万円以上であること また、その費用額の2分の1以上が 自己の居住用の部分の工事に要したものであること
 

・こちらを参考に → 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」(国税庁)

■ 「住宅取得等資金の贈与」と「住宅ローン控除制度」を併用する場合

 この場合の住宅ローン控除額は 以下の①と②のいずれか低い金額に控除率を乗じて算出
① 住宅借入金等の年末残高の合計額
② 「住宅の取得等に係る対価の額」から「非課税制度の適用を受けた贈与額を控除した金額」


「暦年贈与」「相続時精算課税」(23年度税制改正)
・相続財産への加算が適用されるのは 被相続人の配偶者 子といった法定相続人で実際に財産を取得した人 遺言で財産を贈る「遺贈」の対象者で生前贈与を受けていた人など(孫は 被相続人の養子になっているなど一定の場合を除いて法定相続人に該当しない)

  「暦年贈与」 「相続時精算課税」
贈与者(贈与をする人) 誰からでもよい 贈与をした年の1月1日において60歳以上である父母または祖父母
受贈者(贈与を受ける人) 誰でもよい(推定相続人に限らない) 贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の直系卑属である推定相続人および孫
適用時の手続き 不要 相続時精算課税選択届出書の提出
非課税枠 贈与を受ける人ごとに年間110万円(基礎控除) ・贈与をする人ごとに 累積で2500万円(特別控除)
・年間110万円の基礎控除を新設(24年1月からの贈与から 110万円以下の贈与なら申告不要)
非課税限度額を超えた場合(課税される額) (贈与額−110万円)×超過累進課税(10〜55%の8段階) (贈与額−2500万円)×一律20%
贈与税の申告 110万円を超えたら申告 金額に関わらず 贈与税申告書と相続時精算課税選択届書を提出
計算期間 1月1日~12月31日 贈与した年から相続開始まで
贈与者が死亡した場合の相続税 ・原則として相続財産に加算する必要はない ただし相続開始前7年に受けた贈与財産(贈与税の申告が不要な基礎控除額以下であっても)は 贈与の時の価額が 相続財産に加算される(3年前から7年前までに拡大 2031年までに段階的に延長)
・加算する金額のうち4~7年前の合計から100万円を差し引く(〃期間中に100万円を超える贈与があった場合 相続財産に加算される)
・この制度を適用した贈与財産は全て 贈与時の価格で相続財産に加算をする
・基礎控除分の贈与財産は 相続財産に加算しない
回数制限 なし ただし 相続時精算課税を選択後は 使用できない なし いったん選択すると 相続時まで継続

贈与を受けていた者が 贈与者である被相続人から相続等により財産を取得していない場合には
・相続時精算課税を選択していない者:相続開始前7年以内に贈与を受けた財産であっても相続税の課税価額に加算されない
・相続時精算課税を選択している者:選択後に 被相続人から贈与を受けた贈与財産の価額はすべて相続税の課税価額に加算される
■ 相続税における生前贈与財産に課せられた贈与税の取り扱い
・相続時精算課税を選択していない者:加算された場合 贈与財産に課せられた贈与税は 相続税の計算上 税額控除の対象となるが(贈与税額控除)控除される贈与税額はその者の相続税額が限度となるため 課せられた贈与税額が相続税額を上回る場合でも 贈与税額の還付は受けられない
・相続時精算課税を選択している者:精算課税が適用される財産について課せられた贈与税は 相続税の計算上 相続税額から控除され 贈与税額が相続税額を上回る場合 相続税の申告書を提出することにより 贈与税額の還付を受けられる
■相続時精算課税制度を適用して取得した土地や建物が 贈与日から相続時の相続税申告書の提出期限までの間に災害により一定の被害を受けた場合(10%以上の被災があったことが条件)は評価額を再計算した金額を加算する特例ができた(災害から3年以内に申請書を提出し 承認を受ける必要がある また 被害を受けた土地や建物について災害減免法により贈与税の軽減などを受ける場合には この特例は適用されない)
■相続時精算課税制度 経過措置により 加算期間は2027年1月以降段階的に延長され 2026年12月31日までに相続開始の場合の加算期間は 現行の3年のまま 最終的に加算期間が7年となるのは 2031年1月以降に相続が開始した場合
■相続財産に加算する暦年贈与の対象期間

贈与期間 相続開始日 対象期間
23年12月31日まで 26年12月31日まで 相続開始前3年間
同上 27年1月1日~ 加算されず
24年1月1日以降 24年1月1日~26年12月31日 相続開始前3年間
同上 27年1月1日~30年12月31日 24年1月1日~相続開始日
同上 31年1月1日~ 相続開始前7年間


・「暦年贈与」のメリット
〇 1年に基礎控除額である110万円までの贈与の場合は非課税に(もらう人ごとに 何人いても可)
〇 贈与時期を選べる 将来的に値上がりがある可能性が高いものを事前に贈与することで節税になる(贈与時の価額が相続財産に加算されるため 土地や株式など 贈与後に価額が上昇すれば有利だが 価額が下落すると現在価額より高い価額で財産が評価され不利になる)
〇 誰に何を贈与するかを選択できる(事前にわかる)ため、相続時のトラブルを未然に防げる
〇 孫への贈与ができる 二次相続の場合に相続税の対象にはならず、その分さらに節税効果は高い
・「暦年贈与」のデメリット
相続発生前7年以内(31年の相続から 3年前から拡大(24年の贈与が含まれる)*相続財産に加算される期間は27年の相続から段階的に延長)の贈与は相続時の財産として、相続税の対象になる(相続税の持ち戻し)ただし 加算する金額のうち4~7年前の合計から100万円を差し引く
● 生前贈与があったことを税務署に認めさせるのが難しい
● 贈与契約書の作成 贈与振込用口座(印鑑・通帳)の管理 証拠を残すための銀行振り込み等 また 毎年違う金額を毎年違う時期に贈与する 111万円をあげて贈与税の申告をする等の工夫が必要
● 建物や土地などの不動産を贈与した場合、贈与された側は不動産取得税や登録免許税を支払う必要
● 贈与する側と受ける側の双方が、遺留分を侵害していることを知りながら贈与がされた場合には遺留分侵害請求の対象に
● 相続などにより財産を取得しない孫や子の配偶者は加算の対象外だが「祖父が孫に贈与したケースにおいて もし子が祖父より先に死亡し 孫が祖父の代襲相続人として財産を相続した場合 相続発生7年前までに生前贈与した分は相続財産に加算される」

・「相続時精算課税」のメリット
〇 相続財産が相続税の基礎控除の範囲内であれば、実質無税で相続財産の前渡しができる(相続税の負担はなく 同制度により納付した贈与税は全額還付される)
〇 2500万円を超過した場合、一律で20%の贈与税しか課税されない 普通の贈与である暦年贈与の場合は、2,500万円以上の金額に対しては税率が45〜55%(累進課税)もかかる
〇 年間110万円の基礎控除を新設 (24年1月からの贈与から 110万円以下の贈与なら申告不要)
〇 将来の値上がりが予想される財産や現在値下がりしている財産の生前贈与も、相続発生時にその財産の価額が高騰していたとしても 相続税には贈与時の安い価額が適用されるため節税となる
〇 収益のある不動産を生前贈与するとその後の家賃収入は贈与された者の収入となるため相続財産が圧縮され節税となる
〇 確実に自分が望む人に承継させたい財産などの贈与には効果的
〇 短い期間で大きなお金を贈与したい人がいる場合(例えば、子供が家を買うタイミングや40代といった出費がかさむ時期などでの贈与は 繰上返済等に充てるなど住宅ローンの負担を軽減できる)には効果的 また贈与者が高齢等の理由により長時間にわたる贈与が困難である場合等にも有利
〇 暦年課税と相続時精算課税は、贈与者が変われば併用ができる
〇 生前贈与をすれば、贈与対象資産は相続財産から外れるので、遺産分割協議をする必要がなくなる
・「相続時精算課税」のデメリット
● 1度暦年課税へ選択すると暦年課税へ変更できない
● 贈与(相続時精算課税)で取得した財産では、小規模宅地の特例の適用ができない
● 贈与後に住んでいない子供が実家を売却すると所有期間の長短に関係なく譲渡益から最大3000万円控除できる「居住用の3000万円特別控除」が使えない
● 贈与を行うたびに贈与税の申告が必要 また、相続が発生した時にも相続税の申告は必要 手続き的な負担が大きい
● 不動産の場合 相続時の登録免許税の税率は0.4% 贈与時の登録免許税の税率は2% また、相続ではかからない不動産取得税が3%かかる
● 相続時精算課税制度を使って生前贈与を受けた財産は相続税納税時「物納」ができない


「生命保険」の活用



「生命保険」のメリット(と デメリット)
①「生前贈与に生命保険を使う」
 毎年の保険料分(非課税の範囲 暦年贈与110万円の特例)を子に贈与し子を契約者として保険に加入 将来子が受け取る死亡保険金は、子の一時所得となるが、税額は少なくてすむ(一般に所得税は贈与税より税負担が少なくて済む)
*(23年度税制改正)暦年贈与で贈与された財産を相続財産に加えて相続税の対象とする期間が現行の死亡前3年以内から7年以内に「保険料贈与も早めに着手する必要がある」
* 孫への生前贈与に 生命保険を組み合わせた「支援」は要注意
・孫は亡くなった人の子(孫にとっての親)が死亡しているような「代襲相続」以外は法定相続人に含まれず 生前贈与分も相続税の対象外 ただ 孫が死亡保険金を受け取ると「みなし相続財産」を遺贈で受け取った当事者として 生前贈与分も相続財産に加算される(相続財産の「持ち戻し」)
・法定相続人が増えずに相続財産が増えれば相続人全体の税負担に響き 心情的なしこりも生みかねない 代襲相続以外の孫の相続税は2割加算で 孫自身の税負担も重い

②「500万円×法定相続人の数の非課税枠がある」
 死亡時に受取人に支給される生命保険金は、受取人の固有の財産ですが、税制上は「みなし相続財産」として相続税の課税対象 死亡保険金の受取人が法定相続人の場合、保険金のうち、500万円×法定相続人の数までは非課税となる

③「死亡保険金受取人を指定できる」
 死亡保険金は、あらかじめ指定した「死亡保険金受取人」に必ず支払われるので遺したい人に確実に遺せる(例えば被相続人が債務超過の場合等)指定した「死亡保険金受取人」が相続を放棄していたとしても確実に支払われる

④「早期に支払われるのですぐ活用できる」
 預貯金などの相続資産は「預貯金の一部払い戻し制度」により一部を引き出すことも可能だが生命保険金は、手続きをすればすぐに受けとれるので葬儀費用や当面の生活費に活用できる

⑤「生命保険で代償金や納税資金を準備できる」
 相続財産が不動産だけのような場合「代償分割」での代償金を生命保険金で準備できる 例えば、ある相続人に不動産を相続させる代わりに、他の相続人には代償金を支払うという場合(争いを避けることにも繋がる)また、相続財産が現金やすぐに換金できる財産ではない場合、相続税の支払いに困るということがあるが 相続人を受取人にしておけば相続税の納税資金になる(相続税の納税は被相続人が亡くなってから10カ月以内)

⑥ 養老保険のような満期付きの保険は被保険者が満期まで生きれば「満期保険金」を また 被保険者が医師から余命宣告を受けたり 高度障害状態になったりした場合などに 生前に「死亡保険金」を前払いで受け取れる保険もある
 受け取った保険金は所得税が非課税で医療費以外にも自由に使える ただし 死ぬまでに使い切らないと 残った現金は相続財産として課税対象に



「NISA」「ジュニアNISA」

「 NISA」(少額投資非課税制度)「ジュニアNISA」(未成年者少額投資非課税制度) (2023年12月で制度終了)は 相続対策と子どもや孫の資産形成のサポートという2つの効果が期待できる


・上図の出典は:東洋証券

 大きく変わる「NISA」のメリット・デメリット等 詳しくは
 → ブログ「115. 新 NISA」をご覧ください



「家族信託」




 信託とは、信頼できる人に財産を託して、あらかじめ決めておいた目的に従って、財産から利益を得る人のために管理をする制度 信託された財産は、名義上は受託者(子ども)のものとなりますが、この場合委託者が親であっても相続財産の対象とはならず、相続税はかからない
 → ブログ「087. 家族と信託」もご覧ください


 

(「国の借金」1297兆円(2024年3月末)国民1人当たり 約1025万円 のようなNEWSが流れる度に「国民の金融資産は約2000兆円」とかの データが示されるのだが・・・(下図参照)
 これらの数字 正直 ぴんときません
  「日本の借金時計」


・上図出典:朝日新聞デジタル

2025年10月02日

2022年08月25日

085. 中古住宅売買

・住宅価格の上昇が続く中 中古住宅への関心が高まっている
「最初は新築を考えていたが 最終的に中古を選ぶ人が少なくない」
 しかし 戸建ての中古住宅の価格は千差万別 物件の状態や立地などで大きく変わる

・住宅を購入するならば 新築か? 中古か? 新築は ピカピカがうれしい派 中古は エコで地球にやさしい派 かも
「新築購入」のメリット 「新築購入」のデメリット
・建物が新しく最新設備がそろっている
・修繕費用がほとんどかからない
・新築は瑕疵担保保険が10年ついていて安心
・建物や設備を重視するなら新築
・様々な税制優遇がある
・住宅ローンの審査が比較的に通りやすい
・注文住宅の場合は、思い通りの家ができる
・販売経費が上乗せされ その分高い
・図面やモデルルームだけを見ての購入も
・希望エリアで探す場合物件数が少ない
・治安や住環境が住んでみないと不明な点も
・新築であればすべて安心という事ではない
・建築原価の高騰による割高な買物リスク
・つなぎ融資やローン分割実行が必要な場合も
「中古購入」のメリット 「中古購入」のデメリット
・販売経費が上乗せされずその分安い
・実物の住宅、環境等を確認して買える
・自分好みにリノベーションできる
・希望のエリアと予算を考えると物件数が多い
・土地の立地や庭の広さを重視するなら中古
・リフォーム次第で新築同様になる
・耐震基準等をクリアした中古も多数ある
・売主が個人の場合、消費税がかからない
・即入居可の物件も多い
・中古住宅購入はエコであるの考えにピッタリ
・建物や設備が古く、修繕コストが高めになる
・間取り等で妥協が必要な場合が多い
・中古だからと言っても安いとは限らない
・新築に比べ税制メリットが少ない
・瑕疵担保責任が免責となる可能性もある
・売主が個人の場合、仲介手数料がかかる
・住宅ローンの審査がきびしい
・給排水管やガス管が老朽化している事もある
・土地の境界があいまいのままで買う場合も
・コミュニティへの新規加入が大変な場合も


 増え続ける「空き家」 2033年には総住宅数7106.7万戸、空き家数2146.6万戸、空き家率30.2%との予測も
「既存(中古)住宅取引」 を安心に進めるため
・「適正な資産価値評価」のために国土交通省は「建物状況を調査するインスペクション」「既存住宅売買瑕疵保険」「住宅履歴情報の公開」の3つの制度を推進
 また 自宅の「老後に備えるリフォーム」「省エネリフォーム」「耐震リフォーム」等を推進するため様々な「所得税優遇制度」「固定資産税減額制度」「補助や融資等の公的支援制度」が用意されている

・上記出典:オウチーノ


・中古住宅購入の主な費用と支払う時期の例(上図より)
(住宅ローンを借りる場合)
時期 費用の例 内容等
②③ 物件探し ・交通費 / 宿泊代等 季節 / 時間帯 / 天候等を変えての物件下見がお勧め ある程度の予算が必要
手付金(物件代金の一部) ・物件を確保する意味合い
・物件価格の5%が一般的
・買い手側の事情で一方的に契約を介助した場合は返却されない事もある
⑤と⑥
の間
インスペクション(既存建物状況調査)費用 ・住宅診断の専門家が 建物や設備の劣化状況や欠陥などを調べ 修繕に必要となる費用を見積もる
・戸建て住宅の場合 6~10万円程度
・同時期に 仲介不動産会社から「重要事項説明書」の交付と説明を また 売主から「住宅履歴情報」の交付を
印紙税
・売買契約書に添付
仲介手数料 ・契約時/引き渡し時に 各半金を仲介不動産会社に
・物件価格の3%に6万円を加えた金額が上限
(手付金) ・契約時に 手付金の支払いをするのが一般的
瑕疵保険 「既存住宅売買瑕疵保険」売主が個人の場合 買い主が 保険料を払う(不動産業者が売主の場合は物件価格に含まれる)のが一般的
・瑕疵保険加入の有無を確認し 売主に加入を依頼してみるのも一案
司法書士への報酬 ・登記代行手数料 一般的に 司法書士は 契約後 直ちに所有権移転登記の準備を始める
融資手数料 ・住宅ローンを組む場合 ローン契約時に 金融機関に 数万円~融資額の2%程度まで
ローン保証料 ・返済が滞った場合に備え 保障会社に支払う
・契約時に 10000万円当たり数十万円を一括で支払う場合 金利に0.2%程度上乗せされる場合 かからないケースもある
団体信用生命保険料 ・万一の場合にローンを完済するための保険 金利に含まれる場合がほとんど
火災保険料/地震保険料 ・保険会社へ
印紙税 ・住宅ローン契約書に添付
登記費用 ・抵当権設定登記のため
リフォームローン ・リフォームをする場合 リフォーム費用を含めて住宅ローンを組んだほうが金利負担等を抑えやすい
残金の支払い等 ・購入物件の残金の残り(ローン利用の場合は 融資実行後直ちに)
・固定資産税(及び管理費)の日割を売主に
仲介手数料の残り ・仲介手数料の残りの半金を仲介不動産会社に
登録免許税 ・土地建物の所有権移転登記時に司法書士へ
・中古住宅の建物の税率は原則 新築の2倍の0.3% 住宅ローンを組むとさらに上がる
手付金(リフォーム代金) ・リフォームする場合 工務店等に
入居前 住宅ローンの返済開始 ・リフォーム費用
・リフォーム工事中に住む家の家賃
入居 入居 ・引っ越し代等
入居後 各種税金が発生 ・不動産取得税
・固定資産税 / 都市計画税

・中古住宅(*)の住宅ローン減税
(22~25年入居の場合)
・長期優良住宅
低炭素住宅
ZEH水準の省エネ住宅
・省エネ基準適合住宅
借入限度額
3000万円
・その他の住宅 借入限度額
2000万円
控除率 年末残高の0.7%
控除期間 10年
所得上限 2000万円
床面積 50㎡以上

(*)買取再販住宅は 新築扱いとなる

中古住宅の取得時に係る税の軽減措置
登録免許税 「登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」(国税庁)をご覧ください
*令和8年3月31日まで3年延長されました
不動産取得税 「不動産取得税に関わる特例措置」(国土交通省)をご覧ください
*令和9年3月31日まで3年延長されました


 買取再販住宅とは: 宅地建物取引業者が特定増改築等をした中古(既存)住宅を その宅地建物取引業者の取得の日から2年以内に取得した場合の中古住宅 (その取得の時点において、その既存住宅が新築された日から起算して10年を経過したものに限る)



■ 自宅を売却する場合の注意点

 ・自宅売却の流れ(例)


必要書類(上図 STEP2)とは 購入時のパンフレット(もし あれば 設備の詳細 間取りも記載されているもの)・購入時の契約書・重要事項説明書

・条件交渉(上図 STEP7)購入希望者との売却条件交渉(価格交渉)
 購入希望者の意向を確認し 譲れるところは譲り 条件を合致させていき 売買契約(STEP8)に至る

・「契約不適合責任」の問題
 雨漏りや給排水管の不具合など 売買契約の内容と引き渡される住宅に一致しない部分(以前は「瑕疵」といった)があった場合 売主は買主に対して責任を負う事になる(*)
 「契約不適合責任」は 任意規定であるため 契約当事者が合意すれば免責が可能 そのため 特約によって 契約不適合の範囲を限定し(例えば 雨漏りに限定)それ以外は免責としたり 通知期間を「引き渡しから3ヶ月以内」に短縮するのが一般的(民法上は「不適合を知ってから1年以内」)(売主が宅建業者の場合は「担保責任追及のための通知期間を物件の引き渡し後2年以上」とすることを除いて 買主に不利な特約は無効となる)
 (*)売主の責任:履行の追完 代金減額 損害賠償の請求及び契約解除等

・住宅の契約不適合責任期間
中古(個人が売主) 中古(不動産会社が売主) 新築
2~3ヶ月が一般的 最低2年 10年


・「インスペクション」の活用
 売主としては 買主とのトラブル(契約不適合責任問題)を避けるためにも「インスペクション」により 引き渡す自宅の躯体・設備の状況をしっかりと把握することが必要(設備に関しては「付帯設備表」で引き渡す建物設備の現在の状況を記載する)引き渡す建物の現状の正確な説明が可能となる

・宅建業者による「不動産買取(業者買取)」と「不動産仲介」の特徴

  不動産買取(*) 不動産仲介
買主 宅建業者 個人
売却までの期間 宅建業者との交渉次第 比較的短期で売却可能 買主が見つかるまで時間がかかる 比較的長期にわたる
売却価格 相場価格から10~30%程度低い 相場価格程度
契約不適合責任 免責の場合が多い 免責の場合は少ない
仲介手数料 不要 必要
内覧対応 不要 必要

(*)2種類の不動産買取
・「即時買取」依頼後すぐに 宅建業者の買い取りを交渉
・「買取保証」当初は 仲介で販促活動を行い 売却に結びつかない場合に あらかじめ取り決めていた額で宅建業者に買い取ってもらう

・仲介業者との媒介契約には3種類ある

  一般媒介契約 専任媒介契約
自己発見取引(自分で買主を見つける) 可能 可能
依頼できる会社数 複数可能 1社のみ
売主への定期的な報告義務 なし 2週間に1回以上
レインズへの情報登録義務 なし 7日以内
適した物件 都心部など人気の高いエリアの築浅物件 両者の中間的な物件


  専属専任媒介契約
自己発見取引(自分で買主を見つける) できない(自分で買主を見つけた場合も契約先の仲介が必要)
依頼できる会社数 1社のみ
売主への定期的な報告義務 1週間に1回以上
レインズへの情報登録義務 5日以内
適した物件 築年数が古い 駅から遠いなど買い手の少なそうな物件


・売却物件の情報は 国土交通相指定の不動産流通機構が運営する「レインズ」(不動産流通標準情報システム)に仲介会社が登録(一般媒介契約では 登録義務はない)
・仲介会社は 全国展開している大手仲介会社の支店も選択肢だが「売却物件があるエリアの状況に詳しく 地域密着型で長年にわたって営業している地場の仲介会社が頼りになることは多い」


■ 譲渡益にかかる税金


・譲渡益= 売却収入 -(取得費 + 譲渡費用)
 取得費:住宅購入代金・仲介料・印紙代・登記費用等
 譲渡費用:仲介料・印紙代・測量費等

減価償却費 マンションなどの資産が経年ごとに減少していく資産価値を費用計上する手続き(「譲渡所得」を算出するときに必要(確定申告にて))

・上記出典:マンションナビ

・譲渡所得税(分離課税)所得税と住民税を併せた総称 自分で確定申告をして納税する必要がある


所有10年超の居住用財産の譲渡 税率
6.000万円以下の部分 税率14.21%
(所得税10%・住民税4%・復興特別所得税0.21%)
6.000万円超の部分 税率20.315%
(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)


■ 自宅を売却するときの税制特例①~⑤



□ マイホームを売った時の特例 5つ

特例の名称 内容
① 3.000万円特別控除 ・居住用財産の譲渡 3年に1度しか適用できない
・譲渡所得から3.000万円を控除できる特例
・所有期間10年超所有軽減税率の特例と併用可能
② 所有期間10年超所有軽減税率の特例 ・1月1日時点の所有期間が10年超である国内の居住用財産の譲渡
・3.000万円特別控除後の譲渡所得にかかる税率を下げる特例
・3.000万円特別控除と併用可能
③ 特定の居住用財産の買換え特例(課税の繰り延べ) ・新たな住宅を購入したときに課税の繰り延べができる特例
・他の特例との併用不可
・適用期限を25年末まで延長
④ 居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例 ・譲渡資産に譲渡損失が生じた場合 買い換えを前提としてその譲渡損失を他の所得から控除(損益通算)できる 控除しきれない場合は譲渡年の翌年以降3年以内に 繰り越して控除できる特例(ただし 譲渡資産のうち500㎡超の敷地に対応する譲渡損失の金額は繰り越し控除の対象外)
・他の特例との併用不可
・適用期限を25年末まで延長
⑤ 居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例 ・買換えをしない場合 譲渡損失のうち 住宅借入金等の金額からその譲渡資産の譲渡価額を控除した金額を限度(*)として 他の所得との通算および繰越控除(譲渡年の翌年以降3年以内)ができる特例
・他の特例との併用不可

(*)限度額は 「住宅ローン残高-譲渡価額」と「譲渡損失額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)」のいずれか少ない金額となる

□ 居住用財産を譲渡した場合の各特例の適用要件等
(特例の名称①~⑤は上の表より)

  所有期間 居住期間 買い替え 譲渡対価 親族以外
①3000万円
②軽減税率 10年超
③買い換え 10年超 10年以上 1億円以下
④買い換え譲渡損失 5年超
⑤譲渡損失 5年超


□ ①~③の共通の要件

・現に自分が住んでいる家屋等の譲渡
・過去に住んでいた家屋等の場合 住まなくなった日から 3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡
・譲渡の年の前年または前々年に 居住用財産の譲渡の各特例などの適用を受けていない
・夫婦や親子 生計を一にする親族などに対する譲渡ではない
・買い換えた資産の入居年およびその前2年 その後3年の計6年間にこれらの特例の適用を受けた場合は 住宅借入金等特別控除の適用は受けられない

□ ③の他の要件
・1月1日時点の所有期間が10年超である国内の居住用財産(居住期間が10年以上)の譲渡(譲渡価格は1億円以下)
・「譲渡資産の譲渡価額 ≦ 買換資産の取得価額」の時は 譲渡がなかったものとされ(課税の繰り延べ)
 「譲渡資産の譲渡価額 > 買替資産の取得価格」の時は その差額が収入金額として課税の対象に
・買換資産は 建物の床面積が50㎡以上 土地の面積が500㎡以下
・買換資産 耐火建築物である中古住宅の場合は 取得日以前25年以内の建築物などのもの
・譲渡年の前年から翌年までの3年の間に買い換えること

□ ④と⑤の主な適用要件

  ④買い換え譲渡損失 ⑤譲渡損失
譲渡資産の所有期間 5年超(譲渡年の1月1日時点) 同左
譲渡資産の住宅ローン残高 不要 必要(譲渡契約締結日の前日)
買換資産の取得 必要
買替資産 住宅ローン残高 必要(取得日の属する年の12月31日時点)
繰越控除 所得要件 合計所得金額3.000万円以下(繰越控除の適用を受けようとする年分) 同左
繰越控除 住宅ローン残高 必要(繰越控除の適用を受けようとする年の12月31日時点) 不要


 「No.3302 マイホームを売ったときの特例」(国税庁)もご覧ください

「既存(中古)住宅取引」 を安心に進めるための3つの制度
・既存建物状況調査(インスペクション)
・既存住宅売買瑕疵保険
・住宅履歴情報の公開


・「既存建物状況調査(インスペクション)」
 構造耐力上の安全性や雨漏り・水漏れ等の観点から以下のような部位の劣化事象等を調査
① 構造耐力上主要な部分:基礎・壁・柱等
② 雨水の侵入を防止する部分:屋根・外壁・開口部等
③ 換気扇 キッチン等の水回りなどの住宅の機能に関わる部分も優先度が高い
〇「インスペクション」により 工事が必要となる部分や時期が概ね把握できるので 計画的にリフォーム資金の貯蓄ができる また 防水工事等 予防的に実施するほうが費用が安くなる場合も多く 早めのリフォームは効果がある 長期の安心感も得られる
〇 既存住宅の売主にとっては 家を売る前にインスペクションをし 買主に告知してから売ることができ 売却/引き渡し後の修繕費の発生や不具合による買主との関係悪化などのリスクを軽減できる
● 費用負担がある(依頼者が買主の場合は 売主の同意が必要)多くの場合は買主の負担に「売主が診断を拒否する物件は購入を見送るのが無難」」
● 他の購入希望者に競り負ける可能性がある(売主は インスペクションの希望者よりも 今すぐ購入を希望している買主を優先することも)

 

・住宅診断(民間調査)の料金体系と費用の目安(例)
基本セット オプション オプション 合計
・雨水防止部分と構造耐力上主要部分の確認
・全室の傾斜確認
・水回り設備点検など
・天井裏への侵入調査 ・床下への侵入調査  
5万~7万円 2万~3万円 2万~3万円 9万~13万円


 「建物状況調査(インスペクション)を活用しませんか?」(国土交通省)も参考に


  住宅診断(民間調査) 建物状況調査(宅地建物取引業法)
定義 住宅全般の状態を診断する民間サービス 宅地建物取引業法に基づく既存住宅の状態調査
法的根拠 特になし(民間基準) 宅地建物取引業法・ガイドライン
対象 新築・中古を問わず全ての住宅 中古住宅(既存住宅)のみ
目的 購入前の安心材料、劣化・不具合の確認(将来の修繕計画の把握) 宅地建物取引業法に基づく中古住宅の劣化・不具合の有無を調査
依頼主 所有者・買主・売主・不動産業者など自由 買主または売主
実施者 建築士や住宅診断士等 国土交通省の指定する講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)
調査内容 依頼内容に応じて柔軟に対応(外壁、内装、設備等を含む) 構造耐力上主要な部分、雨水の侵入を防止する部分
中古住宅取引時の位置づけ 任意 宅地建物取引業者が制度説明と斡旋義務あり(実施は任意)



・「既存住宅売買瑕疵保険」
・保険には 不動産業者や検査事業者が加入 主要な構造部や雨漏り防止の設計・施工上の瑕疵による損害が補償され 国土交通省が指定する専門の保険会社が引き受ける(保険期間は 1~5年)
・瑕疵があった場合は調査・修理費用や仮住まい費用が補償される
・瑕疵保険に加入するには 専門の検査員が住宅の状態を確認し 検査基準に合格する必要がある 多くの住宅は 必要な修繕をした後に 再検査し合格する
・瑕疵保険に加入する住宅は 基本的な構造部分の劣化や雨漏りなどのリスクが低いとされる

 →  「既存住宅売買瑕疵保険について」(国土交通省)も参考に



・「住宅履歴情報の公開」
・住宅がどのようなつくりで、どのような性能があるか また、建築後にどのような点検 修繕 リフォームが実施されたか等の記録を保存 蓄積したもの  具体的には 新築時の図面や建築確認の書類 点検の結果やリフォームの記録
・蓄積した住宅履歴情報により 建物価値の適正な評価がされ さらなる維持管理や売買の際に活用できる

  「住宅履歴情報とは」(国土交通省)も参考に

 既存住宅の流通促進に向けて、「不安」「汚い」「わからない」といった従来のいわゆる「中古住宅」のマイナスイメージを払拭し、「住みたい」「買いたい」既存住宅を選択できる環境の整備を図るため、国土交通省の告示による「安心R住宅」制度を創設しました(施行平成29年12月1日)


  →  「安心R住宅」(国土交通省)
 →  「まんがでわかる! 安心R住宅」(国土交通省)
 → ブログ「092. ビフォー・アフター」もご覧ください
 → ブログ「083. 空き家」もご覧ください


Q:マイホームを購入したいと思っています それがどのくらいの価格になるのか?どんな住宅ローンがあるのか? 頭金はどのくらい必要か?悩んでいます・・・

  Q&A「不動産・住宅ローン」をご覧ください


Q:「どんなところにある(中古住宅を買うか? 立地は どうか? 災害には強いか?」事前に調べてみる
 → 重点5ポイント「子孫に美田を残す」をご覧ください

・自宅の「老後に備えるリフォーム」「省エネリフォーム」「耐震リフォーム」等を推進するため様々な「所得税優遇制度」「固定資産税減額制度」「補助や融資等の公的支援制度」が用意されている

 → ブログ「092. ビフォー・アフター」をご覧ください
 → ブログ「090. 住宅購入」もご覧ください


・「老後不安もあり 生活コストを下げたい」と「地方移住」を考える人もいるが「生活コスト」の中で首都圏等と比べ田舎の方が低いのは ほとんど「家賃」だけ(といっても間違いではない)
・「田舎暮らし」で「生活コスト」を抑えられない理由
・「田舎暮らし」こんなことが!失敗例⑩(空き家購入パターン)等

 → ブログ「084. 田舎暮らし」をご覧ください


・その中古住宅に固有の問題はあるかないかの確認をすることが大事 そして利用・管理・運用・売却等のそれぞれの可能性や税金面ではどうかとかを検討しましょう
自宅の購入=「不動産投資」である
・住宅ローンは 不動産投資ローンよりも はるかに低い金利で借りられる
・「団体信用生命保険」の加入で 万が一の時の 家族の備えになる
・老後の年金生活でも 家賃を払わずに住み続けることができる
・自宅を売却し 老人ホーム等への入居資金にすることが可能

 → ブログ「083. 空き家」もご覧ください
 → ブログ「090. 住宅購入」もご覧ください




〇 中古マンション購入
 中古マンションを選ぶ際の一番のチェックポイントは「管理」です
 仲介不動産会社等を通して またはそのマンション管理組合のHP等で「長期修繕計画(その実績等)」や「管理費・修繕積立金(その滞納状況等やその額が適正かも)」をチェックしたり 管理組合議事録・HP等で日々の問題解決の過程等を見ることは大事(さらに そのマンション(管理組合)が 「要除却認定」に向けて動いていないかも気になるところ)
 また、実際にマンションに出向き エントランスや植栽、集合ポスト、掲示板、駐輪場やゴミ置き場などの共用部分が整理整頓されているか きちんと清掃されているかを見て 自分がこのマンションで生活することになった場合のことをあれこれ想像してみることは大切
 中古マンションの購入後にリフォームを予定し その費用をローンで借りるなら住宅ローンと合算したほうが借りやすい リフォーム単体で借りると金利は一般的に高くなる(その際には マンション管理規約のリフォームに関する条項の確認もお忘れなく)
中古マンション 不動産会社などが売主 個人が売主
消費税(家屋) あり(10%) なし
住宅ローン減税 上限年40万円
最長13年
上限年20万円
最長10年
固定資産税の軽減措置(家屋) 築6年以上で対象外 同左



(TVでやっていて ついつい見てしまうのが 京都の町屋をリノベーションとか 古い街並みに滞在型交流施設を作ってみたとか 廃校を活用して地域密着型の複合施設や放課後子どもスペースにしたとか スッポンの養殖を始めたとか 街並みの保存に力を入れているとか 元刑務所をホテルに改装したとか 古民家を改修して昔懐かしいグループホームにしたとかの話 そんな事や場所は興味深い
 「物を無駄にしない」とか「何やらがモッタイナイ」とかの意識は なんとなくずっと持っています それは貧乏旅行や山歩きで培ってきたものだと思いますが もちろん日々の生活を厳しくしているのも一因 特にこの頃は 世の中の物価高騰もあり なんとなくそんな意識が上向いているのかも(ただし メリハリは 大切です)
 空き家や未利用地とか 捨てられる食材やら あふれかえるプラ系のゴミとか 一見無駄になっているもので世の中 あふれているようにも思います 地球には そんな余裕もないはずなのに 大量に廃棄されたりして 世の中への影響が大きいものから 何とかしていきましょう
 ビニール傘からバッグ とか 漁網をリサイクル とか 衣料を素材に戻し再利用とか 空き家をリノベーションとか 素晴らしいですね Zero Waste Life)


2025年10月26日

2022年08月18日

084. 田舎暮らし

 コロナ禍の長期化で 首都圏などから地方への移住を本気で考え そして実行する人が増えているという 下記の表からは一時的な動きとも思えるが テレワークが「地方移住」のハードルを下げているのは事実

 


 「感染リスクを避けたい」「子育ては豊かな自然の中でしたい」「生活コストを下げたい」「ラッシュや混雑はほとほといやだ」「大地震に都会で遭遇したくない」「昔から田舎暮らしに憧れていた」「田舎で静かに暮らしたい」「田舎で農家になりたい・農業をやりたい」「古民家カフェか骨董屋か蕎麦屋か旅館をやりたい」「とにかく囲炉裏と五右衛門風呂と薪ストーブのある古民家に住みたい」「自給自足に近い生活がしたい」「子どもの頃の暮らしをもう一度したい」「憧れは ドラマ「北の国から」の五郎の暮らし」「都会と田舎の二拠点生活がしたい」「人間到る処青山あり」「都会の生活に疲れた」などなど その理由は様々(かつてのお客様の実際の声です)

・上図 出典:エキサイトニュース

 田舎も様々 行政サービス(医療・福祉や公共交通等)がまずまずの地方都市の都市部から農村部~僻地(中山間地の限界集落)まで選択肢は様々  一軒家に住むか アパートに住むか 都市部のマンションに住むか 別荘に住むか 分譲リゾートマンションに住むか 住み方もいろいろ


 「老後不安もあり 生活コストを下げたい」と「地方移住」を考える人もいるが「生活コスト」の中で首都圏等と比べ田舎の方が低いのは ほとんど「家賃」だけ(といっても間違いではない)「家賃」と同じように「老人ホーム」等の入居一時金や利用料も低い

" 田舎 ”で「生活コスト」を抑えられない理由

● 公共交通機関がないに等しい 1日に2~3循環しかないバス便(夜は期待できない)よって どうしてもTAXIの利用が増える(その料金は ほとんど都会並み またはそれ以上)
● 車を手放せない 維持費がかかる 世の中は シェアの時代にシフトしようとしているのに 将来にわたり まずそれは期待できない どこに行くにも車が必要(家族の人数分必要なことも)
● 食費・食料品が安くすむといわれるが そんなことはありません 昨今は 都会も田舎のスーパーも 北海道産やら 鹿児島産やら 特産地産の品物を並べているし 地物は地物でその 生産農家等の都合もありそれほど安くはありません(新鮮は新鮮です)
● 交際費がかかる 地下鉄に乗ってちょこっと集合というわけにはいかない 娯楽費がかかる コンサートに行くにも寄席に行くにもテーマパークに行くにも ちょっとした旅行となる
● 人生を豊かにする旅に行こうとするも 空港に行くだけで ちょっとした旅行になってしまう
●「自然が美しい」 環境に住むということは「生活環境が厳しい」「自然環境が厳しい」ということ 暑くて寒い 雪も深い すなわち光熱費がよりかかる
● 「自然が美しい」ところに住んでいるゆえ いわゆる「景勝地」「観光地」「温泉地」が 比較的近いところに多くあり ついついいろいろなところに出かけてしまう ここぞというところに こだわりの「食べ処」が多く ついつい出かけてしまう(近いとはいえ 結構かかる 田舎は広い)
●「有機野菜」にこだわるあまり 自分で 有機農業を始めてしまう(手間も時間も金もかかる)味噌作り・保存食作り・ジャム作り等にはまり 材料や工法にこだわり経費が思った以上にかかる (烏骨鶏にはまった人もいた)
● 暖炉や囲炉裏を自作しようと思い 大がかりなリフォームをする羽目に 薪ストーブや五右衛門風呂や井戸 にこだわり 出費がかさむ(薪を確保するのも大変)
● 子どもは 田舎でのびのびと育ったが 首都圏の大学に進学し 1人暮らしを始めることとなり そのための仕送りが高額に
● 夫婦で田舎暮らしを始めたが 一方がいやになり 都会に帰ってしまう 二拠点生活(別居)となり 生活費がかさむ
●「生活コスト」を抑えた「田舎暮らし」を送ることはもちろん可能です それには ある程度の覚悟と「それなりのこだわり」が必要です  極端な例ですが 時々メディアでみる「ぜ~んぶ込み 月5万円の田舎暮らし」とか・・・実践している人も います


ふるさと回帰支援制度 (認定NPO法人)東京・有楽町の交通会館に44都道府県1政令市の相談員が常駐
移住・交流推進機構 (一般社団法人)大都市圏でイベントを開催 各地の空き家や各自治体の支援制度情報を発信
ピタマチ 移住を考え始めた人を支援する移住マッチングサービスです。お勧めの自治体を診断
SMOUT イベントや体験ツアーを通じて自治体と移住者をマッチング
国の地方創生交付金制度 地方へ移住しよう 地方で起業しよう 地方でのチャレンジを応援! ~地方へ移住、起業で最大300万円~


・あるアンケートによると(下記)




「田舎暮らし」こんなことが!
  失敗例((ド田舎の古い)空き家購入パターン)


・失敗①「バス停に近い物件を買った」
  一日に4往復とはいえ うまく使えば大丈夫と思っていたが 数年後にそのバス路線が廃止に → まもなく「デマンドバス」の運行が始まりかえって便利になった? → 数年後さらに「デマンドバス」の運行曜日が週3日に 生活にメリハリが付くことに!?
 「デマンドバス」:乗車に事前予約が必要なバス 通常は路線を定めず 利用者の呼び出しに応じて一定区域内の輸送にあたる

・失敗②「水道は無いが 井戸のある物件を買った」
  数年後 井戸が枯れる 公営水道を引くのは50m先の水道本管から引っ張って来なければならず(費用(負担金):約150万円)
 ちょっと悩んだが 「川で洗濯」ならぬ「沢の水で洗濯・洗い物・入浴・洗顔」することに 食事用の水は 近くの「名水100選」には選ばれてはいないが 遠くからも 「これでお茶を入れると美味しい」とされる水を汲んできて使うことに 水の有難味がしみる 何か楽しい感じです!?  映画「裸の島」(新藤兼人1960)を思い描いて生活しています。

・失敗③「農業をしたくて 空き家とは別に 農地を仮登記で買った」
  農地の売買に関しては、重要事項説明書のその他事項および、契約書の特約事項に下記が明記されてはいるが・・・
1.下記内容の農地の所有権者の念書を添付する。「農地は売買を原因とし所有権移転の仮登記となるが、買主若しくは買主の指定する者が農地法の許可等を申請する場合は、費用は買主若しくは 買主の指定するものが負担するが 農地の所有権者は全面的に協力するものとし、所有権者は相続にて所有権者に変更が生じても、所有権の主張はしないものとし、これを代々承継するものとする。」

しかし 後々の事も考え 地元の農業委員会にも相談した結果 もう少し農地面積を広げれば(売買なり賃貸なりをして)農業資格が取得でき 農地法の許可が降りると聞き また 休耕地(予備軍も)が多くあることも分かり その方向に動くことに → 地元のいろいろな人たちに相談することにより繋がりも出来たし 農業をやっていく覚悟もできた!?(実際大変らしいです 余裕のない就農はお勧めできません)
 → ブログ「010. 3条・5条(資料)」もご覧ください

・失敗④「近くに農業集落排水(田舎の下水道)が通っている農家民家を買った」
 ボットン型はどうしてもいやだったので 農業集落排水に接続しようとしたが 一部他人の土地を通さなければならず 当初の話とは違いその土地所有者の気が変わり 排水管を設置することが出来なくなる
 → 合併浄化槽を設置することに これには補助金が出ることが分かり(大きさにもよるが施工費込みで100万円前後 その半額程度の補助金が出ることが多い) かえって良かったと思ったのも束の間 合併浄化槽の処理水の放流先でまたひと悶着 他人の田畑に排水が入らないように河川までパイプを伸ばして やっと問題解決
 しかし  合併浄化槽は設置後も 数ヶ月に一度の保守点検 1年に1回は清掃と汚泥の抜き取り作業をしなければならず費用も手間もかかり 不自由さもある
 なお「簡易水洗トイレ」というものがある(定期的な汲み取りが必要だが(場合によっては3~4ヶ月に1回で充分)コスト的にも重宝なもの)

・失敗⑤「近くにスーパーがあって 買い物が便利な田舎の空き家を買った」
 車で5分位のところに何でもそろうスーパーマーケットがあり またコンビニも近くにあり こりゃ田舎にしては便利だなと思っていた しかし 数年もたたないうちにそのスーパーの撤退が決定!一転「買い物弱者」に
 以前からCOOPの食材配達トラックが来ていたことは知ってはいたが・・
 ほどなくして 大手スーパーの移動販売車が廻って来ることに 便利ではある 今のところは その大手スーパーまで遠出してまとめ買いをしていますが そのうち全面的にお世話になることになるかも 買い物が好きな身には 多少寂しくはなります

・失敗⑥「柱や梁がガッチリ太い いわゆる「骨太の古民家」を買った」
 リフォーム代もたっぷりかかるだろうが まだまだ住めそうなので気に入っていた 外見は古民家 中に入れば「超モダン」な古民家生活を送ろうと水回りのリフォームの前に 今まで使っていた電化製品を全部持ち込んだ 昔ながらの「ガイシ引き配線」も趣があり気に入っていたのだが・・
 まずコンセントが少ない 適当な場所にない事を痛感 配線が古く 漏電しないか心配 容量的にも不安 要するに使い物にならない 作業用に外壁にもコンセントを付けたいし ・・
 技術も資格もないので 業者に全面的やり替えを依頼することに(その費用は 予想を上回る高額なものに 無資格なのに自分でやってしまうと 万が一 漏電等で火災になった場合 保険の対象外になり 取り返しのつかないことになりかねません)

・失敗⑦「一応境界はあるが 隣地所有者と売主との間に境界についての争いがある空き家を買った」
  眺望も立地も満足しております 相手の主張通りとしても 生活するに何の支障もないので そのままお隣さんとも普通に暮らしています しかし いわゆる公図と現況の間の違いはありそうです 土地については公簿上の土地面積にて清算するということを了承したうえで売買しています  しかし 子に残すにしても 売却するにしても やはり確実な境界をはっきりさせておきたいと思っていますが お隣さんにそれとなく言っても 土地家屋調査士を入れて測量するとなると高額な費用がかかることもあり 近い将来の「国土調査」を待ったらと言われています  このままだと このままになりそうで少し モヤモヤしています
 「境界トラブル」についての Q&A が「不動産・住宅ローン」のページにございます ご覧ください

・失敗⑧「境界に大きな木が立っている田舎の空き家を買った」
 隣は大きな農家です 庭も立派で訪問したりすると 良く自慢されます 立派な梅の木や藤棚等もあり四季折々 目の保養にもなっています 枝が伸び 越境してくる甘柿の実は「捥いでもいいよ」といわれており ごちそうになっています 良い人たちなのです
 しかし 境界に一本大きな針葉樹があり 日当たり的にも多少目ざわりです(日当たりはとても大切です)売買の際には 「代替わりしたら大幅に剪定して木の高さも低くする」という約束事をしています 何でも代々伝わる大切な「記念樹」ということで「わしの目の黒いうちは切ってはならん」というおじいちゃんの意向を尊重しているのですが まだまだ まだまだ そのままです
 鶏も飼っており 毎朝「コケコッコー」これは田舎らしくて 気に入っています(卵も時々いただいています)ただ良く吠える犬がいて これだけはうるさい

・失敗⑨「より静かな環境で暮らしたいと公道から奥に入った空き家を買った」
 わずか20m程ではあるが 重機を借りてきて進入路を作った「街路樹」も植え 立派な門柱も建て 悦に入っていました
 しかし 雨が降ったりすると ぬかるんで 轍がそのまま固まったりして あっという間に凹凸の進入路に 砂利をひいたりするも ほぼほぼ効果はなし
 また 大雪が降った時は最悪でした 公道はしっかりと除雪してくれるのですが もちろん私道はしてくれません 大変です 郵便ポストを家の玄関前に移動しました すみません

・失敗⑩「家庭菜園も充分に出来るようにと 広い敷地の田舎家を買った」
  広いといっても300坪ぐらいですが 土が良いらしく野菜がよく育ちます 花も実も楽しめるようにと杏の木を植えました 栗の木も植えました 桃栗3年柿8年と言いますが 杏は桃の仲間でしょうか 3年目には豊作となりました
 ただ草取りが大変です TVでヤギに雑草を食べさせているというのを見て ヤギを探しました(レンタルです)やっと見つかり 電話で取りに来いというので 軽トラを借りて連れに行きました 軽トラの荷台でヤギは仁王立ち なかなかのスピードなのですが平気です 元気なヤギです 荷台から降ろすのも大変です(乗せるときは手伝ってくれました)
 ただ元気すぎるので首輪に綱を付けて庭につなぎ留めておく 当然ながらヤギは届く範囲の草しか食べません それも全ての雑草を食べるわけではなく 好き嫌いがあるのです 綱をつないだ杭の周りを同一方向(時計回り) に廻るものだから いつも自分の首を絞めています バカです
 エサはあげていません(草で充分でしょうか?)水はあげています 少し心配ですが 夜も元気に鳴いているので大丈夫でしょう 何やかやと7日でこり(健康状態も少し心配 何しろレンタルですから)再び軽トラを借り ヤギを返しに行きました 二度とヤギには頼みません

*こんな映画があります


 賃貸の人生 持ち家の人生 マンションの人生 戸建ての人生 新築の人生 中古の人生 都会の人生 田舎の人生 みんな ありありです いたずらに先送りすることはしないで 知識を得ずに決めることもしないで たった一度の人生 自分らしく生きたいものです

(「人間到る処青山あり」「これがまあ終の栖か雪五尺」)

2025年10月20日

2022年08月11日

083. 空き家

 増え続ける 「空き家問題」 も深刻 空き家戸数は 1993年からの25年で約1.9倍に増加(約448万戸 → 約849万戸) 2033年には総住宅数7106.7万戸、空き家数2146.6万戸、空き家率30.2%との予測も

 「人口減少対策、活用価値低下住宅の除却、中古住宅流通市場の整備、リフォームやリノベーションによる減築、コンパクトシティの実現」等の対策が必要と






数が最も多いのが 433万戸にのぼる「賃貸用」の空家(空き家の半分は 相続対策などで慢性的に供給過剰の賃貸用)これらは 数は多いものの 借り手を募集しているため管理は(一応)行われている
 問題なのは 売却や賃貸の募集もせず 放置されている「その他の住宅」で 年々増加している 65歳以上の人口の比率と「その他の住宅」の空き家率は相関関係にあるとされる
 空き家の取得方法 相続54.6% 新築・建て替え18.8% 中古の購入14.0% 新築の購入5.3% 贈与3.3% その他・不詳4.0%

〇 様々な理由で空き家の所有者に
・親が高齢となり 息子夫婦と同居することになった
・1人暮らしをしていた親が亡くなり 実家を相続することに
・施設に入ることになり 誰も住まなくなる
・転勤になり家族で引っ越すことに
・家族が増えたけれど 今の場所では建て替えが出来ないので引っ越すことに
・一軒家の維持管理が難しくなり マンションに引っ越すことに 等

親が90代まで長生きすることが当たり前になった現代 相続する子ども世代はすでに60代 多くの場合 自身の持ち家も築20~30年を超えるなか 築年数の古い実家を相続することに
60代で実家以外に生活している場合「実家に戻って住む」のは 現実的ではない
老朽化した家を快適に住めるようにリフォームするには多額の費用がかかる
・「賃貸に出す」のも よほどの好立地でなければ借り手を見つけるのは困難
・結局 相続した兄弟姉妹や親族の誰もが「いらない」となり 結果として「実家じまい」に

〇 相続人の間で早めに対策を話し合うのが肝心 売却・賃貸が難しければ 誰が親の家を引き継ぐのか 税負担を含め維持費を早めに見積り 誰が負担するのかを決める必要がある
〇 また 空き家になりやすい物件の「相続放棄」という方法もある もちろん その「" 空き家 "」のみの相続放棄はできないので 「必要なものは生前贈与する 遺言書を書いて遺贈する」等の方法がある

〇 売却しやすい物件の例 
 ① 駅に近いなど市場価値がある
 ② 近所に購入希望者がいる
 ③ 維持・管理が行き届いている
 ④ 相続人全員に売る意思がある
 ⑤ 家屋を修繕して売るか 取り壊して売るかが明白


● 空き家に関わるコストは 上記「年間維持費の例」以外にも 精神的なコストがある
・近所からの苦情
・部外者が侵入するリスク(動物や不審者)
・犯罪・災害の不安 等
● 相続した空き家 に固有の問題はあるかないかの確認をすることが大事
 そして利用・管理・運用・売却等のそれぞれの可能性や税金面ではどうかとかを検討しましょう
・接道要件を満たしていない(再建築不可)
・私道に持ち分がない
・境界が未確定で 隣家ともめている
・所有地内に隣家の越境物や埋設物がある
・土地面積が明らかに実態と異なる
・相続登記がされていない
・建物が未登記 増築部分が未登記
・(兄弟等との)共有名義になっている
・建物が耐震基準を満たしていない
・ガス管/水道管等が隣の敷地を通っている
・上下水道等が私設菅
・建物が違法建築(容積率オーバー等)
・建物の使い勝手が悪い 間取りが奇抜過ぎる
・建物の劣化が進み過ぎている
・近隣環境に問題がある(嫌悪施設 など)
・立地が良くなく自然災害の危険が大きい
 もし これらに当てはまれば  →「負動産」になる可能性も


・空き家が増える理由
● 相続登記がされずに何十年も放置され 所有者不明となり 自治体の撤去指導が困難(行政側の人員不足もある)
● 空き家問題への所有者・相続人の認識不足や無理解・共有者間の合意形成が出来ていない・所有者の高齢等により意思確認が困難
● 空き家を解体し更地にする費用が高額で費用の捻出が出来ない
● 更地にすると 固定資産税等の住宅地特例から外れ高額となるため 所有者が放置してしまう
● 敷地が建築基準法の条件を満たしておらず(接道義務等)新たな建物が建築できない



「相続空き家譲渡の3000万円特別控除の特例」(2027年まで延長)

 相続または遺贈(死因贈与を含む)により相続人が取得した空き家に関し 一定の要件を満たす被相続人が居住していた家屋 または 被相続人居住用家屋(取り壊し等をした場合を含む)とともにその敷地を2027年12月31日までに譲渡した場合 適用条件を満たすときは譲渡所得の金額から最高3000万円を控除することができる特例
 「相続した住宅の売却が想定される場合 配偶者居住権を設定すると 居住権にはこの特例が使えず税負担が増える可能性がある」

(家屋の要件)
① 相続開始直前に被相続人が居住していた家屋で 被相続人以外の居住者がいなかったこと
② 1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた旧耐震基準の家屋)
③ 区分所有建物登記がされている建物でないこと
(敷地の要件)
・相続開始直前で被相続人居住用家屋の敷地であった土地(借地権等を含む)
・ただし 下図のように その土地が母屋と離れといったようと不可分の関係にある2以上の建築物のある一団の土地であった場合は注意が必要

 

(上図)一体として居住用であると認められても 主に居住用であった1つの建築物(この場合は母屋)のみが被相続人居住用家屋として控除の対象(このような取り扱いは他の「居住用財産を譲渡した場合の特例」と違う)
 被相続人居住用家屋の敷地は 次の計算式で
 200㎡ X 120㎡ / (120㎡ + 10㎡+ 30㎡)= 175㎡

(店舗兼住宅等である場合)
 被相続人の居住用部分が被相続人居住用家屋の床面積またはその敷地の面積の概ね90%以上である場合は すべてが特例の対象(通常は居住用部分のみが対象)


「相続空き家譲渡の3000万円特別控除」の主な条件
① 1981年5月までに建てられた一戸建て
② 亡くなった人が1人暮らしをしていた自宅
③ 相続発生以降 住んだり 貸したり 事業をしたりしていない
④ 相続発生の3年後の年末までに売る
⑤ 建物を解体するか 新耐震基準を満たすよう改修して売る
⑥ 売却価格が1億円以下
⑦ 売却先は親族以外の第三者
⑧ 「取得費加算特例」は 「3000万円特別控除」とは併用できない
⑨ 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(軽減税率の特例)の適用はない
⑩ 同年中において自己の居住用財産も譲渡した場合 本特例と居住用財産の譲渡所得の3000万円の特別控除は併用できるが 控除できる金額は合わせて最高3000万円
⑪ 譲渡した人は 相続等により被相続人居住用家屋とその敷地の両方を取得した相続人であること

・空き家となった被相続人が居住していた家屋及びその敷地を相続し 耐震基準を満たし 又は取壊しをした後に その家屋又は敷地を譲渡した場合 その譲渡 にかかる譲渡所得の金額から3,000万円を特別控除(改正により(2024年1月1日~)売却の翌年2月15日までに 買主が耐震改修工事をしたり 建物を撤去したりする場合も対象に)
・特別控除額は 相続人1人につき最大3000万円(ただし空き家を取得した相続人が3人以上の場合は 1人につき最大2000万円)


「取得費加算特例」

(物件の取得費に相続税を加えることができる その分譲渡所得が減るので所得税を減らせる)

・上記出典:OAG税理士法人

 「取得費加算特例」相続又は遺贈によって取得した財産を、相続開始の日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡した場合は、実際の取得費又は概算取得費に一定の相続税額を加算して譲渡所得を計算することとなり、税額が軽減される
 「取得費加算特例」は 「3000万円特別控除」とは併用できない


(*1)「取得費加算特例」
(*2)マイホームを売った場合 譲渡所得から最高3000万円まで控除ができる特例
(*3)特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例 、特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除、特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
(*4)「相続空き家譲渡の3000万円特別控除の特例」

■ 実家が空家になった時の対処
  メリット
売却して現金化 ・管理や維持費の負担から解放
・得た資金を介護費用に充当できる
・相続時に分割しやすくトラブルを回避しやすい
・「居住用財産の特例」の利用が可の場合も
生前に名義を移す(贈与等) ・相続手続きを簡略化できる
・子どもが早い段階で売却や活用を判断できる
保有(親名義のまま) ・贈与税や譲渡所得税を回避できる
・相続時に「小規模宅地等の特例」「相続空家の特例」の利用が可の場合も
  デメリット
売却して現金化 ・控除条件を満たさなければ譲渡所得税が発生
・長年暮らした家を手放すという心理的負担
生前に名義を移す(贈与等) ・贈与税や登録免許税 不動産取得税が発生
・「小規模宅地等の特例」が使えない場合も
・贈与から7年以内に親が亡くなると 相続財産に加算される「持ち戻し」の対象に
保有(親名義のまま) ・空家の維持管理に手間と費用がかかる
・相続時の分割でトラブルになる可能性
特例 内容
「小規模宅地等の特例」 土地の評価額を80%減額できる(居住用の土地の場合 330㎡まで)
「居住用財産の特例」 自宅として利用している住居を売却したとき 譲渡所時から最高3000万円まで控除できる
「相続空家の特例」 一定条件を満たす相続空家を売却したとき 譲渡所得から最高3000万円まで控除できる



 家は 暮らすことで換気や通⽔など 必要な管理ができる 空き家になって⼈が使わないと ⼀気に劣化が進みます 外から⾒ただけでは分からないが 内部はかなり傷んでいる場合も 空き家が劣化する原因を4つ挙げるとすると
・換気不足 カビや湿気が発生する 木材等が腐食したり シロアリが発生したりする
・給排水管・ガス管の劣化 管の内側に付着した異物により腐食や破損したり サビや悪臭の原因に 
・雨漏り手入れがされず放置されると 風雨の侵入により劣化が一気に進む
・害虫・害獣の発生 掃除が行き届かないと害虫が発生したり 害獣が住みついたりしてその糞尿や死骸等により最悪の事態に

 〇 空き家の見回りやメンテナンスは非常に大切です 定期的に行いましょう


■「特定空き家」に認定されると 固定資産税が6倍に


 


・(2023年1月31日)全国でおよそ350万戸とされる居住目的のない空き家のうち、昨年度までに特定空き家に指定されたのはおよそ4万戸、撤去などの措置がされたのは482戸にとどまっている
■「空家対策特別措置法改正」(2023年)(以下 主な変更点)
①「管理不全空き家制度」の新設
 管理が不十分な物件を 「管理不全空き家」(税の減額も解除) に指定して行政が指導する 新たな制度を導入する方針(国土交通省) 「管理不全空き家」放置すれば「特定空き家」になるおそれがある場合に指定され 窓が割れていたり雑草が生い茂ったりしている物件を想定
② 特定空家への対応を迅速化
 空き家が著しく危険な状態にある場合などに自治体が強制撤去する「行政代執行」(通常は所有者が撤去や除却の命令に従わない場合に適用)という仕組みに緊急時の代執行制度を設ける(命令などを一部省略できる)
③ 空家の利活用を促進
 自治体「空家等活用促進区域」を設定可能に 建築基準法等で定められている接道要件や建物の用途の規制などを緩和できる 利活用ができずに放置されていた空家の有効活用が可能に
④ 「空家等管理活用支援法人」の創設
 空家の管理や活用に関する専門知識を持つ民間法人を自治体が指定 指定を受けた法人は 空家の所有者からの相談に応じるほか 調査や管理 空家の活用方法を提案するなどの活動をする
■ 空き家対策等総合支援事業(国土交通省による補助制度)
  市区町村向け
補助内容 ・空家の除却(特定空家等の除却 跡地を地域活性化のために計画的に利用する除却等)
・空家の活用(地域コミュニティ維持・再生のために10年以上活用)等
補助対象 ① ②を満たす市区町村に対して補助
① 空家等対策計画を策定
② 空家徳釈放に基づく「協議会」を設置するなど 地域の民間事業者等との連携体制がある
費用負担割合
  NPO法人・民間事業者向け
空き家対策モデル事業 ・NPO法人や民間事業者による創意工夫をこらした調査・改修・除却工事への支援


  要件の例 所有者の税・費用例
管理不全空き家 ・適切に管理されていない
・倒壊の可能性は低いが一部に破損や変形などがある
放置すれば「特定空き家」になる可能性がある
・固定資産税の住宅用地特例(課税標準額 X 1/6)を解除
特定空き家 ・倒壊など保安上危険な恐れがある
・著しく衛生上有害となる恐れがある
・生活環境保全上 放置すると不適切
・固定資産税の住宅用地特例を解除
・除却の命令に従わないと50万円以下の過料
・行政代執行の費用を負担


・ 「既存(中古)住宅取引」 を安心に進めるため国土交通省「適正な資産価値の査定方法」「建物状況を調査するインスペクション」「瑕疵を担保する保険」の3つの制度を推進
・自宅の「老後に備えるリフォーム」「省エネリフォーム」「耐震リフォーム」等を推進するため様々な「所得税優遇制度」「固定資産税減額制度」「補助や融資等の公的支援制度」が用意されている
 → ブログ「085. 中古住宅購入」をご覧ください

・空き家対策等総合支援事業(国土交通省)(除却事業タイプ)(活用事業タイプ)については
 「空き家再生等推進事業」(国土交通省)をご覧ください

・「相続土地国庫帰属法」(管理できない土地は国庫に納付可能に)については こちらをご覧ください → ブログ「082. 所有者不明土地」

・「住宅セーフティネット制度」については
 → 重点5ポイント その⑤「終の棲家を確保する」をご覧ください

・以下のようなサイトもあります
 「空き家・空き地バンク総合情報ページ」(国土交通省)
 「ニッポン移住・交流ナビ」(移住・交流支援機構)
 「住まいのエンデイングノート」(国土交通省)


■ DIY賃貸借契約


・空家を守るひとつの方法
 貸主は 修繕やメンテナンスを行わず 現状の部屋の状態で賃貸し 入居者が自ら費用を出して部屋の改修を行う賃貸借契約やその物件

〇 DIY賃貸契約のメリット
貸主側 ・入居前や入居中の修繕義務がない(主要な構造部分は貸主負担)
・退去時 DIYの水準によっては 価値が上がっている場合もある
・安くても誰かに使ってもらいたい(お金はかけたくない)場合に重宝
借主側 ・自分好みでリフォームやカスタマイズができるため 愛着がわき 持ち家感覚で生活できる
・自分で修繕するため 自己負担を引き下げることが可能
・通常の契約では 原状回復義務が免除される
・賃料が安く設定されている
● DIY賃貸借契約のデメリット
貸主側 ・DIY中に建築物を損傷する可能性がある
・ニーズがニッチである
・契約時に明確にすべき(細かい)事項が多い
借主側 ・DIYの技術がなく思った通りの仕上がりにならない
・物件が思いのほか古く 理想通りのDIYが難しいことも
・原状回復が必要な契約の場合 費用が多くかかる


 こちらをご覧くださ
  「DIY型賃貸借のすすめ」(国土交通省)
  「DIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブックについて」(国土交通省)


〇 空き家解体費用

住宅の構造 一坪当たりの解体費用 詳細
木造 3~5万円 古い住宅:3万円/坪
新しい住宅:5万円/坪
鉄骨 6~8万円 軽量鉄骨の住宅:6万円/坪
重量鉄骨や鉄筋コンクリート:8万円/坪

● 解体費が増える可能性がある場合
・隣家との距離が近かったり(敷地一杯に建っている) 道路幅が4m未満で 解体で使う中型重機が入らない
・埋設物がある
・大きな庭木や石がある
・アスベスト除去が必要な場合
・建物内の家具等の残存物の撤去費用は別途 



 「空き家再生等推進事業 (除却事業タイプ)」(国土交通省)もご覧ください

・上図出典:信州田舎暮らし


(究極は 「骨太の古民家」ということになるのでしょうか 大黒柱 高い天井 太い梁 上がり框 真っ黒に燻された天井 格子戸 煙出し 大屋根 土蔵 板戸 すりガラス・・・・・
 美味しいお食事・ゆったりの温泉・築100年超の肌ざわり よいですなァ

 「空家に火災保険は必要ない」でしょうか? 空家は 管理しなければ物件価値は落ちていきます 災害で破損することもあります そうなれば 修理にお金がかかります 管理せず放置すると 勝手に侵入される 悪戯される 放火されるなどの可能性もあります
 また 空家を 危険な状態のまま放置した結果 第三者が怪我をした 財物を壊すなどすると損害賠償を受ける可能性もあります

 親から相続した実家 電気・ガス・水道等はそのままで管理のため年に数回滞在 家財も一部そのまま みたいな空家(または 名義だけは変更したが ほったらかし放置の状態)について 名義は 変更したが 保険はそのままだと 何かあった場合 保険会社との間で 問題が生じる場合も そもそも 保険会社によっては 空家の取り扱いについて その対応は様々(中には 取り扱わないとするケースも)保険の名義変更も含め 確認しましょう

2025年09月29日

2022年08月04日

082. 所有者不明土地


 「東日本大震災」(2011年3月11日)今なお続く被災地の復興 その過程において「所有者不明土地問題」が表面化する
 住宅の高台移転や土地の区画整理などのための用地取得の過程で 所有者不明・相続手続き未了の土地が多数見つかり 災害公営住宅の整備が遅れるなど 復興事業に大きな影響をあたえる これを機に「所有者不明土地対策」が進む
 「空き家」とともに「所有者不明土地」も増え続けており 2016年時点で約410万ヘクタール(九州本土より大きい)、2040年には約720万ヘクタール(北海道本島に匹敵)になる予想も
 登記簿を見ても誰が持ち主なのか分からない「所有者不明土地」問題に対応するため 様々な制度改正が行われる

「所有者不明土地」とは?
 相続登記がされないこと等により、以下のいずれかの状態となっている土地
 ① 不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地
 ② 所有者が判明しても、その所在が不明で連絡が付かない土地







■ 相続登記をしないと 様々なリスクや不利益が生じる
● 権利関係の複雑化
・相続登記をしない間に 相続人が亡くなると 関係者(相続人)が増えていく その結果 遺産分割協議をまとめるのが困難となり 手続き費用も高額となる場合も
● 不動産の売却・担保提供ができない
・相続登記が完了していないと いざというときに 不動産を活用できない
● 他の相続人の登記
・長期間放棄している間に 他の相続人のひとりが 相続人全員分の法定相続分を登記する(保存登記)ことも可能 また 他の相続人の債権者が その相続人の持分を差し押さえるというリスクもある
● 公共事業などでの不利益
・再開発や区画整理などの対象となった場合に 権利者としての手続きがスムーズにいかない
・新たな道路やトンネルの整備が困難に 災害復旧の際などに支障が生じる



* 「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法法」(所有者不明土地法)改正

① 所有者不明土地の利用の円滑化の促進  
② 災害等の発生防止に向けた所有者不明土地の管理の適正化  
③ 所有者不明土地対策の推進体制の強化  


*所有者不明土地対策を一括で

改正民法 ・所有者不明の土地に特化した管理制度を新設
・所在不明の共有者がいても土地売却などが可能
相続土地国庫帰属法 ・管理できない土地は国庫に納付可能に
改正不動産登記法 ・相続登記を義務に 登記手続きも簡素化

*所有者不明土地の解消に向けた主な制度改正(23年4月から順次施行)

施行日 改正のポイント
23年4月01日 ・土地・建物に特化した「財産管理制度」の創設
→ 利害関係者が家庭裁判所に申し立てることで管理人を選任
23年4月01日 ・共有物の利用の円滑化をはかる「共有制度の見直し」
→ 他の共有者が地方裁判所に申し立て その決定を受ける
23年4月01日 ・遺産分割協議に期間を設定
→ 相続開始から10年過ぎると 原則法定相続割合で分割
23年4月01日 ・所有者不明土地に関わる「相隣関係の規定の見直し」
→ 隣地を適正・円滑に利用するために
23年4月27日 ・相続土地国庫帰属法を施行
→ 国が一定の要件を満たす土地を引き取る
24年4月01日 ・土地・建物の相続登記を義務化
→ 相続開始から3年以内に誰が どれだけ相続するか登記
→ 登記しなければ10万円以下の過料
24年4月01日 ・相続人申告登記制度を新設
→ 期限に間に合わない場合に 相続人の氏名、住所などを登記
(3年を過ぎても過料の対象にならない 登録免許税も非課税)
24年4月01日 ・DV被害者等の保護のための登記事項証明書等の記載事項の特例
→ DV被害等を受けていて不動産登記簿上に住所を公開されたくない
2026年4月
までに施行
・所有不動産記録証明制度
・住所等の変更登記の申請の義務化
→ 登記しなければ5万円以下の過料
・他の公的機関との情報連携・職権による住所等の変更登記

■ 土地・建物の管理制度

制度 状 況 管理する財産
相続財産管理人 相続人がいない 相続人全員が相続放棄
→ 所有者特定不能の場合は選任困難
負債を含む全財産
不在者財産管理人 所有者や相続人は判明しているが所在不明
→ 所有者特定不能の場合は選任困難
負債を含む全財産
所有者不明土地(建物)管理人 所有者や相続人は判明しているが 所在不明 相続人がいない 相続人全員が相続放棄 所有者特定不能の場合も使える 当該土地・建物のみのスポット的管理



■ 改正民法

個々の土地・建物の管理に特化した財産管理制度の創設

 所有者が不明であったり 所有者による管理が適切にされていない土地・建物に特化した財産管理制度

〇 所有者不明土地・建物の管理制度
 調査を尽くしても所有者やその所在を知ることができない土地・建物について 利害関係人が地方裁判所に申し立てることによって その土地・建物の管理を行う「所有者不明土地(建物)管理人」(弁護士 司法書士等)を選任してもらえる
 管理人は 裁判所の許可を得れば 所有者不明土地の売却等もすることができる
〇 管理不全状態にある土地・建物の管理制度
 所有者による管理が不適当であることによって 他人の権利・法的利益が侵害され又はそのおそれがある土地・建物について 利害関係人が地方裁判所に申し立てることによって その土地・建物の管理を行う「管理不全土地(建物)管理人」(弁護士 司法書士等)を選任してもらえる
 ひび割れ・破損が生じている擁壁の補修工事や ゴミの撤去・害虫の駆除等を管理人に依頼できる

共有関係規定の見直し

 共有物の利用や共有関係の解消をしやすくするために 共有制度全般についての様々な見直し

〇 共有物を利用しやすくするための見直し
・共有物につき軽微な変更(短期賃借権の設定 通路を砂利道からアスファルトに変える等)をするために必要な要件の緩和(全員の同意は不要で 持分の過半数で決定可)
 共有物を使用する共有者がいる場合も同様だが 自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う(別段の合意がある場合を除く)
 賛否を明らかにしない共有者がいる場合の管理に関するルール
 → 裁判所の決定を得て その共有者以外の共有者の持分の価格の過半数により 管理に関する事項を決定することができる
・所在等が不明な共有者がいる場合:他の共有者は 地方裁判所に申し立てて
 → 残りの共有者の持分の過半数で 管理行為(例:共有者の中から使用者を1人に決めること)ができる
 → 残りの共有者全員の同意で 変更行為(例:農地を宅地に造成すること)ができる

〇 共有関係の解消をしやすくするための新たな仕組みの導入
 不動産の共有者は 他の共有者を知ることができず または その所在が不明な共有者がいる場合:他の共有者は 地方裁判所に申し立て その決定を得て 所在等が不明な共有者の持分を取得したり、その持分を含めて不動産全体を第三者に譲渡することができる(*)
(*)所在等不明者は 持分を所得した共有者に対し 持分の時価相当額の支払いを請求することができる(裁判所において 持分に応じた時価相当額の金銭の供託が必要)
(*)譲渡する場合 譲渡の権限は 所在等不明共有者以外の共有者全員が持分の全部を譲渡することを停止条件とするものであり 一部の共有者が持分の譲渡を拒む場合は 譲渡権限を行使できない


遺産分割に関する新たなルールの導入

 遺産分割がされずに長期間放置されるケースの解消を促進する新たな仕組み

〇 長期間経過後の遺産分割のルール
・被相続人の死亡から10年を経過した後にする遺産分割は、原則として、具体的相続分を考慮せず、法定相続分又は指定相続分によって画一的に行うことに(長期間が経過するうちに具体的相続分に関する証拠等(特別受益や寄与分等)がなくなってしまい、遺産分割が難しくなるといった問題があり)半面 相続人は 希望しなくても法定相続分で分けることになる
・期限内に家庭裁判所に調停・審判の申し立てをすれば 10年経過後も法定相続分以外の分割は可能
・期限が過ぎた段階で相続人同士が協議を進めて全員が合意すれば 特別受益などを考慮した分け方も可
・新たなルールは改正法の施行日前に開始した相続についても適用されるが 施行時から5年間の猶予期間が設けられる

*相続発生時期による手続き期日の目安 (施行日前に発生した相続も対象)

相続発生時期 遺産分割協議 期日の目安
・23年4月01日以降
・23年4月01日より前で 10年過ぎる日が28年4月01日以降
発生から原則10年間
・23年4月01日より前で 既に10年経過
・23年4月01日より前で 10年過ぎる日が28年4月01日より前
28年3月末


相隣関係の見直し

 隣地を円滑・適正に使用することができるように 相隣関係に関するルールの様々な見直し

〇 隣地使用権のルールの見直し
 ①境界またはその付近における障壁 建物その他の工作物の築造 収去または修繕②境界調査 ③越境してきている竹木の枝の切取り のために隣地を一時的に「使用する権利を有する」ことを明示 これにより 例えば隣地に実際に使用している者がいない場合でも 土地の所有者は裁判の手続きを経なくても適法に隣地を使用することができる
  もっとも 隣地使用に際しては あらかじめ その目的 日時 場所及び方法を隣地の所有者および隣地使用者(賃借人等)の通知しなければならない ただし あらかじめ通知することが困難な時は 使用を開始した後 遅滞なく 通知することをもって足りる したがって 隣地所有者が不特定または所在不明である場合は 隣地所有者が特定され その所在が判明した後に遅滞なく通知することで足り 公示による意思表示により通知する必要はない
〇 ライフラインの設備の設置・使用権のルールの整備
 ライフラインを自己の土地に引き込むために 導管等の設備を他人の土地に設置する権利や 他人の所有する設備を使用する権利があることを明示 また 設置・使用のためのルール(事前の通知や費用負担などに関するルール)の整備
〇 越境した竹木の枝の切取りのルールの見直し
 催促しても越境した枝が切除されない場合や 竹木の所有者や その所在を調査しても分からない場合 急迫の事情がある時には 越境された土地の所有者が自らその枝を切り取ることができることとした
 また 竹木が共有物である場合は 各共有者が その枝を切り取ることができるとした これにより 竹木の共有者の1人から承諾を得れば 越境された側の土地の所有者などが その共有者に代わって枝を切り取ることができ また越境された土地の所有者は 竹木の共有者の1人に対してその枝の切除を求めれば足りることとなる

〇 こちらもご覧ください
→「所有者不明私道への対応ガイドライン」



■ 相続土地国庫帰属制度


相続等によって土地の所有権を取得した相続人が 土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする制度の創設

  ・相続発生時期に関わらず23年4月27日から申請可能
相続土地の
国庫帰属
・申請できるのは 相続又は(相続人に対する)遺贈によりその土地の所有権を取得した人に限られる(売買などで取得した土地については この制度の対象外)(共有地の場合は共有者全員で申請する必要あり)
・相続開始の時期に関わらず利用できる「例えば50年前に相続した場合でも構わない」(法務省)
・相談当日には 土地を特定する登記簿謄本や土地の写真(ネットで検索できる航空写真でも可(法務省))などを持参したい
・相続に伴って不動産の所有者名義を被相続人から相続人に書き換える「相続登記」を済ませていなくても申請することが出来 この場合は申請時に相続を証明する書類の添付を求められる(「相続人申告登記制度」(相続人の氏名、住所などを登記))
・審査手数料(14.000円 / 登記簿上の土地1個当たり)と10年分の土地管理費用相当額の負担金の納入が必要
・土地の要件:抵当権等の設定や争いがなく、建物もない更地(詳しくは以下の10件に該当しないこと)
・法務局の事前相談がある 利用したい
国庫帰属要件

①~⑩ に該当しない
こと

ハードル
高い
● 「却下要件」①~⑤(申請を受け付けない)
① 建物がある土地
② 担保権または使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地
③ 通路や水道用地 用水路など他人によって使用されている土地
④ 土壌汚染対策法に規定する特定有害物質で汚染されている土地
⑤ 境界が明らかでない土地、その他所有権の存否、帰属や範囲に争いのある土地
● 「不承認要件」⑥~⑩(申請が受理されても承認されない)
⑥ 「(勾配30度以上で高さ5m以上の)崖のある土地」「地割れ 陥没などがある」「鳥獣や病害虫がいて被害が生じている」 など、通常の管理にあたり過分の費用又は労力を要する土地
⑦ 工作物や樹木、車両などが地上にある土地
⑧ 除去が必要なものが地下にある土地
⑨ 隣接する土地の所有者などと争訟をしなければ使えない土地
⑩ その他、管理や処分をするにあたり過分の費用又は労力がかかる土地
国庫帰属までの流れ 備  考
① 承認申請 ●法務局で事前相談(対面・電話・ウェブ)(予約制 無料(1回30分)で何回でも相談可能)
●申請権者:相続または遺贈(相続人に対する遺贈に限る)により土地を取得した者
※共有地の場合は共有者全員で申請する必要あり
・事前相談で引取りの可能性が高い場合は申請し 審査段階に進む
● 法務局は申請を受理すると 土地のある自治体や農業委員会などに情報提供する → 結果が出る前に自治体への寄付 農地のあっせんなどにつながる例も多い
法務局による要件審査・承認 ●実地調査権限あり
・コンクリートなどでできた境界標(目印)があることを示してもらえば「周囲との関係は法務局で確認する」(法務省)
・実地調査で除去の必要があることが判明した場合 通常は法務局から除去の依頼がある 「応じれば不承認にはならない」とされる
●国有財産の管理担当部局等に調査への協力を求めることができる
●運用において、国や地方公共団体に対して 承認申請があった旨を情報提供し 土地の寄附受けや地域での有効活用の機会を確保
③ 申請者が負担金を納付 a 審査手数料(14.000円 登記簿上の土地1筆あたり)
b 10年分の土地管理費相当額の負担金(土地の性質に応じた標準的な管理費用を考慮して算出 詳細は政令で規定)(30日以内)
④ 国庫帰属 ●上記③の負担金が納付された時に承認申請地の所有権が国に移転する
*承認の取り消し
・損害賠償
● 申請の内容に偽りがあった場合や 不正をした場合:当然に承認は取り消され それによって 国が損害を受けた場合は 損害賠償を請求されることもある

・上記出典:国民生活センター
 こちらも参考に「相続土地国庫帰属制度に関するQ&A」(法務省)

地目 負担金算定の具体例
宅地 面積に関わらず20万円
・ただし 市街化区域・用途地域が指定されている地域内の宅地については 面積に応じ算定
田・畑 面積に関わらず20万円
・ただし 以下については 面積に応じ算定
① 市街化地域・用途地域が指定されている地域内の農地
② 農業振興地域の農用地区域内の農地
③ 土地改良事業の施行地域内の農地
森林 面積に応じ算定
その他(雑種地 原野等) 面積に関わらず 20万円

 より詳しくは  相続土地国庫帰属制度の負担金(法務省)

〇 メリット ・いらない土地だけ手放せる
・農地や山林も対象となる
・引き継ぎ先が国であり 業者などを探す必要がない
・引き継ぎ先が国であるため管理が安心できる
・損害賠償責任が限定的
● デメリット ・手続きには費用負担がある
・国に引き継がれるまで時間がかかる
・申請や国の審査に手間や労力がかかる


●「相続土地国庫帰属法」と「相続放棄」の違い

  相続土地国庫帰属法 相続放棄
不要な土地だけを放棄できる? 〇 できる ×できない
相続放棄は「財産債務の一切を相続しないこと」なので 不要な土地など一部の放棄は認められない
土地の帰属先 国庫 他の相続人 特別縁故者 国庫
期限 ×なし
いつ相続した土地でも国庫に帰属させることができる
〇 3ヶ月以内
原則として相続の発生を知ったときから3ヶ月以内に行う必要がある
相続した土地の管理義務は? ×なし
負担金を払う必要がある
状況による
他の相続人または相続財産管理人が管理を始めることができるまで管理する必要がある



■ 改正不動産登記法

相続登記の申請の義務化

 相続が発生してもそれに伴って相続登記がされない原因
〇 相続登記の申請が任意 また その申請をしなくても相続人が不利益を被ることが少ない
〇 相続した土地の価値が乏しく 売却も困難であるような場合には 費用や手間を掛けてまで登記の申請をしようと思わない

 相続登記の申請義務についてのルール
Ⓐ 相続(遺言も含む)によって不動産を取得した相続人はその所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない
Ⓑ 遺産分割が成立し不動産を取得した相続人は 遺産分割が成立した日から3年以内に その内容を踏まえた登記を申請しなければならない
Ⓐ・Ⓑともに 正当な理由がないのに義務に違反した場合 10万円以下の過料に

*相続発生時期による手続き期日の目安 (施行日前に発生した相続も対象)

相続発生時期 相続登記 期日の目安
・24年4月01日以降 発生から3年以内
・24年4月01日より前 27年3月末


相続人申告登記

 不動産の所有者が亡くなった場合 その相続人の間で遺産分割協議がまとまるまでは 全ての相続人が法律で決められた持分(法定相続分)の割合で不動産を共有した状態になる(未分割の状態であっても相続登記義務化の対象)
 この共有状態を反映した相続登記を申請しようとする場合 法定相続人の範囲や法定相続分の割合を確定しなければならないため 全ての相続人を把握するための資料(戸籍謄本など)の収集が必要に そこで
新しく「戸籍証明書等の広域交付制度」が設けられた
 戸籍証明書等を最寄りの市区町村の窓口からまとめて取得することができるようになった
 なお 本人 配偶者 直系尊属 直系卑属のものは交付または請求できるが 兄弟姉妹のものは請求できない また 郵送による請求 代理人による請求および司法書士等による職務上請求も認められない
新しく「相続人申告登記」が設けられました
① 登記簿上の所有者について相続が開始したこと
② 自らがその「相続人のひとりである」こと
を登記官に申し出ることで 相続登記の申請義務を履行することができる(他の相続人の分も含めた代理申し出をすることもできるため この場合 他の相続人も相続登記の申請義務を履行したものとみなされる)
 この申出がされると 申出をした相続人の氏名・住所等が登記されるが 持分の割合までは登記されないので(*)全ての相続人を把握するための資料は必要ない(自分が相続人であることが分かる戸籍謄本等を提出すればOK)
(*)相続によって権利を取得したことまでは公示されないので 「相続人申告登記」は従来の相続登記とは全く異なるもの(登録免許税は課されない)
(**)「相続人申告登記」の申し出をしたものは その後に遺産分割により所有権を取得した場合 遺産分割成立時の追加的義務により 遺産分割成立から3年以内に分割内容をふまえた相続登記の申請をしなければならない

DV被害者等の保護のための登記事項証明書等の記載事項の特例

 DV防止法 ストーカー規制法 児童虐待防止法上の被害者等の対象者が載っている登記事項証明書等を登記官が発行する際 現住所に代わる事項を記載する制度が設けられた(本人からの申出が必要)
 委任を受けた弁護士等の事務所や支援団体等の住所 法務局の住所などが想定されている

所有不動産記録証明制度

 (相続人が被相続人名義の不動産を把握しやすいように)登記官において 特定の被相続人(亡くなった親など)が登記簿上の所有者として記録されている不動産を一覧的にリスト化し 証明する制度が新たに設けられた(2026年2月2日~)


住所等の変更登記の申請の義務化

 登記簿上の所有者の氏名や住所が変更されてもその登記がされない原因
〇 住所等の変更登記の申請は任意 かつ その申請をしなくても所有者自身が不利益を被ることが少ない
〇 転居等の度にその所有不動産について住所等の変更登記をするのは負担

 住所等の変更登記の申請義務についてのルール
 登記簿上の所有者は その住所等を変更した日から2年以内に住所等の変更登記の申請をしなければならないことに 正当な理由がないのに義務に違反した場合 5万円以下の過料に

他の公的機関との情報連携・職権による住所等の変更登記

 個人の場合は住基ネット、法人の場合は商業・法人登記のシステムと連携

 他の公的機関との情報連携により職権で登記がされるようになる
 住所等の変更登記の手続の簡素化・合理化を図る観点から 登記官が他の公的機関から取得した情報に基づき 職権で住所等の変更登記をする仕組みに(この場合 変更登記の申請義務は履行済みとなり 登録免許税は課されない)
 ただし 個人の場合は 住基ネットからの情報取得に必要な検索用情報(生年月日など)を提供する必要がある また 変更登記がされるのは 本人の了解があるときに限られる

⑦土地の相続登記等に対する登録免許税の免税措置

・相続人に対する遺贈を含む相続(一次相続)により 土地の所有権を取得した個人が その土地の相続登記をしないで死亡して二次相続が発生した場合 その死亡した個人を名義人とする相続登記(一次相続に関わるもの)に登録免許税は課されない
・不動産の価格(固定資産税評価額)が100万円以下である土地について 個人が相続登記または所有権の保存登記(表題部所有者の相続人が受けるものに限る)をする場合 これらの登記に登録免許税は課されない
・なお いずれの免税措置も 建物は対象外 適用期限までに申請をした登記が対象


■ 相続登記の手続き
手順 内容
① 対象不動産の特定 登記事項証明書 固定資産税納税通知書 名寄帳などで相続した不動産を特定する
② 相続人の確定 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 相続人全員の戸籍謄本等を取得して相続人を確定
③ 遺産の分割方法の確定 遺言書がある場合はその内容に従う(検認が必要な場合あり)ない場合は 遺産分割協議を行い 遺産分割協議書を作成(法定相続分どおりに相続する場合も登記手続き上は「遺産分割協議書」作成が望ましい)
④ 必要書類の収集 戸籍謄本 遺産分割協議書(または遺言書)住民票 固定資産評価証明書などを準備
⑤ 登記申請書の作成 法務局指定の様式で登記申請書を作成
⑥ 登録免許税の納付 固定資産税評価額 X 0.4% で計算し 収入印紙で納付 一定要件の土地は免税措置あり(2027年3月31日まで)
⑦ 法務局への申請 不動産所在地の法務局に書類を提出 郵送やオンラインも可


(島国・日本 とはいえ 九州・北海道はデカい 別な意味で「美田」である
 そんな広い土地が「所有者不明土地」とは!? 弊害は多く(国には固定資産税も入らず) そんな土地に関わりがあるような人は少し注意が必要です
(詳しくは 「相続土地の登記義務化と国庫帰属制度-原野商法の二次被害防止の視点で」(国民生活センター)をご覧ください 以下 一部引用(原文そのまま))

 原野商法二次被害事案について、次のことが考えられます。
(1)事業者からの勧誘等が増加するおそれ
 相続や住所等変更の登記が義務となった結果、故人名義のまま放置された土地について、現在の所有者または相続人の「住所」および「氏名」が公示されることになるでしょう。これらの情報をもとに、郵便、電話、SNS などさまざまなツールを活用して事業者から相続人等への勧誘が増加することが懸念されます。
(2) 登記の義務化が不安をあおる材料に
 いわゆる「売却勧誘型」の原野商法二次被害では、高齢の所有者の「子どもには負の遺産を残したくない」との心理に付け込む勧誘を行っている点に加え、本改正施行後は、「相続登記申請が義務化され、義務違反は過料処分の対象となった」事実も、不安をあおる材料として利用されることが懸念されます。
(3) 国庫帰属の困難に乗じるおそれ
 前述のとおり、相続土地国家帰属制度の対象となる土地には厳格な要件が定められているため、国庫帰属させることが困難なケースも相当数存在すると思われます。土地所有者としては、当該土地を処分する場合にほかの方法を模索せざるを得ず、こうした状況に付け込む業者が出てくるおそれがあります。
(4)改正法の規定を根拠とする不当請求
 本改正では、例えば、ライフラインの設置・使用権に関する償金・維持費等の支払いの規定(改正民法213条の2)、共有物を使用する共有者の他の共有者に対する自己の持分を超える使用対価償還義務(同249条3項)など、土地の所有者の第三者に対する金銭の支払い義務に関する規定を設けています。
 こうした法改正を受け、いわゆる「管理費請求型」の原野商法では、実際には根拠となる事実が無いのに、当該規定を根拠に不当な金銭請求をする事案の発生も懸念されます(*)

 本改正は、「所有者不明土地の解消」という社会問題の解決策として、大きな意義があります。一方で、前述したように「原野商法二次被害」の新たな被害が生じる懸念もあります。
 本改正をこうした被害から防ぐためには、まずは、本改正の中身を正しく周知すること(例えば相続登記申請義務化は「厳罰化」を意味するものではなく、不安をあおる材料とはならないことなど)が重要であると考えます。
 また、将来的な大きな課題となりますが、本改正の施行後の状況を踏まえつつ、原野商法の対象となった不動産等も含め、国土(私有地)の適正な管理・処分等のあり方について、諸外国の制度なども踏まえ、さらなる検討を重ねることも重要となるでしょう

(* )例えば、現在でも、別荘地の共有部分(私道)の共有者に対し、管理行為をしたと架空の事実を主張して、民法253条(共有物に関する管理費用はその持分に応じて負担する)に基づき、共有者に請求する事案など、民法の規定を根拠に不当請求を行う事案等がある

2025年10月20日


2022年07月28日

081. おもてなし

・(2013年09月09日)「お・も・て・な・し おもてなし」と IOC総会のプレゼンで 滝川クリステルがスピーチ


・(2015年4月08日)→「成田国際空港」LCC(低コスト航空会社)専用の第3旅客ターミナル オープン ジェットスター・ジャパンとジェットスター航空、バニラエア、春秋航空日本、チェジュ航空の5社が乗り入れ

・(2016年10月31日)観光庁「2016年の訪日外国人観光客が2000万人を超えた」と発表(通年で2400万人に)
 (1~9月の訪日客の内訳)トップは中国の500万人(韓国、台湾、香港等を含む東アジアでは全体の7割)比較的安価なクルーズ船の利用急増が貢献(1~9月の外国船の寄港は1176回と前年同期比1.5倍)
 政府は2020年の訪日外国人観光客数の目標を年間2000万人から4000万人に倍増させ 2030年には6000万人を目指すとする

・(2017年7月28日)成田国際空港 1978年5月20日の開港以来 利用旅客数が累計で10億人突破



・(2018年12月18日)日本政府観光局「年初からの訪日外国人が3000万人を突破」と発表(通年で 3.119万人)初めて1000万人を超えたのが2013年 わずか5年で3倍に
 訪日外国人の消費額は、観光庁の「訪日外国人消費動向調査」では4兆5.064億円に しかし「オーバーツーリズム」「観光公害」等観光客増加の負の側面も


・「オーバーツーリズム」「観光公害」(観光客増加の負の側面)


・一方 訪日外国人にも不満がある(旅行中に困っています)
・コミュニケーションがとれない ・外国語サービスが少ない
・多言語表示が少なく 分かりにくい
・施設や食堂等(特に地方)で外国語が通じない
・無料Wi-Fiの整備が 遅れている
・レンタルWi-Fiを利用せざるを得ず面倒
・Wi-Fi が本当に通じずらい
・飲食店への不満 ・食券販売機が 複雑すぎて理解不能
・値段の割に量が少ない
・食べ方が分からず 店員も教えてくれない
・禁煙スペースが充分でない
・支払い 両替 への不満 ・現金しか使えない店が多い
・ATMでの日本円の引き出しが困難
・両替することにストレスを感じる
・公共交通機関の利用について ・駅構内や乗り換えの仕方が複雑で理解できない
・割引切符サービスが あるのか ないのかよくわからず利用しずらい
・公共交通機関は 親切そうで 実は不親切を感じる
・その他 ・どこに行っても人がいっぱいで うんざり
・公共のトイレが不適切
・体験型ツアーがまだまだ少ない

・(2020年2月01日)→「エアポートバス東京・成田」運行開始(成田空港~東京駅八重洲南口 運賃1000円(現在は1500円)往復284便/1日 5~10分間隔)

・(2020年2月03日)新型コロナウイルス(COVID-19)への集団感染クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」横浜の大黒埠頭沖に停泊 乗員・乗客(56の国・地域の)3.711人



・(2020年3月29日)→「羽田空港」 第3ターミナル(T3 旧国際線ターミナル)のほか、これまで国内線用施設だった第2ターミナル(T2)南側エリアを拡張 国際線ターミナルとして供用開始


・(2020年4月)訪日外国人数が、前年同月比-99.9%




・(2020年9月10日)→「東京国際クルーズターミナル」開業
*晴海ふ頭の晴海客船ターミナル:レインボーブリッジ(高さ52m)により大型クルーズ客船の寄港は困難

・(2021年7月23日)「緊急事態宣言」「無観客」で「東京2020オリンピック」開幕





・(2022年5月24日)世界経済フォーラム 各国の観光産業の競争力「観光競争力」をランク付け 日本初の首位に「交通インフラの利便性」「自然や文化など観光資源の豊かさ」「治安の良さ」などが高く評価される
 ただ、現在の日本は「令和鎖国」とも揶揄(やゆ)される特異な入国規制 コロナとの共生に軸足を置く欧米諸国に大きく出遅れている 

・(2025年4月13日)→「大阪・関西万博(2025年 日本国際博覧会)」開幕


・上図出典:ABHP.net



・(2025年7月20日)新造クルーズ船「飛鳥Ⅲ」(定員:740人)(日本郵船)就航「飛鳥Ⅱ」(定員:872人)と共に2隻体制に
 2024年12月1日に就航した「MITSUI OCEAN FUJI」(定員:458人)(商船三井)は 竣工:2009年6月(2023年2月には商船三井が購入)にっぽん丸(定員:449人)と共に2隻体制に
 2028年には オリエンタルランドが 日本で「ディズニー・クルーズ」(定員:約4000人)参入予定(現在は カリブ海等で就航中)(日本郵船が運行管理を担当予定)


■ 日本と海外のクルーズの旅の比較(例)

郵船クルーズ   ロイヤル・カリビアン
秋の日本一周クルーズ(12泊13日 2025年9月23日出発 横浜発着) ツアー名 韓国・台湾・ベトナムクルーズ(13泊14日 24年10月15日出発 シンガポール発/横浜着)
飛鳥Ⅱ(5万444トン 定員:872人) 使用する船 スペクトラム・オブ・ザ・シーズ(16万9379トン 定員:4905人)
73万5250円 料金(最も安いクラス) 1256ドル(約18万8000円)(別に政府関連税・港湾使用料147ドル)
ラグジュアリー(きめ細かいおもてなし)で 約6万1300円 1泊当たり料金 カジュアル(豊富なアクティビティー)で約1万5000円

*上記出典:BSテレ東

■ 「クルーズにおけるカボタージュ規制」
 人・物を国内輸送できるのは自国籍の船に限られるという規制(外国船籍の船が日本国内の港を周遊する際に、必ず外国の港に最低1回は寄港しなければならないという規制)
 これにより 「外国船社の安いクルーズ客船の参入が阻止され、日本船社の高い旅行代金の少数のクルーズ客船の体制の維持につながっている」


・(2025年7月25日)「ジャングリア沖縄」(沖縄県今帰仁村・名護市)開業

 



(訪日外国人観光客が感じる「不便さ・不満」は軽減されていくでしょうか? この数年 コロナ禍の影響もあり キャッシュレス決済やWi-Fi 環境は 大きく改善され また 多様性社会において 公共機関等の対応も " 改善せざるを得ない "という感じです また 「ポケトーク」(2018年登場)の存在が大きい(アプリ「ポケトーク」も登場)
(当時 旅行会社にいたころ 添乗員として同行した際 よくツアー客が カメラを壊したとか カメラを盗まれたとか カメラを紛失したとか(やたらとカメラが多い)があった  帰国後「海外旅行傷害保険」 保険金を請求するのだが 書類に 日時・場所・損害額 その時の状況等を記入し 証人として他にいなければ 添乗員として署名する カメラの商品名だけで 領収証もないし 型番等も曖昧 しかし  100% ほどなく保険金は下りる(対応は非常にスピーディー また 海外旅行傷害保険の手数料収入が半端なかったことも覚えている)


・2024年の年間訪日客数 36.869.900人 前年比で47.1%増 2019年比で15.6%増 過去最高だった2019年の31.882.049人を約500万人上回り 年間過去最高を更新


2025年10月19日

2022年07月14日